はじめに
ソバナ栽培の特徴と増やし方・食べ方を紹介
ソバナはキキョウのような花色と形を持った山野草。鉢植えなどでご家庭で楽しまれる方も多いですが、基本的には訪れる人も少ない野に咲く山野草。開花を楽しみにするだけでなく若い茎・葉・つぼみなども食用として用いられてきました。今回はこの植物の特徴や育て方をご紹介していきましょう。
ソバナについて
まずはこの植物の科・属や原産地などの基本的な情報と開花収穫時期など育て方の前に知っておきたいことを御覧ください。
ソバナとは?基本情報紹介
科・属:キキョウ科
原産地:日本・中国・樺太
学名/英語名:Adenophora remotiflora/Adenophora remotiflora
名前の由来と別名
ソバナの名前の由来には2通りの説があってひとつは崖(岨:そば)の斜面に咲く菜という意味と蕎麦の代用品の菜として蕎麦菜というもの。茎を折ると乳のような白い液が出ることからチチナ・山に生える蕎麦のような植物ということでヤマソバとも呼ばれるようです。
ソバナの開花時期
ソバナの花は8-10月が開花時期となります。植物の種類としては多年草になるので上手に越冬させて植え替えや増やし方などを参考に栽培すれば、毎年同じ開花時期に花を咲かせてくれることでしょう。花もキキョウのようなかわいらしい青や紫色の釣り鐘型をしているので、食用だけでなく観賞用植物として開花を楽しむことができます。
ソバナの収穫時期
茎ごと茹でていただく場合は開花時期前の株がまだ若いうちに根元近くから摘み取って収穫します。開花のための間引きも兼ねて早い時期に収穫を行っておけば、食用と観賞用両方楽しむことができるでしょう。
ソバナとは?育て方や食べ方①山野草の土
ソバナの基本情報や開花時期などがわかったところで、早速育て方解説に入りましょう。まず山野草栽培で他と違うのは用土です。この植物の場合水はけのよい少し肥沃な土が好みです。
ソバナ用の土の特徴は
この植物が自然で自生している場所は山の斜面の比較的やわらかな土の場所。そのようなところは高低差により自然と水はけがよくできており、家で育てる場合も用土の水はけの良さは重視した方が良いでしょう。自分で配合される方は水はけのために鹿沼土に砂や軽石などを混ぜると良いでしょう。
おすすめ市販の培養土
プロトリーフ 山野草の土 5L
山野草をしっかりと育てるためには、まず土づくりから普通の園芸用の草花との違いが出てきます。手持ちの土では向いている配合ができないという初心者の方は、はじめから山野草向きにできている培養土を買ってしまった方が早いでしょう。もちろん市販の山野草培養土に自分なりに土をプラスして使うのも良いですし、そのまま鉢植え用の土として使うこともできます。
栽培の注意点
水はけのために入れる砂や軽石などには栄養分がありませんので、腐葉土など養分のある土も混ぜることで水はけのよい育つための養分のある土にすることができるでしょう。元肥や追肥も良いですが用土もある程度豊かな土にしてあげるのがポイント。
ソバナとは?育て方や食べ方②山野草の日当たり
山と人里ではやはり環境が違ってきます。山に咲くこの花を平地で育てる場合は日当たりにも注意が必要。山の涼しさや風通しの良さを置き場所に再現してあげましょう。
特徴を考慮した置き場所を選ぶ
この花の特徴は山の斜面にたくさん群生して咲くというものがあります。このような咲き方をするのは日当たりが好きだからなのですが、山と平地では涼しさが違います。日当たりはよくただし夏場は涼しく風通しが良いところが適しているでしょう。
栽培の注意点
午前中の日当たりが良い場所で西日は避けます。7-9月といった暑い季節は半分ほど日差しをカットしてくれるすのこなどで半日陰を作ってあげるとさらに良いでしょう。
ソバナとは?育て方や食べ方③山野草の日常管理
日常管理はあまり難しいことはありませんが、やはり梅雨時から夏場は日常管理にも注意が必要。特に肥料やりは気をつけないと枯らしてしまうことにも繋がるでしょう。
水やりは乾いたらたっぷり
水はけの良い土を使ってはいることでしょうが、できるだけ雨にはあてない方が良いでしょう。鉢植えは雨の当たらない軒下などに入れておくのがおすすめ。しっかりと土が乾いてから十分に水を与えてください。
夏の肥料はやらない
日常管理といえば肥料もありますね。元肥が切れた頃から夏までの間に水溶性肥料を与えると良いでしょう。固形の肥料だと根腐れしやすいのであまりおすすめできません。
栽培の注意点
この花の日常管理のポイントはできるだけ雨に当てないこととと夏場の肥料は避けることです。直射日光が強く暑い夏は得意な植物ではありません。根があまり強くないので、ストレスを与えないような管理を心がけると良いでしょう。
ソバナとは?育て方や食べ方④山野草の植え替え
ソバナの植え替え時期
ソバナは鉢植えで育てる方も多いでしょうが、自然環境でもわさわさと群生することが多いほど増えやすい植物です。植え替えはできるだけ毎年おこなってください。時期は秋か早春の頃。10月からが時期となりますが、1-4月がおすすめ。
植え替え方法
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大きな鉢に変えるだけでなく2-3年に一度は株を切って更新しないと根が古くなり自然と絶えてしまいます。その他の年は他の植物と同様に大きな鉢に新しい山野草培養土や軽石を入れて水はけを良くしたもので植え付けてあげれば良いでしょう。
