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新型MT-03のスペック!最高速などの性能を旧モデルやMT-25と比較!

新型MT-03のスペックを旧型と比較し、性能の違いを徹底検証します。スペック維持でマイナーチェンジにとどめられたのは旧型の評価が高かったからなのですが、微調整された項目もチラホラ。倒立フォーク化された効果も気になります。もしや旧型MT-03の中古車はねらい目?
2020年8月28日
hosokawa_taka
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新型MT-03のスペック:はじめに

ヤマハのMT-03はスタイリッシュなデザインと軽快な動力性能が魅力のスポーツネイキッドバイクです。2020年の3月にマイナーチェンジされ、注目しているバイク乗りも多いことでしょう。しかし、評判の良かった旧型の中古車も気になるところです。前半では新型MT-03のスペックを旧型と比較し、共通点と変更点に分けて検証します。

MT-03とMT-25の性能の違いは?

また、後半ではMT-03を上回る人気のMT-25との違いも比較します。MT-03の余裕あるパワーか?それともMT-25の経済性か?なかなか難しい選択ですね。しかも新型と旧型の中古車が存在しますので選び方は複雑。最後半ではカスタムパーツや中古車価格についてもチェックします。

では本題!新型MT-03のスペックを検証します。なお、この記事は2020年5月29日現在の情報をもとに作成しますことをご了承ください。

新型MT-03のスペック【共通】エンジン

旧型MT-03とエンジン性能を比較

出典: https://www.goobike.com/catalog/detail/photo/1024628_01_2020_03.jpg

新型MT-03(2020年モデル)

新型MT-03には旧型と全く同じエンジンが搭載されています。最高出力や最大トルクも変更されていません。ボア×ストロークは68.0×44.1mmのショートストローク。エンジンを高効率化するためにバランサーを1本で済ませられる180度クランクが採用されています。スムーズなエンジンフィーリングが魅力です。

【2020年新型MT-03のエンジンスペックを旧型と比較】

  新型MT-03
2020モデル
旧型MT-03
2018モデル
エンジン 水冷DOHC4バルブ直列2気筒
最高出力 42PS/10750rpm
最大トルク 3.0Kgf・m/9000rpm

※2020年5月29日現在

新型MT-03のエンジン性能を400ccバイクと比較

新型MT-03を他の400ccバイクと比較すると、エンジンパワーはやや控えめな印象を受けます。それは他の400ccバイクより排気量が約80cc少ないため。車両重量を最大トルクで割ったトルクウエイトレシオは劣りますが、車両重量を最高出力で割ったパワーウエイトレシオはホンダの400cc2気筒エンジンを上回ります。

新型MT-03のスペック【共通】最高速度

旧型MT-03と最高速度を比較

出典: https://www.goobike.com/catalog/detail/photo/1024628_00_2018_03.jpg

旧型MT-03(2018年モデル)

新型MT-03のギヤ比は旧型から変更されていませんので、理論上の最高速度も全く同じです。レッドゾーン入口となるエンジン回転数も同じ12500rpm。6速12500rpmでの理論上の速度は197.7km/hで、これも旧型と同じです。エンジンの性能を重視するなら旧型の中古車も検討の価値があります。

【2020年新型MT-03の最高速度を旧型と比較】

  新型MT-03
2020モデル
旧型MT-03
2018モデル
最高速度1 170.0km/h
最高速度2 142.3km/h

※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論上の速度(6速)
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論上の速度(6速)
※2020年5月29日現在

新型MT-03の最高速度を400ccバイクと比較

新型MT-03を他の400ccバイクと比較すると、最高出力を発生させるエンジン回転数での理論上の速度は平均値(162.6km/h)を上回ります。また、最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論上の速度は平均値(129.7km/h)を大きく上回り、4気筒エンジンを搭載したホンダのCB400SF/SBに次いで2位。MT-03は2気筒の割にエンジン回転数が高めだからです。

新型MT-03のスペック【共通】高速道路

旧型MT-03と高速道路性能を比較

新型MT-03の高速道路走行を想定したエンジン回転数を計算すると、実用的な範囲で余裕があります。高速道路走行でいっぱいいっぱいにならないレベルですね。新型と旧型にエンジンやギヤ比の違いはないので、高速道路走行を基準に選ぶなら、中古の旧型MT-03も検討する価値があります。

【2020年新型MT-03のエンジン回転数を旧型と比較】

  新型MT-03
2020モデル
旧型MT-03
2018モデル
100km/h 6322rpm(70.3%)
80km/h 5058rpm(56.2%)

