クリスマスローズをうまく咲かせる育て方って?
冬の時期に野バラのように可憐な咲かせるクリスマスローズ。冬の貴婦人や冬の女王などとも表現され、寒さに強く、咲く花があまりない寒い時期に人気の多年草です。毎年、花を咲かせることができますが、そのためにも育て方にはコツが必要とされます。今回は、植え付けや植え替えをはじめ、剪定や肥料のタイミング、初心者でもできる増やし方、水やりなどの日々の手入れ方法など、クリスマスローズを栽培していく上で重要な育て方についてご紹介します。
そもそもクリスマスローズってどんな花?
キンポウゲ科の多年草
クリスマスローズは、金鳳花(キンポウゲ)科の植物で、アネモネやクレマチスなどと同じ科に属します。クリスマスローズは多年草なのでうまくいけば毎年花を咲かせることができます。クリスマスローズは、キンポウゲ科ヘレボルス属の植物のことで、さまざまな品種があります。
実に多くの種類がある
クリスマスローズには、さまざまな種類があります。そもそも、花色が豊富で、白、赤、ピンク、黄色、緑、紫、茶色、黒など、実に多様です。このため、寄せ植えにしたり、さまざまな色の花を一緒に植えるなど、楽しみ方はいろいろできます。また、クリスマスローズには、有茎種と無茎種があり、花姿が異なります。色や形に多くのバリエーションがあるため、育て方を存分に楽しむことができます。
クリスマスローズの育て方のポイント
育て方のコツを十分に押さえよう
クリスマスローズは、気温が下がってから植え付けをはじめ、ゆっくりと時間をかけながら育てていくのが育て方のポイントです。また、休眠期は夏に訪れるため、夏の過ごし方もポイントとなります。さらに、クリスマスローズは、その可憐な花姿とは裏腹に、毒を持っているため、皮膚が弱い方やアレルギー体質の方は、クリスマスローズの手入れの際、注意することも育て方の重要なポイントとなります。また、クリスマスローズは育った年数に応じて株分けで増やすほか、種による増やし方で増やしていきます。このように育て方にポイントがいろいろあるため、しっかりと確認しながら育てていきましょう。
育て方カレンダーをしっかりチェック
クリスマスローズの植え付けは9月下旬~10月中旬の秋に行います。花が開花するのは12月から春先までで、植え付けてから肥料を与え、ゆっくりと育てていきます。花が終わったら剪定しますが、クリスマスローズの剪定は特定の種類のもののみ行います。剪定といっても、古葉を取り除くことが基本となります。5月ごろから黒い種の採取が可能となります。種まきからクリスマスローズを育ててみたい方は、5~6月ごろに種まきをはじめます。
クリスマスローズの育て方①植え付け
植え付けの時期は秋
クリスマスローズを栽培する最初の作業が植え付けです。植え付け時期は、9月の終わりから10月ごろです。一般に、クリスマスローズは苗から育てていきます。植え付けの際は、水はけがよく、同時に水もちもよい土で植え付けるようにしましょう。土を作る際は、赤玉や腐葉土がほどよく混ざった土にしましょう。植え付けの際、根を軽くほぐし、古い根があったら取り除いて植え付けた方がよいでしょう。土をかける際は浅めにかけます。クリスマスローズは株元から芽が出るため、あまり深く植え付けないようにしたいです。
クリスマスローズの苗が出回る時期は
クリスマスローズの苗が主に出回る時期は、植え付けの時期と重なります。ただし、10月ごろから出回る苗は、1年以上育てた後に花が咲くため、すぐに花を楽しみたい方にはおすすめできません。すぐに花を楽しみたい方は、開花時期に近い冬のころ、初花が咲いている苗を選びましょう。
クリスマスローズの育て方②種まき
種まきも9~10月ごろに
クリスマスローズを種から栽培する際も、種まきは9~10月ごろが適期です。クリスマスローズ用の土を使うと、初心者でも気軽に種まきすることができます。初心者がクリスマスローズを種から栽培するのであれば、新しい土を使って鉢植えで行いましょう。発芽するのに時間がかかりますので、ゆっくりていねいに手入れしていきましょう。
種は水に浸してから
クリスマスローズを種から栽培する育て方では、種まきをする前、種を水につけてから植えた方が発芽しやすいといわれています。乾燥した種から芽が出ないわけではありませんが、種をまいてから湿度のある環境でゆっくりと生長していくため、クリスマスローズが育ちやすい環境を整えてあげることが大切です。
クリスマスローズの育て方③植え替え
植え替え時のポイントをしっかりと
