アゲラタムとは
キク科カッコウアザミ属
アゲラタムとは、ふわふわとした質感のお花が特徴のキク科カッコウアザミ属の常緑多年草です。原産地はメキシコなどの中南米で、青紫色の品種が代表的。園芸種としても人気で、背丈の低い種類から高いものまで流通しています。切り花としても定番のお花です。
開花時期
開花時期は5月頃から11月頃までと長く楽しめるので、花壇などにも人気のお花です。真夏にはお花が少なくなりますが、秋にはまた花が咲き始めます。耐寒性があまりないため、日本では1年草として扱われています。切り花としては通年出回っています。
アゲラタムの名前:学名と由来
学名
現在アゲラタムとして出回っているのは、日本名では「オオカッコウアザミ」と呼ばれる種類です。一般的にはアゲラタムという名称で流通しています。このアゲラタムという名前は、学名からきた名前。学名は「Ageratum houstonianum」です。
属名の由来と意味
アゲラタムは、ギリシャ語で否定を意味する「a」に、「古くなる」という意味の「geras(英語ではaging )」を合わせて、「古くならない」「色褪せない」という意味。花の鑑賞期間が長いことに由来しています。
種小名の由来と意味
種小名の「houstonianum(ホウストニアヌム)」は植物学者William Houstonが由来となっています。ウィリアム・ヒューストンは中南米の植物を採集した植物学者で、中南米原産の植物には献名としてこの名前がつくことが多々あります。
アゲラタムの名前:日本名と由来
日本の名前
アゲラタムの日本名は、キク科カッコウアザミ属のオオカッコウアザミです。もともとは今のアゲラタムよりお花が小さい「カッコウアザミ」という種類が流通していましたが、現在ではそれより花が大きい「オオカッコウアザミ」が主流です。
由来と意味
カッコウアザミという名前は、葉の香りがカッコウ(別名カワミドリ)というシソ科の薬草に似ていて、アザミに似た花を咲かせることが由来しています。オオカッコウアザミは「ムラサキカッコウアザミ」という別名でも呼ばれます。
アゲラタムの名前:英語名と由来
英語の名前
アゲラタムは、世界で約40種類ほどあります。英語ではアゲラタム、アゲラータムなどと呼ばれるほか、「Floss flower」もしくは「Bluemink」などの英語名がついています。(「Bluemink」は品種名でもあります。)
由来と意味
「Floss (フロス)」は英語で「絹綿状の」という意味があり、花びらの形態が由来しています。「Bluemink(ブルーミンク)」という英語名は、「青色のミンクの毛」という意味で、お花の色とふわふわした花姿が由来してついた名前です。
英語名②
アゲラタムは英語で、「pussy foot」という名前でも呼ばれます。「pussy foot(プッシーフット)」とは英語で忍び足という意味。こっそり咲き続ける姿を意味する英語名だと言われています。
アゲラタムの特徴
花や葉の特徴
アゲラタムの花は一般的なもので直径6〜7mm、細い糸状の花びらを持つ小さな花が集まって咲くのが特徴です。葉や茎には白くて柔らかい毛が生えています。葉っぱは縁が少しだけギザギザしており、卵型または円形です。
特徴①開花期が長い
アゲラタムの大きな特徴は、名前の由来ともなっている開花期の長さ。初夏から晩秋まで繰り返し咲き続けてくれます。また、切り花としても花保ちがよく、ドライフラワーにすると青紫色が色褪せないのも特徴です。
特徴②初心者にも育てやすい
アゲラタムは丈夫なのも人気のポイント。病害虫にも強いので、初心者でも育てやすい植物です。開花期が長く次々とお花が咲き、花壇や寄せ植えにも向いています。こまめに花がら摘みを行うと、より綺麗に育ちます。
特徴③切り花向き
アゲラタムには、背の高い切り花向きの高性種もあります。切り花に向く種類は草丈60〜80cmになり、切り花にした後も花保ちがよいのが特徴です。花壇の後方に植えたり、ボーダーガーデンにも向いています。
特徴④寄せ植え向き
アゲラタムの矮性種は背丈も高くならず、株も整って育つので、寄せ植えに向いています。お花が密集して咲くので、花壇の手前に植えて縁取りにするのにもおすすめ。株分けもできるためギャザリングにも向いている植物です。
アゲラタムの種類と色
色の種類
アゲラタムは、代表的な青紫色のほかに、白色、ピンク、赤紫色、薄紫色などの種類があります。園芸種はさまざまな色の種類が出回り、切り花としては青紫色の品種が主流です。
