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燻製とは?煙が食品に及ぼす効果や行うメリットは?仕組みや効果をご紹介!

燻製とは食品にスモークの香りを付けて風味をアップさせる食べ物と思っていませんか?今の燻製の楽しみ方としてそれも間違いではないのですが本来の燻製は違った意味や目的があるのです。今回は燻製とはどのようなものかその仕組や原理、煙が作る食品の味変化や効果を紹介します。
更新: 2021年12月11日
佐藤3
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はじめに

燻製の仕組み・原理とメリットを紹介

燻製を口にするとまず独特の木の煙の香りがするでしょう。このスモークされた香りばかりに注目されがちですが、実は他にも大切な食品加工・保存の仕組みや原理に基づいて昔からおこなわれていた製法です。

冷蔵庫などの普及によりあまり利用させることの少なくなった燻製のもうひとつのメリットもご紹介しつつ、効果的な作り方や燻製することによる味の変化などにも触れていきましょう。

燻製とは?基本の考えかた

燻製の考え方

まず燻製を作るには食品を塩漬けにする必要があります。ただ香りを付けるだけでは本物の製法と呼ぶには不十分。主に使われる食材は肉や魚がメインでしたが、最近ではその他の食材もいぶして楽しまれていますね。

燻製は木材を燃やして香りを付ける

塩漬けにした食材を木材を燃やして出した煙を当て、独特の香りを付けていくのも作り方ポイント。海外のアウトドア料理として認知されている方も多いでしょうが、かつおぶしや秋田で作られるいぶりがっこも、ジャパニーズ燻製といえる古くからある加工のやり方で作られた食品となっています。

ハムやソーセージは身近な燻製

燻製というと特別な食品と思われがちですが、身近な食材としてよく食べられるハムやソーセージも実は燻製食品の一例。香りだけでなく保存という観点でも燻製はよく利用されているのです。

燻製の原理と仕組みについて

塩漬けの原理は?どんな仕組みか

燻製作りに大切なのが塩に漬けておこなう味付け作業。こうすることで食品の中の水分が塩の浸透圧で抜けるという仕組みとなっています。燻製を作るにはこの水分抜きが重要で、これは古くからある塩蔵法の原理に基づいた食品加工・保存のやり方です。

煙による防腐の原理と仕組み

ものが腐るのは付着した菌が原因。燻製はこの菌が直接食品に付着しないように煙でコーティングすることで、腐らないようにするという防腐の原理を活かした作成方法です。

燻製による味の変化

水分を抜く塩漬けによるしょっぱさ

先程もご紹介したように燻製はまず塩漬けにして食品から水分を抜くことからはじまります。この水分を抜くという目的で利用した塩により、あらかじめ食材には塩味がプラスされしょっぱい味が付くのです。

このしょっぱさがスモーク製品がワインやお酒に合うと多くの人が感じる理由にもなっているのでしょう。

作り方により味にも変化が


燻製の作り方には燻製がまの温度によって大きく分けて3種類。この燻製にする工程の温度差により、食品中の水分量も変わってきて食感に大きな変化があります。その仕組みは燻製温度がキーポイント。

低いほどしっかり水分が抜け硬くてしっかりとした味わいに、温度が高いとソフトな味となるでしょう。

燻製をするメリットは2つ

燻製の意味①殺菌効果

Photo bymoerschy

燻製を作る意味は風味づけの目的が多くなってきましたが、本来そのメリットは食品の殺菌効果による長期保存でした。燻製にする食材として肉や魚とご紹介したのも、この煙の殺菌効果が現れやすい食材であったため。

煙がタンパク質を変質させ表面の菌を減らしてくれるだけでなく、膜を作ってその後の菌が食品に直接付着して腐敗させるのを防ぐメリットがあります。

燻製の意味②香りづけ

Photo by naka_hide

冷蔵技術が進化して昔のように食品保存も常温ではなく冷蔵や冷凍といった、手軽に腐敗を遅らせることができる機械が各家庭に普及して、燻製の本来の効果は姿を消したといえるでしょう。

そんな燻製のもうひとつのメリットは何といっても香りづけ。スモークチップの種類を選んで燻製を作る方もいるくらい、こちらの効果が現代の燻製の効果となっているのは火を見るより明らかですね。

燻製の種類3つと特徴

冷燻法

燻製がまの温度が15度から20度の範囲で作る製法がこの冷燻法。本来の作り方であれば非常に長期間いぶす作業が必要となるだけでなく、低温をキープするために外気にも気をつけなければいけないため、作る季節を選びます。

できあがりは水分が多く抜け硬い食感に。生ハムやスモークサーモンなどがこの冷燻法を使った製法で作られます。

温燻法

Photo by tokyofoodcast

最も一般的に行われる燻製のやり方が温燻法で、市販の燻製キットなどでも利用されるのがこれ。温度は30度から80度が適温で、数時間という短い時間で完成するのもその特徴です。

殺菌効果はあまり高くないですが、燻製したあとに真空パックするなどして長期保存に対応できます。温燻法を使用される主な食品はロースハムやベーコンとなっています。

熱燻法

温燻法よりももっと高い温度(90-140度)で短時間に燻し加工をするのがこの熱燻法。加工時間も数十分ととても短く、そのためソフトな食感と煙の香りを十分楽しめる製法となっています。

燻製製法のやり方①下処理

ソミュール液や塩漬けにする

まずは燻製にする食品に下ごしらえをしていきます。たとえば魚であれば内蔵を取りよく洗い、塩漬けにしてから再度塩抜きといくつかの工程が必要です。塩漬けは殺菌面でも必要なこと。ここでは魚よりももっと手軽にできる鶏ささみを材料とした下ごしらえの方法をご紹介します。

