完熟堆肥[ゴールデンバーク]10kg
はじめに
ウメモドキの名前の意味は?種まきからの育て方解説
ウメモドキとはどんな植物かと問われたら、すでに知っている方でもとっさにはどう答えたら良いのか困ってしまいますね。はじめて育てるとなるともっとわからないことが多いのではありませんか?ウメモドキの特徴を知り、これから庭植えや鉢植えで楽しみたいと思っている方へ。まずはその基本情報やウメモドキという名前の意味・開花時期から見ていきましょう。
ウメモドキとは?開花時期や名前の意味
ウメモドキの基本情報
科・属:モチノキ科モチノキ属
原産地:中国・日本の本州以南
学名/英語名:Ilex serrata/Japanese winterberry
ウメモドキの開花時期
ウメモドキは冬に葉が落ちたあとでも残る赤い実がイメージに強い方も多いでしょうが、毎年初夏の5-7月ころには薄紫色から薄ピンクのかわいらしい花をたくさん咲かせます。
ウメモドキの名前の意味
ウメモドキの名前の意味は葉と花が梅(バラ科サクラ属の高木落葉樹)に似ていることから付けられた名前です。実が紫蘇の葉で付けられた梅干し(小梅などこぶりなもの)と似ているからと思っている方もいるかも知れませんが、名前の意味としては葉や花であるのでお間違いなく。
ウメモドキの特徴
ウメモドキの特徴は栽培していく上でも、鑑賞するにも大切なポイントが隠されています。その中から特に重要な4つをピックアップしてご紹介しましょう。
特徴1.モチノキ科の植物
モチノキ科という仲間のうちのひとつで、他のこの科の植物にはイヌウメモドキやミヤマウメモドキがウメモドキの近親種としてあげられます。小さめな赤い実を付けるツルウメモドキという品種もありますが、これはニシキギ科ツルウメモドキ属であり、似てはいるのですが親しい種類とまではいえない間柄です。
特徴2.落葉樹
このウメモドキが好まれるのは落葉樹で葉がすべて落ちたあとでも残る真冬の真っ赤な実のおかげであるといっても過言ではないでしょう。生け花の花材や鉢植えとしても多く愛でられますが、どれもこの冬の姿が目的であることがほとんどです。
特徴3.樹高は3mにも
盆栽などでコンパクトに仕立てられたものもありますが、普通に育てていると大きなものは3メートルにもなる高木落葉樹であるウメモドキ。剪定は方法によっては徒長枝を多く生むことになるのでプロや手慣れた方でなければあまり強くはできません。そのことから鉢植えで手に入れたものでも株が大きくなってきたら室内管理は難しくなってくるので、庭に植え替えてしまうとよいでしょう。
特徴4.雌雄異株
木には雄株と雌株があるものがありますが、このウメモドキもそんな中のひとつ。赤い実が付くのも雌株だけですので、観賞用に植え付けるのであれば必ず1本は雌株の苗を手に入れる必要があります。市販されているウメモドキの株はほとんどが雌株ですが心配であれば実が付いている状態のものを購入するのがよいでしょう。実から種まきをして増やしたいのであれば雌雄が必要となります。
ウメモドキの種類
ウメモドキの園芸種として有名なものから、海外産大ガラな近親種まで同じような実がポイントとなる種類をご紹介しましょう。それぞれ特徴があり美しさも違います。
種類1.大納言
小豆の品種などにも使われる大納言。粒が大きいという意味です。ウメモドキの大納言もそれが特徴で、原種よりも果実が大きく立派だということから大納言という名前が付けられています。
種類2.シロウメモドキ
果実が白い品種をシロウメモドキといいます。実の色が白い以外はウメモドキとほとんど同じものと考えられています。赤いウメモドキと一緒に生えているとそのコントラストが素敵でとても絵になるコンビです。
種類3.西洋ウメモドキ
アメリカ原産のモチノキ科の樹木で大陸にヨーロッパ人が足を踏み入れる前からネイティブたちから薬用の木の実として用いられてきた植物。ウインターベリーとも呼ばれています。主にクリスマスの飾り付け用として切り花(?)として流通しているもの。日本のウメモドキと比べると実が大きく数もたわわに枝に付くのが特徴です。
ウメモドキの育て方1.日当たり
暑さや寒さにも強く、土質も特により好みしないことからウメモドキの苗からの栽培は比較的簡単だといわれています。まずは栽培にむいている日当たり・置き場所の解説からご覧ください。
ウメモドキの好む日当たり
夏の強い日差しに多少弱いところがあるので、午前中日があたり午後には日陰になるような半日陰がこの植物の栽培にはむいています。丈夫な樹木なので夏の日なたでも育つのですが、日陰にも強いということで苦手な日差しにさらすよりも半日陰くらいの方が植物のためによいということです。
栽培のポイント
ウメモドキが自生している場所はやや湿気った土地であることから、この樹木は湿り気が好きだということがわかります。しかし栽培する場合はあまり多湿にせず水はけの良い土で育てることが一般的。庭に植え付ける場合や鉢植えに植え替える場合でも土づくりには注意が必要です。
ウメモドキの育て方2.土
土はできるだけ湿潤なものを選ぶのがポイントです。土が潤っていて十分栄養があれば肥料やりは必要ありませんが、不足しているような土だと肥料やりも必要となってくるでしょう。
ウメモドキの土づくり
土質は選びませんので樹木用の培養土を選んでおくのが良いでしょう。前述のようにある程度保湿力があり水はけのよい養分のある土がウメモドキの好み。植え付けの際は腐葉土や堆肥をたっぷりすき込んであげるとよいでしょう。
栽培のポイント
完熟堆肥[ゴールデンバーク]10kg
