はじめに
セントポーリアの栽培方法のコツ!株分けや病気など
セントポーリアは昔から定期的にブームが来る小型で買い求めやすい人気の観葉植物。その栽培の仕方は少々コツが必要となることもあります。それゆえにときには枯れる場合があっても上手に育てれば株分けや挿し芽などで増やすこともできるので、たくさんの種類を集めて栽培している方も少なくありません。今回はこの花の鉢での栽培を中心にして土づくりからかかりやすい病気に対する対策方法・植え替えなど詳しく解説していきましょう。
観葉植物セントポーリアについて
育て方や増やし方を見ていくまえに、まずはこの植物の基本情報や日本語の名前の意味・由来をご紹介しましょう。
基本情報
科・属:イワタバコ科セントポーリア属
原産地:タンザニア北部・ケニア南部(山岳地帯)
英語名/学名:African violet/Saintpaulia
日本語名とその意味
その原産地と花の咲き方からセントポーリアはアフリカスミレという日本語名で呼ばれます。また主に鉢植えにして室内のみで栽培できる花であることから、室内花の女王という別名もいただくくらい多くの人から好まれ栽培されている観葉植物です。
セントポーリアの特徴
セントポーリアはたくさんの種類がありますが、その多くにあらわれる特徴に以下のようなものがあります。
特徴1.
この花の特徴は何といっても盛夏を除く通年が開花時期であるという、いつでも花を楽しめる植物であるということでしょう。次々と花芽が上がってくるという元々の性質だけでなく、繰り返される品種改良で花が落ちにくく長く楽しめるようになっているためです。
特徴2.
日本語名からもわかるように元々の花はスミレのようなシンプルな花姿のものだったのでしょうが、現在はその数が不明で無限といわれるほどのいろいろな花姿・色・葉の形などのものが存在しておりスミレという名前とはかけはなれたまるで小さなバラのような豪華な姿を見せてくれるものなどもたくさんあります。
人気の観葉植物セントポーリアの育て方1.日当たり
鉢の置き場所
1年中花を付ける植物ですがそのすべての時間を室内のみで栽培することが可能なので、鉢植えにして季節に応じて移動させてあげると良いでしょう。
多くの季節は窓ぎわの明かりでOK
日当たりを気にするのであれば、春から秋までの多くの季節はレースのカーテン越しの窓際に置き場所を決めてあげてください。夏などは直射日光が強すぎる品種もありますのでカーテン越しの日当たりが基本です。
冬は鉢を窓際から遠ざけて栽培
冬になると窓際は朝方の冷え込みがきつくなりますので、外の寒さの影響を受けにくい室内中央から窓の反対側の部屋の奥を定位置にしてあげるとよいでしょう。
室内栽培に向く観葉植物
光合成のために屋外に出すというお世話は不要。心配であればセントポーリア専用灯という商品が売られていますので、それを利用するとよいでしょう。ベランダがないような高層のマンションなどでも育てることができる観葉植物です。
人気の観葉植物セントポーリアの育て方2.土
土の配合・作り方
セントポーリアは土の作り方にたくさんの種類の園芸用土を必要とします。具体的にあげるとバーミキュライト6にpHを調整したピートモス・パーライトを等分で4配合したものが向くでしょう。またその土に根腐れ帽子用にカキ殻片などを少量混ぜるのもおすすめの配合。
セントポーリアの土は初心者が1から作るのは大変
これから園芸をはじめようという方だけでなく、今まで植物を育ててきた方にとってもそれらの土をすべてもっている。配合したことがあるという方は少ないのではないでしょうか。このようにセントポーリアの土は1から自分で作るのは少しハードルが高い植物といえますね。
おすすめセントポーリアの培養土
2-14 あかぎ園芸 セントポーリアの土 4L
セントポーリアの植え替えなどには専用の土が売られていますので、それらを利用するのが簡単です。いろいろなメーカーから出ていますので、そのまま鉢に入れて面倒な配合なしですぐ植え替えられるのがよいところです。
人気の観葉植物セントポーリアの育て方3.植え方
この植物は花屋やガーデニングを扱っているホームセンターなどから鉢植えで購入してくることが多いでしょう。最初の年はそのまま水やりや肥料やりをして育ててもすぐに株が大きくなり植え替えが必要となります。また寄植えなどに使用したいという方も植え方をマスターしておくと良いですね。
セントポーリアの植え付け時期とやり方
