メロンとは
高級なイメージがあるフルーツ
メロンと言うと高級なイメージがあるフルーツで家庭菜園で作るには難しそうですが、追肥や整枝などの世話ができていると栽培しやすい品種もあり家庭菜園で作れますよ。高級なメロンはアールスフェボリットと呼ばれていて、一般に苗や種はあまり流通しません。家庭菜園で作りやすいメロンはアンデスメロンやプリンスメロン、ミニメロン、マクワウリなどがあります。
マクワウリについて
メロンは海外から入ってきたフルーツとなりますが、日本でも古くから食べられてきたメロンがあります。それがマクワウリです。マクワウリはメロンが流通するまで食べられてきたウリで、メロンのような芳香とスッキリした甘み、ウリのようなサクサクとした食感があり、現在でも育てられている野菜です。メロンと同じような作り方で栽培できるので、メロンではなくマクワウリを作ってみたいという方も同じような植え方をしてくださいね。
メロンの基本情報
きゅうりの仲間
メロンはウリ科、きゅうり属となりきゅうりの仲間ですが、特有の芳香と甘みがあるためスイカと同様に果物として扱われています。原産国はアフリカの方と言われていて、近年までは正確な場所は定かではありませんでした。現在はインドが原産と言われています。日本で庶民が気がるに食べられるようになったのは、プリンスメロンが作り出された昭和37年前後と言われていて、栽培に適する温度は20度以上、30度未満となりますよ。
少量なら苗から植えたほうがいい
栽培する株が1~3本程度の少量なら種から育てるよりも苗から育てたほうがいいでしょう。種の植え方は難しく発芽温度が29度前後と非常に高く家庭菜園ではなかなか温度を保てません。マクワウリは種からでも植え方が簡単です。
難しい傾向にある
メロンを家庭菜園で作るのは他の野菜、果物と比較すると少し難しいと言われています。長雨に弱くスペースを取ることが挙げられます。スッキリとした甘みが特徴のマクワウリはメロンと比べ日本の気候に合っていることもありメロンよりも雨に強いのですが、長雨が続くとマクワウリも病気になりやすいです。
メロンの育て方のポイント1
雨に弱く広いスペースが必要
アフリカやインドが原産と言われているメロンは日本の高温多湿を嫌う性質があるので梅雨が最大の難敵です。可能であれば雨よけができるような場所で育てるといいでしょう。基本は乾かし気味に管理しておくといいでしょう。つるを伸ばしていく植物なので、家庭菜園では工夫しないとかなり大きなスペースが必要になります。比較的簡単と言われているアンデスメロンやプリンスメロンでもスペースは必要です。
水やりについて
土がしっかり乾いたら水を優しく与えるようにしましょう。多湿を苦手とする植物なので畑で植えている場合はあまり多く与えなくても大丈夫です。また実の成長に合わせて収穫までの水分調整というのも大切になりますよ。後述する支柱を利用した栽培方法でも同じように水分調整は必要になってきます。
メロンの育て方のポイント2
肥料と追肥について
元肥は大切ですがやりすぎると、葉ばかり成長したり細長く弱々しく育ってしまうので量が大切です。地植えなら追肥をしなくても元肥だけで育てることも可能ですが、初心者の方は元肥を少なめにして、後で追肥して育てる方法もあるのでやりすぎないようにしましょう。目安としては一株に尽き化成肥料を一握りと少なめにして追肥で補うようにします。
病害虫に注意
ウリ科ということでウリハムシが必ずと言っていいほど発生します。成虫は葉を食べ、幼虫は苗の中を食い荒らすので大量に発生する前に手を打たないと枯れる恐れがあります。防虫ネットや銀のテープなどを活用してみましょう。特につる枯れ病は発症すると薬剤での治療ができず、刈りとって処分するしかなくなるので雨の水滴が跳ね上がらないに注意したり、肥料、追肥の量に注意しましょう。
ミニメロンはしっかりとした支柱を用意
ミニメロンの場合空中栽培することが多いので支柱はしっかりしたものを用意しましょう。ミニとは言え苺やトマトと比べると大きくなるので支柱がしっかりしていないと倒れてしまう可能性がりますよ。マクワウリも支柱を使うことで省スペースで栽培可能ですが、メロンと同じように実は重たいのでハンモックのように下から支えるようにしましょう。
ぶどうのように栽培することも可能
ぶどうのように棚の上に這わせていき実をぶら下げて育てることも可能です。支柱をつかいネットに這わせてもいいでしょう身の重さでつるが切れないようにしっかり受け止めるましょう。
家庭菜園でのメロンの大まかな育て方・植え方
5月頃に植え付け
