燻製(くんせい)とは
実は簡単な料理
燻製を作ってみたいけど難しそうで遠慮しているという方はいませんか?実は燻製は意外と簡単に、手軽にできる料理です。もともと燻製は保存食を作る方法の一つでしたが、キャンプやバーベキューがブームになり家庭でも簡単に作れるように道具が販売されるようになりました。また必ず専用の道具を買い揃えなくても、段ボール箱などを使って自作することもできます。近年ではアウトドアシーズンになると100均でも道具が買えますよ。
煙でいぶす
そもそも燻製はどんな料理、調理方法なのかというと食材を煙でいぶすだけです。サウナをイメージすると分かりやすいかもしれませんね。サウナは蒸気が充満した部屋となり、蒸気を使うため湿度があります。燻製は蒸気の変わりに煙が充満している部屋に食材を入れる感じとなります。燻製における部屋というのは、燻製器と呼ばれる専用の道具(自作した場合段ボール箱の中)となり、いぶす時間や温度によって水分量が変わってきますよ。
燻製の作りのポイント
水分に気をつける1
上級者になると時間や温度を細かく管理し、燻製を作りますが初心者なら水分に気をつけるといいでしょう。水分にはいろいろな意味があります。まず1つ目は食材の表面についている水分。表面に水分がついていると煙と反応して苦味のあるものが出来上がります。水分が多い食材は下準備としてネットなどにいれて乾かしてからいぶし(燻製)ましょう。キッチンペーパーで表面を拭くのも効果的です。乾燥しているものはそのままで大丈夫です。
水分に気をつける2
もう一つの注意してほしい水分は食材の水分です。前述したように燻製の時間がながければ長いほど乾燥がすすみ水分が抜けることで固くなります。温度やレシピにもよりますが、半日以上はいぶさないように注意してくださいね。半日以上だと水分が少なく硬いかぱさつく触感になりあまりおいしいとは思えない燻製になりやすいです。
温度について
初心者はあまり気にしなくてもいいのですが、大切なポイントでもあります。少しレベルが高いですが、スモークサーモンを作るとしましょう。スモークサーモンは生ですよね。つまり燻製するときに高温にならないように注意する必要があります。温度が高いと焼き魚の燻製になりますよ。スモークチーズも温度が高いと溶けます。このように食材よってはできるだけ低温でいぶすようにしないと失敗しやすいです。
燻製に必要な道具
道具1:燻製器(スモーカー)
ホンマ製作所 / サン・フィールド ステンレススモーカー F-240S【日本製】【温度計付】【燻製チップ付】
ポイントがわかったところで燻製に必要な道具を紹介します。まず絶対に必要になる道具が燻製器です。煙が出ていかないようにするためのもので、金属、陶器、段ボール製などいろいろな種類があり100均でも買えます。煙は物体に当たると反射するため、ボウルや蓋をするだけでも大丈夫です。自作する場合は段ボール箱が多いですが、段ボール箱は燃えるので高温で行う燻製はできません。調理方法の種類については後述しますね。
道具2:燻製材
進誠産業 スモークウッド ロング 6種類全揃いセット
燻製は木を燃やして煙を発生させて、食材をいぶしていきます。どんな木を燃やすかで風味(香り)が異なるため使う木の準備は非常に大切です。また形状がチップ状とブロック状の2種類に分かれチップはガスや炭などの熱源が必要になり、ブロック状のスモークウッドは熱源不要でどこでもできますが、高温を維持できないという違いあります。紅茶、緑茶(日本茶)などの葉などで代用も可能です。
道具3:温度計
SOTO(ソト 新富士バーナー) 温度計 ST-140 ST-140アウトドアギア スモーカー スモーカー用品 クッキング クッキング用品 燻製器
なくてもいいですがあったほうがいい道具です。初心者が細かく温度を調整するというのは簡単ではありませんが、目安となる温度がわかると失敗しにくいです。専用の温度もありますが、普通の温度計でもいいでしょう。スモーカーに付属していることもあります。
道具4:脱水シート
ロゴス(LOGOS) 燻製用脱水シート ST174 (Men's、Lady's)
余分な水分を取ってくれる便利な道具ですが、前述したように風通しのいい場所で乾燥させればなくても大丈夫です。生魚、肉のようにうまく乾燥できるかわからない時は使ったほうがいいでしょう。
