はじめに
革靴のひび割れは自分で修理できる!
多くの人が通勤や通学に革靴を履いています。ついついお手入れをサボってしまいがちな革靴は気付いた時にはひび割れやクラックが入っていた!ということはありませんか?当記事では革靴のひび割れの修理・補修の方法を解説します。
また解説するひび割れの修理・補修方法は革製のブーツにも応用できますので参考にしてみてはいかがでしょうか。
ひび割れの原因や予防方法もご紹介!
ひび割れの最大の修理・補修方法は逆説的ではありますが、革靴にひび割れを起こさせないように原因を取り除く、予防すると言ったことが有効です。革靴がひび割れする原因や予防する方法を紹介します!
革靴のひび割れ原因①乾燥
乾燥は革靴の大敵!
革靴のひび割れの原因①は乾燥です。乾燥は革靴の大敵となっており、少し放っておくと革靴のしわが癖になりどんどん取れない深い履きじわが刻み込まれていきます。冬に手がカサカサと乾燥する時に保湿するのと同じように、革靴を乾燥から守ることがひび割れの予防に繋がります。
クリームで日々の乾燥を予防!
革靴に短いスパンで栄養補給・乾燥予防の為に靴クリームを塗ることが大切なこととなっています。時間にすれば1分もかからないことですので、大切な革靴にクリームを定期的に施し、ひび割れやクラックを予防しましょう。
革靴のひび割れ原因②お手入れ不足
革靴にはお手入れが必要!
革靴のひび割れ原因②はお手入れ不足です。革靴は他の靴と違い日々のお手入れや定期的なメンテナンスが必要な靴となっています。何もケアせずに革靴の味だという声もありますが、お手入れをすることでその味を長く感じることができ、また経済的でもあるのでお手入れをする習慣を身に付けたいところです。
定期的なお手入れでひび割れを予防する
日々のお手入れは大した時間が掛かるものではありません。なによりも意識的に革靴を手に取ってシューキーパーを入れたり、クリームを塗ることで革靴の状態を知ることができるのでひび割れの予防に効果的です。
また、定期的なメンテナンスは普段お手入れをしない場所の点検も兼ねていますので、異変に早く気がつく為にも重要です。
革靴のひび割れ原因③クリームの塗りすぎ
クリームの塗りすぎは逆効果!
革靴のひび割れ原因③はクリームの塗り過ぎです。お手入れを習慣にできた!と言ってもその方法や手順が間違っていると革靴に負担をかけてしまい、ひび割れ・クラックに繋がってしまいます。
特に大切にしたい高級な革靴ほど敏感にこちらの手入れの良し悪しを教えてくれます。大切にしたいからと言って間違った分量のクリームを塗ると本来の効果を発揮せず、ひび割れの原因になってしまいます。
何事も適量が大切
革靴の状態にもよりますので一概にこのクリームの量が適性です。とは言えません。革靴にクリームを使ったケアをする時は少量に分けて少しずつ塗り込むようにすると塗り過ぎを防ぐことができますのでおすすめの方法となっています。
少なければ足せば良いのですが、多いからと言って簡単に引くことができませんので少量を分けてと覚えておきましょう。
革靴のひび割れ原因④しわがクラックになる
しわは必ずできるが
革靴のひび割れ原因④はしわがクラックになるです。革靴は履くとしわが必ずできてしまいます。最初のうちは浅いしわだったものがケア不足や時間の経過とともにどうしてもとれない深いしわとなってしまいます。そのまま深いしわを放置するとクラックとなり、最悪の場合そこから破れてしまいます。
しわを放置するとクラックになる
通常の手入れをしているとしわは浅く、その革靴だけの独特の表情となりますが、手入れをせずに履き続けると乾燥などの原因から通常の歩行時の曲げたり、伸ばしたりする力に耐えられずクラック・ひび割れとなってしまいます。
クラックはひび割れと同義語
クラックは英語でひび割れを表す言葉です。どちらをつかっても同じ意味となりますが、靴のリペアをプロにお願いする場合にクラックと表現する時がありますのでここではクラックと表現しました。覚えておくと戸惑うことがありませんので頭の片隅に置いててください。
革靴のひび割れを修理・補修する道具
お手入れにも使う
ここでは革靴のひび割れを修理・補修する道具を日常のお手入れに使う靴クリーム・ワックス・靴墨・ブラシ・シューキーパーの日常的に使う場合の役割と修理・補修する時に使う場合の役割を紹介します。
靴クリーム
