はじめに
失敗しにくい春菊(シュンギク)栽培のポイント紹介
春菊(シュンギク)はプランターでも手軽に栽培できる野菜です。種まきをして毎日水やりや定期的な肥料により、新鮮な自家製ベジタブルが楽しめます。鍋だけでなくおひたしや卵とじなど意外とおかずに使えるシュンギク。香りがよい日本の香草を、初心者でも失敗なく栽培するコツを解説しましょう。
栽培の前に!春菊(シュンギク)について
シュンギクの栽培方法をご説明する前に、その原産地やどんな仲間の植物なのか基本情報を見ていきましょう。他に植物を育てたことがある方は、仲間を知ることでその性質が予想できますしこれから別の野菜を栽培する場合にも基本情報を知っておくと何かと役に立ちます。
春菊(シュンギク)の基本情報
科・属:キク科キク(シュンギク)属
原産地:地中海沿岸
英語名/学名:Garland chrysanthemum/Chrysanthemum coronarium
春菊(シュンギク)の別名
関西では菊菜や新菊と呼ばれスーパーに並ぶこともある野菜です。九州など南の方では葉の大きな種類が。関西では中葉と呼ばれるそれよりも小さめな種類が主流となっているのが特徴。同じシュンギクでも栽培される地域や出回るスーパーによって違いがあります。
春菊(シュンギク)の特徴
名前のとおり菊の仲間の野菜であるシュンギク。独特の香りが日本人に好まれ、鍋物に入れる緑の野菜などとして人気があります。意外なことに原産地は日本ではなく地中海沿岸。切れ込みが入った葉が特徴的な植物で、大きな葉や中くらいの大きさ・生でも食べられるものと種類も豊富。日本中で食べられていますが東と西では流通している種類にも違いが出てくるのも面白い特徴です。
失敗なしの春菊プランター栽培のポイント1.準備
まず最初にシュンギクの栽培に必要な準備をしていきましょう。種まきからの育て方をご紹介しますので、種は必ず用意します。その他あった方が良い物から定番の家庭菜園用のガーデニングツールなど、初めての方はまずはこちらから要チェックです。
春菊(シュンギク)栽培で用意するもの
【生でもおいしい春菊】きくまろ(株張りタイプ) 【サカタのタネ】(40ml)野菜種[春まき][秋まき]923272
家庭菜園で栽培用に使用するシュンギクの種はホームセンターや園芸店などで市販されているので簡単に手に入れることができます。種が売られている時期が種まきの時期となっているので、見かけたら種まきして良いのだという判断になるでしょう。その他植えるための鉢やプランター・土などもなければはじまりませんね。
家庭菜園の定番ツール
プランター 600E テラコッタブラウン・ホワイト アイリスオーヤマ 新生活
その他水やりなどのお世話で必要になるジョウロ・植え替えなどのために使う機会もある移植ゴテ(園芸用シャベル)・害虫被害を気にするなら寒冷紗や虫よけネットと支柱もあると良いでしょう。底に穴の開いている鉢用に鉢底の網・排水を良くするための鉢底石・肥料も用意してください。
失敗なしの春菊プランター栽培のポイント2.土
シュンギク栽培のまず最初は、種まきをするために土を用意します。種まき用の土でポットで育てても良いですが、そのまま間引きをして大きな株に育てていく方法が植え替えの手間もなくおすすめの方法です。
春菊(シュンギク)のための土づくり
市販の野菜用の土があれば、それを使うのが一番手間がかからないシュンギク用の土の準備です。自分で配合する場合は赤玉土に腐葉土を7:3か6:4くらいの割合で混ぜたものに、元肥として化成肥料を1平米あたりひとにぎりくらい混ぜ込んでください。
春菊(シュンギク)の育て方のコツ
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シュンギクは酸性の土を特に嫌う植物です。もし古い土を再利用する場合は必ず苦土石灰などの中和をしてくれるものを種まきの2週間前までにすき込んで、酸性にかたよった土のpHを調整してから種まきするようにしてください。
失敗なしの春菊プランター栽培のポイント3.種まき
シュンギクも種類によって多少種まき時期などに違うことがあります。用意した種袋にかかれている地域ごとの種まき時期を目安にしてください。こちらでは一般的なシュンギクの種まきの時期ややり方をご紹介します。
春菊(シュンギク)の種まき時期
シュンギクの種まき時期は3月中旬-5月中旬ころまで。ゴールデンウィーク開けくらいには遅くとも種まきを済ませてください。しかしこれは温暖な中間気候の地域で、寒い場所温かい地域ではそれぞれまた種まきのタイミングが変わってきます。発芽温度が重要なのでその年の気温をチェックして適温にまくと発芽が揃います。
種まきのやり方
シュンギクの種まきは筋蒔きという方法でおこないます。これはプランターなどに1センチくらいの浅めの筋をいれてそこにパラパラと種をまいていく方法。シュンギクは光がないと発芽しない植物なので上からかける土は少なめで。それでも水やりで種が流れないよう適度に土をかぶせて手でやさしく抑えて種まきを仕上げます。
春菊(シュンギク)の育て方のコツ
大きなプランターなどで2列に種まきする場合は、筋と筋の間は10-15センチほど必要となってきます。種を節約したい場合は、ひとつぶずつ1センチ感覚で落としていくとよいでしょう。間引きの手間も減ります。