燻製に向く食材
水分が少ないものが初心者向け
手軽で簡単な作り方は、調理方法が複雑ではないものとなります。例えばくるみやアーモンドなどの木の実は水分がすくなく乾燥させなくてもそのまま燻製できるため非常に手軽です。チーズも種類によっては水分が非常に多いというわけではないので、下準備として乾燥させなくても可能ですよ。硬いチーズは水分が少ないです。水分量が少ないものは長時間いぶさないように注意してくださいね。
調味料・スパイス
燻製料理を作るたびに燻製するのは手間がかかり大変です。そこで調味料を下準備としてあらかじめ燻製しておくという方法もありますよ。水分があるとまずくなると紹介しましたが調味料に関しては大丈夫です。醤油や塩、コショウなどをいぶしておき、それを料理に使うだけでお手軽で簡単な料理ができます。調味料、スパイスも食材と同じ燻製方法で大丈夫です。
バーベキューで好まれる食材は合う
向かない食材がないぐらい万能な料理方法です。甘みが強いチョコレートなどは向きませんが、スモークスイーツなどもありますよ。魚、肉との相性もいいです。また食材と燻製材にも相性があるのでいろいろ比べてみてください。相性よりもバーベキューのように気温が高く外で楽しむときにする場合は食材の管理に気をつけてくださいね。
バーベキューでできる簡単な燻製の作り方とは
燻製の調理方法について1
バーベキューをしている間にほったらかしでも燻製はできます。調理方法は冷燻と温燻になります。冷燻はスモーカーが25~30度以上にならないように管理しながらする方法となり、熱源がなくても使えるスモークウッドが向いています。温燻は50度~80度でバーベキューでやりやすい燻製になります。冷燻は気温が25度を超えている時点でできないため夏のバーベキューには向かない調理方法です。温燻も段ボール箱で可能です。
燻製の調理方法について2
高温で短時間いぶすのが熱燻です。熱源を使用するチップを使ってガスや炭火などの熱源の上に耐火性のあるスモーカーおいて作るため、段ボール箱ではできません。高温で短時間しかいぶさないため水分量が多くジューシーな燻製ができますよ。レシピや調理方法にもよりますが、バーベキューではいぶすだけにするとベーコンもできます。短時間でできるためメインのバーベキューと一緒に楽しめて便利です。
バーベキューでの簡単な燻製の作り方
冷燻の作り方
寒い季節にしましょう。冬キャンプや冬のバーベキューにおすすめです。できるだけ大きなスモーカーを準備しておき、スモークウッドを燃やすだけです。使う食材、レシピによっていぶす時間は異なりますが半日程度いぶしますよ。スモークウッドは大きな炎を上げながら燃えるのではなく、線香のように煙だけが目に見えて、炎を上げながら燃えることはないため冷燻、温燻に向きます。ただしスモーカーが小さいと簡単に30度を超えますよ。
冷燻で温度が高くなったら
温度が高くなったら構造にもよりますが、扉を開いたり、蓋を開けたりして中の空気を入れ替えます。暖かい空気は自然と上に登るので煙とともに排出されますよ。外の気温が低いときにすると、これだけで庫内の温度簡単に下がります。冷燻をする場合は温度計を用意して管理しないといけないことから、初心者向けとはいい難いです。
温燻は簡単で手軽
温度を低くする必要がないため最も手軽で簡単な作り方です。方法は冷燻と同じです。スモークウッドにバーナーなどでしっかり火をつけてスモーカーの中に入れるだけです。あとはほったらかしにしてレシピにもよりますが数時間で出来上がります。段ボール箱でする場合は風で倒されないように気をつけてくださいね。火を上げて燃えるわけではありませんが、ウッドは燃えているので風で倒されるとスモーカーごと燃えてしまう恐れがあります。
熱燻の作り方
熱源を使えば熱燻になりやすいです。サウナが蒸気を閉じ込めているように、スモーカーも煙が出ていかないようにすれるだけなので、工夫次第でいろいろなやり方があります。バーベキューで手軽に作りたいという場合は、アウトドア用の厚手のアルミホイルを利用するといいでしょう。スモークチップは直接燃やすのではなく熱源の上にアルミ皿やホイルを敷いて熱することで煙を出しますよ。
バーベキューでも使える自作スモーカー