靴クリームは油分と水分を適量に革靴に補給し、皮革を良好な状態に維持する為に使われます。ひび割れの補修としては革自体に栄養を行き渡らせ、ひびを目立たなくする為に使われます。
クリームにも種類があり、革の油や汚れを落とすリムーバーや栄養を与えるクリームや色を補うクリームなどさまざまな種類がありますので用途に合った靴クリームを選びましょう。
ワックス・靴墨
ワックス・靴墨は表面に油膜を張り革靴をコーティングして、水や汚れが染みないようにするとともに、革靴にツヤを出す為に使われます。先に解説したクリームの塗り過ぎのひび割れは多くの場合、ワックスや靴墨の塗り過ぎによって革に栄養のあるところと不足しているところがまばらにできてしまう為に起こってしまいます。
ブラシ
ブラシは日常のお手入れで最も良く使う道具と言えます。埃をはらう為にも使われますし、クリームの栄養分をしわに行き渡らせる為に使うこともあります。補修用としてはひび割れ部分にクリームを浸透させる為に堅い豚毛のブラシを使います。
シューキーパー
シューキーパーは靴の形を維持、再生する為に使う木製の足形です。日常では履いた靴が形崩れを防止することや、しわを伸ばす為に使われます。補修用としても同じように使われます。革靴を買った時には一緒に揃えておきたい道具です。
ひび割れ修理・補修用の道具
次に革靴のひび割れの修理・補修に使う場合にだけ使われる道具をヤスリ・パテ・パッチ・絵筆&アドカラーに分けてそれぞれ紹介します。多くの場合はホームセンターなどで販売されていますので自分で修理・補修をする際はお近くのホームセンターで探してみてください。
ヤスリ
ここでいうヤスリはサンドペーパーと言われる紙ヤスリのことを指します。紙ヤスリを靴の修理・補修に使う場合は目の粗い番手と仕上げ用の細かい番手の2種類の紙ヤスリが必要になります。ヤスリの番手は数字が小さくなるほど目が荒く、大きくなるほど目が細かくなると覚えておきましょう。
パテ
パテはブラシだけでは補修できないひび割れ部分に使います。ひび割れしている部分にパテを埋めてひび割れを目立たなくしたあとに革の色に合ったクリームを塗ることでひび割れを補修します。
しかし、良く曲げ伸ばしをする部分はパテが取れてしまうこともありますのでパテを使って補修する場合はどこの部分のひび割れに使うのかを考慮しましょう。
パッチ
パッチは新しい革を上からあててひび割れを覆ってしまう補修方法です。自分でパッチをあてるとなると自然に仕上げることは難しい場合が多くなっていますのでパッチをあててひび割れを修理しようと考えたときはプロに任せてしまったほうが良い場合があります。
絵筆&アドカラー
自分で大きなひび割れを補修する場合はパッチよりも絵筆&アドカラーを使う場合が多くなります。パッチを自分であてて元の雰囲気を再現するのは大変なことです。絵筆&アドカラーを使う場合はヤスリで削って筆とアドカラーで塗るという工程になりますので自分で修理するのに現実的な方法となっています。
革靴のひび割れ修理・補修方法①軽度のひび割れ①
軽度のひび割れはクリームとブラシ!
軽度のひび割れはクリームとブラシでひびが目立たなくなることがあります。まずは埃や汚れを落とす為に柔らかい馬毛のブラシを全体に掛けます。次にブラシにクリームを付けてひび割れ部分にクリームを刷り込むようにブラッシングします。最後にクロスで拭き上げて完了です。
修理というよりお手入れの延長線
ブラシとクリームで改善されるひびは軽度なものですので、小さなひび割れをこの方法で目立たなくすることができたのであればこれからは日常的に手入れをしていき、これ以上大きなひび割れにならないように気を付けることで革靴を長く履くことができます。
革靴のひび割れ修理・補修方法②軽度のひび割れ②
革靴のひび割れをパテで修理!
ブラッシングとクリームで改善されないひび割れはパテを使って埋めてみましょう。パテを使う時は一度リムーバーで靴の油分を落として、乾燥させてからパテを使うようにすると有効です。パテで埋めた後はクリームで再度油分を補給してあげることを忘れないようにしましょう。
ひび割れ・クラックをパテで補修する時の注意点
ひび割れ・クラックをパテで補修する時はひび割れの場所に注意を払う必要があります。よく曲げ伸ばしする甲の部分やつま先部分はパテが取れてしまう恐れがありますので動きの少ないかかとや履き口付近のひび割れ補修に向いています。
革靴のひび割れ修理・補修方法③中度のひび割れ
ここからの修理は手間との戦い!
