はじめに
プランターでも
じゃがいもは畑がなくてもプランターで深さや大きさを適切なものを選び、日当たりなどの栽培環境を整えることでたくさん自宅でも収穫できます。掘り立てのじゃがいもを味わえるのは家庭菜園の醍醐味です。
じゃがいもをたくさん収穫しよう!
じゃがいもの育て方を土づくりから植え付け方法、初心者がつまづきがちな水やりや肥料の与え方と日当たりや植え付けに適した時期を解説します。栽培のコツを押さえてじゃがいもをたくさん収穫してみましょう!
じゃがいもとは?
ナス科の野菜
じゃがいもはナス科に分類される多年草です。痩せた土地でも育てることができるので世界中で重要な栄養源として長く栽培されてきました。保存性も高いため現在では生産したじゃがいもを保存しながら出荷しているので1年中食べられる野菜として親しまれています。
南米原産
じゃがいもは南米・アンデス山脈付近が原産と言われており、まず15世紀にヨーロッパに伝来しました。日本に入ってくるのはもう少しあととなり、江戸時代にもたらされ日本でも各地で生産されるようになりました。そのため土地によってさまざまな呼び方がされており、土地に根差した野菜となりました。
痩せた土地でも育つが
じゃがいもは痩せた土地でもよく育ちます。じゃがいもに限らずナス科の植物は連作障害が現れやすく、続けて同じ場所や土で栽培すると病気にかかりやすくなったり、大きく育たない原因となります。一度ナス科の植物を育てた場所や土は数年は間を開けてからナス科植物を植えるようにしましょう。
じゃがいもプランター栽培に必要なもの
じゃがいも栽培に必要なもの
じゃがいも栽培に必要なものは種芋、野菜用培養土、鉢底石、スコップ、化成肥料、じょうろ、プランターです。なくても構いませんが、園芸用の手袋があるとじゃがいもを育てる手順をする時に手が汚れにくくなります。プランターの深さや大きさは大きければ大きいほどたくさん収穫をすることができます。
プランターの大きさの目安
プランターが大きければ大きい程いいと言っても目安がないと選ぶ時に迷ってしまいます。プランターの大きさと深さの目安は大きさ30L以上、深さ30cm以上のプランターを選ぶようにしてください。これくらいのサイズのプランターだと株間をしっかり取って3つの種芋を植え付けることができます。植える数によってサイズは調整しますが、深さは30cm以上のプランターを準備しましょう。
じゃがいも種芋選びのコツ
良い種芋を見分けるコツ
じゃがいもはウィルスなどに罹っている可能性があるので普段食べているものは種芋としてふさわしくありません。日本で流通している種芋は法律によって定められた基準を満たしているものしか流通しない仕組みになっていますのでホームセンターなどで販売されている種芋であれば安心です。見た目で見分けるコツとしては重量感があり、皮に張りがあるものを選びましょう。最後に念のためカビや変色部分がないかをネットの外からでも一つ一つ確認しましょう。
あまりよくない種芋だと
種芋は他の植物と同じく状態や管理がよくないと発芽しなかったり、発芽しても生長が悪いおそれがあります。よい種芋を選ぶことで元気な芽を出してたくさんじゃがいもを実らせてくれることにつながりますので、少しでも状態のよい種芋を選びましょう。
じゃがいもプランターでの植え方・コツ①土づくり
じゃがいも栽培に向いた土づくり
じゃがいもは痩せた土地でも育てることができる野菜として世界中の麦や米が実りにくい地域で育てられてきました。そのため土づくりに気をつけるのは連作障害と酸度の調整を気にかけてあげるようにします。トマトやナスなど同じ科の植物を育てた土は避けてください。
酸度を意識しよう
初めて使う野菜用培養土であれば多くの場合、弱酸性に調整されています。じゃがいも栽培にむいたpH値は5.0〜6.0の間となっていますので土のラベルに記載されている数値を参考にしましょう。他の作物を作った土をじゃがいもの植え付けに使う場合は試験紙を使い調整しましょう。じゃがいもが酸性の土地に強いといっても酸度が高過ぎると生育不良になってしまいますので、苦土石灰を混ぜて調整します。
じゃがいもプランターでの植え方・コツ②植え付け時期
植え付け時期は2回ある
