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アゲラタムとは?その特徴と育て方の知っておきたい6つの基本情報

アゲラタムは育てやすく丈夫で、園芸種としても切り花としても人気のお花です。初夏から晩秋まで繰り返し花をつけてくれるので、花壇や寄せ植えにもぴったりです。そこで今回はアゲラタムの名前の由来をはじめ、特徴や育て方についてご紹介いたします。
2020年8月27日
しまうま花屋
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目次

1、アゲラタムとは

アゲラタムは茎の先にふわふわとしたかわいい淡いブルーの小花を咲かせ、開花期が夏から秋まで長く楽しませてくれる一年草。丈夫で育てやすく花壇のお花としても人気が高い品種です。近年は矮性の背丈20㎝ほどのものがよく出回り、ナチュラルな雰囲気の寄せ植えにもぴったり。高性種は切り花としてフラワーアレンジメントや花束にも使われます。

アゲラタム/科目名

アゲラタムはキク科アゲラタム属の植物です。 キク科は小さな花が密集しそれが一個の花に見える点が特徴で、アゲラタムもキク科特有の管状の花びらの小さな花を房状に咲かせます。直立性の茎で、葉茎には荒い毛が生えています。アゲラタム属の植物は世界で40種類ほど知られています。

アゲラタム/学名

アゲラタムの学名はAgeratum。 語源はギリシャ語の否定の意「a」(英語でnonの意)+年を取るという意味の「geras」(英語でaging)で「老いを知らない」や「古くならない」「終わらない」という意味を持ちます。開花期が長く花色が色褪せない特徴に由来します。

アゲラタム/花名由来

アゲラタムの花名は学名から来ていますが、和名では「カッコウアザミ」といいます。 漢字では「霍香薊」と書き、葉がカッコウというシソ科のカワミドリ(洋名アガスターシェ)の香りに似ていること、花がアザミに似ていることから付けられました。日本には明治時代に渡来したと言われています。 英名では「Floss Flower」と呼ばれ、絹綿状の花というアゲラタムの花の特徴に由来しています。

2、アゲラタム/品種

よく流通しているのはアゲラタム・ホウストニアヌム(オオカッコウアザミ)とアゲラタム・コニゾイデス(カッコウアザミ)の園芸種です。手に入りやすいのは矮性種が多く、花壇や鉢植えにしやすい背丈の低いものです。花色は代表的な青紫に加え、白色やピンク色などがあります。

アゲラタム/原産地

アゲラタムは中南米原産で、熱帯アメリカ〜南アメリカを中心に分布しています。 原産地では毎年育つ多年草の亜低木とされ野草化していますが、日本では耐寒性がなく寒さに弱く枯れてしまうので一年草扱いとされています。日本には観賞用として入ってきました。

アゲラタム・コニゾイデス(カッコウアザミ)

アゲラタム・コニゾイテス(カッコウアザミ)はブラジルを中心として分布しており、アフリカやアジアなどの広い地域で帰化しており、日本でも沖縄で定着しています。日本にはカッコウアザミのほうが早く入ってきたと言われています。しかし今ではお花の大きいアゲラタム・ホウストニアヌム(オオカッコウアザミ)のほうが園芸種として主流になっています。

アゲラタム・ホウストニアヌム(オオカッコウアザミ)


現在、一般的にアゲラタムとして認識され、園芸品種が豊富にあるのはアゲラタム・ホウストニアヌム(オオカッコウアザミ)です。メキシコを中心として分布しています。学名はAgeratum houstonianumといい、スコットランドの植物学者の William Houstonに由来。アゲラタム・ヒューストニアナムと表記されることもあります。

アゲラタムの矮性種

アゲラタム・ホウストニアヌムの矮性種。背丈が15〜20㎝ほどで、花壇・鉢植え用として適しています。 「ハワイ」シリーズはブルーやホワイトのほかに赤紫の「ロイヤル」などがあります。大輪種の「ホワイト・マリー」はお花が大きく華やかな早生種です。

アゲラタムの高性種

アゲラタム・ホウストニアヌムの高性種。背丈は30〜80センチと高く、切り花はもちろん花壇や鉢植えにも適しています。 人気品種は爽やかなブルーの「トップ・ブルー」です。そのほか赤紫の「レッド・シー」や、「ハイタイド」シリーズなどがあります。