クリスマスローズを植え替える時期は、花が終わった3月ごろか、花期の前の10月~11月ごろです。植え替えの際、根を軽くほぐした後、水につけて土を落としましょう。傷んでいる根を落とし、根が伸びやすいようにしてから、植え替えます。鉢植えの場合、現在の鉢よりも大きめの鉢に植え替えましょう。クリスマスローズは株元に芽があるため、浅く植え替えるようにします。
肥料を与えることも忘れずに
植え替えが終わったら、緩効性の肥料を与えましょう。この時期に肥料を与えることによって、クリスマスローズの花がつきやすくなります。クリスマスローズはゆっくりと生長していくため、肥料の見極めは大切です。植え替えが終わった後の肥料では、生長を促す肥料となるため、しっかりと安定した効果のある肥料を使うようにしましょう。
クリスマスローズの育て方④日当たり
直射日光は苦手
クリスマスローズは、半日陰で栽培するのがベターです。鉢植えの場合、日差しの強いときは日陰に移動するなどができますが、地植えの場合は植木を移動させることができないため、植え付けや植え替えの際は、木のそばなど、半日陰ができる場所を選ぶようにしましょう。夏などの直射日光は、植木が傷んでしまうので要注意です。
寒さに強いが雪や霜には弱い
クリスマスローズは、冬に咲く花であるため、冬場の寒さには強い品種です。しかし、雪や霜は苦手ですので、冬の寒さが厳しい地では、寒冷紗やわらなどでマルチングをして保護してあげることも手入れのひとつです。ただし、寒いからといって温かい室内に入れるのはNG。植木が弱ってしまいます。
クリスマスローズの育て方⑤置き場所
クリスマスローズは夏越しで決まる
クリスマスローズは、基本的に屋外で育てます。春や秋はとくに問題ありませんので、しっかりと日光に当ててしっかりと手入れや管理をしましょう。夏の管理は細かいケアが必要です。クリスマスローズは強い日差しが苦手です。風通しのいい半日陰で日々の手入れと管理を続けていきましょう。秋の終わりから冬にかけて、夜など冷え込む日もあります。防寒をしっかりと心がけてあげましょう。
地植えでは半日陰を作る
地植えでクリスマスローズを栽培する場合、自生地のような環境下で育てるのがいちばんです。木の下が理想ですが、木がない場合は、半日、日が当たる場所を選びましょう。寒さに強く、暑さに弱いからといって、まったく日が当たらない場所に植えてしまったら、花が付かなくなることもあります。どうしても半日陰の場所がない場合、背の高い植木のそばに植えると、半日陰が生まれます。
クリスマスローズの育て方⑥水やり
コツをつかんだ水やりを
クリスマスローズの水やりにはコツがあります。地植えの場合、基本的には水やりをする必要はありません。鉢植えの場合、土の表面が乾いてきたら水やりを行います。夏の暑い時期は、クリスマスローズの休眠期となりますが、極端に乾燥すると水切れを起こします。様子を見ながら水やりを行うようにしましょう。水やりの際、葉に水をかけることで、病害虫の予防になります。
冬の水やりも大切
クリスマスローズにとって、冬は生育期の大事な時期です。冬の水やりは午前中に行い、水分が夜まで残らないようにしましょう。場合によっては、水やりで与えた水分が霜柱になってしまうこともあります。いくら乾燥に強くても、乾燥しすぎたら元気がなくなってしまいます。手入れは植木の様子をしっかりと観察しながら行うことが大切です。
クリスマスローズの育て方⑦温度
手入れのポイントは夏と冬
冬に美しい花を咲かせるクリスマスローズは、寒さに強い性質を持っています。寒さに強いということは、暑さには弱いということでもありますので、クリスマスローズの手入れでは、夏や冬の時期に気を配るようにしましょう。とくに決まった管理温度はありませんが、夏場は直射日光に当てないようにして、暑さで弱くならないように注意しましょう。冬は、たとえ寒さに強いとはいえ、雪や霜で弱ってしまうため、保護する対策が重要です。
水やりで温度を下げる方法もある
熱帯夜が続き、クリスマスローズの体力が落ちてしまうのではないかと心配なとき、日が落ちてから葉水を与えるほか、鉢のまわりに水をまいて、温度を下げるなどの方法も有効なときがあります。初心者の方はとくにさまざまな手入れの方法を試して、なるべくクリスマスローズが快適に過ごせる環境を作ってあげたいものです。
クリスマスローズの育て方⑧追肥
追肥のタイミングは3回