ここからの修理は時間と手間が掛かります。自分の手に負えないと感じたらすぐにプロの手に委ねてしまった方がいい場合が多くなります。しかし、手間が掛かる分だけ革靴に愛着も湧きますので喜びも一入でしょう。ここでは家にあるものだけでひび割れを修理・補修する方法を紹介します。
必要なもの
バケツ・ぬるま湯・シャンプー・靴クリーム・古タオル4〜5枚・シューキーパー
お湯に浸してクリームとシューキーパーを使う
40度くらいのお湯をバケツに溜めて革靴を2時間程浸します。つぎにシャンプーを少量泡だてて革靴を撫でるようにし、温めのシャワーで洗い流します。
再び2時間ほどお湯につけて取り出し、タオルを4〜5枚使ってできる限り水分を取って半乾きの状態にし、クリームを全体に塗り込みます。クリームを塗り込んだら自然乾燥させ、乾いたら再度靴クリームを満遍なく塗り込みましょう。
革靴のひび割れ修理・補修方法④重度のひび割れ①
自分でできなさそうな修理はプロに頼ることも
深刻なひび割れは自分でなんとかできれば達成感も大きいのですが、より状況を悪くしてしまう恐れもあります。特に奮発して買った高級革靴などは心理的ダメージも大きくなってしまいます。そんな時は素直にプロに頼るのも一つの手段です。
必要なもの
ヤスリ2種類(目の粗いものと細かいもの)クリーナー・水・絵筆・アドカラー
ヤスリをかけてアドカラーで塗る
ひび割れの気になる部分をヤスリがけします。最初は番手の小さい粗めのヤスリを使いひびが平になるまでヤスリ掛けします。次に目の細かいヤスリで表面が滑らかになるように整えます。
表面を整えたらクリーナーで汚れや削りかすを綺麗に取り除きます。次にアドカラーを使い、絵筆で塗って行きます。同じ色があれば良いのですが、ない場合は絵具を混ぜる要領で色を作り、水で薄めながら重ね塗りして行きましょう。
革靴のひび割れ修理・補修方法⑤重度のひび割れ②
パッチをあてる
パッチをあてる修理は自分でできたとしても自然に仕上げることがかなり難しい方法となっています。手順としてはひび割れを覆いたい部分をパッチで覆って接着するというだけなのですが、自分ではパッチとなる補修に適した革をなかなか手に入れられません。
また革を自然な風合いで接着するのは至難の技ですのでパッチをあてた補修を検討する場合はプロの修理に頼った方が結果として最良の補修となることが多くなります。
革靴のひび割れ予防①定期的なお手入れ
月に1度はお手入れを!
定期的なお手入れがひび割れ予防の最善の手段です。毎日のお手入れと月に一度はクリーム、ブラッシング、拭き上げとワックスをかけるようにすると長く革靴を履くことができます。
異変に気付きやすい
定期的なメンテナンスは靴をよく観察することにも繋がりますので異変に気付きやすく、小さなひび割れのうちに補修や修理をすることができます。解説したように小さなひび割れは自分で補修ができますが、大きくなると自分では手に負えなくなることがほとんどです。
革靴のひび割れ予防②乾燥を防ぐ
靴クリームを定期的に
乾燥がひび割れのもっとも大きい原因となります。毎日のお手入れはブラッシングだけで大丈夫ですが、しわが気になり出したらクリームを付けるタイミングと考えてください。逆に毎日つけると油分の過多でひびの原因となりますので程々にしておきましょう。
ブラシがけは毎日の習慣に!
ブラシがけは靴を脱いだら全体を払うようにしましょう。ブラッシングをして、除菌スプレーをかけ、シューキーパーを入れると時間にしてみてば1〜2分の手間となりますのでぜひ帰宅してからの習慣にしてみてください。
革靴のひび割れ予防③濡らさない
雨に濡れたら拭いて乾かす!
毎日革靴を履いていたら雨に降られてしまう日は絶対にあるでしょう。雨に濡れてそのままにしておくと濡れた時から乾燥する時の収縮がひび割れの原因となってしまいます。濡れてしまうのは仕方ありませんがその後のケアが大切です。
雨染み予防にもなる
革靴が濡れてしまったらできるだけ早く、表面の水気を古タオルなどで拭き取りましょう。拭き取ったら風通しの良いところで自然乾燥させ、しわが気になる時はクリームを塗ると良いでしょう。早く水気を取ることは雨染み防止にも繋がります。
まとめ
大切な革靴を自分で修理・補修しよう!
大切な革靴を自分で修理・補修ができると革靴への愛着もより一層深まります。小さなひび割れは自分で、大きなひび割れはプロへ頼むとする方が結果として靴を長く履くことに繋がります。ひび割れの最大の修理方法はひび割れを予防するということですのでこまめな手入れを心掛けましょう!
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