鉢植えの植え替えだけでなく庭植えでも土の1/3程度の量の腐葉土や堆肥を混ぜた配合にします。根鉢の大きさの倍くらい土を掘って土とこれらの肥料をよく混ぜて、庭植え用の植え付け土としてください。
ウメモドキの育て方3.植え方・植え替え
赤い実が樹木としての価値を決めるといっても過言ではないウメモドキの木。植え替えをするにはそれを邪魔しないような時期におこなうのが理想的です。年に2度植え付け・植え替えにむいている時期がありますのでそのどちらかですると良いでしょう。
ウメモドキの植え方植え替え時期
植え付けや植え替えに適した時期は秋10-11月。成長が止まったころを見計らっておこないましょう。または2-3月におこなってもかまいません。
植え替え方法
深さ幅ともに根鉢の倍の穴を掘り、その土に腐葉土と堆肥を混ぜたもので植え替えてください。鉢植えの場合は同様に肥沃な土を使いましょう。植えたあとは十分に水を与え、棒などでつき馴染ませたあとに必要そうであければ支柱を立てて支えてあげると早く根付いてくれます。
栽培のポイント
多湿で肥沃な土が好きなので植え替え後は乾燥に気をつけます。根付くまでは極端に乾燥させないよう、庭植えの地面にも水やりを時折してあげるとよいでしょう。
ウメモドキの育て方4.剪定
ウメモドキの剪定時期
剪定を行うなら葉が落葉している冬2月ころがおすすめです。このような樹木とは春に出てきた若い芽に花が付くのでその前におこなうことでどこを剪定しても花(や実)には影響が出ないため。これは実を収穫する樹木の多くに適応できる剪定時期となるので覚えておくと役に立つでしょう。
栽培のポイント
そのまま放置していても樹姿が乱れることなく成長する樹木なので、無理に剪定する必要はありません。むしろ切りすぎてしまうとウメモドキの良しとする野性味あふれる枝ぶりが単調なものとなってしまう可能性があるからです。刈り込みは好みにもよりますが、こみあった枝を落とす・高くなりすぎる樹高を抑える程度がおすすめ。
ウメモドキの育て方5.増やし方
ウメモドキの増やし方は2種類
ウメモドキは挿し木と種まきの2種類の方法で増やすことができます。最後になりましたが、それぞれの作業のコツやポイントと時期・やり方を解説しましょう。
増やし方1.種まき
種まきは少し難しいところがあります。というのも秋に完熟した実から果肉を取り除き種だけにしたものを、乾燥させずに春まで保管しなければいけないからです。種まきの適期は3月。この種をすぐにまいてしまうというやり方もありますが、この場合も同様で発芽が確認できるのは翌年春でありもし土の中で種が乾燥してしまうと発芽しませんので注意してください。
増やし方2.挿し木
挿し木は春のやわらかな新しい枝でおこないます。枝が茶色く固くなってしまうと挿し木には使えないので6月に入ったらすぐにおこなうのが良いでしょう。長さ5センチくらいに切った枝を使い、水あげを60分程度してから鹿沼土などに挿し木してください。湿らせた新聞紙などを掛けて根づくまで乾燥させないよう日陰で管理したあとポットで育苗し、秋ころになったら鉢にあげることができるでしょう。
栽培のポイント
ウメモドキの増やし方はどちらも簡単ということはできませんが、実生苗を作るよりも挿し木の方がやややりやすい方法といえるでしょう。どちらも乾燥させすぎに気をつけて、秋の植え付け時期まで大きくしてから鉢植えや庭に植え付けてください。
野生のウメモドキを大切に
山形県ではレッドリストに
ウメモドキの枝は花材として人気があり、野生に生えているものは時期になると知っている人がやってきては毎年手折っていくそうです。そのためにだんだんと数を減らして山形県では絶滅寸前種として指定されている植物です。山形だけでなくどんな地域でも数が少なくなっているので、採取しすぎは避けましょう。
千葉県では応急種となる
山形県だけでなく、千葉県で野生のウメモドキは絶滅危惧種に準じる応急種として指定されています。野山でウメモドキを見かけたら手折ったりせず大切に守っていくよう心がけたいですね。
まとめ
冬の季節も美しいウメモドキを庭や鉢植えで楽しもう
ウメモドキとは葉が全て落ちてしまった冬の季節も赤い実が残り暗く沈んだ空気の中でもそこだけパッとあたたかそうな雰囲気を作ってくれる、日本人が愛でてきた樹木です。大きくなるものもは3メートルほどまで成長するので鉢植えよりも庭木として植えるのがおすすめ。育て方は意外と簡単なのではじめて育てるという人でも失敗が少なく栽培できるでしょう。実が白いものや大粒のものなど種類もあるのでお好みのウメモドキを是非育ててみてくださいね。
園芸が気になる方はこちらもチェック
暮らし~のではたくさんの植物の育て方・挿し木や種まきでの増やし方のポイントを解説した記事をご用意しています。園芸が気になる方は是非こちらも見てくださいね。
桜の挿し木での増やし方と育て方のコツ!時期や発根させるための方法を解説!
桜は挿し木で増やせることをご存知ですか?こちらの記事では、桜の増やし方や挿し木を上手に発根させるコツ、管理方法や育て方などを、わかりやすく解...
ツツジの種類ごとの見分け方と特徴を解説!剪定や挿し木のコツも!
ツツジは種類もたくさんあって、日本人に古くから親しまれている庭木のひとつ。すべての種類の名前は無理でも、有名な品種くらいは見分けられるといい...
ハナニラ(イフェイオン)とは?特徴をふまえた育て方のコツをご紹介!
ハナニラ(イフェイオン)という植物をご存知でしょうか。よく道端でも見かけることがあるような自然と自生するとても丈夫な植物ですがかわいらしい星...