【知らないと恥ずかしい】初物(はつもの)とは?旬との違いや長生きできる理由も!

【知らないと恥ずかしい】初物(はつもの)とは?旬との違いや長生きできる理由も!

日本人は初物が大好きな人種といわれています。確かに私たちは初物を食べる時幸福感も一緒に味わいます。昔から珍しいものとして大切にされ、食べると長生きできるといわれてきた初物、旬との違いや初物にまつわることわざなどをお話していきます。

記事の目次

  1. 1.初物とは
  2. 2.初物と旬の違い
  3. 3.初物の種類
  4. 4.初物がもてはやされていた江戸時代
  5. 5.初物にまつわる長生きのことわざ
  6. 6.初物と「五行説」の関り
  7. 7.初物と縁起担ぎ
  8. 8.旬の3つの種類
  9. 9.旬の「であいもの」
  10. 10.まとめ

初物とは

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日本人なら誰もが良く知っている言葉「初物(はつもの)」ですが、あらためてどのような意味なのか問われるとなかなか正確に答えるのが難しいのではないでしょうか。初物を辞書で引いてみると広辞苑には①その季節に初めて出来た穀物、野菜、果物など。②その年に初めて食べるもの。③まだ誰も手を付けていない物とあります。また三省堂 大辞林 第三版には①その季節の最初にとれた野菜、果物、穀物、魚など。また、走りの物。などとあります。

季節に先駆けてとれる魚や農作物

初物のことを「はしり」ともいい、季節に先駆けて出る農作物や漁獲物などを意味し「 -だからまだ高価だ」などの言い方もします。また初物を好んで食べる人にたいして「初物食い」などという言葉もあり、日本人がいかに初物が好きかを物語っています。日本人がなぜ初物好きなのか、その理由などをみていきましょう。

初物と旬の違い

初物と旬は同じ意味であると勘違いされている方がいますが、初物と旬との違いは、「初物」はその季節に初めて収穫、漁獲された食材のことをいい、「旬」はある食材がほかの時期よりも新鮮でおいしい食べごろの時期という違いがあります。お店にも多く出回るため値段も安く、美味しいので旬は庶民にとってもありがたい時期といえます。

初物は「はしり物」旬は「出盛り時期」

言い換えれば、この2つの違いは、初物は季節の初めに収穫された農作物や、初めて獲れた魚介類などのことで「はしり物」といい、旬は食材がもっとも美味しく食べられる「出盛り時期」のことをいいます。また旬には何かを行うに最も適した時期という意味もあります。例えば「もみじ狩りの旬」などといいます。「初物」と「旬」意味の違いがあってもどちらもみずみずしい生命力が宿っていて元気が出る食べ物には変わりありません。

初物の種類

どんな食べ物にも一番おいしい時期があります。前述のようにその最もおいしい出盛りの時期を旬といいますが、その旬の始まりが「初物」という事です。初物は古くから日本人が何よりも好んで食べた食材ですが、その初物の代表を「初物四天王」と呼んでいます。

旬の季節の一押しは魚!

初物四天王とは「初カツオ」「初シャケ」「初ナス」「初キノコ」の4つの食材です。なかでも江戸っ子が特に好んだのが「初カツオ」や「初ナス」、「初キノコ」といわれています。特に初カツオは1匹1両という並外れた値段でも躊躇せず買い求め食べていたそうです。ちなみに1両とは今の金額に換算すると、江戸の時期によって差がありますが、初期の頃では10万円前後、中~後期で3~5万円という事です。江戸っ子の潔さが伺えます。

「初キノコ」とは松茸のこと

初キノコとは言うまでもなく松茸のことです。江戸時代も今と変わらず非常に高価だったようですが、今の松茸よりも大きく、傘は握りこぶしほどもあり香りも良かったそうです。

