はじめに
料理に活躍!
にんにくは料理の主役にも香味としても大活躍する野菜です。そんなにんにくを自宅のプランターで育てることができれば美味しさもより一層増します。日本で流通している国産のにんにくは冬の寒さが厳しい青森県産のものが多くなっています。栽培する地域によって品種を考慮しなければなりません。
植え付け〜収穫まで育て方のコツを解説!
にんにくをプランターで栽培するときに必要なものから地域ごとに育ちやすい品種を紹介します。にんにくの育て方のコツを植え付けから収穫までに分けて解説します。また栽培方法に併せて、病害虫に強いにんにくのプランター栽培で注意すべき病気と害虫、その対策法を紹介しますので、にんにくの育て方のコツを覚えて自家製にんにくを栽培して美味しい料理の主役や香味として使ってみましょう!
にんにくの育て方の1年の流れ
にんにくの植え付けから収穫まで
まずはにんにくの育て方の流れを紹介します。にんにくの植え付けは9月中旬から10月中旬となり、冬を越します。その間に追肥を複数回繰り返し管理していきます。
にんにくは暑さで
にんにくは夏の暑さで休眠状態に入り、冬の寒さで生長が止まります。寒冷地向き品種・暖地向き品種と生態サイクルが異なりますのでお住まいの地域に合わせた栽培品種選びが最も重要です。当記事で指す寒冷地は関東より東を寒冷地、関東より南を暖地としていますのでお住まいの地域ごとに最適な品種を選ぶようにしてください。
温かくなったら収穫
気温が上がりだすと花芽が育ってきます。花芽とはよく食べるにんにくの芽のことです。にんにくの芽を摘み取ることでにんにくの球根を大きく肥大させることができます。その後収穫時期となり、5月から6月の間が収穫に適した時期です。
にんにくプランター栽培に適した環境
置き場所
にんにくの育て方を考える上で栽培に適した環境を整えることが美味しいにんにくを収穫するために重要です。基本的には他の野菜と同じように水捌けの良さと日当たりの良い場所を選ぶことをおすすめします。ニンニクは冬の時期になると休眠に入りますが、他の時期は日光を浴びて大きくなりますので置き場所には配慮しましょう。
水分量
にんにくは加湿に弱く、乾燥に強い野菜です。そのため土の水分量は乾燥気味に管理しましょう。他にもプランターの場合は水が抜けやすいように水抜き穴は必ず開いている状態にし、さらに鉢底石を敷いて加湿状態にならないようにしてください。
にんにくプランター栽培に必要なもの
必要なものとプランターサイズ
にんにくの育て方は他の野菜と同じく土・肥料をはじめとした栽培用品があれば育てることができます。一から始める人のために「これがあればにんにくを育てられる」というものとにんにくを育てるのに適したプランターサイズを紹介します。
必要なもの
にんにくの栽培に必要なものはプランター・野菜用培養土・にんにくの球根・化成肥料か液肥・スコップ・園芸用はさみ・じょうろがあれば栽培を始められます。
プランターサイズの目安
プランターサイズの目安は幅60cm以上、奥行き20cm以上、深さは25cm程度のサイズを選ぶようにしましょう。このサイズだと3×2列で6株栽培することができます。植え付ける球根の個数でサイズを調整しましょう。
にんにくのプランター栽培は品種に注意
たくさん品種があるが
にんにくはスーパーなどでよく見かけるホワイト6片という品種のイメージがありますが、栽培する地域の温度帯によって植え付ける品種を考慮しましょう。「寒冷地」「暖地」とパッケージに記載されていますので表記を参考に品種を選ぶようにしてください。ここでは寒冷地向き・暖地向きの品種を1つずつ紹介します。
寒冷地向け品種
寒冷地向きの品種は「ホワイト6片」です。「ホワイト6片」は青森県でもっとも栽培されている品種で、冬の寒さに当たることで温かくなってから花芽を成長させます。暖地で育てようとしても、冬の寒さが足りないため、球根を大きくさせることができません。
暖地向け品種
暖地向きの品種は「平戸」です。見た目はホワイト6片に似ていますが、暖地向けの品種となっており、ホワイト6片の逆で寒冷地の栽培には不向きです。暖地にお住まいの方が栽培するようにしましょう。
にんにくプランター栽培のコツ①土づくり
土の酸度に注意
にんにくの育て方で注意する必要があるのが土の酸度です。にんにくは弱酸性の土壌を好みますので酸度は「6.0」を目安に土づくりをしましょう。自分で配合する場合は苦土石灰を植え付ける2週間前には混ぜ込み土に馴染ませ、培養土を購入する際は酸度の表記を参考に土を選ぶようにしてください。
土を自分で配合するとき
土を自分で配合するときはユリ科以外の作物を作った土に牛糞を堆肥として1kg混ぜ込み、そこへ化成肥料50gを合わせて、最後に酸度調整のために苦土石灰を一掴み混ぜます。植え付ける2週間前までに準備を済ませておきましょう。
