はじめに
秋が旬の果物の選び方・育て方
秋は果物もおいしい季節。この時期に食べごろを迎えるフルーツの選び方や保存方法、育て方をご紹介します。庭木として植えて収穫するとき、スーパーなどの小売店で買う時の参考にしてください。
秋のフルーツの特徴は
秋は果物の時期!いろいろな楽しみ方を
秋は実りの季節というように、多くのフルーツが収穫の時期を迎えます。スーパーなど小売店で買うだけでなく、ぶどう狩りりんご狩りと季節の自然を楽しみつつ自分で収穫もできる施設も人気。おいしい時期だからこそできる楽しみ方ですね。
秋が旬のフルーツは食べ方も豊富
ブドウやりんご、柿や栗など。少し考えただけでもするすると秋の果物が思いつくでしょう。秋はとても果物が豊富な時期。何にしようか迷ってしまうのでは?そのまま生で食べるだけでなく、調理したり果実酒にしたりとその活用方法もさまざま。まさにいろんな食べ方で果物を満喫できる季節といえます。
夏の疲れた胃にも優しい秋のフルーツ
夏の果物や野菜に体のほてりを抑える成分がたくさん入っているように、秋に旬の時期を迎える作物は季節にあった体に良い成分が含まれています。たとえばりんご。風邪をひいたときにりんごのすりおろしを食べたという人もいるでしょう。りんごは胃に優しくビタミンも豊富なフルーツだからです。消化器官が疲れているときにピッタリな食べ物。りんごだけでなく、夏の疲れた胃には秋のフルーツで体をいたわってください。
秋の代表的な果物の種類1
秋においしい旬のフルーツ1ブドウ
秋が季節の果物は?と聞かれたら、ブドウをあげる人も多いのではないでしょうか。ブドウは生食だけでなくドライフルーツやワイン、ジュースにスイーツにと様々な食べ方があり、愛されている果物。その年のボジョレーヌーボーは毎年ニュースになるくらい世間からの注目度も高いフルーツです。
ブドウの選び方・保存方法
ブドウの選び方のポイントは①茎が緑色のものが新鮮。②果実に白い粉があるのは鮮度が良い証拠。③赤や紫の品種は色の濃いもの。緑色の種類は黄色っぽいものが熟していておいしい。この3点に注意して。上手な保存方法は冷蔵保存なら新聞紙やポリ袋に入れて野菜室に。もっと長期間保存したい場合はひとつぶずつハサミで茎を少し残した状態でカット。冷凍保存すると粒の水分が抜けにくくおいしく保存できます。
ブドウの育て方ポイント
植え方:苗
植物の種類:落葉つる性果樹
植え付けから収穫までの期間:苗を植えてから2年ほどで収穫可能
日常管理:水はけの良い土を好みます。肥料は2月ころに。鉢植えであれば月に1度有機肥料を。冬に剪定すると枝が増え大きく成長します。つる性の植物なので支柱を立てて。剪定せずに残す枝は夏に花が咲いた枝(実がなる枝)。目印を付けるなどしておくと冬の剪定がスムーズに。
秋の代表的な果物の種類2
秋においしい旬のフルーツ2梨
日本でも古くから栽培されていた果物で、弥生時代から人に親しまれてきた季節を代表するフルーツ。多くは秋が収穫の時期ですが、品種によっては7月頃から旬を迎えるものもあります。自宅で育てたい方は収穫時期にも注意。
梨の選び方・保存方法
おいしい梨の選び方は重みと色の2つがわかりやすいでしょう。①同じ大きさなら重いものの方がみずみずしい。②茶色の種類は赤みがあるもの。青梨は黄色っぽくなっているのが熟して甘くなっている目安。梨は追熟しないので枝から収穫したらできるだけ早く食べた方がおいしいです。保存は7日までを目安に。みずみずしさを失わないように新聞紙などでくるんで野菜室へ。
梨の育て方ポイント
植え方:苗
植物の種類:落葉性中高木果樹
植え付けから収穫までの期間:3~4年
日常管理:梨は1本だけでは成果せず受粉木が必要。日当たりの良い場所に苗を植え付けて育てます。肥料は年に3回。2月、5月、10月。即効性の肥料を与えます。枝分かれが激しいので大きくしないのであれば剪定はこまめに。冬と夏の2回。大きくおいしい梨にするには摘果という実の選別も必要。摘果した後に袋かけをして育てます。
秋の代表的な果物の種類3
秋においしい旬のフルーツ3りんご
小売店では1年中出回っているので季節がわかりにくいフルーツですが、自然な状態であれば秋から冬が旬の時期。年中売られているのは成果時期をズラしているのではなく、収穫したりんごを仮死状態にして長期間保存する施設があるため。
りんごの選び方・保存方法
りんごの選び方は3つ。①皮に張りがありしわしわしていないもの。②大きすぎるものよりも中玉を選ぶと味の失敗が少なくおいしい。③色は全体に色づいているもの。下の方が緑色なのは未熟な目安。黄色っぽくなっているものの方が熟している。保存方法は水分の蒸発を防ぐため新聞紙でくるんでからポリ袋で冷暗所で。成熟を促すホルモンを発するので必ずりんごだけを袋に入れて保存します。
りんごの育て方ポイント
植え方:苗
植物の種類:落葉果樹
植え付けから収穫までの期間:4~5年
日常管理:寒さに強いので地植えがおすすめ。受粉木が必要なので数種類の木を近くに植え付ける。剪定は植えてから2年めの冬に1/3の長さを目安にして。枝どうしの角度が直角にならないように真上から見て残す枝を決めます。花が咲いてから3週間後に大きな実をひとつの残して摘果も必要。肥料は3月と収穫後の10月に果実用の配合肥料を与えます。
秋の代表的な果物の種類4
秋においしい旬のフルーツ4柿
