はじめに
初心者がはじめるオクラのプランター家庭菜園
オクラは種からでも育てやすい家庭菜園初心者にもおすすめな野菜。鉢やプランターでも簡単に育てることができるので気軽に初めてみてはいかがですか?もちろん畑など地植えで育てることも可能な野菜ですが、今日は初心者の方に向けたオクラのプランター栽培のやり方について解説していきましょう。ベランダ栽培で野菜を作ってみたいと思われている方必見です。
オクラについて
育て方を見ていく前にオクラの基本情報やその特徴・おすすめの品種などからまずご紹介します。基本情報は育て方ヒントにもなりますし、たくさんある種類の中から人気の品種を知ることで苗や種を買う時に迷いにくくなるでしょう。
基本情報
科・属:アオイ科アオイ属
原産地:東北アフリカ原産
学名/英語名:Abelmoschus esculentus Moench/OkraまたはGombo
特徴
オクラは五角形で緑色の野菜というイメージが大きいですが、丸であったり8角のもの色も赤や黄色などいろいろな品種があります。どれも夏の野菜で収穫時期は夏。寒さには弱いので冬を越すことはできず、霜が終わった頃に種まきまたは苗の植え付けをして栽培します。露地栽培の他鉢やプランターを利用したベランダなどでの栽培も可能となっています。食べ方・調理法も多岐にわたって利用できる野菜なのも特徴です。
プランター向けは?おすすめのオクラの種類
鉢植え向けの種類1.アーリーファイブ
早生種で早くから収穫できます。形もまっすぐで曲がったりすることなく使いやすいのもおすすめのポイント。草丈も短い品種なので鉢やプランターでも育てやすいのが一番の理由です。
鉢植え向けの種類2.グリーンソード
スーパーなどでも出回っていることがおおい、見慣れた使いやれた品種であるということがおすすめ点です。多くの人がイメージしたオクラが収穫できるでしょう。耐暑性も高いので夏の野菜栽培初心者の方でも育てやすいのもポイント。草丈は中くらいで鉢やプランター向け品種となっています。
鉢植え向けの種類3.エメラルド
星型ではなく丸に近いのがこの品種の特徴。初心者にもおすすめなのは、収穫時期が遅れても野菜が固くなりにくいところです。食味もやわらかくオクラに柔らかさを求める人には特におすすめします。
オクラのプランター家庭菜園1.準備
苗や種について
オクラにも形や色・大きさなど品種の差があります。収穫時期・形の違い・実の硬さなど好みに合わせた種や苗を用意しましょう。先ほどご紹介した人気品種もヒントにしてくださいね。種にするか苗を買うかですが1-2本だけ育てるなら苗で購入した方が手間もかからず初心者にはおすすめ。もっと何本も栽培したい人には種の方がコストもかからず多くの苗を手に入れることができるでしょう。
家庭菜園で必要なおすすめの道具
オクラを育てるのにはそれほど特別な道具は必要ありません。ジョウロや移植ゴテなどすでに持っている人であればそれを活用してください。鉢やプランターも手持ちのもので構いません。ただし土づくりに関して古いものの使いまわしは病原菌や害虫のたまごなどを含む場合がありますので、初心者の方は必ず市販の新しいものを使用すると良いでしょう。栽培する品種によっては草丈が高くなりますので支柱を用意してください。
鉢やプランターの深さは重要
古い鉢やプランターの使いまわしでかまいませんと申し上げましたが、深さについては注意が必要となります。オクラは直根型といって根が真下に伸びていく植物ですので30センチ以上の深さがないとうまく育たない場合があるからです。
オクラのプランター家庭菜園2.日当たり
オクラが好きな日当たりは
原産地からも分かる通り暖かく日当たりの良い場所が好きな野菜です。鉢やプランターの置き場所はできるだけ朝から日が当たる場所に置くのが育て方の第一条件です。日当たりの良し悪しは植物の成長、ひいては収穫する作物の大きさや栄養素にまで影響してきます。
日当たりの育て方ポイント
種まきから栽培をはじめる人は日当たりと共に発芽温度に気をつけましょう。種袋の裏側に地域によっての種まき時期などが明記されていますのでそれを参考にしてください。オクラの発芽温度は25-30度。温度が高くないと発芽しないのが特徴。それと比べて芽が出てしまえば生育温度は20-30度と少し低くても良いのがポイント。どちらにしても日当たりの良い場所を選ぶことが重要です。
ベランダ栽培では室外機に注意
鉢やプランターで野菜など植物をベランダ栽培する場合はエアコンの室外機の前に置くのは避けてください。強い風、それも不自然な熱風が出ますので植物にとってはよくありません。それによって土も乾きやすくなりますので特に水分が必要な夏野菜の栽培には注意すべき場所といえるでしょう。