連作障害に注意
自分で堆肥を混ぜて土づくりをするときに注意してもらいたいのが同じユリ科を育てた土でないことを確認してから使うようにしましょう。連作障害が発生すると生育不良や病気の原因になります。
培養土を使うとき
培養土を使うときは野菜用の培養土の中から選びましょう。酸度と水捌けに気をつければ特に問題はありません。パッケージの表記をよく確認してから購入しましょう。
にんにくプランター栽培のコツ②植え付け時期
植え付け時期は秋
にんにくは寒さを越すからおいしくなると言われているように、秋に植え付けをします。寒冷地・暖地と植え付ける時期は同じく秋なのですが、それぞれ植え付けに適した期間が異なります。寒冷地・暖地の植え付けに適した期間を解説します。
寒冷地の植え付け時期
寒冷地の植え付け時期は9月中旬から9月いっぱいまでとなっています。これはにんにくが冬に生長が鈍化してしまうことと関係があります。冬を迎えるまでに根をしっかりと張らせるため9月中には植え付けを済ませておく必要があります。
暖地の植え付け時期
暖地の植え付け時期は9月下旬から10月頃となります。暖地の場合は寒冷地と比べて暑さが長引くので早く植えてしまうと暑さに弱いニンニクが腐敗してしまうおそれがあります。
にんにくプランター栽培のコツ③植え付け方法
植え付け方法・手順
にんにくの植え付け方法と手順を解説します。ニンニクを植え付けるときは水捌けがよくなるようにプランターの準備をしましょう。そしてにんにくを植え付ける時には球根の向きが重要です。それぞれ手順ごとに解説します。
植え付け①プランター準備
まずはプランターを準備します。サイズは冒頭に紹介したように準備をしてください。プランターの底に水捌けがよくなるように軽石を敷き詰めてから土を淵から2cmまでを目安に入れます。60cm幅のサイズで最大6個まで植え付けることができます。土へ植え付け穴を5cmを目安に開けましょう。
植え付け②種まき
種まきをするときはまず外皮を剥いて1片ごとにばらばらにします。薄皮は付けたままで構いません。必ず球根の尖った方を上にしてから種まき穴に入れてください。方向を間違えると発芽しません。最後に薄く覆土して水やりをすれば植え付けは完了です。
にんにくプランター栽培のコツ④手入れ
手入れのコツ
にんにくは他の野菜と比べると病気・害虫の心配が少なく、日常の手入れをしっかりとすれば生長してくれます。手入れのコツを分けて解説します。
水やりのコツ
にんにくは乾燥に強い一方で加湿には弱いため、水やりのコツとしては周囲の土を少し掘り返して乾いているのを確認してから水やりをしましょう。冬は生長が止まりますので寒い時期になれば気温に合わせて水やりを減らすようにしましょう。
雑草が生えたら
プランター栽培でもまれに雑草が生えてくることがあります。雑草が生えていると養分を取られるだけでなく、雑草に害虫が付いてしまい、間接的に被害を受ける可能性があります。雑草が生えてきたらすぐに抜き取りましょう。
にんにくプランター栽培のコツ⑤追肥時期・方法
追肥は時期は3回
にんにくの追肥は3回行います。にんにくは球根を大きくするためにたくさん肥料を必要としますので定期的な追肥を必要とします。思っていたよりもサイズが大きくならないときは肥料の頻度をチェックしてみましょう。
追肥の時期
追肥1回目の時期は植え付けてから3ヶ月経った12月に1回目の追肥を与えましょう。それ以降の追肥2回目は2月、3回目は3月に与えるようにしてください。
追肥の方法
追肥の方法は直接葉や根に当たらないように株の周辺に化成肥料をばら撒きます。基本的にはそれだけで追肥は完了なのですが、2回目・3回目の追肥は株倒れを防ぐために化成肥料を施したあとに周囲の土を株元に寄せる株寄せを行いましょう。
液体肥料を使う場合
追肥に化成肥料を使う場合は植え付けをして1ヶ月後から月に1回を目安に3月まで水やりに置き換えて行うようにしましょう。
にんにくプランター栽培のコツ⑥花芽摘み
春になったら
植え付けをしてから冬の寒い日々を土の中でじっと待っていたにんにくは温かくなったのを合図に芽吹いてきます。しかし芽吹いてくるのをそのままにしておくとにんにくが大きくなりませんので摘蕾(てきらい)をしましょう。漢字で書くと何のことかわかりませんが、つぼみとなる花芽を摘み取ってしまうことを指します。
なぜ花芽を摘むのか
花を付けるということは種を作る準備をしているということです。そのままにしていると花を咲かせたり、種を作るために栄養を使ってしまいますので球根を肥大させることができなくなってしまいます。花芽が伸びてきたのを確認したら手で折りとってしまいましょう。にんにくの芽として食べることができます。
花芽を摘むときの注意!