柿も日本人に馴染みの深い古くからあるフルーツ。平安時代や奈良時代の書物にはすでに食用の果物としての記述が残っています。甘柿と渋柿がありますが、渋柿の方が一般的に木が丈夫。そのため渋柿に甘柿を接ぎ木した苗も多く売られているので、1本の木の中にも渋い実と甘い実が両方なるものもあります。
柿の選び方・保存方法
果樹の多くがそうであるように、柿も虫や鳥との競争になります。自宅で柿を育てる場合はそれらに食べられないように早めの収穫をして追熟させるのがおすすめ。選び方はヘタと実の間に隙間がないもの。隙間があると虫が入り込んでいる可能性が。保存方法は袋に入れて冷蔵庫へ。渋いものは皮をむいて紐に吊るし、干し柿にしていただくとタンニンが抜けて甘くなります。
柿の育て方ポイント
植え方:苗
植物の種類:落葉性果樹
植え付けから収穫までの期間:8年
日常管理:日当たりのよい場所に植え付けますが、地植えの場合でも真夏など土が乾燥しているときは水やりを。肥料はできるだけ化成肥料を避けて堆肥などの有機肥料を2月、7月、10月に。ヘタムシという果実の中に入り込む虫被害や落葉病という葉が枯れ落ちてしまう病気があります。殺菌剤などの散布をおこなってください。柿は当たり年があるといわれており、だいたい1年おきに実の数が増えたり減ったりするので減っても翌年には豊作の可能性が高い。
秋の代表的な果物の種類5
秋においしい旬のフルーツ5イチジク
独特の食感と甘さでファンがいるイチジクも秋に実りの季節を迎える果物。アダムとイブが裸を隠すのに使われた葉はイチジクであったというのはちょっとした面白いウンチクです。日本には中国から伝わった果実。当初は薬として食されていましたが、現在では生食用のフルーツとして人気があります。
イチジクの選び方・保存方法
イチジクの選び方の目安は3つ。①皮に張りがある。②甘い香りがする。③おしりの部分が少し裂けている(裂けすぎはNG)か、または裂けそうになっているものが食べごろ。日持ちがしないのですぐ食べてしまうのが良いですが、保存する場合は袋に入れて冷蔵庫へ。どうしても食べきれない場合は、砂糖で煮てコンポートにしてから冷蔵庫で保存するとおいしくいただけます。
イチジクの育て方ポイント
植え方:苗
植物の種類:落葉性果樹
植え付けから収穫までの期間:
日常管理:日当たりの良い場所に植え付ける。水やりはたっぷりと。夏場も土が乾くようなら地植えでも水やりが必要です。肥料は6月、8月、9月に行いますができるだけ堆肥などの有機肥料を使います。剪定は2月までに。春に出てきた新枝に果実がつくので剪定はどこでおこなっても果物の妨げにはなりません。
秋の代表的な果物の種類6
秋においしい旬のフルーツ6栗
そのままでは食べませんが、茹でたり焼いたり栗ご飯にしたりと加熱して食べる秋の季節の果物。クリームにしてケーキに仕立てたモンブランはお好きな方も多いでしょう。日本種中国種ヨーロッパ種アメリカ種と主に4つの種類に分けられます。粒が大きくが甘みが控えめで料理に使われる日本種、天津甘栗などに代表される小粒で甘い中国種が主に人気が高い2種です。
栗の選び方・保存方法
硬い皮で包まれているので見分けるのは難しいですが、穴が空いているものは中に虫がいることが多いので避ける。持ってみて軽いものは古くて水分がないか虫が食っているのでこちらも同じく避けます。保存は袋に入れてチルド室へ。甘みの少ない栗も低温で保存することで甘みが増しますので数日冷蔵庫に入れてから食べるとおいしい。長期保存には冷凍も可能。
栗の育て方ポイント
植え方:苗
植物の種類:落葉性果樹
植え付けから収穫までの期間:3年
日常管理:日当たりの良い場所を好みます。水はたっぷりと与えますが地植えの場合はよほど乾燥しない限り水やりの必要はありません。肥料は年に2回。2月と10月におこないましょう。栗は剪定すると花芽を切り落としてしまうこともあるので、あまり剪定を好みません。
秋の代表的な果物の種類7
秋においしい旬のフルーツ7カリン
中国で古くから薬用として栽培されている果物がカリンです。独特な芳香のある果実はのどによいフルーツとして庭木で育てる人も多い植物。生食ではおいしくないので果実酒やはちみつ漬けにして食べられます。
カリンの選び方・保存方法
①実が張っていて黄色く色づいている。②よい香りがする。この2点がおいしいカリンの選び方です。色が緑色っぽいものはまだ未熟ですので食べごろではありません。カリンも虫にくわれてしまうことがあるので、表面に穴が空いているものは避けて使用します。
カリンの育て方ポイント
植え方:苗
植物の種類:落葉性中高木果樹
植え付けから収穫までの期間:4~5年
日常管理:柿と同じく当たり年が1年おきでやってくる果樹。多い年は摘果をしてより大きく育てましょう。植え付けは日当たりの良い場所へ。水やりは地植えの場合はよほど乾燥しない限り必要ありません。剪定は夏に行うと果実が付きますが、冬に剪定してしまうとその年は果実がなりませんので注意が必要。
まとめ
季節の果実を堪能しよう
秋が旬の代表的フルーツの選び方、保存法から簡単な育て方をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。どの果物も冷蔵庫などの涼しい場所で数日保存できますが、おいしくいただくなら収穫後すぐにいただくのがおすすめ。食べきれないときは冷凍や砂糖で煮たりして長期保存します。おいしい旬の果物を、賢く選んで楽しみましょう。
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