縁起の良い農作物は「初ナス」

「初ナス」は、「1富士2鷹3茄子」ということわざが駿河の国にあり、睡眠中に見ると縁起が良いとされていました。これは今でも初夢で見ると縁起がいいものとして良く知られていますね。縁起の良い理由は富士山は「不死」、鷹は「高い」、茄子は「成す」が由来といわれています。3番目の茄子も昔の人にとっては大変縁起の良い食材とされ、江戸時代に献上品として重宝されたそうです。そのため茄子農家は栽培方法を研究し、より付加価値を高めようと必死だったということです。

初物がもてはやされていた江戸時代

先にも述べましたが、その季節に初めて収穫された農作物や、魚介類などのことを初物といいますが、例えば人気の初鰹などは朝早く海でつられたものが早飛脚などで当日に江戸に運ばれ、最初に味わう事が出来るのは天皇や力のある武士だったそうです。初物の文化は江戸時代の庶民の中でも気運が高まり、初物の代表である「初物四天王」の他にもお茶やたけのこ、かぼちゃやみかん、お酒など、初物として受け入れられていた食品は結構あったようです。

ついには「初物禁止令」も

縁起のよい食べ物や、粋なお金の使い方を好む江戸っ子ゆえ、町民が次第に財力をつけてくるようになると「お上よりも先に食べる」という初物に対する江戸っ子の粋が沸き起こり、それが徐々に加熱して食品の高値を引き起こしてしまいます。みかねた幕府は「初物禁止令」を出し、初物ブームは治まりますが、生産や冷凍技術などが進化した現代から見ると江戸庶民の食に対する熱い思いを感じます。

初物にまつわる長生きのことわざ

「初物七十五日」

初物にまつわることわざの中に「初物七十五日」ということわざがあります。初物を食べると寿命が延び、75日間長生きできるということわざです。これはある死刑囚の話が由来となっています。江戸時代、死刑囚に対して「死ぬ前に食べたいものがあればそれを叶えてやる」という制度がありました。その死刑囚は少しでも長生きしようと考え、その時期に無かった食べ物を望みました。そしてその初物が出るまで75日間多く長生きできたというお話です。

ことわざから伝わる長生きへの思い

少しでも長生きしようとするための初物の所望の話が、いつの間にか初物を食べると75日長生きできるということわざに変わったという話ですが、それにしても、江戸時代とは一時は「初物禁止令」など出されたとはいえ、庶民だけでなくお上も食べ物に対する熱い思いがあったのでしょうか、罪びとに対しての恩情にしても、食に対してのなんともおおらかな風潮がいいですね。

初物と「五行説」の関り

長生きする日数が75日とされるゆえんは他にもいくつかあり、古代中国の「五行思想」から来ているという説もあります。「五行説」とは、万物は「木・火・土・金・水」の5種類の元素からなるという自然哲学の思想で、季節の移り変わりは五行の推移によって起こるというものです。五行(五氣)はそれぞれ季節に当てはめることが出来ます。

75日は季節の区切り

「木」は樹木が生長発育する春の象徴。「火」は灼熱の性質を表し真夏の象徴。「土」は万物を育成、保護する性質を表し、四季の移り変わりの象徴。「金」は冷徹、堅固、確実な性格を表し、秋の象徴。「水」は体内と霊性を兼ね備える性質を表し、冬の象徴となります。1年をこの5つの季節で割ると75日になり、75日ごとに季節が巡り、その季節の初物の農作物を収獲できるというものです。

初物と縁起担ぎ

縁起担ぎ①初物は東を向いて笑って食べる

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また初物には地域によって、「笑いながら東を向いて食べる」と福がやって来るという伝説があり、江戸の人々が初物を好んで食べたのには縁起担ぎの意味もあったことがわかります。さらに江戸時代、大阪地方の人達が初物を食べる時、東の方角を向いて笑いながら食べるしきたりには「江戸より先に初物を食べた!」という誇らしさと自慢の気持ちが込められていました。また、日の出の方角である東に向かって日々の恵みを感謝する気持ちも込められているという事です。