マクワウリやミニメロンなどさまざまなメロンの苗が店頭に並ぶのが5月ぐらいです。丁度その頃がメロンの植え付け時期となり、畑に植えてから2ヶ月ほど栽培すると、7月中旬頃から8月末ぐらいまでが収穫時期となります。2ヶ月と栽培時間は短いですが、その間に伸びていくつるを整理する整枝と成長点を摘み取り子つるを発生させるための摘芯、肥料の追加(追肥)、乾きに強いですが他の植物と同じように水やりも必要です。
ミニメロンなら容器で栽培可能
普通のメロンよりも小さいミニメロンならプランターやポットなどの容器で栽培可能です。また横に広げなくても支柱を用意すると家庭菜園でも空中栽培もできるので省スペースで育てられるようになります。植え方としては通常のメロンと同じようにプランターなどに植え付けて支柱とネットをします。伸びたつるを整枝しながら、ネット、支柱に誘引していき実ができたらハンモックのように、実の下からネットで支えるようにしましょう。
家庭菜園でのメロンの育て方・植え方1
苗の植え付け
5月前後が植え付け時期となるので、温かくなってから畑の準備をしましょう。メロンは日当たり、風通しのいい場所を好み多湿を嫌いますよ。土のphはあまり選ばず中性でも弱酸性でも育ってくれるので、耕作放棄地など長年雨風にさらされていた場所以外は石灰を混ぜ込まず深く耕し元肥だけ混ぜ込んでいくだけです。植え付け1週間前に作業するようにして、肥料は化成肥料と水はけを良くする効果が期待できる完熟堆肥を混ぜ込みましょう。
排水性の確保
通気性、排水性を確保すため高さ10~15cmほどの畝(うね)を作るようにします。畝が作れない場合は水はけを確保するために土壌改良材を混ぜておくといいでしょう。株間は50cm以上は確保しておき、つるを伸ばせるように十分なスペースも確保してくださいね。プランターで育てる場合は根鉢が少しだけ出ているような状態で植え付けるといいでしょう。このときも排水性を確保するため底石をいれて水はけを良くしておきます。
家庭菜園でのメロンの育て方・植え方2
苗の保護
家庭菜園で黒のマルチをするのは難しいかもしれませんが、土の表面が見えないようにマルチするというのは大切です。干し草(わら)などを使って根本をほごして蔓枯れ病にならないようにしましょう。また保護しないといけないのは根本だけではなく、5月という時期は少し寒いので、まだ小さな苗を寒さや害虫から守らないといけません。防虫ネットでトンネルを作ったりホットキャップをかぶせてしっかり苗を保護しましょう。
ウリハムシで枯れることも
苗が出始めた時期からウリハムシは活動します。大きくなると葉を食べられるだけでは枯れるということは少ないですが、苗がまだ小さい頃に食害の被害に遭うとまだ本葉が3枚くらいしかないので、枯れる可能性もあり危険です。また大きくなったとしても前述したように幼虫は苗の中を食べてしまうので被害が成虫より甚大です。大量に発生する前にかならず予防しましょう。
家庭菜園でのメロンの育て方・植え方3
親つるの摘芯
摘芯とは成長する場所を摘み取ることで成長を止める作業です。成長を止めてしまいますが、側面からつるが出てくるので摘芯で完全に成長しなくなることはありません。最初のつる(親つる)を摘芯する時期は本場が5~6枚になったころで、手でつるの先の葉ができていている部分を摘み取るだけです。苗の植え付け時期が遅いと、既に5枚以上に成長していることがありますが摘芯してしまいましょう。
子つるの摘芯
なぜ摘芯が必要になるかと言うとメロンは、最初の親つるに実らせるのではなく孫つるに実らせます。そのため親つるを摘芯した後脇から生えてきた子つるの葉が、20枚ほどになると摘芯して孫つるを伸ばすようにしないといけません。また子つるは7節目までに生える孫つるを摘芯し、8節目から11節目の孫つるだけ残すように12節目のからの孫つるは再び摘芯します。摘芯には色々なパターンがありますが上記のものが一般的です。
家庭菜園でのメロンの育て方・植え方4
整枝について
整枝とは枝を整えるという意味がある言葉です。メロンの整枝は子つるの数の調整になります。子つるを5本とも自由に伸ばしてしまうとスペースを大きく取り互いに絡まり合ってしまうので、5本ある子つるの中から元気なものを2~3本残してほかは切って整枝することで整理します。また子つるを20節以降で摘芯せず放任した場合も整枝した方がいいでしょう。プランターなどの容器栽培で育てた場合は特に整枝が必要になります。
プランターでは整枝が必須
整枝と摘芯を組み合わせて実の数を調整しないとおいしいメロンができなくなるため、土の容量が限られているプランターでは整枝が非常に重要です。空中栽培では整枝しないと葉が込み合って通気性が悪くなったり、影になる葉ができ十分な光合成ができなくなります。
家庭菜園でのメロンの育て方・植え方5
人工授粉
