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【連載】ベテランライダーが伝授!初心者のひとりツーリングは楽しい!

ひとりでツーリングを楽しんできた私。実はひとりでしかツーリングができないのです。初心者時代からソロツーリングばかりをしていると、マスツーリングに馴染めないこともしばしば。ここではソロツーリングのありようについて、私の心境をもとに語ります。
更新: 2021年5月15日
hosokawa_taka
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おひとりさまツーリング:はじめに

「ひとりでツーリングに行ってキャンプするって聞いていたから、屈強でかっこいいイメージやったわぁ」というのが、妻が私に抱いた印象だったようです。悪うございましたね。そうそう、私はこじんまりした小さなおっさん。私はバイクツーリングが趣味、妻は旅行が趣味、そんな共通点からお付き合いをはじめ、結婚に至りました。どうも!暮らし~のでライターをしておりますhosokawa_takaです。

家族旅行もソロツーリングのノリ

私のツーリング好きと妻の旅行好きが原因か、我が家はお出かけをする回数が多めです。心地がいい季節にはキャンプ場を転々としながら家族旅行もします。我が家のお出かけスタイルは、目的地さえアバウトな私のツーリングスタイルそのもの。妻は旅行慣れしているため、程よく楽しんでいる様子です。

では本題!ここでは私の初心者時代のエピソードなども交えて、ソロツーリングについて語りたいと思います。なお、この記事は2020年3月11日現在の私の心境をもとに作成しておりますことをご了承ください。

初めてのおひとりさま日帰りツーリング

和歌山へ行って帰っただけ

初めての日帰りソロツーリングの目的地は確か和歌山だったと記憶しています。納車されたばかりのジェベル200を北海道ツーリングに向けてシェイクダウンするのが目的の日帰りソロツーリングです。立ち寄り地は決めておらず、国道24号線を南下すれば和歌山へ行けるだろうというアバウトな計画。ですので、和歌山でどんな景色を見たのかを覚えていません。

冴えない初めてのソロツーリング

一つ覚えているのは自宅へのカエルコール。電話ボックスの薄暗い灯りだけ覚えています。当時は携帯電話が普及していなかった時代。グーグルマップなんてありません。しかも私、初めての日帰りソロツーリングに地図さえ持って行かなかったのです。ツーリングという華やかなイメージはなく、どんより曇った経験となりました。

地図だけは必ず携行!

もしスマホを持っていたら…もし地図を持っていたら…今になって考えてみると、他に何か目的を見つけられていたかもしれません。いや、ツーリング初心者の私にそんな器用なことなどできなかったかも。いずれにせよ、初心者が地図なしでツーリングへ行くのはおすすめできません。

おひとりさまツーリングにアバウトな考え方

三重県熊野市へのソロツーリング

ツーリング初心者当時、日帰りソロツーリングの目的地にしていたのは三重県熊野市の七里御浜海岸です。自宅がある奈良市から国道169号線で熊野方面へ向かい、国道168号線で帰宅するコース。当時は道路整備がそれほど進んでおらず、国道といっても狭路レベルでした。ジェベル200のシェイクダウンを目的にしたツーリングにちょうどよかったのです。

地図は大切な情報源


初めての日帰りツーリングで地図を持って行かなかった私は、本屋で昭文社のツーリングマップルの存在を初めて知り、「情報って大切だな」と実感しました。ツーリング先で寄り道をする楽しさを知ったのもこの頃。初心者にも関わらずダートへ入り、温泉マークを見つけては立ち寄っていました。

成り行き任せのツーリング

ツーリング歴25年の私、実は方向音痴です。日帰りツーリングでも寄り道すると未だに迷子になります。しかし、不安を感じたことはありません。なぜならツーリング初心者時代から迷子になってばかりだからです。「岐路の度に道幅が広い道を選択すれば、そのうち道路標識が出てくるだろう」、成り行き任せの性格はツーリングでメリットになります。

おひとりさまツーリングとマスツーリング

マスツーリングに声をかけてみた

これは初心者時代の北海道ツーリングの話です。どこかの観光地で同じ奈良県ナンバーのツーリンググループを見つけたので声をかけてみると「そうですけど」と素っ気ない返事。車種、メーカー、バイクのカテゴリーなど、何かの共通点があれば話は別ですが、マスツーリングは基本的には団体行動ですので、仲間の了承なしに他のライダーと親しくすることはありません。

マスツーリングに声をかけられた

しかし、初めての北海道でこんな経験もしています。夜に誰もいない無料キャンプ場でお酒を飲んでいると、地元のツーリングクラブから声をかけられたのです。「花火を一緒にしませんか?」。奈良県ナンバーのツーリングクラブとは大違い。地元ライダーならではの情報もいただきながら、楽しい時間を過ごせました。

マスツーリングは性に合わない

ツーリングクラブの雰囲気は集まってくるメンバーによって変わるようです。閉鎖的なツーリングクラブもあれば、出会いを求めるツーリングクラブもあります。これまでいくつかのツーリングクラブに誘われて参加しましたが、微妙な人間関係があったり女性メンバーをちやほやする雰囲気があったりなど、今まで私に合うクラブは見つけられませんでした。

おひとりさまツーリングでの出会い①

四国の狭路巡り

成り行き任せの性格がメリットになったツーリングの思い出といえば、四国の狭路巡りツーリングです。北海道ツーリングから帰ってきて、直線が多く幅員が広い道路を走り過ぎたのが原因か、目が回るほどの狭路を走りたくなったのです。雑誌「アウトライダー」の四国特集を読んで、記事で紹介された通りのルートを辿りました。