セントポーリアの植え付け時期は夏を除いた春から秋の暖かい季節。暑さ寒さの厳しい時期でなければいつでもおこなうことができます。鉢から取り出したら古い土は丁寧に落としてから新しい土を入れて植えてください。根の間にもしっかりと土がいきわたるよう、棒などで用心深く土を差し隙間をなくすよう詰めてからたっぷりと水やりをしましょう。
良い株の見分け方
花時期でない場合は葉の色や中央付近の新しい芽がピンと直立しておりみずみずしさを感じる株をえらびましょう。花が咲いている株であれば、現在咲いている花だけでなくその下から花芽がたくさん出てきているものであれば、長くたくさんの花が楽しめます。
根が黒くなっていたら
植え付け時に土を落としてみて根が黒くなっている場合があります。全部白い根であればそのまま植え付けてかまいませんが、黒い根は傷んでいますので清潔な剪定バサミなどを用いて取り除いてから植え付けるようにしてください。
人気の観葉植物セントポーリアの育て方4.日常管理
季節の育て方!水やりと注意点
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多くの植物は成長期と休眠期があり水のやり方も変える必要があります。この花の場合春と秋は通常の水やりのように土が乾いたのを見てから十分のあげ、夏と冬は乾かしぎみに管理しましょう。また花をたくさんつける植物は肥料不足になりがちなので、水溶性の肥料を薄め水やりの時に定期的に与えてください。セントポーリア専用の液肥も売られているので利用すると良いですね。
肥料の時期と与え方
セントポーリア専用肥料 400g(4-12-10-4)
暖かい季節は水溶性肥料をあげ、10-11月ころになったら固形肥料に切り替えると良い感じで春まで肥料が続きます。緩効性肥料を与えるのですが、こちらもセントポーリア用の固形肥料が売られているのでこれを選ぶと栄養素のバランスなど気にせず簡単でしょう。
人気の観葉植物セントポーリアの育て方5.冬越し
冬のセントポーリアの育て方
多年草などの植物栽培でポイントとなるのが冬のお世話でしょう。この植物の場合は冬でも花を付け続けるのでまた少し勝手が違うところもあります。
冬の水やりや肥料
室内でいつも暖かい場合は春や秋同様通常の水やりと変わらずあげてもかまいませんが、部屋が寒くなるような場合は乾かし気味にしてあげてください。肥料は先ほども触れましたが冬の間は水やり頻度が落ちるため固形の緩効性肥料に頼るのがおすすめ。
冬にできないこと
新しい鉢植えを買ったとしても、冬の間は植え付けや植え替えをせず春までそのままで栽培しましょう。また気温が下がって植物の成長が止まりますので株分けや挿し芽などの増やし方もできません。
人気の観葉植物セントポーリアの育て方6.病気害虫
終わった花に発生する病気に用心する
この植物は花がたくさん付くだけに花がらをそのまま放置するとそこから病気が発生することもありますのでご注意ください。花がら摘みなど剪定に関しては次項で詳しくご説明しましょう。
気になる病気
セントポーリアがかかりやすい病気には灰色かび病があげられます。先ほども申し上げた通りに終わった花がらに付く病気ですので、しっかり花がら摘みをすることで対策することができるでしょう。これは茎に付いている花がらだけでなく株の隙間に落ちた花も発生源となりますので、しっかりとすべての終わった花を取り除くようにしてください。
気になる害虫
気になる害虫はアブラムシとホコリダニです。これらの害虫は通常春から秋の暖かい季節に注意すべきものですが、常時室内で管理しているような観葉植物では通年を通して気をつけた方がよい虫。見つけ次第捕殺しましょう。ハダニ類は乾燥すると現れるので室内を乾燥させすぎないことで対策できます。
人気の観葉植物セントポーリアの育て方7.剪定
この植物の剪定には2つの方法があります。ひとつは徒長したり草姿が乱れたものを綺麗に整える切り戻し剪定。もうひとつは病気対策も兼ねた花がら摘みです。
切り戻し剪定の時期とやり方
剪定をおこなえる時期は植え替えができる時期であればいつでも可能です。何年か育てて草丈が高くなり見栄えが悪くなったときがやり時といえますね。強めに根元から数センチくらいまで切り戻しても下からまた新しい芽が出てくるので気にせず刈ってしまいましょう。刈り取った茎は挿し芽に使えます。
花がら摘みも剪定のひとつ