中間地や暖地を基準にするとじゃがいも栽培に適した植え付け時期は1年に2回あります。春と秋に植え付けることができますが、比較すると春に植え付けた方がより大きくたくさん収穫することができますので、初心者が初めて栽培する時は春に挑戦してみましょう。
植え付け時期①春
じゃがいもを春に植え付ける時は3月には植え付けしましょう。じゃがいもは植え付けてからおおよそ100日後に収穫できますので、3月の上旬に植え付けたとしたら6月の中旬には収穫できます。収穫時には晴れた日の方がじゃがいもを傷めにくいので地域ごとに梅雨入り前か、梅雨の後に収穫できるように時期を調整しましょう。
植え付け時期②秋
寒冷地以外ではじゃがいもを秋にも植え付けることができます。秋に植える時は暑さがましになってきた8月下旬から9月上旬に植えてみましょう。収穫は同じく100日後を目処にしてください。大きさや収穫量は春の育て方と比べると落ちますがデンプン質が多く、ほくほくとした食感のじゃがいもを栽培できます。
じゃがいもプランターでの植え方・コツ③植え付け方法
まずは種芋を準備しよう
種芋を準備することからじゃがいも栽培は始まります。種芋を1片あたり40g程度を目処に新芽が均等に付くように清潔なナイフで切り分けます。大きさが小さい種芋の場合は切らずに植えます。切った種芋を腐敗防止と芽が良く生長するように植え付けの2週間から4週間前に雨の当たらない場所でよく日光に当てます。全体的に日当たりするように何度か種芋を動かすようにしましょう。
プランターへの植え付け方
まずプランターへ鉢底石を敷き詰め、培養土をプランターの半分の深さまで入れます。そこへ種芋を20cm間隔で植え付けます。種芋を切り分けた場合は切り口が下を向くように植えてください。種芋を置いたらプランターの上から3cm程度の深さを残して覆土し、水やりをします。じゃがいもは加湿状態を嫌いますので発芽するまでは水やりは控えましょう。
じゃがいもプランターでの植え方・コツ④間引き
大きなじゃがいもを作るには間引きが大切
じゃがいもを植え付けてから約2週間で発芽します。間引きをして元気な芽を選んで残すことで大きなじゃがいもを育てることができます。栄養を分散させないために間引きが必要と考えてもらえるとわかりやすいかもしれません。
間引き方法
間引きをする時は種芋が植え付けた深さよりも上に上がることを防ぐために間引きする新芽の生えている土の上をしっかりと押さえて引き抜きましょう。じゃがいもは生育中に光を当ててしまうと毒素を生成してしまいますので間引きをした後は光に当てないよう、元の深さと同じになるように土寄せをするか、土を追加して入れましょう。土寄せをしっかりと行うと苗倒れを防ぐ効果もあります。
間引きしないと
間引きをせずに育てると小さなじゃがいもが多くなります。家庭菜園でじゃがいもを育てるときにわざと間引きしない株を作って大小さまざまな大きさにじゃがいもを育ててみることもたのしいかもしれません。
じゃがいもプランターでの植え方・コツ⑤水やり
植え付けてからの水やり
植え付けてからの水やりは先にも解説したように発芽するまでは不要です。早く発芽させようと水やりをしても腐敗させてしまう原因になりますので新芽が出てくるまでは我慢して観察しましょう。
新芽が出てからの水やり
新芽が出てからの水やりの目安は土が乾いたのを確認してから水やりをしましょう。発芽以降も土の状態は乾燥気味を維持して育てるようにしてください。
水やりし過ぎると
水やりし過ぎると生長が止まったり、最悪の場合腐敗から枯れてしまうことに繋がります。
じゃがいもプランターでの植え方・コツ⑥肥料
肥料の与え方
じゃがいもへ肥料は2回施します。それぞれ肥料を与える時期や注意点を解説します。どちらともに共通する点としては肥料を株元へ直接置かず、プランター全体にばら撒いて当たらないようにすることが肥料を与える時のコツです。直接当ててしまうと根が肥料焼けしてしまいます。
肥料1回目
じゃがいもの肥料1回目は新芽が出揃って間引きをした直後です。土寄せする前にプランター全体に1株あたり5gを目処に化成肥料を与えます。土が足りずプランターの上から土を足す場合には土づくりしたときに肥料が入っているものを足す時は化成肥料は控えましょう。土づくりした時に肥料が少ない土の場合は化成肥料の分量を調整しながら与えてください。
肥料2回目
