はじめに
元気で美味しいごぼうの育て方!
ゴボウは栽培や収穫が難しそう。という人でもポイントを押さえることでゴボウ栽培をすることができます。元気で美味しいゴボウを収穫したあとはサラダやきんぴら、炊き込みご飯など様々な料理にして楽しむことができます。
種まきから収穫までポイントを解説!
ゴボウの植え付け準備と種まきから間引きまでの育て方・日常の管理までを解説します。難しそうなイメージのあるゴボウ収穫のポイントを紹介します。「畑にする庭がない」という人にもプランターと袋を組み合わせた栽培方法をすることでベランダや軒先で育てることができます。ポイントを押さえてゴボウ栽培に挑戦してみましょう!
ゴボウとは?
ゴボウはキク科ゴボウ属
ゴボウはキク科ゴボウ属に分類される多年草です。ユーラシア大陸北部が原産と言われていますが、縄文から平安時代にかけて中国大陸から日本に伝来したと考えられています。しかし食用に用いられるようになったのは江戸時代からとなり、品種改良もその頃から行われるようになりました。
ゴボウを食べるのは日本だけ
原産地のユーラシア大陸北部では日常的に食べられることはありません。ゴボウは主に解毒や咽頭痛の薬として使われており、日常の食卓にゴボウが並ぶのは日本のみとなっています。水溶性・不溶性の食物繊維が豊富で腸に優しい食材です。
ゴボウの育て方・栽培方法①栽培時期
ゴボウの栽培時期は年に2回
ゴボウの種まき時期は春と秋の2回あります。春の種まき時期に栽培されたものは一般的なゴボウとして流通し、秋に種まきされたゴボウは初夏に新ごぼうとして出回ります。春・秋それぞれの種まき時期の詳細を解説します。
春の種まき
春の種まきに適した時期は3月中旬から4月の終わりにかけてとなり、9月から2月にかけて収穫されます。あくまでも目安となり、栽培品種と地域によって変わります。
秋の種まき
秋の種まきに適した時期は9月頃となり、5月から7月にかけて収穫されます。前述しましたが、秋に種まきされたゴボウは新ゴボウとして季節の食材として利用されます。
ゴボウの育て方・栽培方法②土の準備
ゴボウ栽培に適した土の準備
ゴボウはご存知の通り根を長く地中に伸ばしていきますので、できるだけ深く耕しておくことが土づくりで大切なこととなります。また過湿状態になると生育不良を起こしてしまいますので水捌けがよい畑、土の状態を作って栽培管理することが重要です。
土の作り方
ゴボウは中酸性から弱酸性の土を好みます。畑での栽培をする場合は完熟堆肥を1m2あたり3kgと化成肥料100gを先に混ぜ込んでから期間を空けて、苦土石灰150gを目安によく混ぜ込みながら耕しましょう。
プランターの場合は
プランターでゴボウ栽培をする場合は野菜用培養土を使うと土づくりをする必要がないので手軽に栽培に挑戦することができます。育てたい品種に応じた深さのプランターと必要な量の培養土を準備しましょう。
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ゴボウの育て方・栽培方法③種まき・品種
ゴボウの種まき方法
ごぼうの種まきは育苗ポットなどを使わずに直播して栽培します。ごぼうは発芽率が悪い野菜です。種まき前に一晩浸水させることで発芽しやすくなります。一つの種まき穴は直径5cm深さ1cmの大きさに掘り、5粒ほどを目安に種まきしてからごく薄く土を被せます。
水やりは優しく
発芽するまで乾燥しないように水やりをする必要がありますが、ゴボウの種は水で流れてしまいやすいので水やりをするときは種が流れてしまわないように細かい目のじょうろやシャワーヘッドを使い、優しく水やりをするようにしましょう。
家庭でゴボウ栽培するときにおすすめの品種
ゴボウは長く根を伸ばす品種から短く根を伸ばす品種まで様々な品種があります。家庭で栽培するときには収穫までの期間と収穫のしやすい短根種がおすすめです。
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ゴボウの育て方・栽培方法④畑
畑を深く耕して準備する
畑でゴボウを栽培するときは事前の準備が大切です。栽培する品種の伸長する長さを参考に土を耕しましょう。根を伸ばす障害となる小石や異物を丁寧に取り除くことと土の塊がないような畑の状態を作ることでゴボウを二又に変形させずに栽培することに繋がります。
畑に種まきする準備3週前