オクラのプランター家庭菜園3.土づくり
オクラの土づくり・配合
土づくりは赤玉土と腐葉土を7:3程度の割合で混ぜた一般的な配合で十分です。パーライトを1割程度混ぜたり元肥としてゆっくり効き目が長続きする緩効性化成肥料をすきこんでおくことで早く大きく成長します。
土づくりが苦手な人は市販の野菜用培養土がおすすめ
最初の土づくりが成功すればオクラはほぼ水やりだけでもそれなりに収穫できる野菜。病気や害虫・収穫量は土づくりで左右されると言っても過言ではないでしょう。しかしそれほど土を選ぶ植物ではないので、市販の野菜用培養土など活用すればほぼ土づくりに困ることはないはずです。
土づくりの育て方ポイント
鉢やプランターの土として市販の培養土ではなく畑から土を持ってきて使うという場合は、土づくり時に苦土石灰を混ぜて酸性に傾きがちな土のpHを中和させてあげることが必要となるでしょう。土壌にはあまりこだわらない植物ですが酸性土は嫌いますので、植え付けの2週間前を目安に苦土石灰をすきこむ作業を済ませておいてください。
オクラのプランター家庭菜園4.植え付け
オクラの植え付け方
土づくりもできたところで次は植え付け作業になります。苗を買ってきて植える場合はホームセンターや園芸店・農協などに苗が並ぶころがその地域の植え付け時期目安となるでしょう。
種まきからの植え付け時期
種まきをして自分で苗を育てる場合は、苗として植え付けできる時期として本葉が3-5枚程度まで大きく育ったのを目安としましょう。
植え付けの育て方ポイント
苗の植え付け間隔は苗と苗の間を20センチ開けるようにするのがポイント。植え付けたら夏に向けてどんどん急激に大きくなりますので、株間が狭いと風通しも悪くなり病気や害虫の原因となります。植え付け時には小さな苗だからと思っているとあっという間にプランターの中がぎゅうぎゅうになってしまうでしょう。大きく成長した姿をイメージして広く間を開けて植え付けてください。
オクラのプランター家庭菜園5.水やり
オクラの日常管理は水やりから
鉢やプランターで育てる場合、地植えと違い水やりには注意してください。土の表面が乾いてきたらたっぷりとを心がけるとよいでしょう。特に収穫時期に水が切れると実の成長が遅くなり味が落ちることも。
水やりの育て方ポイント
オクラの水やりで注意するのは、種まきから育てた場合の発芽直後です。この時期に水やり過多になると病気の原因となるだけでなく、それ以外の時期でもいつも土がしけって多湿な状態は根のためにもよくありませんので乾いたらあげるを心がけてください。
オクラのプランター家庭菜園6.肥料
オクラの肥料の与え方
肥料の上げ方は土づくりでも紹介した元肥として緩効性肥料をあたえることがひとつと収穫時期には定期的な肥料やりの2つのやり方をしましょう。固形肥料なら月に1度ほど株元に。水溶性の肥料であれば10日から2週間間隔で水やりのついでに上げてください。
肥料やりの育て方ポイント
肥料ははじめのうちは元肥の効果が残っているのでそのままでも収穫までたどり着くでしょう。しかしその後の肥料を定期的に与えること(このときの水やりも大切)によって秋口まで長くオクラを楽しむことができます。できれば肥料を与えてたくさんの実を収穫してみてはいかがでしょうか。
オクラのプランター家庭菜園7.病気
オクラがかかりやすい病気
オクラ栽培をしている時に気になる病気は立ち枯れ病などの根腐れ病です。これはまだ株が幼いうちにいつも土がジメジメとしていることにより根が腐ってそのまま枯れてしまう病気。オクラだけでなく多くの植物にもいえることで、メリハリのある水やりによって防ぐことができます。
病気に対する育て方ポイント
この他輪紋病(りんもんびょう)という葉の表面に黄褐色の斑点が現れる病気も出現することがあるでしょう。カビ系の病気なので健康な株に伝染しないよう、見つけ次第葉や実はすぐに取り除いてください。
オクラのプランター家庭菜園8.害虫
オクラ栽培で気をつける害虫
気をつける害虫としてアブラムシやハスモンヨトウがありますが、古い土を使うとネコブセンチュウにやられてしまうこともあります。新しい土を使うこと・植え付け時にアブラムシ対策となる農薬を穴の中に施すことで未然に防ぐことができるでしょう。
害虫に対する育て方ポイント
連作というと生育不良などがイメージされますがネコブセンチュウなどの害虫被害も連作の大きなデメリットです。オクラを毎年育てる場合は、前年と同じ土を使って栽培しないでください。発生してしまうと防ぐ方法がない害虫となっています。
オクラのプランター家庭菜園9.葉かき
葉かきとは?