事前に収集した情報との違い

それが…アウトライダーは写真の美しさで定評のあるバイク雑誌!実際に四国へ行くとイメージと違ったのです。ましてや私は雨を呼び込みやすい体質、いわゆる雨男。どんよりした天気も手伝って、写真とは違う景色に私はがっかり感満載でした。愛媛県の最西端、佐田岬の駐車場で野宿をした後、剣山スーパー林道へ向かう途中の出来事です。

ゼルビスさんとの出会い


雨が断続的なその日、レインウエアを着ようと空き地探しをしていると、女性ライダーが赤いゼルビスを停めてレインウエアを着ている姿を見かけました。隣にバイクを停めて「また降ってきましたね」と声をかけると「そうですね」と明るい返事。私も一緒にレインウエアを羽織ります。

おひとりさまツーリングでの出会い②

ゼルビスさんと高知までペアツーリング

話をしているうちに「一緒に高知まで行こう」ということになりました。セルビスさんはかつて女性同士のペアツーリングで訪れた四国を初めてのソロツーリングの目的地にしたとのこと。女性ライダーと出会い、一緒にツーリングをする機会もレアなケースです。どんなツーリングをしているのかに興味を持ち、プランはゼルビスさんに任せました。

出会いはツーリングを楽しくする

ゼルビスさんは「ホットロード」というお好み焼き屋に向かうとのこと。私には姉がいて、別冊マーガレットに連載された紡木たく氏のマンガ「ホットロード」を読破していましたので話が合います。ガソリンスタンドで休憩したり、道の駅で愛媛県宇和島名物のじゃこ天を食べたり、ソロツーリングにはない楽しい時間を過ごせました。

ツーリング先での出会いは情報収集になる

当時は今ほどツーリングに関する情報が多くなかった時代です。ツーリング先での出会いから口コミ情報を得たり、バイクのメンテナンス方法やパッキング方法を教えてもらったりしました。私は身近にツーリングを趣味にしている友人がいませんでしたので、ツーリング先での出会いは大切だったのです。

おひとりさまツーリングは華やか?

ツーリングに華やかさがないのは私だけ?

ソロツーリングで出会った女性ライダーとペアツーリングをした経験は何度かあるものの、そんな機会は多くありません。ツーリングに華やかなイメージを持つ人は多いようですが、悦びを感じられるのはほんの一瞬というのが事実。夏の暑さや冬の寒さ、風にあおられ雨に打たれ…思いのほか華やかさはありません。日帰りツーリングで距離を伸ばせず、道の駅でひとりうずくまることもあります。

すべてひとりで解決する

ソロツーリングは楽しい経験をひとり占めできる反面、苦悩もひとりで抱えなければなりません。仲間と苦楽を共有できないので愉悦と苦悩の起伏が大きくなるのです。ソロツーリングは二度としたくない…それは、愉悦や苦悩を仲間と分かち合いたい人の証拠。優劣ではなく向き不向きの問題ですので、無理にソロツーリングをする必要はありません。

苦悩に自分を責めない

もし初めてのソロツーリングで苦悩にこらえきれない時があっても、自分を責めたり蔑んだりしないでください。私も寂しい思いにもだえ苦しんだ経験があります。そんなときに決まって思い出すのが、大学時代の同期の言葉「期待するほど良くもなく、悲観するほど悪くない、世の中そんなものなのだ」。浮かれている時は冷静になり、悲しいときは楽観する、そんな余裕が必要です。

おひとりさまツーリングは寂しくない?

ソロツーリングしかできない私


ひとりでソロツーリングをしていると人にいうと「寂しくないの?」と質問されることがあります。私は元々ひとりで行動することが多かったですし、誰かとツーリングへ行きたいと思ったことがありません。高校時代の同級生や北海道で出会った友人とツーリングへ行ったことはありますが、マスツーリングの集団を見ると「面倒くさそう」と思ってしまうのです。

ソロツーリングは幸せな証拠

私はソロツーリングができるのは幸せな証拠だと思っています。家族、友人、職場など、何らかの帰る場所があるからひとりを楽しむツーリングができるのではないでしょうか。仙人の域まで到達した人は別ですが、ずっと続く孤独は精神的な辛さを感じずにはいられません。人は人との関りを断って生きられないのです。ツーリングから帰って聞く妻の「お帰り~」という声ほど心地いいものはありません。

ソロツーリングは逃げ場にもなる

その反面、人とのかかわりの中で息苦しさを感じてソロツーリングを楽しむ人は多いでしょう。それもまたありです。複雑で手に負えない流れになることもある人間関係。絡まった神経をほぐすのにソロツーリングはおすすめです。適度な「逃げ」は現代人にとって必要なセルフケアだといえます。妻とけんかをしたらソロツーリング決行です。

おひとりさまツーリング:まとめ

ツーリングをする目的やそのスタイルは人それぞれ違います。ソロツーリングはペアツーリングやマスツーリングと全く別の楽しさがあり、鍛錬に似た部分も多いですね。最低限必要なものはあるものの、それ以上のものを持つと心が満たされてしまい、寂しさを忘れて出会いの機会を逃すかもです。ひとりを楽しむためにソロツーリングをしながらも、ひとりは寂しいから出会いを求める…矛盾だらけですが、それもまた人間です。

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