セージとは?
基本情報
学名 | Salvia officinalis |
科名 | シソ科 |
属名 | サルビア属 |
原産地 | 地中海 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや強い |
開花時期 | 5月~7月 |
収穫時期 | 7月~10月 |
特徴
セージはソーセージに使われるハーブとして有名です。セージの香りは肉の臭みを消すだけでなく、抗菌・抗酸化作用の高い薬草としても使われてきました。ハーブティーにも取り入れられますし、他のハーブとブレンドして香りを楽しむのも人気があります。セージは育て方が簡単なのでガーデニングにも取り入れやすいハーブです。
セージの効果
セージはハーブとしてさまざまな効果が期待できます。薬ではないので即効性や効果の実感には個人差がありますが、アロマテラピーにも取り入れられていますので、興味がある方は収穫したセージでいろいろと試してみるといいでしょう。セージの効果をご紹介します。
美容効果
セージには収れん作用のある成分が含まれているので、毛穴を引き締める効果が期待できます。抗酸化作用成分が含まれているので、セージをスパイスとして使ったり、ハーブティーとして飲んだりするのもおすすめです。
体への効果
セージに含まれる抗菌作用成分は口内炎や歯肉炎といった口の中の炎症を鎮める効果が、女性ホルモンに似た成分には女性特有の症状を緩和する効果も期待できます。
メンタル面への効果
セージの葉にはリラックス作用のある成分が含まれているので、ストレスを感じたときや、イライラしたときに気持ちを落ち着かせてくれる効果が期待できます。アロマオイルやハーブティーで簡単に取り入れられます。
セージの種類
コモンセージ
ソーセージの材料や肉の臭み消しでおなじみなのが、コモンセージです。5月~7月頃に青みがかった紫色の花を咲かせます。葉はシルバーグリーンと呼ばれる特徴的な色をしており、育て方も簡単で花以外にも葉を楽しめるのがポイントです。スパイスやハーブティーまで幅広く活用できます。
ホワイトセージ
葉が白く見えることから、白い花を咲かせることからホワイトセージと呼ばれています。育て方が簡単で葉の香りが強いという特徴があり、成長すると草丈は1.5mほどになります。大きく成長すると薄紫の花を咲かせます。薬草や食用にも使えます。
ロシアンセージ
セージの一種ですが、ペロブスキア属の植物です。葉と茎はほのかにグレーがかっており、紫色の小さい花をたくさん咲かせます。花の色や姿かたちがラベンダーに似ているのも特徴的です。
チェリーセージ
赤や白、赤と白のツートンカラーの花を咲かせ、チェリーのような香りがすることからチェリーセージと名付けられました。花色は黄色や紫、アプリコットなどバリエーションに富んでいるので、花壇を華やかにしたいときにおすすめです。チェリーのような香りはお菓子作り使ったり、切り花にして部屋に飾ったりして楽しめます。
ボックセージ
セージの中でも珍しい湿地帯に生息しているのが、ボックセージの特徴です。乾燥には弱いので注意が必要ですが、鮮やかで透明感のあるブルーの花を咲かせます。草丈が1.5mと大きくなり、次々と花を咲かせるので、地植えがおすすめです。
セージの育て方1.土作り
セージの育て方では、土作りが重用となります。鉢植えでも地植えでも育てられますが、環境によって育て方や土作りが少し変わってきます。共通しているのが「水はけのいい土を選ぶ」「酸性の土壌は避けること」です。鉢植と地植えの土作りについて解説します。
鉢植え
植木鉢やプランターを使ったセージの育て方として、用土は赤玉土を5、腐葉土を3、バーミキュライト2の配合がおすすめです。配合は赤玉土を多めにして、バーミキュライトを減らすなど調整も可能です。3種類を用意するのがむずかしい場合や初心者の方は、ハーブ用培養土を使ってもいいでしょう。ハーブ用培養土の種類によっては、水はけがあまりよくないものがあります。この場合はハーブ用培養土にバーミキュライトをプラスしましょう。
地植え