オクラは節のところに実が出来ます。その節よりも下の葉を取り除き風通しを良くすることを葉かきといいます。実への栄養を促すだけでなく、病気の予防の効果もありますので葉が混み合ってくる時期以降はぜひやってみてください。
収穫と葉かきはセットで考える
葉かきは収穫とセットで考えるとよいでしょう。何度も収穫して最終的には頂点近くの葉のみを残して他は摘んでしまってかまわないので、気にせずどんどん剪定してください。
剪定の育て方ポイント
葉かきだけでなくオクラが思ったよりも草丈が伸びてきたら頂点を指で欠いて芯を止めるとひとつひとつの実の品質アップにつながるでしょう。1本の株でたくさん収穫できますので葉かきと共に芯を止める作業も試して美味しいオクラに育てましよう。
オクラのプランター家庭菜園10.収穫
収穫時期や目安
植え付けから1ヶ月から1ヶ月半くらいたつと収穫時期となります。具体的には7月頃からとなる地域が多いでしょう。収穫できる目安はオクラが7センチくらいの大きさになったら。遅れると固くなってしまうので注意してください。
収穫のやり方
枝は硬いので手で収穫するのは難しいです。清潔な剪定ハサミなどを使ってヘタの部分でカットしてください。早く摘んでしまう分には問題ないので小さいくらいのものをどんどん収穫していきましょう。
収穫のやり方ポイント
はじめての開花から7-10日くらいから収穫時期となりますので花が咲いたらその翌週になったら大きさをチェックして収穫をはじめても良いでしょう。実だけでなくつぼみも収穫して天ぷらなどにして食べることができます。一度にたくさん採れすぎるようならつぼみのうちに食べてしまうという手も。
収穫したオクラのおすすめの食べ方
たくさん採れた野菜を無駄なく消費
せっかくの新鮮な野菜ですので無駄にせず美味しいうちにいろいろな食べ方を試してみてはいかがでしょうか。最後になりましたが、オクラのおすすめの調理方法もご紹介します。
おすすめオクラの食べ方1.生食
オクラは生でいただくことも可能です。表面の毛が気になる方は塩を振ってまな板の上で板ずりをするときれいに取れるのでその後輪切りにしておかかと醤油・マヨネーズなどお好みの調味料やドレッシングで召し上がってみてください。
おすすめオクラの食べ方2.炒めもの
パスタの具材など炒めものとしてオクラは活用できます。ヘタの部分は硬いのでそこだけ切り取りあとは斜め切りでも、それも面倒な方はまっすぐ半分に切ってでも良いので他の野菜など具材と一緒に炒めてみてください。トマトソースでも良いですし、和風な醤油味パスタにも合います。
おすすめオクラの食べ方3.漬け物
オクラ10本 麺つゆ(3倍濃縮)白だしでも可適量 水適量 鷹の爪1本分
漬け物というよりも簡単に火を使わずに作れる煮浸し的な使い方をご紹介しましょう。熱湯で茹でて下ごしらえしても良いですが電子レンジを使うと水や光熱費の節約にもなって一石二鳥。ある程度の保存が効く料理なので、たくさんオクラが採れすぎたというときにも活用してください。
詳しいレシピはこちらから
上記材料を使った詳しいレシピは下記で確認することができます。きれいな色のオクラの漬け物に仕上げるのに白だしを使うのはおすすめ。この方法だと浅漬け風にいただくことができますが、オクラのぬか漬けも良いですよ。
まとめ
初心者の家庭菜園におすすめ!オクラのプランター栽培
育て方も簡単で家庭菜園初心者にもおすすめのオクラを鉢やプランターで育てる方法をご紹介してきましたがいかがでしたか?最近では100均でも種が変えて気軽に野菜を育てられるようになってきましたね。初期コストが低いのもこの野菜がおすすめの理由です。深さのある鉢を使うことと水切れに注意して美味しいうちに収穫していただくのが美味しいオクラ作りのポイントといえるでしょう。簡単に作れる夏野菜をお探しなら是非ためしてみてはいかがですか。
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