はじめに
苗床を使ったガーデニング!発芽や育苗のコツは
苗床という言葉ややり方をなんとなくは知ってはいるけれど、まだやったことがない・上手に出来ないという方も少なくないでしょう。苗床づくりは難しいことではありませんが、土や容器選びにちょっとしたコツが必要。今回は初心者のためのガーデニング講座として苗床の意味と土や容器の選び方を苗床から育てるメリットと共にご紹介します。
簡単園芸講座!苗床の意味と容器の種類・選び方1
なんとなく育苗という言葉は知っているという方は、最初に苗床とは何かなぜ作るのか?という意味を知っておくと自分の選んだ植物にはどんな管理が必要なのか、苗床がいいのか直まきが良いのかわかってくるでしょう。
苗床(種床)とは
苗床は種まきをする専用の場所。移植が可能な苗となるまで小さな植物の芽を育てる場所です。農家の作物の場合は(例えば稲作)機械に苗床容器ごとセットできるようになっているので、その後の作業も効率的に行うこともできます。一般に個人で行うガーデニングでは苗づくり専用の植物の仮のおうちと考えるとよいでしょう。
苗床(種床)にはどんな意味がある?
植物の種を育てるとき直接花壇に種まきをする場合と苗を作ってある程度大きくなってから移植する方法があります。これは植物によってどちらが良いかが分かれて一概に苗作りが良いとはいいきれませんが、一度植えたら場所移動が難しい直植えよりも発芽環境によい場所へと移動できる苗床の方が、種にとって発芽率が上がるという点では優れているでしょう。
簡単園芸講座!苗床の意味と容器の種類・選び方2
苗床の意味と少しかぶるところもありますが、よい苗床を作るために気をつけるポイントをご紹介しましょう。せっかく手間をかけて良い苗を作ろうとするのですから、少し手間をかけてお世話をしてあげましょう。特に希少価値のある種を手に入れたときなど発芽率も大きな悩みとなるでしょう。良い苗床を用意してあげることは発芽にも大きく関係します。
苗床(種床)に求められるもの
苗床に求められるのは、まずは持ち運びが楽であること。植物には発芽温度がそれぞれ決まっており、すべてが日本での種まきに向いた温度とは限りません。そんなときに育苗機や簡易的な温室など温かい場所で発芽まで育てたいことも多いですね。移動が簡単にできることが求められます。
良い苗床(種床)とは
種が発芽するにはある程度の水や植物によっては日光が必要となります。このことから苗床にはある程度の湿り気と病気などに感染しない清潔な環境を与えてあげたいものです。このふたつをクリアできるような苗床が良い苗床と呼ばれるでしょう。
簡単園芸講座!苗床の意味と容器の種類・選び方3
良い苗床を用意するには、まずは土の中に虫がいなかったり病気が潜んでいないような清潔な土が必要です。さらに保水力が高ければいうことはありませんね。ここでは、そんな苗まで育てるのに向いている育苗用の土をご紹介しましょう。
おすすめ苗床(種床)用土1.種まき用培養土
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規模の大小関わらず、土づくりが初めての方や手間をかけたくない人・失敗したくない貴重な種の場合にも種まき用の培養土がおすすめ。発芽が難しい種の場合や特殊なpHが必要な植物にはそれ専用の種まき用土も売られているので、土選びで迷うこともないでしょう。
おすすめ苗床(種床)用土2.赤玉土
赤玉土18L 2袋(36L) 小粒
一般的な植物の種まきには清潔で保水力も良い赤玉土(できるだけ小玉なもの)がおすすめです。種まき用の土を選ぶのに特に注意したいのは清潔なものであること。庭から掘り出してきた土などではなく、買い求めた新しい土を使うのが丈夫な苗を育てるコツ。種まき用の土は使いまわしがきかなくてもったいないと考える方は赤玉土を使うのがおすすめ。
おすすめ苗床(種床)用土3.ピートバン
ピートバンとは水をかけるともこもこと膨らんでくるアイテム。正体はピートモスと呼ばれる無菌の土を圧縮乾燥させたもので、保管や持ち運びが楽なところが特徴としてあげられます。使用するときは水をかけてふやかし戻して種まきに使用しましょう。
簡単園芸講座!苗床の意味と容器の種類・選び方4
ネットや本などで写真を見ていると、同じ苗床と呼ばれるものでもいろんな容器でおこなっていますね。苗床の容器選びはその目的や種まきの数・量。植物の種類によって向き不向きがあります。いろいろな選択肢の中から、自分の環境や育てたい植物によって容器選びをするヒントを御覧ください。
ガーデニングにおすすめ育苗容器紹介
苗床作りには土とともに欠かせないのが育苗容器です。作る苗の規模(量)や植物の種類によって多少容器選びにコツが出てきます。ここからは苗床用に好んで使われる容器の種類と、どのような種まきに向いているものなのか・メリットやデメリットなどにも触れながらひとつずつ紹介していきましょう。
育苗ポット
育苗ポット 東海化成 TO ポリポット 7.5cm 100枚入
まずポピュラーな育苗ポットがあります。ポリポットなどとも呼ばれるもので、色は黒・赤・黄色などありますが苗を買う時に入っているポリのやわらかく小さな鉢といえばピンと来る方も多いでしょう。
育苗ポットが向いている種
育苗ポットの大きさにも大きなもの・小さなものと種類がありますが、苗までそこで育てられる大きさがあるのであまり細かい種を何本もそこで育てるというよりは大きな種を1-2本分まいて苗まで育てるということに向いています。扱いやすいのが特徴で鉢から苗を出しやすく植え付けしやすいというメリットがあります。他の容器で発芽させたものを、途中でこの育苗ポットに植え替えて苗するというやり方もされます。