アルミ皿で燻製
スモーカーにもいろいろな作り方があります。例えばスモーカーがなくてもアルミ皿が2つあると燻製ができます。バーベキューグリルの上に焼き網をのせその上にアルミ皿をおいて、適量のスモークチップを入れます。皿より少しはみ出る程度の網をのせて燻製にしたい食材置いてもう一つのアルミ皿をかぶせるだけで燻製ができますよ。スモーカーがあるとスモーカーを使うといいでしょう。高い温度でいぶすので短時間にしましょう。
フライパンでも燻製可能
フライパンでも燻製が作れますよ。フライパンにアルミホイル敷いてチップを置き、網の足となるように丸めたアルミホイルを3~4箇所いれて網を置き食材を置きます。最後はボウルなどをかぶして煙が逃げないようにすれば燻製ができますよ。燻製をすると煙で飴色の粘りのある汚れが付着します。ボウルなどにアルミを敷いておくと後片付けが楽です。
手軽にできるバーベキューにおすすめ燻製レシピ1
スモークナッツ
初心者でも簡単にできて手軽な燻製がスモークナッツです。最近はノンフライ、味がついていないものもありますが、塩味がついているものは下準備として食材に味付けをしなくてもいいので手軽ですよ。ナッツではありませんがジャイアントコーンなど変わり種を燻製にしてみてもいいでしょう。水分量が少ないため失敗することがない食材となります。
材料
材料 (作りやすい分量) ミックスナッツ 30gくらい
作り方
冷燻でも温燻でもできます。網だと隙間から落ちてしまうのでアルミホイルなどでトレーを作ってもいいでしょう。スモークウッドならミニサイズ一本もあれば十分です。熱燻でも可能でもできますが、あまり熱くしなくても大丈夫ですよ。熱源を使用するチップで作る場合は、10分だけいぶすといいでしょう。くるみ、アーモンド、カシューナッツなどいろいろなナッツが燻製になります。味付けする場合は燻製前に下準備としてします。
手軽にできるバーベキューにおすすめ燻製レシピ2
スモークチーズ
定番の食材「チーズ」は温度に気をつけると初心者でも簡単です。燻製は好みで味付けをした後、乾燥しいぶすという工程になりますが、チーズはすでに塩気(味)があるので買ってきたその日に燻製可能です。作り方もいたってシンプルに溶けない温度でいぶすだけとなり下準備不要、手軽で簡単な燻製になりますよ。チーズに限らず燻製はレシピによって細かい時間は変わります。好みの時間を見つけるといいでしょう。
材料
6Pチーズ1箱 桜のチップ一握り強
作り方
スモーカーにチーズを入れて、スモークウッドに火をつけてきちんと煙が出ていることを確認したらスモークウッドを庫内に入れます。あとは放置します。これだけで燻製ができますが、温度が高いと溶けるので硬いチーズを使うといいでしょう。またチーズを直接網に乗せるのではなくアルミホイルを敷いておくと溶けても大丈夫です。ウッドは一切れ(1時間~1時間半)程度となります。チップでもでき弱火~中火で8分程度です。
手軽にできるバーベキューにおすすめ燻製レシピ3
ウィンナー(ソーセージ)の燻製
ウィンナーやソーセージも初心者が作りやすい食材です。味がついているので下準備不要となりバーベキュー当日に買ってそのままバーベキュー場で燻製できますよ。作り方も熱燻、温燻どちらでも可能です。スモークナッツ、チーズと共に燻製の定番です。作りやすいのは温燻となり、ほったらかしにしてもできますよ。ナッツやチーズも温燻が可能なため同時にいぶし、3種類の燻製が同時にできておすすめです。
材料
ウィンナー10~12本 スモークチップ(桜)1/2カップ
作り方
熱燻の場合はスモーチップをいれて網を置き、その上にアルミホイルを敷いてからウィンナーを置くといいでしょう。油がチップに落ちると発煙しなくなります。あとは煙出てからウィンナーを入れ10分前後でできます。温燻はアルミホイルを敷かなくてもそのままで大丈夫です。スモークウッドが燃え尽きる1時間~1時間半程度で大丈夫です。ほったらかしにする温燻は同時にいろいろな種類ができるため初心者にもおすすめです。
手軽にできるバーベキューにおすすめ燻製レシピ4
燻製醤油
