モッコウバラの特徴
和名は香りが由来し「木香薔薇」という
バラの中でも素朴な印象のモッコウバラは、バラ科バラ属のツル性の常緑のバラです。学名はRosa banksiae、原産地は中国です。別名はスダレイバラと言います。英名はBanksia rose、和名は木香薔薇です。和名の木香薔薇の「木香」は、香りがキク科の「木香」という花に似ていることが由来して付けられた名です。花の色は黄色と白の2色です。
ポピュラーなモッコウバラは黄色
モッコウバラの中でもよく見かける花の色は黄色の花です。黄色の花の種類も白い花の種類も、花びらは一重咲きと八重咲きのものがあります。香りは微香の甘い優しい香りです。黄色い花と八重咲の種類はわずかに香る程度ですが、一重咲きの白いモッコウバラは香りがやや強いのが特徴です。
開花の時期は4月から5月
モッコウバラは4月から5月に開花の時期を迎えます。花付きは旺盛で、開花の時期になると小輪の可愛い花がもりもりと茂り、見ごたえがあります。モッコウバラは、愛する人に贈る定番の花として親しまれている大輪のバラとは一線を画した、素朴な花の風情から花言葉も付いています。小輪で可愛い黄色いモッコウバラは、秋篠宮眞子様のお印の花となったことでも注目されました。
モッコウバラの花言葉と由来
花言葉は「純潔」「初恋」「素朴な美」
モッコウバラを代表する花言葉は「純潔」「初恋」「素朴な美」です。これらのモッコウバラの花言葉の由来は、モッコウバラの見た目の特徴が由来している言葉です。大輪のバラのように豪華な印象はありませんが、1つ1つの花は、素朴で可愛い見た目の特徴から由来している言葉です。確かに1つ1つの花をよく見ると、でしゃばらず控えめな、初恋のときめきを思わせる可愛い花です。
「幼いころの幸せな時間」「あなたにふさわしい人」
モッコウバラには「幼いころの幸せな時間」と花言葉も付いています。この言葉の由来は、小さくて愛らしいもの、たとえば小さなガラスの動物や可愛い文房具を見つけると心がときめいた幼いころのときめきを、モッコウバラに重ねて感じることや、アーチや垣根の利用されるモッコウバラの開花の時期は、メルヘンの世界を思わせることが由来となる言葉です。「あなたにふさわしい人」とは何かに寄り添い伸びていくつる性のバラの特徴に由来した言葉です。
モッコウバラは贈る花にふさわし花言葉がいっぱい!
モッコウバラの花言葉を調べると、どの言葉も優しく嬉しくなる花言葉で表現されています。花には研究者によっては、ポジティブな花言葉ではなく、マイナスのイメージの花言葉が付けられている場合がありますが、モッコウバラには暗いイメージの花言葉は見当たりません。花言葉は優しい、嬉しくなるような言葉ばかりなので、家のフェンスのモッコウバラをカットして、花束にしたり、リースを作って、大切な人にプレゼントにするのにもおすすめの花です。
モッコウバラの色別の花言葉
黄色いモッコウバラは
モッコウバラは一般的には黄色い花色がポピュラーで、モッコウバラを象徴する花言葉は黄色い花をイメージした言葉であるため、「純潔」「初恋」「素朴な美」「幼いころの幸せな時間」などという言葉が黄色いモッコウバラの花言葉です。西洋では黄色い花に共通する花言葉には「嫉妬」「衰退」「狂気」など不吉なことを意味する言葉が付けられている場合が多いのですが、黄色いモッコウバラにはこのようなネガティブな言葉は見当たりません。
白いモッコウバラは「純粋」「純潔」
モッコウバラは、バラの花と言ってもトゲがありません。そんなことから「純潔」という花言葉が付いていると言われますが、特に白いモッコウバラはトゲがないことに加え、聖母マリアがつぼみの上にベールをかけると、純白のバラが咲いたという伝説から「純潔」という言葉に由来しています。
モッコウバラの伝説に由来する花言葉はある?
モッコウバラは起源が不明
モッコウバラの野生種の起源は、残念ながら不明ですが、薔薇の原種の1つだと言われ、トゲがなく扱いやすく、病虫害にも強いので、育てやすい花だと昔から人気のバラの花です。花にはどんな花にもその花を象徴する花言葉がありますが、起源のはっきりしないモッコウバラには、古代から伝わる神話や伝説、そして誕生説もなく、モッコウバラの花言葉は見た目の印象や、ツル性の植物学上の特徴から付けられた花言葉で象徴されています。
白い花にまつわる伝説から共通の花言葉
白い花に共通する花言葉は、「純粋」「純潔」「貞潔」「潔白」「優雅」という言葉が共通して付いています。その由来は、キリスト教の聖母マリアを表す花が白い花であることから、数々の伝説があるからです。モッコウバラには伝説はないと申しましたが、白い花には聖母マリアにまつわる伝説があり、白い花に共通する花言葉が付けられていることが多いです。モッコウバラの白い花もその例外ではなく、聖母マリアの伝説にまつわり「純潔」という花言葉が付いています。
モッコウバラの楽しみ方
開花の時期は見事な姿を観賞できる!