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育苗箱
安全興業 育苗箱
育苗箱は平たく底が浅い四角いプラスチック製の容器を差します。稲作の苗を作るときの容器がコレですね。大きさは割りと大きいのですが、浅いので土の量も少なくて済み持ち運びにも重くなくて楽に扱えるのが特徴です。またいくつかのポリポットをまとめて管理するときのお盆のような役割で育苗箱の中に入れて持ち運ぶ用途にも使えます。
育苗箱が向いている種
育苗箱は使える種が多岐に渡っていて、小さな種を何種類か育てる時や大きな種と混在させるなど使い方がフリーなのが特徴です。一度に何本も挿し木をするときの鉢として使用されることも珍しくありません。ただし浅いとはいえ大きさがあるのでそれなりの量の土が入るため、少しだけ種まきをするというのに不向きなので注意しましょう。
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セルトレイ
タキイ 根巻防止セルトレー 72穴(3枚組)
植物の種を発芽させるだけという用途に特化したのがこのセルトレイ。小さな四角にたくさん区切られた四角くて軽い容器です。ひとつの区画に使用する土の量が少ないので土の節約になりますが、その一方水切れも早いので多少管理に気を使うところがあるでしょう。
セルトレイが向いている種
セルトレイで苗まで育てられる植物はないでしょう。また大きな種の種まきにも向いていません。細かい種で、水やりで流れて他の種類と混じらせたくないような種まきに向いています。区画になっているので植物の花色管理・種類管理しやすいのが特徴。発芽させたあとポリポットなどに移植して苗まで育てるのが一般的な使い方。そのため移植に向く植物に使用するのが良いでしょう。
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ジフィーポット
接木・生産資材 ジフィーポット12連結
それでは移植に向かないような直根型の植物の苗床用の容器は?というとジフィーポットというものがあります。こちらは紙でできたポットで移植するときにこのポットごと地面に埋めてしまいます。土の中で溶けて消えるので根を傷つける心配がありません。大きさや形もいろいろなものが揃っています。
ジフィーポットが向いている種
根の弱い植物の苗作りに向いています。例えばだいこんや人参などの根菜野菜の苗作りです。根を傷つけてしまうと作物にならないようなときは、ジフィーポットを使うと安心して家庭菜園ができるでしょう。特に移植できるような種をまいてもかまわないので、苗の植え付けにできるだけ手を汚さずに楽にしたいという方にもジフィーポットはおすすめ。
簡単園芸講座!苗床の意味と容器の種類・選び方8
最後になりますが、容器は苗床専門のものだけでなく思わぬものが利用できたりするということをご紹介していきます。主にコストをかけずにありもので間に合わせるということについての解説です。
その他のおすすめ容器
一般家庭で小規模でおこなうガーデニングは、家で捨ててしまうような容器や手持ちの植木鉢のようなものを使って苗床容器とする方も少なくありません。植物の育成をできるだけローコストでおこなうガーデニングを目指すのも、植物栽培の楽しみとする方も珍しくないでしょう。そんな方におすすめの、苗床に利用できる容器をご紹介しましょう。
豆腐パックと良さ
種まきする数が少ないときは、豆腐パックの大きさはかなり適していると苗床として使う方も多いおすすめ容器。軽い・無料・たくさんの数を用意することも可能とメリットもたくさんあります。家庭で使う小型の育苗箱のよう使い方の考えで種まきをすると良いでしょう。
ジフィーセブンと良さ
サカタのタネ ジフィーセブン 【直径30mm 12個入】
もっと種まきの数が少ない方は、ジフィーセブンというジフィーポットの進化版のような育苗容器兼用土があります。無料というわけではありませんが、必要な数だけ使えるということと水を含ませると鉢のような形に膨らみ土も兼ねているのでそのまま種まきすることができるのがよいところ。土を買うコストと考えるとコスパが良いのも納得できるでしょう。
小さな平鉢と良さ
育苗箱の代用として小規模な種まきをする方には、小さめな盆栽用に使われる平鉢もよく使われる容器です。浅い鉢なので土の量が適量であること、持ち運びが楽・陶器でできているので水がおおければ吸い取り、不足すれば土に戻しと管理が楽なのも好まれる理由。
まとめ
苗床容器や土を選んで発芽率アップ!
花壇を計画的にデザインしたい人には、花色や草丈を考え苗を植え付けるのがおすすめ。そのために必要なのが苗床という種を発芽させ苗まで育てる容器の存在です。まずは種まきに適した土を選び、育てる種によって容器を選び必要があれば発芽後植え替えして苗まで育てるというのが一連の苗床使用の苗作りの流れです。どの土や容器が向いているのかは種によって違いがあり、市販の種であれば種袋に明記されていますので選び方に迷うこともないでしょう。それでも迷うときは記事をヒントにして選んでくださいね。
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