ゴボウを種まきする3週間前には堆肥と化成肥料を入れてよく耕しておきます。このときには土をできるだけ細かく、そして柔らかくなるように準備をしておきましょう。
畑に種まきする準備2週前
期間を空けて苦土石灰を混ぜて中酸性から弱酸性の土になるように準備をします。それから畝を作ります。畝の横幅は50cm、高さは10cmから30cmを目安にして畝立てしてください。
種まき
畝に種まき穴を長根種であれば15cm、短根種であれば8cmの間隔を空けて種まきします。種まきの方法は前述したとおりです。10日から14日で発芽しますので、それまで水を切らさないようにしましょう。
ゴボウの育て方・栽培方法⑤プランター
プランターの準備
庭がなくて畑が作れない場合はプランターを使ってゴボウ栽培することができます。短根種であれば浅いプランターでも十分栽培することができますので、プランターの場合は野菜用培養土を使うと手軽に準備することができるのでおすすめです。
長根種を育てるときの準備
プランターでも袋栽培を応用することで長根種を栽培することができます。袋栽培とは培養土などが入った丈夫なポリ袋を使った栽培方法となり、畑で栽培でも深さが足りない場合に使われる方法です。大きめのプランターに培養土を入れてから上にもう一袋、培養土を準備します。
袋を固定する
袋の上下を切ってから四隅を支柱で固定し、培養土で袋を満たします。その上に種まき穴を作ってから種まきをして発芽するまで水を切らさないように管理します。袋栽培をする時は畑での栽培よりも水切れを起こしやすいのでよく観察・管理する必要があります。
ゴボウの育て方・栽培方法⑥間引き①
種まきして発芽後の間引き
種まきをしてから水切れを起こさないように管理すると10日〜14日で発芽します。発芽した芽がある程度出揃ったら1回目の間引きを行います。間引きの方法は状態の良い株を2本残してそれ以外の株を間引きします。
間引きする新芽の見分け方
間引きする新芽の見分け方は2つあります。1つめは芽が元気で青々としているものを残しましょう。2つめは葉が真っ直ぐに伸びている芽を残すようにしましょう。葉と根は同じように伸びていきますので、葉が曲がっている・寝ているものは根も同じように曲がって伸びますので、間引きする対象となります。
ゴボウの育て方・栽培方法⑦間引き②
2回目の間引き
1回目の間引きからさらに10日後に2回目の間引きをします。間引くカブの見分け方は1回目と同じく元気なもの、真っ直ぐ育っているものを残して1本立ちにします。
追肥
2回目の間引きが終わったときには1回目の追肥をします。たくさん肥料を施す必要はなく、目安としては1㎡に30g、袋栽培であればひとつまみ程度を株から離れたところにばらまきしてから軽く土と肥料を混ぜましょう。
土寄せ
肥料と土を混ぜたら株に向かって軽く土寄せをします。土寄せをすることで根が真っ直ぐと生長することに繋がりますので追肥の度に土寄せをしましょう。
ゴボウの育て方・栽培方法⑧水やり・管理
ゴボウの水やりと日常管理
ゴボウ栽培を畑でする場合は水やり管理は基本的に不要です。雨に任せておきましょう。袋やプランターで栽培をする場合は土の表面が乾いているのに気がついたら水やりをしましょう。春に種まきをした場合は夏の水やり管理に注意をしましょう。朝・夕の涼しい時間帯を選んでたっぷりと水やりしてください。
生長が悪いと感じる前に
ゴボウは肥料を切らさないように管理することが重要です。最初の追肥をした後に草の丈が30cmになるまで追肥と土寄せをして管理を怠らないようにしましょう。栄養不足になるとゴボウにスが入る原因に繋がります。
ゴボウの育て方・栽培方法⑨収穫時期
収穫時期は植え付けしてから5ヶ月
ゴボウの収穫時期は長根種で5ヶ月程度、短根種で2ヶ月半を目安にしましょう。それぞれ栽培する品種の種袋に記載してある時期を参考に収穫をするようにしてください。
収穫時期を逃さないように管理
収穫時期を逃してしまうとこれもスが入る原因に繋がってしまいます。また、見た目での収穫目安としては長根種は根の直径が2cmを短根種は1.5cmまでのうちに収穫してしまいましょう。
ゴボウの収穫方法
ゴボウの収穫方法は先に葉を切り取ってからゴボウの周りの土を掘っていきます。この時にゴボウを傷つけないように注意して掘りましょう。ある程度ゴボウの姿が見えたら両手でゴボウを握って引き抜きましょう。
袋栽培の収穫方法
袋栽培の収穫方法は葉を切り取るところまでは同じですが、土を掘るのではなく横から袋を切り開いて、外側から土を崩しながらゴボウを収穫しましょう。周りから土を崩していけるのでゴボウを折る心配がなく、楽に収穫することができます。