地植えでの育て方は、場合は場所を決めたら事前に腐葉土や堆肥を混ぜ込み耕しておきます。セージは酸性がNGとなるので、酸性の土壌には植えられません。酸性の土壌には苦土石灰を使い、アルカリ性にしておく必要があります。最初に緩効性肥料を加えておくと、セージの成長をサポートしてくれます。
セージの育て方2.植え付け
セージの育て方には、種まきと苗の植え付けという2つの方法があります。どちらでも育てやすいですが、種まきという育て方は発芽させるという工程があるので時間がかかります。苗を買ってきて育てる方が手間は省けますが、手間ひまかけて育てたいなら種まきもおすすめです。
種まき
セージの種は、園芸店やホームセンターの園芸コーナーでも購入できますし、ネットショップから取り寄せもできます。セージを栽培している知り合いがいるなら、その人から分けてもらってもいいかもしれません。種は比較的入手しやく育て方も簡単なので、初心者でも取り組みやすいでしょう。
種まきの時期と発芽のポイント
種をまきから発芽まではだいたい2週間くらいです。種まきの時期は3月・4月か、9月・10月のどちらかを選びましょう。発芽するのに20℃前後の環境が必要です。セージは発芽率があまり高くないため、種は多めにまいてください。種はとても小さいので、種まきポットを使うと見分けやすいですよ。
苗の植え付け
セージの苗も、園芸店やホームセンターの園芸コーナーで入手できます。近くにない場合はネットショップを探してみてください。セージは種類が多いので、ラベルを参考にしながら育てたい種類を選びましょう。苗を選ぶポイントは、葉や茎に虫やカビが付いていないかよく確認することです。細く弱々しい苗よりも、しっかりと根を張っている苗を選んでください。
植え付けのポイント
植木鉢は5号鉢がおすすめです。鉢底ネットと鉢底石をセッティングしたら、土を半分よりも気持ち多めに入れ真ん中に苗を置きます。苗を取り出すときは優しく扱い、根の周りをほぐしてから植え付けてください。プランターの場合は5号鉢の大きさを目安に、適量を見極め植え付けます。地植えは、隣との間隔を20cm前後とります。根の長さを見ながら決めていくといいでしょう。
セージの育て方3.日当たり
セージは太陽の光が大好きなので、日当たりのいい場所に置いてあげましょう。たっぷりの日差しを浴びれば、すくすくと成長してくれます。日が当たらない場所で栽培すると、発育が悪く丈夫に育ちませんし花付きが悪くなります。植木鉢やプランターなら時間に合わせて移動できますが、地植えの場合は日当たりのいい場所を選んでください。
真夏の日差しには要注意!
セージの育て方で注意したいのが、高温多湿の環境を避けることです。夏は日差しが強く高温になりやすいので注意が必要です。鉢植えならカーテンで直射日光を遮り、地植えなら半日陰のところかすだれなどで長時間直射日光が当たらないような環境を作ってあげましょう。
セージの育て方4.水やり
セージの育て方については、水やりにもいくつかの注意点があります。水やりの仕方によって成長具合も変わってきますので、ポイントを押さえておきましょう。特に注意したいのは夏と冬の水やりです。
夏
夏は気温が高く日差しも強くなるので、土が乾燥しやすい時期です。セージは湿度の高い環境を嫌い乾燥には強い方ですが、水を切らすと根の成長を妨げる可能性があります。水のやり過ぎは根腐れの原因になりますが、水切れさせないようにします。目安は土の表面が乾いていたら水やりするという頻度でいいでしょう。夏は毎日水やりをしますが、鉢植えと地植えでも育て方が違ってきますので、水切れさせないよう注意してください。
冬
種類による多少の違いはあるものの、セージは耐寒性があっても霜が降りるような極端な寒さには弱いことを覚えておいてください。夕方以降に水やりをすると、冷え込みが厳しい日や寒さが厳しい地域では霜ができる可能性があります。冬は夏に比べて水やりの頻度は減りますが、水やりするタイミングにも注意してください。冷え込みが厳しい地域や時期の育て方として、藁やビニールでマルチングするのがおすすめです。
セージの育て方5.肥料