トゲもなく大変育てやすいモッコウバラ。薔薇の中でも開花の時期が早く、花は小輪でも1株にたくさんの花を咲かせ、おまけに成長も早いので、開花の時期は大変見事な姿を観賞できます。ただし植えてから3年くらいはそれほどたくさん花芽は付きません。それまでは上手に剪定と誘引を繰り返し、綺麗な形に生長するように導いていくと、枝はぐんぐんと伸びていきます。
アーチやフェンスに誘引して楽しむ
楽しみ方は、こまめに剪定してお手入れすれば鉢植えでもコンパクトに楽しめますが、モッコウバラのポピュラーな楽しみ方は、ツル性の特徴を生かして枝を上手に誘引し、アーチの支柱やフェンスに巻き付けるのが、一般的なモッコウバラの楽しみ方です。モッコウバラは放置しておくと、枝が色々な方向に伸びてしまいます。コンパクトに楽しむのでないのなら、枝を誘引してアーチ型の支柱やフェンスなどに巻き付け誘引してあげると、モッコウバラの特徴を生かした姿を観賞できます。
モッコウバラの誘引のコツ
モッコウバラは、横(地面に水平)又は斜めになるように意識して誘引します。麻ひもでシュート(茎から新たに伸びた茎)を固定してフェンスなどに誘引すると、誘引しやすくなります。誘引する時は、枝に付いた花芽を落とさぬように気をつけましょう。上手に誘引できると花数が増え、見栄えも良くなります。
誘引前に行う剪定のコツ
誘引は秋ごろがおすすめの時期です。誘引する前にまず5月から6月の花が咲き終わった後に枝の剪定をします。モッコウバラは8月から9月頃に来年の花芽をつけるので、それより後に選定をすると翌年の花芽まで切り落としてしまう可能性があるためこの時期の剪定をします。剪定のコツは花が咲き終わった枝を半分くらいに切り落とし、また枝が込み合っている箇所も、全体のバランスを考えて枝を間引いて形を整えます。そして剪定を済ませ、秋を迎える季節に、花芽を落とさないように気を付けながら枝をフェンスなどに誘引すると、生長に応じて見事なモッコウバラを楽しめます。
花の咲いてない時期は緑を楽しもう
モッコウバラの花を楽しめる時期は4月から5月の約1ヶ月間程度で、花を楽しめる期間はあまり長くはありません。花が咲き終わってしまったら寂しくなるのではと心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、花期以外の時期は、もりもりと茂る綺麗な緑の葉が美しく、夏の時期は涼しげな綺麗な緑の葉が楽しめます。
目隠しにも役立ち軒天から垂らす仕立てもおすすめ!
玄関の入り口にアーチ状に仕立てると、まるでメルヘンの世界に足を踏み入れるような優しい雰囲気になるモッコウバラ。フェンスに這わせると、目隠しにもなるので、目隠し用の庭木に選ぶ方も少なくありません。また軒天やベランダから下に、垂れ下がるように仕立てと、開花の時期は可愛く演出できます。
切り花にした時の長持ちさせるコツ
植木として楽しむほかに、切り花にして花瓶に差しておくのも可愛いモッコウバラ。モッコウバラを切り花にした時に花を長く楽しむ時のコツは、花の水分を失わせないようにすることです。植物というのは根から水分を吸収しますが、切り花は切り口から上に向かって水を吸い上げます。そのため切り口をいつも綺麗に整えておくと、長持ちさせることができます。切り口が弱っていたら、弱っている部分をスパッとカットしてしまいます。
茎をカットするときのポイントは斜めにカット!
茎をカットするときのポイントは斜めにカットすることです。断面が大きくなるとそれだけ水の吸い込みも良くなるので直角ではなく、斜めにカットするのがポイントです。また水に浸かっている茎は、時間の経過とともに腐敗していくので、毎日少しずつ茎をカットして整えていくとなおよいです。
ぐったりとしてきてしまったときの処置
たとえば庭に咲いていたモッコウバラをカットし、部屋に飾ろうとしたけれど花首が下がり元気のない場合は、花首をまっすぐにして完全に新聞紙の中に花を包み入れてギュッと新聞紙を巻き付けます。半部に以上水を張ったバケツに新聞紙で巻いた花をつけておきます。水から出ている新聞紙の部分には霧吹きをかけ、湿り気を与えておいてください。半日から1日そのまま放置したあと、優しく新聞紙を外します。そのあときちんと切り口を整えて活け直しましょう。これでもシャキッとしない場合は残念ながら復活は見込めませんが、ドライフラワーや押し花にしてお楽しみください。
花言葉を知ってモッコウバラを楽しもう!
バラの中でも素朴なイメージのモッコウバラ。しかしよく見ると可愛い花姿をしています。生育がよく開花の時期を迎えると1株からたくさんの花を咲かせ、見事な姿を観賞することができます。モッコウバラのポピュラーな花の色は黄色ですが、黄色い花に共通する花言葉にはネガティブな言葉が多い中で、モッコウバラは不吉なことを意味する花言葉はなく、優しい、嬉しい花言葉で表現されています。「幼いころの幸せな時間」を思い出しながら、あなたのお庭にもモッコウバラを育ててみませんか。
花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らしーの」では、花言葉について、ほかにも情報を掲載しています。想いを託して花を贈るときに役に立つ花言葉。花言葉の情報をもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてください。

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