はじめに
パラミツの大きさや栄養素!原産地での扱いも
パラミツというフルーツ。最近日本でもインターネットを中心に目にする機会が増えた果物ですが、実際に食べたことがある・見たことがあるという人はごくごく一部の限られた人だけではないでしょうか。スーパーなどへの流通も少なく未知なことが多い果実とされています。このパラミツとはどんな果物なのか。また別名の世界最大のフルーツという気になる呼び名についても解説していきます。
パラミツとは?基本情報と特徴
パラミツの食べ方や栄養素の前にまずは原産地な見た目の特徴など基本情報からご紹介しましょう。この果物はフルーツが豊富なある地域原産で、旅行者相手に露店などでもよく売られています。
パラミツの基本情報
科・属:クワ科パンノキ属
原産地:インド
英語名/学名:jack fruit/Artocarpus heterophyllus
パラミツの特徴
パラミツは温かい地域に生息する植物でアジアでは台湾や中国広東省、雲南省などでも生産されています。木の大きさは最大20メートルにもなる大木で、果実の栄養素や焼いた食感がパンに似ていることで有名なパンの実とは別属同種のフルーツです。
パラミツとは?名前の由来や別名
パラミツという変わった名前にはどのような由来があるのでしょうか。また別の国での呼ばれ方など、ここではその名前についてクローズアップしてみましょう。
パラミツの名前は漢語の「波羅蜜」
パラミツというのは日本語名なのですが、名前からではその性質や特徴がまったく想像できない謎の単語ですね。これは漢語から音だけを取って日本名として採用されたせいです。漢字では波羅蜜と書きます。
パラミツの英語名の由来
この植物の英語名にも似たような由来があります。jack fruitというのですが、ジャックさんと関わりがあるわけではなくて南インドでのこのフルーツの呼び名Chakkaチャッカから南米に渡りポルトガル語のJacaジャカに。それが音が似ているからという理由で英語のjackジャックと呼ばれるようになったといわれています。
世界各国でのパラミツの名前
インドではカタールやカタルと呼ばれており、インドネシアではナンカ(このナンカを採用して南果という日本語名もあり)。そしてベトナムではミッという果物名で親しまれています。
パラミツとは?世界最大とは何のことか
名前といえば、ここまでも少し触れてきましたがパラミツには世界最大という例えがされます。いったい何が世界一なのかご紹介しましょう。
パラミツが世界最大といわれるのは
パラミツのたとえして世界最大のフルーツと呼ばれることが多いです。世界一臭い果物はドリアン、果物の女王と呼ばれるのはマンゴスチンですが、ではこの果実が世界最大とは何の世界最大なのでしょうか。生産量や需要・重さ・大きさなどいろいろ考えつくものはあるでしょう。実はこのパラミツ世界で一番の大きさを持つフルーツです。
パラミツの大きさ
では実際の大きさはというと、30センチくらいから大きなものでは60センチ近くなるものも。その重さにいたっては30kgという記録もあるというビッグサイズなフルーツ。熟した中身はひとつひとつの種とその周りの果肉が分かれるのですが、その1つとってみても5センチほど。身近な果物では小さめの柿といったところでしょうか。
パラミツとは?果実の味
パラミツについて色々と詳しくなったところで、その味についても触れていきましょう。この果実は果たしてどんな味なのか?万人受けする美味しい果物なのでか気になりますね。実はこのパラミツは食べる時期や人によってかなり個人差がある味の意見が目立つのが特徴です。
パラミツの味は何と似ているか
さて気になるその味ですが、これについては人や食べる時期によっていろいろな形容がされます。しかしその特徴としては、①水分は感じない。②未熟なものでも酸味は感じない。これは誰が食べても感じることができるでしょう。面白い表現としては果物なのに肉の味がするという意見がありました。
パラミツは豚肉の味というのは本当か
肉といっても牛肉や鶏肉・豚肉とポピュラーなものでも個性的な味でそれぞれ区別が付くでしょう。パラミツの味は豚肉と似ているという意見がありました。
未熟な果実の味はケミカル
味覚には個人差がありますが、その食べる時期によってはこの実の味はケミカルさを感じる風味がすると形容する方もいます。好みは分かれそうですがアボカドがバターやまぐろの味と言われるのですから、このような肉の風味の果物があっても不思議ではないですね。
パラミツとは?美味しい食べ方紹介
パラミツが手に入ったら果物なのですから、食べてみようと思うことでしょう。そのパラミツは完熟していますか?この果物は熟し方によって食べ方が変わってきます。また普段は捨ててしまうことの食べ方もあるのでそちらも合わせて御覧ください。
パラミツの食べ方は3種類
パラミツには食べ方が大きく分けて3種類あります。もちろん他のフルーツと同様に熟したものを生でいただく食べ方が最もポピュラー。インドなどでは露店で観光客相手に生食用のものが売られていたりしますので、旅行の際に食べたことがある方もいるでしょう。
熟した果実の食べ方
よく熟したものは実を割って中の種とその周りの果実に簡単に分けることができます。種をのけてその周りの果肉部分をいただきます。