※高速道路走行を想定した速度での理論上のエンジン回転数(6速)
※()内は最大トルクを発生させるエンジン回転数比
※2020年5月29日現在

新型MT-03の高速道路性能を400ccバイクと比較

新型MT-03の高速道路走行を想定したエンジン回転数を他の400ccバイクと比較すると、エンジン回転数はやや高めなものの、最大トルクを発生させるエンジン回転数に到達するまで余裕があります。400ccバイクの平均値は時速100キロで5764rpm(83.3%)、時速80キロで4611rpm(66.6%)です。MT-03のエンジンは高回転まで回してトルクを稼ぐタイプだといえます。

新型MT-03のスペック【変更】車体サイズ

旧型MT-03と車体サイズを比較


新型MT-30の車体サイズを旧型と比較すると、全長は同じですし、全幅も体感できるほど違いがありません。しかし、全高はハンドルに手を添えただけで感じられるほど違います。これは新型となってハンドル位置が44mm高くなったのが原因です。ライディングポジションは旧型よりアップライトになりました。

【2020年新型MT-03の車体サイズを旧型と比較】

  新型MT-03
2020モデル
旧型MT-03
2018モデル
全長 2090mm
全幅 755mm 745mm
全高 1070mm 1035mm

※2020年5月29日現在

新型MT-03の車体サイズを400ccバイクと比較

新型MT-03の車体サイズを他の400ccバイクと比較すると標準的です。400ccバイクの平均値は全長が2086.0mm、全幅が758.0mm、全高が1160.0mm。巷では「250ccの車体に+70ccの余裕」とうわさされていますが、MT-03の車体サイズは400ccバイクのベンチマークともいえるホンダのCB400SFに近いですね。ちなみに、400ccクラスでもっともコンパクトなのはカワサキのニンジャ400です。

新型MT-03のスペック【変更】足回り

旧型MT-03と足回りを比較

新型MT-03の足回りを旧型と比較すると、フロントサスペンションの仕様に大きな違いがあります。旧型MT-03の正立フォークは接地感の高さに定評がありましたが、新型では剛性感を得るために倒立フォークが採用されています。ラジアルタイヤへの変更にも大いに期待できますね。挙動が緩やかな正立フォークか?それとも剛性感の高い倒立フォークか?旧型MT-03の中古車を選ぶにあたって熟考したいポイントです。

【2020年新型MT-03の足回りを旧型と比較】

  新型MT-03
2020モデル
旧型MT-03
2018モデル
F サス Φ37mm倒立 Φ41mm正立
タイヤ ラジアル バイアス
R サス リンクレス/プリロード調整7段
タイヤ ラジアル バイアス

※2020年5月29日現在

新型MT-03の足回りを00ccバイクと比較

新型MT-03の足回りのスペックを他の400ccバイクと比較すると、やや見劣りする印象を受けます。ハンドリングはスペックだけで推し量れないものですが、ホンダ車はフロントもプリロード調整ができますし、カワサキ車のリヤサスペンションはリンク式です。この辺りはMT-03に400ccクラスとしてのプレミアム感が欲しかったですね。

新型MT-03のスペック【変更】街乗り

旧型MT-03と街乗り性能を比較

新型MT-03の街乗りに関するスペックを旧型と比較すると、最小回転半径に違いがあります。これは新型のフロントサスペンションが倒立フォークとなり、ハンドルの切れ角が狭くなったからだと推測できます。推測でしかないのは、新型の取扱説明書にハンドルの切れ角が記載されていないからです。ちなみに、車両重量の+3kgはABSの装備が原因だと考えられます。

【2020年新型MT-03の足回りを旧型と比較】

  新型MT-03
2020モデル
旧型MT-03
2018モデル
シート高 780mm
車両重量 169kg 166kg
最小回転半径 2.9m 2.7m

※2020年5月29日現在

新型MT-03の街乗り性能を400ccバイクと比較

新型MT-03の街乗り性を他の400ccバイクと比較すると良好です。車両重量はカワサキのニンジャ400&Z400に次いで軽量で、シート高はホンダのCB40SF/SB、スズキのバーグマン400に次いで低い数値。最小回転半径は大きく、CBR400Rと共に最下位なのですが、アップライトなライディングポジションはリーンアウトでの小回りがしやすいですね。