じゃがいもの肥料2回目は1回目から2週間から3週間後に与えます。方法や分量は1回目と同じように与えるようにしてください。2回目は1回目よりもじゃがいもの大きさが充実してきていますので、しっかりとした土の深さを確保するように土寄せ、土増しを行いましょう。
花が咲いてから
花が咲いてからは肥料は不要です。日当たりのよい場所で適切な水やりをして乾燥気味に管理しましょう。花を摘む必要もなく葉が変色するまで待ちましょう。花後の変色は病気や肥料切れではありません。この時期にじゃがいもは根に栄養を貯めて大きさを充実させています。
じゃがいもプランターでの植え方・コツ⑦収穫
収穫時期
収穫時期は植え付けてから約100日後です。植え付けからの日にち以外の目印としてはじゃがいもの葉が黄色くなってきた頃合いを見計って探り掘りをしてじゃがいもの生長状態を確認してみましょう。また土が湿っている時に収穫すると傷みやすくなるので日当たりのよいお天気の日を選んで収穫することもコツです。
収穫方法
じゃがいもの収穫方法はまず茎をハサミで切り取ります。引き抜くように収穫してもよいのですが、傷つけてしまう可能性がありますのでプランターの場合は横倒しにして土ごと出すように収穫するとじゃがいもを傷つけることなく掘り出すことができますのでおすすめです。収穫後は土を落として半日ほど日当たりのよいところで乾かすと日持ちがよくなります。
じゃがいもプランターでの植え方注意点①栽培環境
気温
じゃがいもの生長に適した温度は10度から25度の間です、この温度帯の中でももっともじゃがいもが根の大きさを肥大させる温度は17度程度となっています。住んでいる地域によって17度が続く日が異なりますので生長時期を適温になるように逆算して植えるとよいでしょう。
日当たり
じゃがいもは根の部分に日当たりさせると毒素を生成して緑色に変色してしまうので深さを維持するための土寄せが重要ですが、出てくる芽にはしっかりと日当たりさせることで光合成を盛んに行い、大きさのあるじゃがいもを育てることができます。ベランダで栽培するときもできるだけ日当たりのよい場所を選ぶようにすることがコツです。
じゃがいもプランターでの植え方注意点②害虫
害虫①アブラムシ
アブラムシは茎や葉に寄生して汁を吸います。アブラムシの増えるスピードはとても速いのでこまめに葉の裏まで観察してアブラムシが付いていないかを確認しながら育てるようにしましょう。またモザイク病を媒介するので寄せ付けないように忌避剤を使っておくと予防に有効です。
害虫②センチュウ
センチュウはとても小さな害虫で目視では寄生しているか判断できません。根腐れや変色などから寄生されていることを発見する場合がほとんどです。対策としてはナス科植物を栽培した土を土づくりの時に使わないようにしたり、マリーゴールドなどを寄せ植えして土壌環境に多様性を持たせるようにすると有効です。
じゃがいもプランターでの植え方注意点③病気
病気①疫病
疫病は初期症状として葉が褐色化し、裏面には白いカビが発生します。疫病が進行すると枯れるだけでなく蔓延してプランター丸ごと感染してしまうリスクがあります。水のやりすぎや土づくりするときにチッ素が多過ぎることなどが原因です。環境を整えて強い株を作ることが1番の予防策となります。
病気②モザイク病
モザイク病は葉がモザイク状の黄色い変色が初期症状です。アブラムシが媒介するため、病変が見られたら株全体にアブラムシが寄生している可能性があります。葉の裏や茎を良く確認してアブラムシが多く寄生していたら殺菌殺虫剤を散布しましょう。その後病変しているところは切除してプランターに広がらないように処置しましょう。
まとめ
じゃがいもをプランター栽培してみよう!
じゃがいもは痩せた土でも育ちますが、土づくりや日当たりなど栽培環境を整えてあげるように育てると大きなじゃがいもがたくさん収穫できます。温度に敏感なので植え付けする時期は気温と相談しながら行ってください。プランターの深さや大きさに合わせてじゃがいもは育ちますのでできるだけ大きなプランターで栽培しましょう。初心者でもコツをしっかりと押さえれば簡単に栽培し、収穫できますので自宅の庭やベランダでじゃがいもを育ててみましょう!
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