愛知県蒲郡竹島水族館の人気の秘密
蒲郡市立竹島水族館は愛知県のほぼ中央部、三河湾沿いにあります。日本で4番目くらいの小さな水族館で、1956年の開業、1962年に現在地に移転してオープン、オープン当時は入場者数は多くても年間12万人程度、閉館の検討もされたようです。それが2018年には全国第30位、入場者数42万5千人とV字回復、今や土日には入場しきれなくて行列ができるほど大人気の水族館に変貌しました。ここまで成長するのにスタッフの絶え間ない努力があったようです。その人気の秘密と楽しみ方をご紹介しましょう。
竹島水族館
竹島水族館は、愛知県内有数の観光地三河湾国定公園内の竹島、蒲郡海岸にあります。水族館のすぐ近くから海岸に出て、387mの橋を渡り、無人島の観光スポット竹島に渡ることができます。この橋の周囲の海岸は遠浅でシーズンには愛知県内有数の潮干狩り会場となります。竹島周辺には温泉場も多く、西浦温泉、形原温泉、蒲郡温泉、三谷温泉などがあり、ホテル、旅館も軒を並べていて全国から観光客が訪れています。水族館に隣接して観光ホテル竹島があり、丘の上には高級ホテルの蒲郡クラシックホテルがあります。竹島水族館もこの観光エリアに入っており、大変多くの観光客が訪れています。愛知県では古い人気の観光地です。(この記事は2020年4月5日時点の情報を基に制作してあります)
蒲郡竹島水族館の魅力①
魚の解説がユニークでおもしろい
スタッフの手作りの魚の解説書が日本一観光客に読まれています。ポップや解説文、魚歴書もあり内容はみんなスタッフが考えて自作した独創的なもので親しみやすい書き方となっています。他の水族館とはかなり変わっていてついついおもしろくて最後まで読んでしまうことになります。帰るころには魚の専門家になっている事でしょう。
ユニークな解説の例
入り口から入館すると、すぐに青い光のミズクラゲの水槽があり、その説明にはこんなことが書いてあります。”こんなきれいなのに上から見たらゴミ袋と間違えちゃう人がいるのよ!ホント失礼しちゃう!”と、こんな茶目っ気のある説明も掲示されています。おもしろいですね。全部この調子でユニークですよ!
蒲郡竹島水族館の魅力②
お客さんと魚との距離感が近い「さわりんプール」
タケスイ(竹島水族館)入場者大幅アップにつながったスタッフのアイデアです。スタッフ自慢のコーナーで深海魚や世界最大のカニ、タカハシガニ、イガグリガニ、オオグソクムシなどに直接手でタッチできるコーナーを設置しました。子供たちは大喜びです。水槽は全て低めに置いてあり、踏み台が設置され子供に優しい展示となっています。タカハシガニは現在タッチプールでも大型の個体がタッチ可能です。隣のパクパクおさかなプールではイベントとしてエサやり体験ができ、アカウシガメのエサやりはなかなか迫力があります。
オオグソクムシ
有名なオオグソクムシ(深海魚でスナホリムシ科の海生甲殻類の一種)も触れます。オオグソクムシは竹島水族館で国内初の人工ふ化に成功した生き物です。ですから水族館のスタッフはオオグソクムシに特別な愛情をかけているわけです。
蒲郡竹島水族館の魅力③
深海魚の展示数日本一
竹島水族館の深海魚は国内有数の展示数を誇っています。深海生物が展示してある深海生物水槽の生物は100種類を越えます。当館でしか見られない珍しい深海魚もいます。竹島水族館には地元の漁師さんから貴重な深海魚をたくさん提供していただいています。冬から春にかけてがシーズンのようでオオグソクムシやタカハシガニの深海生物があがってきます。ちなみにに愛知県蒲郡漁港は深海魚の漁獲量がとても多い漁港です。
オオグソクムシを食べる?
タケスイの小窓には小さくて激レアな深海生物が並んでいます。内緒のニュースですが不気味な深海魚を食べ続ける飼育スタッフがいて、オオグソクムシなども食べるらしい。食べた感想を説明書に書くそうです。オオグソクムシってどんな味?オオグソクムシを食べて大丈夫?