失敗なしの春菊プランター栽培のポイント3.水やり
種まきしたら乾燥しないよう発芽まではしっかりと水やり管理をしてください。また発芽後でもプランターはどうしても水やりを忘れると乾燥させすぎになるので、失敗しないために大切なポイントといえるでしょう。
春菊(シュンギク)の水やりは
基本的にプランターなら水やりは朝(少なくとも午前中までに)1回すれば良いでしょう。発芽するまでは特に土を乾燥させないための水やり忘れに注意してください。切ったワラなどを敷き藁として乾燥防止に使う農家の方もいらっしゃいます。しめらせた新聞紙をかけておく方法で家庭でも代用できます。
春菊(シュンギク)の育て方のコツ
畑や地植えで育てる方なら、よほど雨が降らない季節でもない限り水やりは多少遅れがちでも大丈夫ですが、植え付ける鉢やプランターが小さいものほど一度の水やり忘れで失敗する確率もあがってしまいます。美味しいシュンギクを食べるために肥料よりも忘れてはいけないお世話といえるでしょう。
失敗なしの春菊プランター栽培のポイント4.肥料
肥料の話がでたところで、元肥や追肥などの肥料やりのタイミングなどを解説します。特に追肥と同時に土寄せという作業を行うと、しっかりとしたシュンギクの株となるでしょう。
春菊(シュンギク)の肥料の時期
シュンギクの追肥をおこなう時期は、2回めの間引きのタイミングに合わせておこなうのが一般的。さらにそのタイミングで土寄せという作業をおこなうというのが一連の流れとなっているので忘れないよう全部セットでやってしまいましょう。それほど手間がかかる作業ではなく、特にプランターでは株数も少ないので簡単です。
シュンギクの間引き
筋蒔きで種まきしているので、そのまますべての芽を大きくしたのでは1本ずつにしっかり栄養がいかずあまりよい野菜になりません。良い栽培方は3-4枚の葉のころに成長の遅いものを間引き、その後もう1度間引きをして栽培にちょうどよい株間に仕立てます。
春菊(シュンギク)の育て方のコツ
2回目の間引きは、本葉が4-5枚になったころ。間引きしてあいた株間に緩行性の肥料をパラパラと蒔いて、外側から土をほぐしながらもってきて肥料やシュンギクの株元に土を寄せて手で優しく抑えてあげましょう。これで間引きから肥料やり・土寄せまですべて完了。どうですか?とても簡単ですよね。
失敗なしの春菊プランター栽培のポイント5.収穫
肥料もあげて水やりも気をつけて栽培していればそのままシュンギクはすくすくと大きくなって、じきに収穫時期が訪れます。シュンギク栽培における収穫時期の目安と、そのやり方をご紹介しましょう。
春菊(シュンギク)の収穫時期
シュンギクの収穫時期は、その株の成長度合いで確認します。一般的に草丈は20センチを超えたころが収穫時期で、本葉は8枚以上になっていることでしょう。根ごと取る品種と脇芽が出てきて何度も収穫できるものと種類がありますが、その方法は同じ。葉と柔らかい茎ごとハサミで切って収穫とします。
春菊(シュンギク)の育て方のコツ
脇芽が伸びてきて複数回収穫できるものは、あまり根元に近いところでカットしてしまうと脇芽がでないことがあります。下の葉を3-4枚残したところで切るのが理想的ですが、株の状況に合わせて判断して下葉を残すように工夫してみてください。
失敗なしの春菊プランター栽培のポイント6.挿し木
ここでは増やし方として紹介しますが、シュンギクの種まきの時期を逃してしまった人はいただきものの新鮮なシュンギクであれば挿し木で株を大きくする方法もぜひ試してみてください。品種によっては根が出ないこともありますが、ほとんどの種類でこの挿し木での株の増やし方が実行できるでしょう。
春菊(シュンギク)は挿し木で増やせる
収穫したシュンギクをすべて食べてしまわずに、いくつか挿し木にすることで株を増やすことができもう一度収穫が可能となります。また直売所など採れたて新鮮なシュンギクが手に入るなら買ったシュンギクを植えることで根が付く可能性も。1-2本だけ試しにやってみてはいかがでしょう。
挿し木の時期とやり方
挿し木の時期は収穫時期とほぼ同じ。シュンギクが8枚以上の葉になって大きくなったころです。脇芽が伸びてくるよう、下葉を残すのがポイント。成長がよろしくない場合は水やりがわりに時々液肥を薄めたものを与えても良いでしょう。
春菊(シュンギク)の育て方のコツ
ここでも気をつけるポイントは土を乾燥させないこと。水やりはたっぷりと毎日。またシュンギクのような香りの強い自家栽培の野菜にはあまりアブラムシも来ないのですが、最近はたまに見かけることもあります。特に出てきたばかりの若い脇芽は被害も大きくなりますので、見つけ次第手でつぶすなど捕殺してください。
まとめ
春菊(シュンギク)を自家栽培で楽しもう
種まきからのシュンギク栽培のポイントや、挿し木での株の増やし方などご紹介してきました。育て方で重要なのは乾燥させないこと。水が好きなシュンギクには土の乾燥はご法度。あとは間引きに合わせた追肥と、収穫時期には液肥をあげるなども何度も収穫時期をずらしてたくさん食べることができます。コスパのよい野菜なので、ぜひ何度も食べられる挿し木での増やし方にも挑戦してみてくださいね。
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