3、アゲラタム/花言葉・開花時期

アゲラタム/花言葉

アゲラタムの花言葉は、 「信頼」 「幸せを得る」 「安楽」 「永久の美」 「あなたの返答を待ちます」 お花が色褪せない特徴や花名に由来しているのでしょうか、優しくて幸福感のある花言葉が多いですね。ウェディングにぴったりな花言葉たちが並びます。

アゲラタム/開花時期

開花時期は長く、5〜11月までお花が咲きます。 耐寒性がないので霜が降りる頃には枯れてしまいますが、それまでは繰り返しお花をつけてくれます。高温多湿にも少し弱く真夏には少し花付きが悪くなりますが、秋にはまたたくさんのお花をつけてくれるので長く楽しめます。次々とお花をつけてくれるので、いつも花壇を明るくしてくれるすぐれものです。枯れたお花が落ちずに残るのでこまめに花がら摘みをして株をいつもきれいにしてあげると良いでしょう。

4、アゲラタム/特徴

初心者でも育てやすい

アゲラタムが人気の理由は育てやすさ。 冬には枯れてしまう1年草のため冬越しは難しいですが、初夏からずっとお花を咲かせ、あまり手を入れなくても育ってくれる強健さが特徴の植物です。日差しにも強くどんな環境でも育てやすいため、場所を選ばず花壇でも活躍してくれるのも嬉しいところ。土質もあまり選びません。種から育てるにも発芽率が高いので比較的簡単です。

開花時期が長い


特筆すべきはやはりその開花の長さです。 花名の由来にもなる通り、初夏から霜が降りるまで長く咲いてくれます。ずっと咲いてくれるので、お庭や鉢植えにと育て甲斐がありますね。花壇や寄せ植えに適している矮性種で楽しむのも良いですが、切り花にしても花持ちが良く、ドライフラワーにもしやすいので高性種に挑戦していろんな楽しみ方をしてみるのも良いでしょう。

寄せ植えや花壇に使いやすい

アゲラタムは丈夫で繰り返し咲くことで、花壇や寄せ植えにもとても使いやすい植物です。 優しい爽やかなパステルカラーと、ふんわりとたくさんの小さな花を密集して咲かせるためナチュラルテイストの寄せ植えにぴったり。また、密集してお花が咲くので、マッスとしての役割も果たしてくれます。高性種を花壇の背景として使ったり、矮性種を手前に持ってきて花壇の縁取りとして使うにも適任です。

5、アゲラタム/育て方6つの基本情報

アゲラタム/難易度

アゲラタムの育て方の難易度はかなり低めです。冬越しはできませんが、育てやすく繰り返し咲いてくれるすぐれものですので、ぜひ挑戦してみましょう。ではアゲラタムの育て方のポイント6つをご紹介いたします。

①日当たりと置き場所

アゲラタムは日当たりの良い場所を好みます。 日陰でも育ちますが、日照不足になると花や葉の色が薄くなってしまいます。また、徒長してしまい花姿が乱れることがあるのでできれば日当たりの良いところに置きましょう。 しかし高温多湿に弱いので、真夏は半日陰が適しています。 半日陰とは午前か午後のどちらかのみに日が当たるような場所のこと指します。アゲラタムは葉も花も密集しながら茂りますので、多湿に弱い特性があります。花壇で日が当たる場所の場合は、真夏の高温時には枝を間引いたり切り戻したりすると良いでしょう。鉢植えは真夏は移動してあげると良いでしょう。

②水やりと肥料

水やりはあまり神経質にならなくても大丈夫です。 土の表面が乾いたらたっぷりと与える程度で良いでしょう。水のあげすぎは茎ばかり成長してしまいますので気をつけましょう。 また、肥料はあげなくても良いくらい丈夫です。 植え付けの際に元肥をあげるくらいで十分です。夏以外で花付きが悪い場合には液肥をあげても良いですが、夏には株が弱っているため肥料をあげるのはやめましょう。

