ザクロとは
健康にいいフルーツ
ザクロというフルーツを知っていますか?実は大きいですが、可食部は種子の周りにわずかにあるだけで少し食べにくいものが多いです。日本でも栽培でき育て方も確立されていますが、国産のザクロが店頭に並ぶことは少なく、ほとんどが輸入品です。健康にいいフルーツとなり、塩分を排出するカリウムやビタミンC、抗酸化作用があり目の疲れにいいとされるアントシアニンなどの成分が含まれている若返りのフルーツと言われています。
国産と輸入物で味が変わるフルーツ
日本でも広く分布しているザクロですが、輸入物と比べると味や大きさに差があります。例えば国産は酸味が強く種子がありますが、輸入されたものは酸味が少ない、種子がないものなど品種や産地によって違いが豊富です。種子はスイカのように取り除かなくてもそのまま食べられます。
シンボルツリーとしても人気
旬の季節は秋になり赤くて丸い直径8cm前後の実をつけ、フルーツとして有名ですが観賞用の花としても人気があります。八重咲きのものなど見ごたえのある赤~白の花が咲きシンボルツリーとしてもおすすめです。また風水では子宝を意味する木として庭の北側に植えられるということもあり身近なところでも見かける木です。
ザクロの基本情報
実ザクロと花ザクロに分けれられる
前述したようにフルーツとして栽培し、収穫を楽しむ樹種と八重咲きなどの花を楽しむ観賞用樹種と分けることができます。 分類はミソハギ科ザクロ属となり、学名はPunica granatumです・ミソハギ科というこでサルスベリの仲間となります。花が旬を迎える季節は初夏(5~6月頃)となり、実が旬を迎える季節は前述したように秋です。観賞用の樹種は結実しにくいと言わているので、収穫を楽しみたい方は実ザクロを植えるようにしましょう。
どこでも育つ
原産地については諸説ありますが、地中海などの暖かな地域からヒマラヤのような高い場所が原産地と言われています。そのため寒さに強く、暑さにも強い柔軟な適応力がります。日本は南北に長いため地域によって気候が変わってきますが北海道のように極端に寒い地域を除いてどこでも栽培しやすいフルーツです。観賞用でも基本的な性質は同じです。また基本的に日当たりのいい場所で栽培しますが、日陰に対しても強いと言われています。
ザクロの栽培で注意すること1
収穫まで長い歳月
種子から育てることもできますが収穫できるようになるまで5年や10年もの歳月がかかると言われています。早く収穫できるようにするには、種子から栽培していくのではなく、ある程度育っている苗木から栽培したほうがいいでしょう。また暑い時期に水やりを忘れないことや施肥などの日々の管理が大切になります。若木からでも収穫まで長時間かかるので焦らずじっくり育てていくことも大切です。
苗木を買うときは樹種に注意
前述したよに花を楽しむ観賞用と収穫を楽しむフルーツとしての樹種があります。通販、店頭買うときもどちらのタイプか確認してくださいね。早く収穫したいという場合は一才ザクロと呼ばれている1年で収穫できる品種を探すといいでしょう。代表的な品種はカルフォルニアザクロ、大実ザクロ(日本のザクロの総称)、シャインレッド、白実ザクロなどがります。いろいろな種類があるので好みのザクロを見つけてくださいね。
ザクロの栽培で注意すること2
背が大きくなる
巨木、高木とまでは行きませんが、簡単に2mよりも大きくなります。どこにでも適応し大きくなることから地植え、庭植えにする場合はスペースを確保して置きましょう。放任してしまうと大きくなりやすいです。コンパクトに仕立てたいと言うときは矮性とよばれる背が高くならない種類を選ぶようにします。主な品種は一切ザクロ、姫ザクロです。盆栽のように非常にコンパクトに仕立てられますが、樹高と同じように実も小さめになります。
むやみに剪定しない
大きくしたくないからとむやみに成長点をきったり、大きく切り戻してしまうと花が咲かず収穫もできなくなります。通常花は蕾ができてすぐに開花するものが多いですが、ザクロは前年の枝に花芽ができ、翌年初夏に咲くため剪定する時期や方法を間違えないように注意しないといけません。観賞用の花を楽しむ場合でも、実を収穫したい場合でも前年の枝を切り戻さないようにしていきましょう。矮性の背が低いものでも同じです。
果物のザクロの大まかな育て方
植え付け時期は冬・春