セージ栽培で肥料を与えるタイミングは、植え付け時と春と秋です。基本的に丈夫な植物なので種まきや植え付けのとき、土に緩効性肥料を混ぜておけば追肥はほとんど必要ありません。肥料を与え過ぎると根に負担をかけ、生育を妨げるので注意してください。セージの花をたくさん咲かせたい場合は芽吹く時期と、咲き終わり冬を迎える前の秋に固形肥料を与える程度です。真夏や真冬は追肥には適さない時期と覚えておきましょう。
肥料のタイミングとポイント
セージに肥料を与えるタイミングは、春(4月~6月)と、秋(9月~10月)がベストです。特にセージを植え付けたばかりの春は、セージが暑さにまいってしまわないようスタミナをつける意味でも重要です。夏の暑さでセージの根が弱っている時期には肥料を与えず、一旦休ませる意味でも肥料は、セージの根が落ち着く秋になってからでOKです。
セージの育て方6.剪定
切り戻し
セージは育て方が簡単な植物ですが、適度に剪定することでより長くきれいな状態を保てます。セージの剪定方法は、「切り戻し」と「摘心」を用います。種類による違いはありますが、セージの中には1.5mまで成長するものがあります。長さを調整したい場合は、切り戻しで茎を短く保ちましょう。地植えで増え過ぎてしまい手に負えなくなったような場合は、茎を根本から剪定する切り戻しも活用できます。
摘心
夏以降はセージにとって過ごしやすい環境となるため、ぐんぐん成長します。芽吹く数も多くなりますが、摘心をして先端の芽を剪定すればその分の栄養を効率よく使えるので成長をサポートできます。ただし摘心するのは先端部分のみです。セージの場合剪定バサミは使わず、手で優しく摘み取って行きましょう。
剪定は必要なの?
セージの剪定は必須ではありませんし、あまり手を加えなくても育ちます。見た目にこだわりたい方や、増え過ぎて他の植物に影響が出るような場合に剪定する程度でいいでしょう。剪定は切り戻しと、摘心を栽培する環境に合わせて使い分けましょう。万一剪定し過ぎても、成長を待てば調整できます。
セージの育て方7.植え替え
セージを鉢植えで栽培する場合は、定期的な植え替えが必要です。種まきや苗から育て始める場合は1ヶ月前後、根と茎がしっかりしたタイミングで大きい植木鉢や花壇に植え替えます。成長後は1~2年に1度植え替えをするといいでしょう。鉢植え栽培を続けるなら、1サイズ大きい植木鉢を選んでください。植え替えに適した時期は、夏前と秋です。使用する土や植え付け方の基本は、種まきや苗の植え付け方と同じです。
寄植えもおすすめ
セージを植え替えするなら、他のハーブとの寄植えにしてみてはいかがでしょうか?葉を収穫してハーブとして使う予定なら料理やハーブティーに使えるハーブと一緒に寄植えすれば、育てる楽しみも増えます。
セージの育て方8.収穫
セージを植えてから収穫まではおよそ70日前後です。種類によっても草丈は異なりますが、70日前後経過していて、草丈が30cm程度になれば収穫できます。初年度は成長を待ってから収穫になりますが、2年目以降は葉がついていれば4月~10月まで収穫時期となります。収穫前に葉が生い茂り通気性が悪くなっているような、葉が黒ずむ前に収穫してしまいましょう。セージの香りを楽しみたい場合は、花が咲く前に収穫するのがおすすめです。
収穫したセージの保存方法
収穫したセージは乾燥させてから保存します。スパイスや香り付けとして料理に使ったり、ハーブティーにして飲むのもおすすめです。セージの葉をしっかりと乾燥させておけば、瓶に入れてストックしておけます。おしゃれな瓶やボトルを探して、インテリアのように飾ってもいいでしょう。
リースにして飾る
セージの葉をたくさん収穫できたら、リースにして飾ってもおしゃれです。ドライフラワーや不ドライフルーツをプラスしてオリジナルリースを作ってみてはいかがでしょうか?ほのかに香るのでポプリ代わりにも使えます。たくさん取れない場合は、葉がついたままの茎を1本か2本茎をカットして乾燥させたら、リボンで縛って吊るしてもおしゃれです。
セージの育て方9.増やし方
セージは増やし方が簡単で、挿し木・取り木・種まきという3つの方法があります。どの増やし方も比較的簡単ですし、挿し木や取り木は鉢植えでも地植えでも取り入れられます。セージの増やし方を簡単に説明しますので、ぜひ試してみてくださいね。