新型MT-03のスペック【変更】デザイン

旧型MT-03とデザインを比較

新型MT-03でもっとも目立つ変更点はフロントフェイスと燃料タンクのデザインです。旧型はスマートなデザインでしたが、新型は勇ましいデザインになりました。デザインはスペックと無関係?いえいえ、バイク乗りのスペックを高めるのはデザインですので重要な変更点!残念ながら、リヤカウルのグラブバーは省略されました。

新型MT-03のデザインを400ccバイクと比較

新型MT-03のデザインは街乗りからツーリングまで楽しめる寛容度の高さが魅力です。イメージを固定されにくいのでバイク乗りの使い方に合わせやすいですし、ライディングウエアの選択肢も広がります。流麗なシルエットはヤマハならでは!おしゃれなライダーや女性ライダーにも受け入れられやすいデザインです。そう考えると、旧型の方向性を維持しながら進化したデザインだといえます。

新型MT-03のスペック【変更】メーター

旧型MT-03とメーターを比較


新型MT-03はスピードメーターのデザインが一新されました。旧型はデジタルのスピードメーターにアナログメーターという構成でしたが、新型はフル液晶マルチファンクションメーターです。速度の表示面積が増え、公道での使い勝手が向上しました。旧型との機能的な違いは少ないですね。タコメーターを頻繁に確認するなら旧型の中古車も検討の価値があります。

新型MT-03のメーターを400ccバイクと比較

新型MT-03のメーターを他の400ccバイクと比較すると、新型らしい正統進化が施されたといえます。CB400SF/SBはアナログ、CBR400R/400Xはフルデジタル、ニンジャ400/Z400はデジタルスピードメーターにアナログタコメーター、バーグマン400はアナログです。メーターは好みによって選択すべきですが、多機能なデジタルメーターは今後も増えると考えられます。

MT-03のスペックをMT-25と比較:エンジン

MT-25のエンジン性能

MT-03の新型と旧型の違いを一通り確認しましたので、ここからはMT-25との違いを検証します。

MT‐03とMT‐25のエンジンを比較すると、MT‐03のほうが低いエンジン回転数で出力やトルクを得られます。MT-25はMT‐03と同等の速度を得るためにエンジン回転数を上げなければなりません。高いエンジン回転数が必要になると長距離走行で疲れの原因になったり、クラッチミートが難しくなったりします。

【MT-03のエンジンスペックをMT-25と比較】

  MT-25 MT-03
エンジン 水冷DOHC4バルブ直列2気筒
最高出力 35PS/12000rpm +7/-1250
最大トルク 2.3Kgf・m/10000 +0.7/-10000

※2020年5月29日現在

MT-25は二輪の軽自動車

手軽にカスタムできるのはMT‐25のメリットです。MT‐25は排気量が71cc小さい軽二輪車。ハンドル位置の変更やローダウン程度のカスタムなら陸運局へ届け出る必要がありません。MT‐03は二輪の小型自動車として扱われるので車検があり、ハンドル位置やローダウンといったカスタムをすると車検時に諸元記載変更が必要になる可能性があります。

MT-03をMT-25とスペック比較:最高速度

MT-25の最高速度は遜色ない

MT-03の最高速度をMT-25と比較すると大きな違いはありません。MT-25はエンジン回転数と変速比でMT-03の速度域を再現しているからです。エンジン回転数の高ささえ気にならなければ、MT-25を選択するのもあり。しかし、初心者にはエンジン回転数を上げなくてもトルクを得られるMT-03がおすすめです。

【MT-03の最高速度をMT-25と比較】

  MT‐25 MT-03
最高速度1 165km/h ̠-5.0
最高速度2 137.5km/h -4.8

※最高速度1:最高出力を発生させるエンジン回転数での理論上の速度(6速)
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論上の速度(6速)
※2020年5月29日現在

ローギヤード化するカスタムについて

MT-25のトルク感を高めるためにローギヤード化するカスタム(スプロケットの丁数変更)は検討の余地がありますが、あまりおすすめできません。高いエンジン回転数を多用することになりますので、街乗りやツーリングでは疲れを蓄積してしまうからです。スピードメーターの誤差をカスタムパーツで補正しなければならなかったり、燃費が悪くなったりなど、デメリットは増えてしまいます。

MT-03をMT-25とスペック比較:高速道路

MT-25のエンジン回転数はさらに高め

MT‐03の高速道路走行を想定した速度でのエンジン回転数をMT‐25と比較すると、やはりMT-25のエンジン回転数は高めです。しかし、MT-25は最大トルクを発生させるエンジン回転数も高めですので、余裕はMT-03と大して変わりません。MT-25は排気量が小さいながらも高速道路で余裕があるといえます。

【MT-03のエンジン回転数をMT-25と比較】

  MT-25 MT-03
100km/h 7271rpm
(72.7%)
-949
(-2.4%)
80km/h 5817rpm
(58.2%)
-760
(-2%)

※高速道路走行を想定した速度での理論上のエンジン回転数(6速)
※()内は最大トルクを発生させるエンジン回転数との比率
※2020年5月29日現在

MT-25とMT-03の減速比はノーマルのままでOK!