大まかな育て方を紹介していきますね。苗の植え付け時期は冬~春になります。種子から育てるという場合は旬の季節となる秋に植え付けます。定期的に肥料を与えて幼木を成長させていきましょう。鉢植えでも地植え、庭植えでも大丈夫ですが、鉢植えでは毎年植え替えが必要になります。季節によって姿は大きく変わり秋には葉が黄色く黄葉(こうよう)し、冬には落葉樹なので完全に散り枯れたように変化し、春に再び葉が付きます。
栽培歴
春 | 植え付け・肥料 | 冬から春に植え付け、2年目以降の追肥 |
夏 | 開花・摘果 | 多すぎる実を取り除く |
秋 | 収穫時期・黄葉 | 実が収穫できる |
冬 | 剪定・肥料・植え付け | 収穫後の追肥 |
果物のザクロの育て方1
土の準備
水持ち、水はけがいい土で弱酸性の土に植え付けますが、基本的に放任していても育つ植物なので水はけがよすぎて水持ちが悪い砂地、逆に粘土質で水が溜まり水田のようになる場所以外ではどんな土でも大丈夫です。庭だと他の植物が育っている場所なら問題ですよ。鉢植えでも市販の土や赤玉土と腐葉土などで作ったオリジナルの土でも問題なく栽培できます。ブルーベリーのようにピートモスを配合しなくても、そのままで大丈夫です。
日当たりは必要
影でも育つというのは枯れないことを意味するだけです。花がきちんと咲く、収穫時期にしっかり収穫できるという意味ではありません。旬の季節に花や実を楽しむには日当たりのいい場所に植えましょう。種子から育てる場合も同じように水持ちと水はけ、日当たりを確保します。風通しも悪いと蒸れる原因となるので建物に囲まれている場所よりも開放的な場所に向いています。
果物のザクロの育て方2
遅くても4月にまでには植え付ける
植え付け時期は冬~春です。4月は季節的には春と言われていますが、植え付け自体は3月いっぱいまでにしておきましょう。3月以降は新芽が芽吹いてきて植え付けるには少し遅いです。苗を購入した場合も同じです。通販ではいつでも購入できますが、植える予定がある方は4月までに購入して植え付け時期を守るようにしてくださいね。季節が変わってしまうと苗木が弱っている可能性があります。
地植えのやり方
前述した土の準備に元肥を足しておくといいでしょう。元肥はゆっくり長く効く堆肥などの有機肥料がおすすめです。庭など植えられるスペースがあるならザクロは地植えが望ましく、できるだけ深く耕しておきましょう。
鉢植えのやり方
苗木よりも一回り大きな鉢を用意し、毎年植え付け時期と同じ冬~春の間に植え替えていく形になります。底には石を入れて通気性、水はけを確保しておくといいでしょう。種子から育てる場合も最初は鉢植えで育て、植え替え時期に地植えにすると育てやすいです。種子から栽培する場合は後述しますね。
果物のザクロの育て方3
水はたっぷり必要
乾燥に非常に弱いというわけではありませんが、植え付け後はたっぷり水を与えましょう。植木鉢で育てる場合は底から水が出てくるまでしっかり与えていきます。地植えは根付くまでの間は水やりが必要になり、10~14日ほどは欠かさず与えてくださいね。根付くと他のフルーツと同じように水やりは不要ですが、1年苗などの若い木は夏に水を与えて成長させていくといいでしょう。鉢植えは土の表面が乾くと与えるようにします。
やりすぎは枯れる
フルーツ、観葉植物、花など植物の種類に関係なく水のやりすぎはよくありません。常に土が湿っている状態だと根が呼吸できず酸欠状態となり、細い根から腐っていきます。いわゆる根腐れという状態となり網目のように細長い根を張り巡らせるひげ根タイプの植物は特に注意しないといけませんよ。冬になると休眠状態となるので、水の与えすぎに特に注意しましょう。
果物のザクロの育て方4
肥料はいくら与えても大丈夫
ザクロは肥料を与えると際限なく使い成長していくと言われている植物です。大量に肥料を与えることで発生する肥料やけを起こさないのでズボラな方でも管理しやすいでしょう。与える肥料は特に決まっていませんが、主に葉の成長に影響する窒素をたくさん与えてしまうと、旬の季節になっても花や実ができない状態になるため肥料の成分に注意が必要です。
定期的に追肥
地植えは植え付けたときは元肥が効いているので3月は不要ですが、秋に肥料を与え翌年の3月にも肥料を与えます。以降3月と10月に肥料を与えていきますよ。鉢植えの場合は3月と7月、10月など定期的に与えるようにしましょう。10月の追肥は収穫した後のお礼として与えます。特に季節を決めず実の旬のが終わったら与えるようにしましょう。
花や果物はリンが大事