もうひとつは花の時期はこまめにおこなって欲しい花がら摘みの剪定。やり方は終わりかけの花がついている茎の先端から手折っていくだけです。また花がら摘みと一緒に落ちた花のお掃除もおこなってください。
人気の観葉植物セントポーリアの育て方8.植え替え
株の更新には剪定と植え替え
切り戻し剪定をした株は新たに芽を出しまだまだ楽しめます。大株の場合はいくつかに分けて株分けを行いつつ植え替えてください。
古い株をリフレッシュさせるのが育て方のコツ
植え替えには小さな鉢を大きく取り替えてあげるという目的もありますが、一番の目標にしてほしいのは古い株を新しい株にリフレッシュさせること。そのために挿し芽や株分けを植え替えと同時におこなうのが一般的です。
古い株の特徴と植え替え更新
株が古くなってきたのを見分ける目安として、樹姿が乱れてきたというものがあります。まだ購入したばかりの鉢であれば、徒長をしていることも大いに考えられるので単純に切り戻しだけで元に戻る場合もあるでしょう。あきらかにもう何年も栽培している花なら植え替えて更新してください。
人気の観葉植物セントポーリアの育て方9.増やし方
増やし方は3種類
セントポーリアの増やし方としてここまで株分けと挿し芽を紹介しましたが、葉ざしというやり方もあります。ここではそれらの増やし方について解説していきましょう。
増やし方1.挿し芽
この花は切り戻し剪定をしたもので挿し芽で増やせます。挿し芽の時期は3-5月ころ。花や葉に模様がある品種は葉ざしだと違う模様になってしまう場合があるので、挿し芽で増やすのが一般的。清潔なセントポーリア用の挿し芽用土に植えて根がでるまで日かげで管理。徐々に明るいところへ出してきます。
増やし方2.葉ざし
葉ざしは葉を差すだけでおこなえる簡単な増やし方。ただし葉ざしで見た目が変わってしまう種類もあるので単色の株に対しておこなうのがおすすめです。やり方時期は挿し芽と同様。葉が1/3ほどうまる程度にセントポーリア用の培養土にななめ差しにして管理します。
増やし方3.株分け
株分けは一般的な増やし方で、他の植物でもやったことがあるという方も多いでしょう。植え替え時期におこない大きな株を2-3個に分けて別々に植え付けるのが株分けの方法。植え方や植え替えのやり方に準じます。
セントポーリアの種類
オプティマラ
セントポーリアの中でも多く流通しており人気が高いのがオプティマラです。というのもひとつの種類ではなく園芸用のセントポーリアを広い範囲でオプティマラと呼んで分類しているため。その中でも有名な原種のひとつにイオナンタがあります。
トレイル
トレイルもオプティマラと同様幅広い種類を含む品種群です。茎が長く背が高くなるものや、その逆で匍匐性の地面を這うように広がっていくものなど個性的なものが多くみられます。
セントポーリアの花言葉「小さな愛」
セントポーリアの花言葉はすみれに由来する
セントポーリアの花言葉は小さな愛です。これはこの植物が小さな株であることと、似ているといわれるスミレの花にも由来しているといわれます。花や愛は小さくても変わりなくずっと続く。そんなこの花の様子に重ねてプレゼントにも人気があります。
深窓の美女という花言葉も
このほかこの花には深窓の美女(しんそうのびじょ・ふかまどのびじょ)という花言葉もあります。これはセントポーリアが室内でのみ栽培できることからきています。この言葉には箱入り娘と同様な意味で手に届かない上流階級のお嬢さんということ。育ちの良さや上品さを感じさせる花言葉でしょう。
セントポーリアの誕生花は2月16日ほか
1年中花を付ける植物ですが、誕生花として定められているのは2月16日、11月24日、12月22日という冬の季節。暖かい季節に咲く花は多いですが、冬場にもかわいらしい花を咲かせてくれるのでこの日が誕生日の方に花を贈るのにぴったりですね。
まとめ
冬も咲く!セントポーリアを1年中楽しむ
コンパクトにまとまる鉢植えの花を楽しむ観葉植物セントポーリア。その育て方はたくさん付く花後の剪定などをしっかりすることで病気を防ぐことができます。また挿し芽や株分けといった増やし方も比較的容易にできる花なので、定期的に株を更新することが綺麗な株を維持するコツ。ベランダや庭のないマンションなどでも室内だけで育てることができるかわいい鉢植え花、セントポーリアを栽培を楽しみましょう。
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