背の高い種類
切り花にも向く背の高い種類は、青紫色の「トップブルー」という品種が代表的です。背丈は80cmほどになります。そのほか白色もある「ハイタイド」シリーズや明るい赤紫の「レッドシー」なども背の高い種類です。
背の低い種類
寄せ植えなどに向く背の低い矮性種は、色の種類が豊富な「ハワイ」シリーズが人気です。色は白や青、ピンクなどがあります。丈は15〜20cmほどで、鉢植えや花壇の手前に植えるのにも向いています。
花が大きい種類
「トップブルー」など切り花に向くアゲラタムはお花が大きい大輪種です。また、白色の花を咲かせる品種「ホワイトマリー」は矮性で背が低く、お花が大きいのが特徴です。
アゲラタムに似た花
アゲラタムによく似た花
アゲラタムによく似た花として知られるのが、西洋フジバカマと言われるユーパトリウムです。特に青色フジバカマという名前も持つユーパトリウム・セレスチナムは薄い青紫色で、アゲラタムとよく似た花をつけます。
宿根アゲラタム
アゲラタムは日本では1年草で、ユーパトリウムは宿根草扱いです。よく似た花なので、宿根アゲラタムという名前でも流通していることがあります。同じキク科ではありますが、ユーパトリウムはコノクリニウム属の植物です。
似た花の特徴
ユーパトリウムのほうが草丈が高く株も大きく成長すると言われますが、アゲラタムも高性種もあり見分けが難しいところ。よく似た花ですがユーパトリウムの方が糸状の花弁が長いのが特徴です。
白色品種もよく似ている?
また、ユーパトリウムにも白い花をつける品種があり、アゲラタムの白花品種ともよく似た花が咲きます。アゲラタムの葉は丸みがあり、ユーパトリウムの葉は尖っているのも見分け方のひとつです。
アザミに似た花?
また、アザミに似た花をつけるという意味でカッコウアザミという名前をつけられていますが、パッと見にはあまり似ていません。細い筒状花の集合体である点、花の色が青紫色である点は似た花といえます。
カッコウとは?
葉の香りが似ていることから名前の由来にもなっているカッコウとは、日本にも自生するシソ科の植物です。和名はカワミドリ、英語名はアガスターシェといい、欧米では観賞用として親しまれています。
薬草のひとつ
カッコウにはハッカのようなすっきりとした芳香があり、この香りが似ていると言われています。カッコウは薬草としても使われてきました。葉や茎を風邪薬などの漢方薬として使ったり、解熱薬や胃薬としても使われています。
素敵な花言葉のアゲラタム:花言葉①
「信頼」
まずひとつめのアゲラタムの花言葉は「信頼」です。「私を信じて」という花言葉もあります。尊敬する人へのプレゼントや、母の日など家族へのプレゼントにもぴったりの花言葉です。
花言葉を組み合わせて
アゲラタムの切り花は花保ちが良いので、ほかの花の花言葉と組み合わせた花束のプレゼントなどもおすすめです。例えば母の日には、「感謝」や「母への愛」という花言葉のカーネーションと組み合わせてもよいかもしれません。
素敵な花言葉のアゲラタム:花言葉②
「安泰」「永久の美」
アゲラタムには他にも、「安泰」や「永久の美」などの花言葉がついています。これはアゲラタムの花が花保ちがよく、花の色が色褪せにくいことを意味していると言われています。開業祝いなどにもおすすめの花言葉です。
ドライフラワーギフト
アゲラタムはドライフラワーにしても色褪せずに綺麗な青紫色が残るので、この花言葉を贈るならドライフラワーのプレゼントもおすすめ。ドライフラワーのスワッグやリースは近年ギフトとしても人気です。
素敵な花言葉のアゲラタム:花言葉③
「幸せを得る」
アゲラタムにはもうひとつ、「幸せを得る」という花言葉もあります。誕生日プレゼントやお祝いなどにもおすすめの花言葉です。また、「安楽」という花言葉も。ブライダルにも使えそうな花言葉たちです。
サムシングブルーにも
「幸せを得る」「安楽」などの花言葉は、プロポーズや結婚式にも向く花言葉です。アゲラタムは、結婚式になにか青いものを身に着けるサムシングブルーという風習にもぴったりです。
素敵な花言葉のアゲラタム:誕生花
初夏の誕生花
アゲラタムは開花期が長いためか、誕生花が多くつけられています。開花期に当たる誕生花としては、5月10日、6月16日、7月7日、7月15日などがあります。6月16日はカッコウアザミの誕生花にもなっています。
秋の誕生花としても