ユーザーレビューを確認すると、エンジンが元気になるのはMT-25で7000回転、MT-03で6000回転だといわれています。時速100キロでのエンジン回転数と一致値していますので、MT-03やMT-25のギヤ比はエンジン特性に合わせて最適化されていることがわかります。トルクが必要な際はシフトダウンで補い、二次減速比のカスタム(スプロケットの丁数変更)は見送ったほうがいいでしょう。

MT-03をカスタム:足回り

足回りはカスタムの余地あり


MT-03のカスタムポイントはサスペンション!プリロード調整できるフロントサスペンションにしたいですね。フロントサスペンションの沈み込み量を体重や積載量に合わせてプリロード調整できれば、サスペンションの可動幅を最適化できます。

KYBスペシャルインナーキット

ワイズギア YAMAHA YZF-R25('19) KYBスペシャルインナーキット(Q5KYSK120F01)

ヤマハ純正のKYBスペシャルインナーキットはフロントフォークの左側に15段の伸び側減衰圧調整を、右側にプリロード調整を付加できるカスタムパーツです。サーキット走行も想定した性能ですので、走りにこだわるMT-03ユーザーにおすすめ。新型MT-03の倒立フォークに適合する社外品のカスタムパーツは少なく、ヤマハ純正オプションに頼らざるを得ないのが現状です。

MT-03用イニシャルアジャスター

MT-07 YZF-R25 YZF-R3 MT-25 MT-03 イニシャルアジャスター 青 ブルー フロントフォーク トップキャップ プリロード RM07J RG10J RG43J RH07J RH13J

ノーマルのリヤサスペンションは簡易的にプリロードの調整ができますので、積載量の変化に対応しやすいのがメリットです。ノーマルのリヤサスペンションを活かすなら、フロントに高性能なサスペンションは要りませんので、取り付けのしやすさと簡易的なセッティングで前後のバランスを取れるカスタムパーツがおすすめ。旧型MT-03の正立フォークなら多くの社外品からイニシャルアジャスターを選べます。

MT-03は新型の新車?旧型の中古車?

注目すべきはサスペンション

新型MT-03は勇ましいデザインや倒立フォークの剛性感が魅力的です。しかし、エンジンの性能は変更されていませんので、旧型の中古車も検討すべきだといえます。また、旧型MT-03の中古車を選べば、旧型YZF-R25/R3の豊富なカスタムパーツを流用できるのもメリット。新型MT-03のカスタムパーツは現在のところ少ないので、今後に期待するしかありません。

旧型MT-03の中古車を検討する

旧型MT-03は新車が出た今も人気があり、中古車価格は値崩れしていません。ノーマル車は多め(77%)です。フルカスタムされた個体は少なく、ボルトオンパーツの追加程度のカスタム車がほとんど。サスペンションをフルカスタムして新型と同じ価格なら、中古車を検討する価値は大いにあります。

【MT-03の新車価格帯と中古車価格帯】

  中古車 新車
MT-03 新型 なし 約52~66万円
旧型 約28~49万円 約44~58万円
MT-25 新型 なし 約49~65万円
旧型 約30~53万円 約41~55万円

※ノーマル車
※2020年5月29日現在

新型MT-03のスペック:まとめ

新型MT-03はマイナーチェンジでデザインやフロントフォークの変更がされましたが、エンジンの性能は旧型と同じです。他の400ccバイクと性能を比較するとやや見劣りしますが、250ccクラスのようないっぱいいっぱい感はありません。勇ましいシルエットの新型か?足回りをフルカスタムした旧型か?悩み甲斐がありますね。しかしこれだけは明白!どちらを選んでも正解です。

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MT-03は街乗りからツーリングまで幅広く活躍してくれるスポーツネイキッドバイクです。近場で走りを楽しむだけではもったいない!今年はキャンプツーリングにもチャレンジしてみましょう。また、MT-03のデザインは普段着スタイルも似合います。カジュアルウエアをツーリング用に流用できるインナープロテクターの記事もチェックしてくださいね。