未熟な果実の食べ方
バナナやパパイアも未熟なものはソテーにすることが多い地域で採れるフルーツ。このパラミツも未熟な青い実を炒めものの具材としていただきます。
種も食べられるパラミツ
生食では捨ててしまう種。これも原産地ではゆでて食べるといわれています。未熟なものでも皮以外はすべて食べられるコスパの良い果物といえますね。
パラミツとは?栄養素・カロリー
果物は甘くて美味しいものが多いけれど、どうしても糖分が多くて高カロリーというイメージがある人も多いでしょう。ではこのパラミツのカロリーは?というととても驚きの数字が出てきました。カロリーの他、主な栄養素もご紹介します。
パラミツの気になるカロリーは
肉に似ているのであればカロリーも相当高いのでは?果物だから熱量も多いだろうと想像する方もいるでしょう。しかし意外なことにパラミツは1kgあたり95kcal。一般的な100gあたりにすればたったの9.5kcalというローカロリーフードです。
パラミツに多く含まれる栄養素
カロリーが低いだけでなく、ありがたいいろいろな栄養素が含まれていることにもパラミツは注目されています。主な栄養素としてタンパク質・カルシウム・鉄があげられます。
一般的な栄養素の効果
タンパク質はもちろん筋肉の素となる大切な栄養素。カルシウムは骨を丈夫にするには必要ですし、鉄分が欠乏すると貧血になるというどれも人の体には毎日確実に摂取したい栄養素ばかり。しかもローカロリーなのですから、注目されるのもわかりますね。
パラミツとは?インドでは捨てられる?
さて、このパラミツ。どうしてあまり市場に出回らないのか気になりますね。それには生産農家の理由と昔からのこの作物に対するイメージが大きく関わってくるようです。インドでのパラミツの扱い方とその理由についてご説明します。
パラミツは生産量の75%が破棄処理
ところがこのパラミツというフルーツ。原産地のインドではその約7割が破棄処理されてしまっています。これはこの果物の原価と輸送料が割にあわないこと。高く買い取ってくれる良い買取先が見つからない場合、インド国内では売って儲かるような果実ではないので仕方なく捨てるしかないのです。
パラミツは貧民の食べ物って本当か
なぜかインドではこのパラミツは貧しい人が食べるものという見方がされており、買ってまで食べるなんてという風潮があるそうです。同じ仲間のパンの実もアメリカ移民時代にはパンが食べられない下級階層が主に主食として食した果物であったという歴史がありますので似た歴史を感じますね。
パラミツは現地ではマイルドなドリアンとも
その理由のひとつにもっと甘くて美味しいとされる果物がたくさん採れるところだからというのもあるのかも知れません。パラミツの別名としてマイルドなドリアンという呼ばれ方もされているくらいです。良い見方をすれば食べやすいという考え方もできますが、ドリアンと比べてその下位互換的なイメージを持っているのではないでしょうか。
パラミツとは?見直される果実
インドではあまり良い扱いをされないパラミツですが、イギリスなど全世界的に見ると見直されつつある作物です。この果物のチャーミングポイントと新しく開拓されつつある使いみちについても、最後にご紹介しましょう。もしかしたら近い未来日本でも果物としての生の食べ方以外でもこの作物と出会うこともあるかも知れませんね。
パラミツは低カロリー
熟せばジューシーとはいえないですが、果物らしく甘い味。未熟なうちから炒めものとして食べることもでき、何よりも人にはうれしい栄養素を含んだローカロリーフルーツ。上手に活用すればダイエット食やビーガンでも肉のような食感が味わえる大豆と同様に使えます。
熟すと甘くて美味しい
パラミツの香りや味でパイナップルに似ているという意見もあります。海外では水分が少ないのを逆に取ってドライフルーツに加工して食べる習慣も。食べ方によっては他の果物のように甘い美味しいデザートとしての食べ方も可能です。
家畜の飼料としても活用できる
人が直接食べるのではなく、その豊富な栄養素を活用して家畜の飼料として与える方面でもパラミツは見直されています。今まであまり地位が高い食べ物ではなかったこの果実も、世界最大というその大きさ・収穫量の良さを活かしてその生産の意味を模索されている作物として着目されています。
まとめ
パラミツを見直していこう
パラミツの味は個人差や食べ方・食べる時期により意見のバラつきはあるものの、実際に好みの味とする人もいる果物。日本ではまだあまり見かけることはありませんが、旅行先などで食す機会があれば一度食べて自分の口に合うか試してみる価値はある珍しいフルーツといえますね。食べ方も生の他にもありますので、手に入ったらいろいろな形で味わってみてはいかがでしょうか。
フルーツが気になる方はこちらもチェック
耳慣れない世界の果物はパラミツの他にもたくさんあります。その旬の季節や食べ方。名前はよく聞くけれどまるごと食べたことがなく食べ方がわからないというようなフルーツなど。いろいろな果実についても豊富にご紹介しています。気になる方はぜひこちらも見てくださいね。
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