花芽を摘むときの注意は「ある程度のサイズになるまで待つ」です。栄養の分散を心配するあまり、花芽が小さいうちに摘み取ろうとすると生長点を傷つけてしまう可能性があります。花芽が他の葉と同じくらいのサイズになるのを待ってから摘むようにしましょう。
にんにくプランター栽培のコツ⑦収穫時期
収穫時期を逃さないように
花芽を摘んだにんにくはどんどんと球根に栄養を蓄えて大きくなっています。収穫時期の目安は夏野菜を植え付け始める5月下旬から6月までとなっています。たくさん植えている場合は試し掘りをしてから状態を確認して全て収穫するようにしましょう。収穫が遅れると球根が割れてしまうことにつながります。
収穫の目安
地上から見てわかる収穫の目安は葉の色です。にんにくの葉が黄色く変色してきたら収穫の合図となります。
にんにくプランター栽培のコツ⑧収穫方法
収穫方法は2通り
収穫方法は2通りあり、1つは株の根元に近いところを手で持って引き抜きます。もう1つは株の周辺にスコップを入れて周りの土を崩しながら収穫します。基本的には手で引き抜くことができますが、土が固くなっているときは土を崩しながらの収穫をするように収穫方法を分けましょう。
収穫したら
収穫したにんにくは根の部分を切り落とし、茎をつけたまま軒下で自然乾燥させます。5日ほどで乾燥しますので茎を切り、ネットなどに入れて室内の冷暗所や冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。
にんにくプランター栽培のコツ⑨病気
にんにく栽培で注意する病気
にんにくは基本的には病気に強い野菜です。しかし「絶対に病気にならない」という訳ではありませんので、にんにくが罹りやすい病気とその対処法を解説します。
病気①赤サビ病
赤サビ病はにんにくの葉に赤サビのような見た目の病変を起こすため赤サビ病と呼ばれています。肥料の過不足や日光不足などが原因とされますが、連作障害でも起こり得る病気ですので、病変分を見つけたらまずはその部分を切除してしまいましょう。その後、栽培環境を適性になるように見直すことで改善できる可能性があります。株全体に蔓延している場合は被害を拡大させないため、引き抜き処分してしまいましょう。
病気②春ぐされ病
春ぐされ病は水捌けの悪い土壌で発生しやすい病気です。最近が原因の病気となり、そのままにしていると葉・茎がやわらかくとろけるように腐ってしまいます。治療することができないので病状が出ている株がある場合は速やかに抜き取って処分しましょう。
にんにく栽培で注意する害虫
にんにくは害虫がつきにくい野菜ですが、にんにくそのものよりも周りに生えている雑草から害虫が付いてしまう可能性があります。注意する害虫と対策を解説します。
害虫:アザミウマ
アザミウマはにんにくに直接付く害虫というよりは雑草の汁を吸っていたアザミウマがにんにくに付着して食害を起こしてしまいます。食害部からウィルスを媒介して球根を傷めてしまう原因にもなります。こまめに雑草を抜いてアザミウマを近づけないようにすることが一番の対策となります。
まとめ
にんにく栽培のコツを覚えて育ててみよう!
にんにくは青森県の冬を越して美味しくなるイメージがあります。しかしプランターでも品種や栽培のコツを押さえることで栽培することができます。まずはにんにく栽培に適した環境づくりや栽培に必要なものを揃えましょう。土づくりから収穫まで育て方のコツを覚えて自宅のベランダや庭でにんにくを育てて収穫し、料理に使ってみましょう!
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