クリスマスローズを栽培する上で肥料を与えるタイミングは、生育期に入る前の10月ごろ、花が咲きはじめる12月ごろ、花が終わった3月ごろです。気温が高くなる夏の間は休眠期となるため、追肥の必要はありません。肥料やけなどを起こしてしまいますので、注意しましょう。
肥料は最盛期を中心に
きれいにクリスマスローズを咲かせたい方は、肥料の使用が必須となりますが、与え方は適時に適量を与えるように工夫したいです。花期の最盛期を迎える12月ごろの追肥では、肥料に書かれた分量の肥料を使いましょう。生育期の初期や晩期の追肥では、様子を見ながら少量ずつ与えていくようにします。初心者の方は肥料をあげすぎる傾向がありますので注意しましょう。
クリスマスローズの育て方⑨剪定
クリスマスローズは剪定の必要なし
クリスマスローズの剪定について、クリスマスローズは葉や茎が増えていくわけではないため、剪定の必要はありません。剪定するのではなく、古い葉を切り取る作業があります。この剪定に似た作業は、無茎種のクリスマスローズで行います。時期は11月~12月ごろ、すでに花を咲かせたことのあるクリスマスローズは、寒くなってくると葉がロゼット状になってきますので、その時期に春に出てきた古い葉を取り除きます。一方、はじめて花を咲かせる無茎種のクリスマスローズでは、元気のない葉や黄色くなってしまった葉を取り除くようにします。
有茎種のクリスマスローズの場合
茎が伸びる有茎種のクリスマスローズも剪定も古葉切りの作業も行いません。11月~12月ごろ、枯れた葉や茶色くなった葉などを取り除く程度でOKです。天気のいい日に、古い葉を取り除き、株元の通気をよくしてあげましょう。初心者の方は、どの程度、手入れをしたらいいのかわからないこともたくさんありますので、株を元気にさせるための作業であることを忘れずに、取り除きに迷ったらそのまま残しておくことも選択のひとつです。
クリスマスローズの育て方⑩花後の手入れ
花が終わったら摘んであげる
クリスマスローズの開花時期は、12月ごろからはじまります。花を存分に楽しんだら、花がらを摘む作業があります。クリスマスローズから種を取る場合、種が熟すのを待ってから花がらを取りましょう。ただし、種を作るために株は労力を要するため、はじめて花を咲かせた植木は種を取らずに花がらを切るようにしたほうがいいでしょう。クリスマスローズ初心者の方も、翌年も花を咲かせるために、最初の年は様子を見ることをおすすめします。
有茎種では花茎を切り取る
有茎種のクリスマスローズは、花が終わったら花茎を切り取るという重要な手入れ作業があります。天気のいい日を選んで、花のついている茎を探し、地際から4~5cmほどで茎を切り取ります。こうした作業は、雨がうっとうしくなる梅雨の前までに行うのが理想です。作業の後、病害虫予防のために殺虫剤などを散布するのもおすすめです。
クリスマスローズの育て方⑪増やし方のコツ
株分けによる増やし方
クリスマスローズの増やし方には、株分けする増やし方と種まきをする増やし方があります。株分けの増やし方では、はじめて花が咲いた未熟な株ではなく、数年経った株で元気な株を選びましょう。植え替え時期と同じ10月~11月ごろに行います。株を掘り起こし、土を落としてから、2~3芽ほどつくように根を分けます。ハサミを使う場合は清潔な状態で使いましょう。切り分けた株を元に戻し、植え替えます。クリスマスローズ初心者の方は慎重に作業しましょう。
種まきによる増やし方
それまで育ててきたクリスマスローズの種を採取し、秋に種まきをすることによる増やし方もあります。ただし、種を作るために植木は多くのエネルギーを使うため、未熟な植木では種を取るのは控えた方がいいでしょう。種まきでの増やし方も、植え付け時と同じ10月に作業を行います。また、増やし方のひとつに交配させる方法もありますが、初心者はもちろん、かなりの技術と熟知が必要となります。いつかオンリーワンのクリスマスローズを育てることを目標に、初心者の方は日々の手入れを心がけていくようにしたいです。
クリスマスに貴婦人の姿を拝むために
クリスマスローズの栽培は、ちょっとしたポイントとコツを押さえることで、初心者の方もかんたんにできます。とくに手入れ作業の時期やタイミングをしっかりと押さえ、失敗しないように栽培していきたいです。クリスマスの時期に美しい貴婦人の姿を拝むためにも、日々ていねいに手入れや管理をしていきましょう。
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