縁起担ぎ②初物は西を向いて笑って食べる

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それでは江戸の人達は初物を食べる時どうしていたのでしょう。江戸やそれより東の人達には「西を向いて笑って食べる」という風習がありました。これはもちろん福が来るという縁起担ぎと、「大阪より先に初物を食べた!」という自慢が江戸にもあったという事です。また西方にある極楽浄土にいらっしゃる阿弥陀様に感謝の気持ちを表す意味も込められていました。こんなふうに大阪と江戸ではお互いに自慢しあっていたというわけです。

旬の3つの種類

季節の移り変わりとともに、店頭には旬の農作物や果物が山積みされ、生きのいい魚も並んで、食欲をそそられますが、実は、旬は3つの種類に分けることが出来ます。収穫の時期によって「はしりもの」「さかりもの」「なごりもの」などの種類です。食にこだわる日本ならではの種類の分け方といえます。3つの種類の美味しさとはどのようなものなのでしょう。

種類1「はしりもの」

「はしりもの」とは、その季節にはじめて収穫された農作物や魚など、市場に出はじめた食材で、いわゆる初物といわれるものです。「初カツオ」や「新茶」などに象徴されますが、希少価値ゆえに値段は高めですがそれでも食べたいのが「はしりもの」でしょうか。

種類2「さかりもの」

「さかりもの」は、ズバリ旬のことで、その季節の農作物や魚の一番おいしい盛りのことです。スーパーでも目立つところに山積みされた農作物などが目につきますが、栄養価は一番高い時期なのに、値段は安くなり庶民にとってありがたい季節の食材です。

種類3「なごりもの」

「なごりもの」とは、旬が終わりかけた食材で、農作物などでは水分が減って固くなるものもありますがその分、こくや味の深みを楽しむことが出来ます。なごりの柿などはマイルドなやさしい味になりますし、魚のフグは白子が一番大きくなり、「なごりふぐ」のファンも多いようです。「なごりもの」は、「来年もまた食べられるように」と名残り惜しみながら食べる日本人の食への感謝の気持ちが込められている食材といえます。

旬の「であいもの」

「であいもの」とは日本料理で使われる言葉で、同じ季節に出荷される農作物や魚など、旬の食べ物同士、料理のくみ合わせが良い食材の事を言います。その時期の海や山の幸や農作物など旬の食材をくみ合わせることによって、それぞれの味や香りや触感などが一層引き立ち、ゆたかな旬の味覚や季節感を味わう事が出来ます。

「であいもの」の王様「ブリ大根」

旬の食べ物同士をとりいれた日本の料理には、寒くなると甘味が増す冬の農作物に冬大根がありますが、それと冬に最も脂がのる魚寒ブリを炊き合わせた「ブリ大根」があります、また春が旬のわかめと筍を合わせた「若竹煮」なども季節感をより深く感じることが出来る相性の良い料理といえます。四季のある日本だからこその「であいもの」、食文化の奥の深さをしみじみ感じますね。

まとめ

ここまで初物にまつわるお話をしてまいりましたが、いかがでしたか。近年、農作物や漁業の分野も科学技術が進歩し、多くの食材が季節に関係なく手に入る様になりました。それでも「初物」と呼ばれるものは店頭に並び、私たちはその「初物」を目にすることによって改めてその季節の到来に気づかされたりします。

日本の食文化を大切にしよう

そして昔から「初物」を食べると寿命が延びるともいわれる縁起担ぎや、ことわざを思い起こしながら、この限られた期間の自然の恵みを喜んで食べます。旬の食材の持つパワーは確かに健康を維持させてくれ、私達を元気にしてくれる力があります。日本の素晴らしい食文化の風習を大切にし、季節の食材を食べて健康な毎日を過ごして行きたいですね。

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kureko
ライター

kureko


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