蒲郡竹島水族館の魅力④
カピバラ・アシカショー
カピパラではなくカピバラが正しいようです。カピバラは南米の熱帯雨林にすむ世界最大のネズミです。カピバラは日本では癒し系の動物と言われています。イベントのカピバラショーが一応あるのです。時計回りとか反時計回りとか、輪くぐりなどの芸やることになっているのです。それがよほどご機嫌がいい時でないとカピバラは動こうとしないのです。飼育員泣かせの生き物です。もっともその無関心で私は関係ないという態度も結構おもしろいですが。カピバラショーは竹島水族館以外はないでしょう。いや世界でもここだけかもしれません。ほのぼのして笑えますね。
カピバラショー
しかしおことわりしておきますが、カピバラショーはアシカショーのような期待はしないでください。カピバラショーは大したことはありません。アシカショーはアシカ類のオタリアという種類のアシカで大きな水族館に負けないほどの芸を見せてくれますのでイベントとしては大人気です。スタンドやステージが狭いですが、それだけ近くで鑑賞できます。イベントは日時など変更になるかもしれませんから注意してくださいね。
オットセイが入館しました
2018年11月よりミナミアメリカオットセイが仲間入りしました。ただいまイベントに出られるようにトレーニング中です。南米のウルグアイからやってきた2匹のオットセイです。名前は公募でカイ(オス)、フウ(メス)に決定しました。カイは海、フウは風を意味しているそうです。イベントのショーデビューに向けて特訓中ですが、オスのカイ君はとても臆病でビビリぱなし。フウちゃんはわがままで噛みつくクセを持っていてトレーニングにすごく手を焼いているようです。早くお客様の前に出て楽しいイベントショーができるようトレーナーの皆さんが頑張っています。
蒲郡竹島水族館の魅力⑤
財布に優しい
入場料500円です。他の水族館に比べてすごく安くなっています。ほとんどの水族館が1,000円以上の入場料ですから破格の安さとなっています。これなら何度でも行けますね。蒲郡市が発行しているガマポン(蒲郡市トクトククーポン券)を使うとさらに安くなるようです。度々色々なメディアに取り入れられすっかり有名になってきた水族館ですが、入場料は頑なにワンコインを守っています。小さな水族館ですが、楽しさの付加価値は高く、お客さんからの意見やアイデァを飼育員の皆さんが積極的に取り入れ、現場に反映させる努力をしています。さらに魅力的になっていくと思われますが、入場料はこのまま維持していって欲しいものです。
蒲郡竹島水族館の魅力⑥
展示数が小さな水族館のわりに多い
常に500種類4500匹以上の生き物を展示しています。小さな水族館で敷地が狭いにもかかわらず、所狭しと生き物が展示されています。しかし多くても展示方法は粗末にしません。人気の説明書を1種類づつ書いて掲示してあります。深海生物が日本最多種展示であることも加わって水族館にしては種類が多いです。そして丁寧に展示してあります。すべて写真撮影OKでカメラマンが多いのも特徴です。特に珍しい生き物には解説書に「珍」の表示がしてあります。
蒲郡竹島水族館の魅力⑦
展示の仕方がユニーク
2018年のリニューアルオープンの時に上から水槽の中のサンゴを覗き込む「上からサンゴ」だけでしたが、お客さんの意見や要望を踏まえて横からも眺められるように「横からサンゴ」に改造しました。その効果は抜群でサンゴの美しさが一段とよくわかるようなりました。照明の位置関係もみんなでよく考えて決めました。いつの間にかその後インスタ映えの人気スポットとなって、いつでもカメラマンが周りにいます。ぜひ通り過ぎないで幻想的な美しさのサンゴの水槽に寄ってください。
蒲郡竹島水族館の魅力⑧
館長とスタッフの自慢のコーナー
館長やスタッフの努力の結晶です。館長がこだわり抜いた自慢のメダカ水族館、日本のメダカの改良品種を集めたメダカばかりで、ミナミメダカやダイヤモンドダスト、楊貴妃ダルマ、パンダメダカ、楊貴妃ヒカリなど珍しいメダカがいっぱい。四月下旬から5月の中旬にかけて大好評の大メダカ展が行われる場合がありますので注目です。またサンゴとカラフルな熱帯魚のコーラル水槽、地元三河湾の生き物を集めた三河湾大水槽、種類豊富な熱帯淡水魚コーナーなどもぜひ見てください。一見の価値がある見ごたえ十分なコーナーです。
飼育スタッフと仲良しになれる
たけすいの飼育スタッフはみんな気さくな人ばかりです。水族館の生き物ではなくスタッフに会いに来ている人もいるようです。飼育スタッフからはなかなか声が掛けられませんのでみなさんの方から気楽に声をかけてください。遠慮はいらないそうです。飼育スタッフはみなさんとお話ができることを待っているそうです。
飼育スタッフと話そう!
