キャンプツーリングのテント:はじめに
私がキャンプツーリングで使っているテントはダンロップのR207です。キャンプツーリングをし始めた26年前から使っているので、傷み具合はなかなかのもの。去年の夏、思い切ってインナーテントを洗濯機で洗いました。フライシートのシームテープはすべて剥がれてしまいましたので、近々修理しようと思っています。どうも!暮らし~のでライターをしておりますhosokawa_takaです。
私が使っているテントはダンロップのR207
私がキャンプツーリングにダンロップのR207を選んだ理由はただ一つ。ツーリング用テントとして販売されていたのはダンロップのRシリーズだけだったからです。当時は小型テントの種類が少なく、選択肢はそれほどありませんでした。また、当時の私にはフライシートの耐水圧が…フレームの材質が…そんな選び方ができるような知識もなかったのです。ちなみに、私は未だにR207の耐水圧数値を知りません。
種類から見るツーリングテントの選び方!
では本題!ここではキャンプツーリング用のテントの選び方について語ります。おすすめ記事では文字数の都合でテントの選び方を書ききれないので、ここでは選び方のみを記しますね。なお、この記事は2020年5月13日現在の私の心境をもとに作成しますことをご了承ください。
キャンプツーリングで使えるテントの選び方①
種類から見る選び方:構造
キャンプツーリングで使える小型テントの構造にはシングルウォールとダブルウォールの2種類があります。シングルウォールのテントは軽量かつコンパクトに収納できるのが特徴です。ダブルウォールテントはインナーテント内の温度調整がしやすいので快適に過ごせます。
シングルウォールテント
シングルウォールテントは登山や自転車などの人力移動で用いられることが多いですね。積載重量を減らしたいバイク乗りもキャンプツーリングで愛用しています。しかし、快適さではダブルウォールテントに敵いません。徒歩旅さんやチャリダーさん並みに屈強なバイク乗りあれば選択する価値がありますが、安いシングルウォールテントには縫い目からの浸水を防ぐシープテープが張られていないものもあります。
ダブルウォールテント
ダブルウォールテントはインナーテント内の温度管理がしやすいので快適です。その反面、重量が重くなり、収納サイズが大きくなります。テントの重量はバイクの車両重量の約2%、収納サイズ最大長はバイク乗りの肩幅程度がベストだというのが私の結論。しかし、収納サイズの最大長はバイクによりけりで、フルパニア化したバイクならパニアケースの幅を超えない程度までOKだといえます。
キャンプツーリングで使えるテントの選び方②
種類から見る選び方:フレームの材質
キャンプツーリングで使える小型テントには、フレームの材質がアルミ製のものとFRP製のものがあります。それぞれに一長一短あり、私はどちらでもいいと思っています。それぞれの特徴を理解しておきたいですね。
アルミフレーム
アルミフレームは剛性が高く、耐風性に優れています。FRPフレームと比較すると軽量ですので、バイクの積載重量を減らしたいキャンプツーリングに最適です。フレームの継ぎ目に段差がないので、スムーズにインナーテントのスリーブへ通せますが、設営時に破損しやすいのが難点。無理に曲げると折れてしまいます。また、フレームに曲がり癖が付きやすいですね。
FRPフレーム
FRPフレームは粘り強くしなるので設営時に破損しにくいのがメリットです。剛性が低いので強風時にテントの形状を保てなくなることもありますが、テントがペシャンコになっても折れません。テントの耐風性を左右するのはフレームの材質より確実なペグダウン。キャンプツーリングではフレームの通る4か所に張り綱用ループがあるテントを選びたいですね。フレームの継ぎ目の段差が引っかかり、インナーテントのスリーブへ通しにくいのが難点です。
キャンプツーリングで使えるテントの選び方③
種類から見る選び方:テント生地の材質
キャンプツーリングで使える小型テントの生地にはナイロン製とポリエステル製があります。フレームの材質と同様に一長一短あり、キャンプツーリングのスタイルに合わせた選び方をするのが正攻法。ナイロンとポリエステルの特徴を把握し、自分に合ったツーリングテントを選びましょう。
ナイロン製テント生地
ナイロンは引っ張り強度が強いので生地を薄くできるのがメリットです。収納サイズがコンパクトで、総重量も軽量にできます。その反面、濡れると乾きにくく、ずっしりと重くなるのが難点。また、ポリエステルより紫外線劣化しやすいですね。夕方に設営し、早朝に撤収するキャンプツーリングに適しています。登山や徒歩旅といった人力移動で愛用され、キャンプツーリングで使う人は少数派です。
ポリエステル製テント生地
ポリエステルは水分を溜めにくく乾きやすいのが特徴で、濡れても重くなりにくいのがメリットです。また、紫外線劣化も緩やかです。その反面、ナイロン製と比べて生地が厚いので収納サイズがやや大きく、テントの重量もやや重めです。キャンプ場を拠点に周辺散策するキャンプツーリングや、帰宅日程を定めない放浪系ロングキャンプツーリングに適しています。キャンプツーリング用のテントはポリエステル製が多いですね。
キャンプツーリングで使えるテントの選び方④
種類から見る選び方:ワンタッチテントは?