どんな植物も肥料が大事です。肥料は大まかに分かると窒素、リン、カリウムの3つの成分がありどの成分も植物の成長に欠かせません。ただし花や果物(種子)など植物の生殖に関する成分はリンとなるのでザクロのようなフルーツを育てるときはリンを多めにするといいでしょう。
果物のザクロの育て方5
摘果
花も楽しめる果物なのでたくさん花が咲き、たくさん実ができます。たくさん実ができるとそれぞれ均等に養分を使うので大きくならず、味が悪いザクロしかできなくなります。それだけだといいのですが、最悪の場合はたくさん実をつけたことにより、樹勢が弱くなり翌年は花をつけないこともありますよ。そうならないように実が旬を迎える前に摘み取りましょう。目安としては一つの枝にいい実を1つだけにして他は取り除きます。
人工受粉は不要
雄花、雌花に分かれていないので基本的に人工受粉は不要です。またラビットアイ系のブルーベリーのように受粉ように他の品種のザクロが必要というわけではなく放任していても結果しやすいです。受粉の手間はかかりませんが、しっかり摘果しないとたくさんできてしまいますよ。7月頃になると丸い実が付くので摘果すべきかわかりやすいです。
果物のザクロの育て方6
収穫について
旬の秋になるにつれて実が大きくなり赤っぽく変色します。ただし外見だけでは本当に旬の食べ時は難しく外皮が色づいたからと割ってみると熟れていないということもありますよ。季節的には秋に旬を迎えますが、寒い地域でも暖かな地域でも成長するのでその地域に合った旬の時期というものがあります。完熟したものは自然と身が割れてきて、可食部である種子と赤い果肉が見えてくるので目安にするといいでしょう。
果物のザクロの育て方7
剪定の時期
樹勢が強い木なので気になったときにしても枯れることは少ないですが、適している時期は冬から春にかけての葉がない時期です。切り戻すのではなく整枝するように無駄な枝を切り取るようにしましょう。特に根本から枝が生えやすく放置すると数ヶ月で大きくなりますよ。剪定するときはこのような枝を剪定するようにしてくださいね。
切る枝とは
前述したように落葉後に剪定が必要です。高くなるのはある程度しかたがないことなので根本から広がる枝を切りそろえるようにしましょう。またすでに枝がたくさんあるような場合は内側に向かっている枝、枯れている枝などをきっていきます。混み合い具合によっては腕ぐらいの太さがある枝でも、のこぎりなどを使って切り落としていくといいでしょう。棘があるので軍手などを使って注意しながら作業してくださいね。
果物のザクロの育て方8
種子からの増やし方について
ザクロは種子からでも増やせます。一般的に種子から育てる場合は大変ですがザクロは発芽しやすいので非常に簡単です。食べたあと種子を水洗いして土に浅く埋めるだけでも芽が出てきますよ。より確実に育てたい、増やしたいという場合は水に1日ほど漬けておき、種まき用の土に蒔いて育てましょう。土の表面が乾かないか注意しながら水を与えてくださいね。蒔時は収穫してすぐの秋~春です。春に蒔く場合は冷蔵庫で保管ておきます。
ザクロの挿し木での増やし方
ザクロの木がすでにある場合は種子から増やすよりも簡単にできる方法が挿し木です。挿し木とは簡単に紹介すると適当な枝をきれいな土に刺すだけです。剪定のときなどにきった枝を使うといいでしょう。やり方は太さ1cm程度の枝を15cmほどに切り土に半分ほど埋めて(刺して)乾かないように日陰で管理しましょう。
果物のザクロの育て方9
ザクロの病害虫について
果物というと害虫が非常に発生しやすいのですが、ザクロは目立った害虫、病気は少ないと言われています。しかし絶対に害虫が発生しないというわけではなく栽培環境によってはアブラムシやカイガラムシ、コナミジラなどがまれに発生します。目立った病気もありません。虫を発生させないように育てるには日当たりがよく、風通しのいい場所で育ててくださいね。カイガラムシは割り箸で落としてしまえば農薬を使わなくても大丈夫です。
ザクロ栽培のまとめ
樹勢が強いので栽培は難しくない
ザクロは生命力あふれる樹勢の強い木です。与える肥料に窒素が多すぎたり、日当たりが悪いと花が咲きにくくなるので注意は必要ですが、枯れることは少ないです。鉢植えの場合成長スピードが早いので必ず植え替えていきましょう。人工受粉は必要ではありませんが、開花時期と梅雨と重なると受粉しにくくなると言われています。しかし実だけではなく花や季節ごとの変化と収穫が楽しめるおすすめのシンボルツリーです。
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