栽培の注意点
通常の株の更新のどちらでも、根を大切にいたわってあげるのがこの植物を枯らしてしまわないためのポイントです。できるだけ根を傷つけないよう、株分けして切り分けた部分には雑菌が入らないよう殺菌剤を塗っておくことをおすすめします。
ソバナとは?育て方や食べ方⑤増やし方
増やし方は種まきなど3種類
山野草であるソバナは園芸品店などで株を購入することもできますが、気に入ったらもっと欲しいと思われることもあるでしょう。ある程度育った株からは自分で増やす増やし方も3種類あります。
種まきでの増やし方
ひとつめは開花時期が終わったものをそのまま種ができるまで育てて種まきで増やす方法。採取したらすぐにまくか春まで保存しておいて春蒔きすることも可能です。春の種まき時期は3月が適期。
挿し木での増やし方
種まき以外でも挿し木で増やすこともできます。挿し木にする場合時期は開花前の5-6月。瑞々しい茎を選んでカット。切り口から出る乳液は洗い流してから鹿沼土などに挿し木して、日陰で水を切らさないよう管理すると発根してきますので鉢などに移植してください。その時に根を痛めないよう注意しましょう。
株分けでの増やし方
株分けは2-3月の植え替え時期におこないます。鉢から出した大株を2-3個に分けて切り口を消毒薬で消毒。ひとつずつ植えていってください。この株分けは株を更新する方法として最低でも5年に1度はおこなわないと、次第に古くなった株寿命で絶えてしまいますので、増やすという目的以外でもぜひやって欲しいことです。
ソバナとは?育て方や食べ方⑥栽培の注意点
ソバナ栽培は夏に注意
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この植物は山野草なので栽培しやすく品種改良された園芸品種とは少し異なるお世話も必要になります。特に気をつけたいのが夏の日差しです。耐暑性は低い花ではないのですが、直射日光は嫌う傾向にあるのですのこなどで日陰を作ってあげると良いでしょう。
植え替え時は根を痛めないように
この植物は地植えで植えておくとどんどん増えて群生するようになるほど成長が旺盛ですが、鉢植えの植え替えには注意が必要。根を痛めてしまうと枯れることにもつながりますので、植え替え時に根は触らないようにするのがおすすめ。古い土もそっと取るくらいで根の間の土を無理やり取り除こうとしないのが無難でしょう。
収穫時は根ごと取らない
これは食用にする方に対するご注意ですが、根ごと引き抜いてしまうと翌年は生えてこなくなってしまいます。続けて栽培したいなら、収穫はハサミで根元の茎からカットでおこなうようにしてください。そうすることで翌年もソバナを収穫したり開花を楽しんだりすることができるでしょう。
ソバナとは?育て方や食べ方⑦調理方法
1.おひたし
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ソバナの食べ方として一番ポピュラーで万人受けするのがおひたしとしての食べ方でしょう。葉を摘み取ってきて熱湯で茹で、水にさらしてカットしたものをしょうゆや酢味噌で召し上がってみてください。からしマヨネーズなどの洋風な調味料で食べても美味なので山野草といってもクセも少なく違和感なく食べることができます。
2.てんぷら
その若い葉や開花した花もてんぷらにして食べるととても美味しい山野草のごちそうレシピとなります。作り方は簡単でよく水洗いした葉などを天ぷら粉で作った衣を付けカラリと揚げるだけ。美味しくいただくにはできるだけ柔らかそうな葉を選ぶのがポイント。
3.蕎麦の代用品としての粥
現代のような飽食の時代には不要なレシピかもしれませんが古い日本の食生活の中には、飢饉などで主食がなくなり蕎麦の代用品としてこのソバナを蒸して刻んで粥のようにして主食として食べたという記録が残っています。
ソバナの花言葉は「清らかな愛」
花言葉の意味と由来
この花の花言葉は清らかな愛といいます。うつむくように咲く花の姿や青や紫・白といった控えめな色もこの花言葉の由来となったのではないでしょうか。
花言葉がぴったりな花
園芸種として自宅で育てる人も増えていますが、元々は山野でひっそり咲いているひかえめな花。草丈はそこそこあるので、派手な花ではありませんがハイカーなど山に入る人の目に触れやすくこの花の姿にここまで歩いてきた疲れも癒やされたという人もたくさんいます。心が洗われるような清楚さ清らかさを持った花にぴったりの花言葉ですね。
まとめ
ソバナは見て楽しい食べて美味しい山野草
ソバナという控えめながら日本人好みの清楚な花を咲かせる植物の特徴を考慮した育て方・増やし方などの管理方法からその食材としての食べ方なども紹介してきましたがいかがでしたか?清らかな愛というこの控えめな花にぴったりな花言葉も印象深かったのではないでしょうか。山野草は通常の草花とは土から違い少し敷居が高く感じる方も多いでしょうが、市販の培養土を使ったり置き場所に注意することで初心者の方にも決して育てられない植物ではなくなります。清楚な花がお好みの方はぜひ自宅でも育ててみてはいかがでしょうか。
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