折り畳み傘のように展開するワンタッチテントは設営が簡単だといわれています。初心者でも美しく設営できるのがメリットです。キャンプツーリング向けに開発されたワンタッチテントもありますが、導入するにはいくつかの注意点を把握しておくべきです。「ツーリングで体力を消耗した後にテントを設営するのは面倒」という情報も見かけますが、設営する労力は通常のテントとさほど変わりありません。
ワンタッチテントの注意点:撤収に慣れが必要
ワンタッチテントは簡単に設営できますが、撤収には慣れが必要です。折りたたむ位置が少し違うと上手く設営できなかったり、収納ケースに入らなかったりします。また、収納サイズが大きかったり、総重量が重かったりなど、簡単設営の裏側に潜むデメリットは多いですね。
ワンタッチテントの注意点:取り扱いが難しい
テントを長持ちさせるには前回と違う場所を折りたたむのがお約束なのですが、ワンタッチテントはフレームにテント生地を付けたまま収納するので、折りたたむ場所が固定されてしまいます。バイクに積載すると振動でフレームと擦れ、テント生地が傷む可能性があります。また、フレームの関節が破損すると現場での修復が難しいですね。
余談:ワンタッチテントとポップアップテントの違い
ワンタッチテントとポップアップテントは違います。ポップアップテントは放り投げると展開するテントです。円盤状の収納形状はバイクに積載しにくく、キャンプツーリングに適していません。ポップアップテントは自動車でのソロキャンプ向きだといえます。
キャンプツーリングで使えるテントの選び方⑤
種類から見る選び方:出入口
ツーリングで使える小型テントには出入り口が短辺側にあるものと長辺側にあるものがあります。どちらがキャンプツーリング向きかは断言できず、好みに合わせた選び方をするのがベターです。前室の使い方も考えて検討しましょう。
出入り口や前室が短辺側にあるテント
出入り口が短辺側にあるテントは、インナーテント内の整理整頓がしやすいですね。キャンプ場で使わないものを足元に押し込み、必要なものだけを手元に配置できます。その反面、前室の幅は狭く、出入りしにくいのが難点です。代表的なのは最近モデルチェンジされたモンベルのムーンライト1型と2型。テント生地を薄くして軽量化され、二人用の2型は前後に前室がある構造になり、従来の3型相当となりました(3型は廃番)。
出入り口や前室が長辺側にあるテント
長辺側に出入り口があるテントは出入りしやすいのがメリットです。出入り口の幅が広いので、荷物をたくさん置けます。また、前後に出入り口があるテントは換気がしやすく、夏のキャンプツーリングで快適です。前の前室を出入り口にして、後の前室(後室)をキッチンにする使い方もできます。ルーフポールで前室の高さや奥行きを稼げるテントが望ましいですね。
キャンプツーリングで使えるテントの選び方⑥
種類から見るテントの選び方:コスパ
キャンプツーリングで使う小型テントはハイスペックでなくても大丈夫だと私は思っています。コスパ重視の選び方をしても問題ありません。キャンプツーリングはレジャーであり、登山や自転車ツーリングといったスポーツではないからです。しかし、キャンプツーリングは自動車でのオートキャンプと違って逃げ場がないので、そこそこのスペックは必要だといえます。
軽量でコンパクトなテントは価格が高い
収納サイズが軽量でコンパクトなテントは価格が高くなる傾向にあります。人力移動の登山や自転車ツーリングではテントの重量にこだわるべきですが、動力移動のキャンプツーリングではテントの重量にさほどこだわらなくてもOKです。バイクに積載できる収納サイズなら、コスパ重視の選び方をしても問題ありません。
テントの価格に影響するもの
テントの価格に影響するのは生地やフレームの材質です。フレームの材質は先述した通り、アルミ製でもFRP製でも問題ありません。ではテントの生地はどうか?雨ダダ漏れなテントは論外ですが、キャンプツーリング用のテントをコスパ重視で選ぶなら、耐水圧が低いフライシートも検討する価値があります。その理由は次に続きます。
キャンプツーリングで使えるテントの選び方⑦
種類から見るテントの選び方:コスパ
長時間の豪雨に耐えられるテントが必要なキャンプツーリングへ行く人は手を挙げて!そう、そんな人は少数派ですよね。あり得るのは短時間の集中豪雨だといえます。しかし、そんな稀な天候を恐れる必要があるでしょうか?コスパ重視の選び方なら、フライシートの耐水圧が1,000mmのテントもありです。
コスパ重視で耐水圧が低いテントもあり!
コスパ重視の耐水圧が低いテントは生地に適度な通気性があり、真夏のキャンプツーリングで快適です。しかし、真夏のキャンプツーリングでは短時間の集中豪雨に遭う可能性が高まります。テント内部に雨水が浸水しそうなら、薄手のブルーシート(#1,000)を被せましょう。バイク乗りにとって失敗談は武勇伝!快適さより楽しさを優先し、敢えてコスパ重視のテントを選ぶのもありです。キャンプのテクニックも磨けます。
放浪系ロングキャンプツーリングのテントは?
帰宅日程を定めない放浪系ロングキャンプツーリングとなれば話は別!テントのスペックにはある程度こだわりましょう。連休を利用したキャンプツーリングと違い、放浪系ロングツーリングは逃げ場が極端に少ないからです。キャンプ場での連泊も想定し、フライシートの材質は紫外線にポリエステル、耐水圧は1,500mm以上、張り綱の本数は4本以上という選び方が正攻法。極端な悪天候なら宿泊施設に逃げ込むべきです。
キャンプツーリングのテント:まとめ
キャンプツーリングで使える小型テントについて語りました。小型テントは目的に合わせて仕様が異なり、種類が多いですね。キャンプツーリング用テントの選び方で迷うのは種類が多いため。小型テントの種類を把握して、自分に合ったテントを選びましょう。小型のワンポールもありです。ちなみに、私はダンロップR207をこだわりなく選びましたが、浸水することもなければ、強風で破損することもありません。再販を願うばかりです。
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ダンロップのツーリングテントR207