③病害虫

病害虫にも強いのが特性です。 コナジラミ、もしくは乾燥するときは葉にハダニがつく可能性があります。 コナジラミは若い葉の裏で養分を吸い取ります。苗を買う際にはコナジラミがついていないか葉裏をチェックするのが良いでしょう。もう成虫になっている場合は、苗を触ると白い細かい虫が飛びます。粘着テープで駆除するか、スブレーなどを使います。 ハダニは葉の裏につき栄養を吸い取ります。乾燥が好きで湿り気のある環境が嫌いなため、水を与える時に葉や茎にも水を与えると予防になりますが、アゲラタムの場合は株が密集しているので蒸れる可能性があります。やりすぎに気を付けましょう。ハダニに効くスプレー剤を使うのが良いでしょう。

④種から育てる

タネまきは春3月下旬からが適期。4月頃に植えると初夏から花がつきます。秋をメインにしたい場合は6月下旬頃までにタネまきすると良いでしょう。発芽適温は20℃〜25℃と少し高温のため暖かくなってから始めるのがコツです。 タネが非常に細かいため箱や平鉢にタネ同士を重ならないようにし、覆土をすると良いですが好光性種子のためごくわずかにします。水は丁寧に細めのジョウロでかけましょう。発芽したら間引き、本葉が3〜4枚程度になったらポリポットに植え替えます。土は草花用の培養土で緩効性肥料を混ぜたもので良いでしょう。根がポットに回ったら鉢増しするか定植します。

⑤挿し芽で育てる

挿し芽は気温が15℃以上あればいつでもでき、水に挿しておくだけでも根が出るので簡単です。 7〜8月頃に茎を5〜6㎝に切り取り、赤玉土に挿しても容易に根が出ます。直射日光を避けて管理し、10日ほどで根が出ます。根が出たら草花用培養土の鉢に植え替え、根が張ってきたら鉢増しもしくは定植します。


⑥手入れと管理

放っておいてもどんどん茂りますが、多湿に弱いので茂りすぎに気を付けます。終わった花や葉をこまめに摘み取り、込み合った枝は間引いて整理します。蒸れると下の方の葉が腐ってしまいますので、梅雨から夏には特に気を付けておきましょう。夏に株が弱ってしまうようであれば、半分くらいで切り戻してあげると秋にまた花が咲きます。

6、アゲラタム/おすすめの楽しみ方

寄せ植えにしてみる

丈夫で樹勢が崩れにくく、繰り返し咲くアゲラタムは寄せ植えにおすすめです。 背が高いものはそよそよと風になびく涼やかな寄せ植えに。背の低いものは足元を隠す良いアクセントになります。 爽やかなブルーは斑入りやライトグリーンのカラーリーフと合わせれば初夏らしい雰囲気に、秋には白や赤紫の品種をチョコレートコスモスや銅葉などの濃いグリーンと合わせてもシックになり素敵に仕上がります。

ドライフラワーとして楽しむ

アゲラタムは花色が褪せにくいのでドライフラワーとしてもポピュラーな花材です。 次々と咲くので、適宜花を切り取りながらドライフラワーとしても楽しんでみましょう。ドライフラワーにするには、葉を少し落とし、直射日光の当たらない風通しの良い場所に逆さまにして吊るすと花頭がまっすぐ伸びて綺麗になります。早くドライにしたい場合は、紙袋に花を逆さまに入れてドライヤーで温風を送ると良いでしょう。直接温風が当たらないように気を付けます。そのあとはさかさまに吊るしておきましょう。 ドライフラワーにしたアゲラタムは、スワッグやリースにするとナチュラルな仕上がりになります。

ウェディングブーケにも

花言葉の項にもあったように、幸せな花言葉が多いアゲラタム。 切り花としても広く普及していますので、ウェディングブーケに入れてみても良いかも。ピンクや紫のシックなお花と合わせると、ふんわりとした印象をプラスすることができます。切り花は周年通して出回っているお花なので、手に入りやすいのも特徴です。

まとめ

アゲラタムの魅力をご紹介してきましたが、いかがでしょうか。 アゲラタムは手がかからず、お庭や鉢にさりげないポイントを作ってくれる植物です。育てやすく丈夫なので、ぜひトライしてみてくださいね。