皆さんの生の声で竹島水族館がどんどん良くなればと思っているのでしょう。いつでも結構です。仲良く会話しましょう。飼育スタッフが水族館や生き物の質問に答えられるのは当たりまえ。ここだけの内緒の情報も教えてくれるかもしれません。館内をうろうろしていますから見つけたら声をかけてください。分りずらい展示物があったらどんどん質問してください。大歓迎です。
竹島水族館のお土産が魅力的
竹島水族館でしか販売されていないユニークなお土産がショップで売られています。これも竹島水族館の魅力の1つです。超グソクムシ煎餅は爆発的な人気で2年間で2万個も売れた驚くべきヒット商品です。パッケージもユニークで、深海魚のグソクムシを原料の1部にした水族館オリジナルの煎餅です。パッケージもおもしろい。カピバラの落とし物も可愛い人気商品です。
メダカの産卵
メダカの産卵は館長が愛してやまないメダカのパッケージから4種類のアメが出てきます。タカハシガニ煎餅は蒲郡産の食材を使い竹島水族館で開発監修したものでカニ身の旨みとカニミソのコクにこだわったぜいたくな煎餅です。他にも色々ありますが竹島水族館のスタッフが独自に考え出した商品ばかりで本当によく売れています。すぐに売り切れてしまうため、このお土産品を目当てに水族館にやってくる人もいるほどです。
蒲郡竹島水族館の基本情報
【名称】蒲郡市立竹島水族館
【住所】愛知県蒲郡市竹島町1-6
【問合せ先】0533-68-2059
【開館時間】9:00-17:00
【休館日】毎週火曜日
【入館料】500円
【アクセス】JR蒲郡駅から徒歩13分
【近くの観光地】竹島、西浦温泉、形原温泉、蒲郡温泉、三谷温泉
【イベント】形原温泉あじさい祭り(6/1-6/30)
【近くのホテル・旅館】ホテル竹島、蒲郡クラシックホテル、蒲郡ホテル、ABホテル蒲郡
まとめ
愛知県蒲郡竹島水族館の魅力はお分かりいただけましたでしょうか。1時は閉館間際まで追い詰められた水族館が見事にV字回復して、今や有名な人気の水族館として知られるようになりました。これには館長をはじめスタッフの方々の並々ならぬ努力があったからこそと思われます。水族館のスタッフは大体水族館のバックヤードに居る場合が多いのですが、思い切ってみんなで表に、つまりお客さんの居るところに出て、お客さんが知りたいもの、見たいと思っているものを直接スタッフがお客さんから話を聞く様にしたのです。
要望やアイデアがいっぱい
要望やアイディアがいっぱい集まって、どんどん形にしていったそうです。竹島水族館の魅力は生き物を身近に感じ、もっと知りたいと思わせるための工夫と、その知りたいを叶えるために知恵がいっぱい詰まっていることです。
水族館が気になる方はこちをチェック!
魅力いっぱいの小さな水族館、おもしろいでしょう。スタッフの温かさが伝わってきますね。スーパー水族館の同じ愛知の名古屋港水族館の記事を添付しました。比較してみてください。
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