ささみの味付けと水分抜き

材料は鶏ささみ570gに対してソミュール液200cc、しょうゆとみりんを同量50ccとお好みで鷹の爪を入れてピリ辛に仕上げます。すべて混ぜた液体にささみを入れラップをして、その上から軽めの重しをして冷蔵庫で2日間。その後流水の中にしばらくつけて塩抜き作業をして下ごしらえは完了です。

ソミュール液とは?その作り方


今まで塩漬けでご紹介してきましたが、燻製作りにはソミュール液という液体を使って味付けをする方法もあります。ソミュール液の作り方は簡単。水に塩と三温糖を入れて煮溶かすだけ。

こちらの作り方動画では塩分濃度は21.4%程度となっています。沸騰させる前に塩と三温糖を入れて、かき混ぜながらしっかり溶かしてできあがりです。

冷蔵庫でしっかり脱水できるおすすめアイテム

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燻製素材の脱水は風通しの良い場所に吊るしても良いですが、手軽に短時間で乾燥させるためにキッチンペーパーやピチットシートなどの浸透圧脱水シートを使う方法もおすすめです。忙しい方や集合住宅などで食品の匂いが近隣迷惑になりそうな時など、便利に使えるアイテムとなります。

燻製製法のやり方②乾燥

乾燥には燻製前の乾燥といぶした後にさらにおこなう乾燥があります。すぐに食べる人やジャーキーを作りたいという人でない限り、塩抜きしたあと水分を取る程度の乾燥で済ませる方法で燻製をしている人が増えているようです。長期保存が必要であれば、しっかりとおこないたい工程となるでしょう。

燻製前に乾燥させて美味しくなる

塩漬けなどにした食材はそのままでは塩辛くて食べるのには不向きなので、いったん水に浸し塩抜きしてから乾燥させ燻製にするという工程が必要になってきます。

昔ながらの製法であれば乾燥は風に当てる自然乾燥。手軽に初心者が行う方法としては別のやり方を紹介しているものも多いですが、自然乾燥方法もぜひ試してみてください。*動画ではジャーキーにするために燻製した後も乾燥を続け、2週間となっています。

簡単にできるキッチンペーパー乾燥

使用する食材を塩鮭にして、キッチンペーパーで水気を取ることでもっと短時間に簡単に燻製を楽しめます。手軽に作る方法の一例として参考にしてみてはいかがでしょうか。

口に入れるものを自分で加工して作っているので食材の腐敗などには十分注意してください。匂いや粘りがおかしいと感じたら食べないなど自己責任でおこないましょう。

切り身のシャケなら冷蔵庫で1時間乾燥

出典: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61NHbuAbLWL._SL1000_.jpg

さきほどはピチットシートで行う乾燥方法も見てきましたが、キッチンペーパーで水分を取っている人もたくさんいるようです。一般家庭にあることも多いアイテムですので試しやすいのがメリット。乾燥させる意味は水分を抜いて腐敗を防ぐともに、味を濃縮させる意味もあります。

燻製製法のやり方③いぶし

燻製のメイン工程がこのいぶし。使用する木材によって付く香りも変わってきます。ここではチップやウッドを燃やして煙を出すところと、その煙や熱を逃さず食材加工する部分のある燻製器が必要です。

乾燥が必要ない食材ならすぐにいぶせる

おつまみ用にスモークチーズやウインナーの燻製を作るなら、すぐにいぶしの工程からはじめられます。いぶしは食品の殺菌の意味もある燻製のメイン。お好みのチップやウッドを使って、食欲をそそるきれいな色や香りをつけていきましょう。

燻製器があると便利

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燻製は木材の煙の香りをしっかり食材につけることと、ある程度の温度でいぶすことが大切です。温度や煙を逃さないためにあるのが燻製器。

最近はダンボールなどを利用する使い捨ての燻製器もありますので、用途や頻度に合わせて燻製器を選んでみてはいかがでしょうか。動画内でも使われていたのは中型のもの。幅広い用途とそこそこ多くの食材をいぶせます。

燻製器いろいろ


最後になりますがいぶしをおこなうために使う道具「燻製器」をいくつかご紹介しましょう。アウトドアで作るのか自宅のコンロの上で使うのかによっても道具を選ぶ必要がありますし、冷燻法や温燻法など温度の違いをつけるのにも適正ないぶし用道具が変わってきます。

大型燻製器

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冷燻法で作るなら熱源からできるだけ食材を遠ざけることができる大型な器が必要です。冷燻法でなくても、たくさんの食材を一度にいぶして作りたい場合などにも大型燻製器は便利でしょう。

中型~小型燻製器

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出典:Amazon
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コンロの上に乗せて使える、ちょっとしたスモークアイテムを作るのに便利な中型から小型の燻製器。熱燻法や温燻法に使えます。室内でいぶしをおこなうときはしっかり蓋ができるものを選ばないと、火災報知器が反応するなどして大変なので注意しましょう。

手軽に室内で燻製ができる

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ちょっとした香りつけをして、燻製風なおつまみがすぐ食べたいという人にピッタリ。注目を集めているのが煙だけを送って、ジップロックなどでも手軽にスモーク食品が作れる機械です。

使用するチップの量も少なくて済みますし、煙を送ってそれが落ち着いたら完成という短時間で完成する点も魅力となっています。

まとめ

保存と香り両方のメリットがある燻製

燻製には煙で香りづけするだけでなく、食品を殺菌して腐りにくくするという働きもありました。そんな燻製にも温度によって3つの製法があることと、その特徴などもご紹介してきましたがいかがでしたでしょう。

作り方によって食感も変わってきますので、自分のお好みの燻製の方法でチャレンジしてみてくださいね。そのときは下処理からいぶしまでのやり方解説も参考にしていただければ幸いです。

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