ゴボウの育て方注意点①連作障害
キク科の植物を植えたあとは
連作障害とは同じ種類の植物を同じ場所・土に植えた時に起こる現象です。ゴボウはキク科の植物となっており、同じキク科の植物を植えた土に植えると発育不良などの連作障害を起こすことに繋がります。つまり翌年に同じ土でゴボウを育てることは向いていないということです。連作障害を防ぐには複数の方法がありますので解説します。
連作障害の予防法①
連作障害の予防法として有効なのは輪作です。輪作とは畑や植える土地を区切って計画的に植える種類を回して連作障害を防ぐ方法です。ゴボウは連作障害を起こしやすいため、栽培する間隔を5年以上はあける必要があります。
連作障害の予防法②
次に有効な連作障害の予防法はコンパニオンプランツと一緒に植えることです。連作障害は特定の種類だけを植えることによって土壌環境が偏り、次に同じ種類を植えることで連作障害が起こります。土壌に多様性を持たせるために複数の植物を植えることが連作障害予防に効果的です。ゴボウのコンパニオンプランツとして有名なのはほうれん草と一緒に栽培する方法となります。
ゴボウの育て方注意点②病気
病気①モザイク病
ゴボウがモザイク病に掛かると葉が黄色く変色した部分が点在するように現れて見た目がモザイクのようになってしまいます。モザイク病に罹ると根治することはできませんので発見したら速やかに処分しましょう。放置していると他の株にまで蔓延してしまうおそれがあります。
予防法
モザイク病を媒介しているのはアブラムシです。アブラムシを遠ざけることが予防法となります。発見次第駆除するようにしましょう。補殺しきれない場合は農薬の使用も考える必要があります。
病気②黒斑細菌病
黒斑細菌病は葉に黒い斑点が出てきます。病気を放っておくと株が枯れてしまいます。またやっかいなのが水やりや雨の跳ね返りで他の株にも伝染してしまうおそれがあることです。
予防法
畝を高く作ったり、鉢底石を入れて水捌けが良い状況を作ることが一番の予防策となります。水やりをする時もなるべく跳ね返りが少ないように株元に丁寧にすることで予防することに繋がります。
ゴボウの育て方注意点③害虫
ネキリムシ
ネキリムシは蛾の幼虫です。蛾が株の葉に生みつけた卵が孵化し、地中に潜って根を食い荒らすためにネキリムシと呼ばれています。孵化した最初の頃は葉を食べるだけに留まりますが、根を食い荒らされると栄養を摂ることができなくなってしまうため、気づいた頃には株が枯れてしまっています。
予防法
ネキリムシは食害を受けたゴボウの周りにいますので、周囲の土を掘り返して発見次第補殺します。被害が大きくなる前に駆除剤を使うことも有効な手段です。
ネキリベイト 600g
アブラムシ
モザイク病のところでも名が挙がりましたが、アブラムシは病気を媒介する害虫となります。アブラムシはゴボウの葉に限らず様々な植物の汁を栄養としていますので寄せ付けないように工夫することが大切です。
予防法
畝やプランターに防虫ネットをかけてアブラムシが寄ってこないようにすることが一番の予防法です。また定期的に葉の裏を観察してアブラムシがついていないか管理をしましょう。くっついている範囲が少なければその部分だけ切除したり、補殺で間に合います。
ハモグリバエ
ハモグリバエは名のとおり葉の中から食害を起こす害虫です。葉に白い筋ができていたら潜り込んでいる可能性があります。アブラムシのように病気を媒介することはありませんが、葉がやられると生育不良の原因になりますので発見したら補殺するか、葉ごと摘み取って処分しましょう。
予防法
アブラムシ対策と同じく、畝やプランターに防虫ネットをかけてハモグリバエが寄ってこないようにすることが一番の予防法です。
まとめ
ゴボウは自分で栽培できる!
ゴボウは「スーパーに並んでいる姿しか見たことがない」という人でも工夫次第で自家栽培することができます。種まきから間引くまでの管理のハードルが少し高くなっていますので全くの初心者というよりは家庭菜園をかじったことがある人におすすめの野菜です。庭に畑がなくてもプランターと袋を組み合わせてゴボウ栽培をすることができますので挑戦してみてはいかがでしょうか?
野菜の栽培・収穫が気になる方はこちらもチェック!
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