バーベキューではソースや焼肉のタレを使うことが多いですが、醤油は野菜、肉類、魚介類とどんな食材でも使える万能調味料です。ご飯に塗ると焼きおにぎりにもなります。このときに燻製した醤油を使うと、いつもとは違う風味になり手軽に燻製風のバーベキューを楽しめます。水分がなくなると塩分濃度が濃くなリ塩辛くなるため短時間いぶすようにしましょう。
材料
醤油100ml 麺つゆ100ml 塩大2 チップ(今回は桜チップ)ひとつかみ×3
作り方
短時間となるので熱源を使用する熱燻がおすすめでになります。時間はレシピによって変わりますが、数分でも大丈夫ですよ。煙ができるだけ広く当たるように浅くて広い容器に醤油を入れておきましょう。作り方はスモークチップから煙が出たことを確認したら浅くて広い容器に入れた醤油を中に入れて数分燻製します。あとは火を消してしばらく待ってば完成です。手軽に燻製風味が楽しめる醤油になります。
手軽にできるバーベキューにおすすめ燻製レシピ5
卵の燻製
うずらでも鶏でも好みの方でできます。うずらだと水煮を使うと茹でる手間が不要です。そのまま燻製して塩で食べる、あるいは塩を振ってから燻製するという方法もありますが、味をしっかりつけるタイプのレシピを紹介していきますね。前もって下準備が必要になるためバーベキューの前日などから準備しておきましょう。
材料
うずら卵50個 麺つゆ(2倍濃縮タイプ)うずら卵が漬けれる位 ☆桜チップorヒッコリーチップ1握り ☆ピートスモークパウダー小さじ1 ☆お砂糖1つまみ お酢(無くても良い)小さじ1
作り方
ゆで卵を作り、めんつゆに1日漬け込み味をしっかりつけます。あとは燻製していくだけです。水分があると酸味や苦味などが出てきてまずくなるので、燻製にする前にしっかり乾かしましょう。そのあとはスモークウッドでもチップでも好きな方で燻製していくだけです。砂糖はウッドやチップに入れることで食材に色がつきやすくなる効果があります。ピートは香りがさらに豊かになりますが、チップやウッドより入手しにくいです。
手軽にできるバーベキューにおすすめ燻製レシピ6
簡単なベーコン
初心者でも意外と簡単にベーコンが作れますよ。下準備が必要なため他の燻製と比べると手軽さはあまりないですがバーベキューにおすすめです。ブロックのままでも大丈夫ですが、薄くして焼き肉のようにすると時間を短縮できるので、時間が限られているバーベキューのときは便利ですよ。キャンプなら大きいブロック肉を贅沢にいぶしても時間がたくさんあるので大丈夫です。
材料
豚バラ肉ブロック300g〜500g 塩 肉重量の2.5%(1.5%) 胡椒適量 (ローリエ1枚) 燻製チップ(麦茶パックでもOK)大さじ1〜2
作り方
豚肉に塩コショウをしてしっかり刷り込んでいきます。ローリエも一緒に入れておきましょう。あとは一週間ほど冷蔵庫で寝かしておきます。紹介するレシピは塩抜きとして水につけたり、流水で洗わなくていいので手軽ですよ。しっかり寝かしたあとは燻製にするだけです。熱燻、温燻がいいでしょう。チップの上に油が落ちないように配慮しながら弱火で30分ほどいぶすと完成です。
手軽にできるバーベキューにおすすめ燻製レシピ7
サラダチキンの燻製
最近スーパーやコンビニで買えるサラダ用チキンも燻製にすることができます。非常に手軽にスモークチキンが作れますよ。味がついているタイプを使うと下準備として味付けしなくてもいいので手軽にできますよ。味がついていないものはお好みで塩コショウなどをして薫製にするといいでしょう。
材料
材料 サラダチキン1袋 胡椒(お好みで)適量 ■ 燻製セット
作り方は非常にシンプルです。サラダチキンをしっかり乾燥させて燻製するだけです。温燻でも熱燻でも好きな方でいいでしょう。火が通っているので段ボール箱でもできますよ。
バーベキューできる簡単燻製のまとめ
初心者でもバーベキューしながら薫製はできる
バーベキューで肉や野菜を焼いてる隅のほうで短時間だけいぶしてみたり、バーベキューを始める少し前から段ボール箱で燻し始めてスモークウッドが燃え尽きるまでほったらかしにしてみたりと意外と初心者でもバーベキューしながら薫製はできますよ。下味がついているものはバーベキュー当時に燻製しても美味しいです。香りが付くだけで風味も大きく異なり下味を付けなくても美味しく感じますよ。
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