増やし方1.挿し木
セージの増やし方では一番簡単なのでトライしやすい方法です。挿し木の時期は3月~10月と幅費が広いので、都合のいいタイミングで実践できます。成長とともに茎が枝化して折れやすくなっていきます。増やして長く楽しみたいなら、枝化する前に挿し木で増やしていきましょう。どんどん増やしたい方にも、挿し木は簡単なのでおすすめです。セージの挿し木が成功すると育てるのが楽しくなりますよ。
挿し木の仕方
セージの挿し木は茎の先から15cmほど切り取ります。葉は上の部分のみ残し取り除いたら、水揚げしてからバーミキュライトにさし根が出るのを待ってから植え付けます。挿し木を成功させるコツは、発根するまで水を切らさないことです。
増やし方2.取り木
セージの取り木はカットせずに茎を地面に倒して土をかけるという、ユニークな増やし方です。つちをかけた部分から根が出るのを待ち、そこで初めてカットし植え付けていきます。取り木には茎を傷付けてから土をかぶせるという増やし方もあります。傷つけた部分から根が出るので、ピンポイントで場所を決められるのがメリットです。
増やし方3.種まき
セージの増やし方では、種まきという方法もあります。栽培したセージから種がとれたら、種まきという増やし方も試してみましょう。巻き方は種まきポットを使うと簡単です。種まきは春か秋のどちらかを選べます。
セージの育て方10.病害虫
セージは香りが強いハーブですので、育て方として害虫の心配はありません。ただし湿度が高い時期や環境下に置くと根が腐ってしまいます。根が腐ると「センチュウ」が付きやすくなるので注意しましょう。真夏に日に当て過ぎたり、肥料が十分でなかったりしてしっかり育たないと「ハダニ」がつく可能性があります。もしも害虫を見つけたら、薬剤で対処してください。蒸れると害虫の原因になりやすいので、カットした茎は挿し木にしてもいいでしょう。
葉に異常が見られたら?
害虫はいないのに葉の様子がおかしいと感じたら、うどんこ病の可能性があります。気温と湿度が高い状態で発生しやすいので、異常が見られる葉を剪定して風通しを良くしておきましょう。セージの葉を収穫して使いたい場合は、薬剤を使わず思い切って剪定するのがおすすめです。
セージの育て方11.冬越し
セージは寒さに強いので、冬越しさせれば次の年も楽しめます。育て方のポイントとして、真冬でも氷点下にならない地域なら日当たりのいい場所で管理し、水や肥料のやり過ぎにならなければ特に問題なく冬越しできるでしょう。心配なら落ち葉や藁でマルチングすれば、冬越し対策になります。氷点下になる地域や霜が降りる環境では、冬越しするための対策が必要です。
セージの冬越し対策
冬越し対策としては、鉢植えなら室内に入れ高温多湿にならないよう管理してください。地植えの場合は冬越しの移動ができないので、枝が多い場合は冬越しのために思い切って剪定しておくといいでしょう。残しておいても霜で葉が枯れてしまいます。雪が降り積もる地域は、枯れるのもやむを得ませんが、根が生きていれば冬越しできます。
まとめ
セージは種類が豊富なので、好みに合わせて選べます。1種類だけを育ててもいいですし、いくつかの種類を併用して違いを楽しんでもいいでしょう。セージは種類によって育て方や楽しみ方は違いますが、ポイントを押さえておけば初心者にも無理なく育てられます。種まきや挿し木で増やしたり、剪定して冬越しさせたりと栽培する楽しみだけでなく、収穫して楽しめるのもポイントです。料理のスパイスやハーブティー、インテリアとして飾るなど自由に楽しんでくださいね。
ハーブの育て方が気になる方はこちらをチェック!
セージ以外にもハーブの種類はまだまだたくさんあります。栽培だけでなく、収穫してからも楽しめるハーブの育て方や活用術が知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。

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