またアゲラタムは盛夏を超えて秋頃にも開花するため、9月14日、10月24日、10月29日の誕生花にもなっています。また、開花期ではありませんが3月16日の誕生花でもあります。
花言葉と贈りたい!アゲラタムのギフト①
アゲラタムの花束
アゲラタムの切り花は通年出回っているので、花束やアレンジメントは季節を問いません。誕生花のプレゼントにするには、どの時期でも手に入りやすい切り花でのギフトが向いています。黄色などと合わせると、アクセントになります。
夏らしい花と合わせて
アゲラタムの爽やかな青紫色は、白や紫色の夏らしい花たちと組み合わせるのがおすすめ。アジサイやクレマチスなどの青色のお花たちと合わせたり、黄緑色の花やグリーンと合わせるととても涼しげな花束になります。
シックな印象にも
また、アゲラタムの青紫色は、濃い色で組み合わせると一気にシックな印象にもなります。白花のアゲラタムは、綿毛のような質感がアクセントに。白色は切り花としては定番ではありませんが、見かけたらぜひ手にとってみてくださいね。
花言葉と贈りたい!アゲラタムのギフト②
アゲラタムの寄せ植え
園芸好きな方へのプレゼントには、アゲラタムの入った寄せ植えなどもおすすめです。アゲラタムは1年草なので、初夏から秋まで長く楽しんだ後に冬越しなどの管理がないのもギフトにはぴったり。母の日のプレゼントにも向いています。
寄せ植えリース
アゲラタムの質感は、カラーリーフなどとの相性も抜群。寄せ植えリースなどでは、カラーリーフの中にアゲラタムをアクセントで入れると、爽やかな印象になります。お花を細かく分けて植え込むギャザリングにもおすすめです。
花言葉と贈りたい!アゲラタムのギフト③
アゲラタムの鉢植え
誕生花としてのプレゼントはもちろん自宅用にも、アゲラタムだけを植えた鉢植えがおすすめ。矮性種のアゲラタムを小さな鉢植えに植えると、ころんと可愛らしい印象に。1年草で丈夫なので、初心者にも管理が簡単です。
ミックスしても
アゲラタムはほかのお花とも合わせやすく組み合わせるのも楽しいですが、いろんな色のアゲラタムをひとつの鉢に植えるのも素敵です。アゲラタムのグラデーションが美しく、すっきりまとまって見えます。
花言葉と贈りたい!アゲラタムのギフト④
アゲラタムのドライフラワー
アゲラタムのギフトには、ドライフラワーもおすすめです。夏らしい色合いでまとめたドライフラワーのスワッグは、自宅のインテリアはもちろん、店舗など開店祝いのプレゼントにも向いています。
ドライフラワーリース
また、リース型のドライフラワーも人気です。玄関先に飾ったり、結婚式でのウェルカムフラワーや装飾にも使えるので、結婚祝いや新築祝いなどのギフトにもおすすめ。ドライフラワーの鑑賞期間は半年〜1年です。
アゲラタムを自宅で楽しむ
庭植えで楽しむ
アゲラタムの苗は春頃から秋まで出回ります。1年草ですがお花が繰り返し咲いて大きくなるので、お庭に植えると長い間楽しめます。アゲラタムに適した栽培場所は日当たりの良いところ。日陰でも育ちますが、花色が薄くなってしまうことがあります。
寄せ植えや鉢植えで楽しむ
ギフトで紹介した寄せ植えや、鉢植えで楽しむのもおすすめです。夏のお花の寄せ植えにも、秋の寄せ植えにも合わせやすいお花です。寄せ植え初心者の方は、アゲラタムの色違いを植えるだけでも楽しめます。
切り花として楽しむ
アゲラタムの切り花は1年を通して流通しています。季節の枝ものと投げ入れたり、一輪挿しに1本行けておくだけでも素敵。数本まとめてばさっとガラスの花瓶に生けておいても涼しげです。茶色くなった花は取り除くと長く楽しめます。
アゲラタムの花言葉を贈ろう
いろんなギフトを贈ろう
アゲラタムは花束やアレンジメントのほか、寄せ植えやドライフラワーなどギフトの種類も豊富。そして主役にも名脇役にもなれる万能なお花です。アゲラタムの花言葉を贈るなら、時期や相手に合わせて選んでみては。またとても育てやすい植物なので、ぜひ自分用にも挑戦してみてくださいね。
ほかにも気になる方はこちらをチェック
アゲラタムの育て方や増やし方などほかにも気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。また名前の由来となったアザミについてや、カッコウ(アガスターシェ)についても記事がありますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

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