孫つるの8節~11節の間にできた雌花に人工授粉します。メロンは雄花と雌花に分かれていますが、1つの株で雄花と雌花が咲きます。高層マンションなどの高い場所や、確実に収穫したいときは必ず人工授粉しましょう。やり方は雄花を取り花びらを取り除いた後、直接雌花にこすりつけます。見分け方は花の根本に丸みがなければ雄花となり、雌花はメロンとなる実の部分が蕾の段階で既にあり丸みがありますよ。マクワウリでも同じです。
人工授粉の時期
人工授粉には適切なタイミング、時期というものがあります。晴れた日の9時から遅くとも昼までには人工授粉を終えるようにしましょう。花粉が生きていないと人工授粉してもメロンは大きくなりません。そのためいつ咲くか確認していないと気づかないうちに咲いてしまうこともあるので、支柱につるを誘引するときや水やりなどのたびに蕾をよく観察してくださいね。咲きそうな花は蕾から黄色い花びらが見えます。
家庭菜園でのメロンの育て方・植え方6
摘果・数の調整
人工授粉しなくても虫などにより受粉することもあるので、実が大きくなり始めた時期に摘果もしていきましょう。整枝が枝(つる)の調整ならば、摘果はメロンの数の調整になります。1つのつるに2つ以上実らないように小さなものや形が悪いものを優先的に摘み取っていき育てる実を厳選します。数が多ければすべての実に栄養が行くので小さいものや、甘みが少ないものができやすいためできるだけ早く摘果して置きましょう。
目安となる数
目安の一例を紹介しましょう。1本のつるに多くても2つとして、5つ以上ならないようにするというものがあります。またミニメロンやマクワウリなどの小型のものは少し数を増やしてもいいでしょう。逆に減らさないといけないのはプランターで支柱を使って育てるという方法です。土の量が地植えと比べ少なく、肥料や追肥を与えていても身をつけすぎると収穫まで持たない可能性があり3つ程度に調整しておきましょう。
家庭菜園でのメロンの育て方・植え方7
肥料の追加・追肥
受粉すると、実の部分がどんどん大きくなります。ピンポン玉サイズになると追肥が必要になります。追肥の肥料は化成肥料で大丈夫です。専用の肥料というものはなく好きな肥料を株の周囲に与えましょう。支柱を使ってプランターで栽培した場合も同じように与えます。有機肥料だと肥料として効き目が出るまで時間がかかるので追肥の場合はすぐに成分が溶け出す化成肥料のほうが向いています。
株によって調整を
かならず追肥が必要になるというわけではなくメロンの成長具合応じて必要かどうか判断しましょう。前述してように元肥がしっかり効いていて畑で育てている場合は特に追加しなくても大丈夫です。
家庭菜園でのメロンの育て方・植え方8
収穫時期について
メロンの収穫時期は開花して45日程度が一つの目安となります。忘れないように受粉させた日をメモしたラベルを作っておくといいでしょう。またメロンは収穫時期になると芳香がしたり、種類にもよりますがヘタの部分に離層ができて自然と外れやすくなるものなどもあります。また受粉させた後は徐々に水分量を少なくするか収穫の10日ぐらい前から水を控えることで甘いメロンが収穫できるようになりますよ。
収穫時期は種類によって異なる
網目のあるメロン、ないメロン(ノーネットメロン)など種類によって収穫の目安はことなります。色が変色するものなどもあり、苗のラベルに書かれている育て方やHPなどを見て収穫の目安や食べごろを調べてみましょう。
メロンの病害虫について
ウリハムシ
黒やオレンジの目立つ色をした少し細長い小さな虫です。葉に丸い切れ込みが入る特徴的な食べ方をするので被害に気づきやすいですが、幼虫は根元付近の茎に入るので成虫が少ないときに対処するようにしましょう。成虫を無農薬で退治するには捕殺がいいのですが、捕まえようとすると地面にコロッと落ちていくのでペットボトルを切って捕獲できるようにするといいですよ。
ウリハムシの特徴や生態とは?効果的な対策方法や駆除方法をご紹介!
ウリハムシはウリ科の植物に付くハムシという害虫のうちのひとつです。このハムシという害虫、実はとても種類が多く、それぞれ付く植物が違ったり対処...
アブラムシ
体調数ミリの小さな虫で葉の裏などにいつの間にか発生して汁を吸う害虫です。排泄物が病気の発生源になり、汁を吸うだけでもウイルスを媒介するので、気をつけてください。体が小さいので捕まえて駆除するよりかは薬剤や牛乳などを使って駆除する方法が一般的です。無農薬で対処できる方法も多いですよ。
アブラムシ対策まとめ!生態を知れば無農薬でしっかり駆除・退治できる?
アブラムシ対策は早めにおこないましょう。まずは生態を知って予防することが大切です。野菜やハーブなど農薬を使いたくない場合でも、酢で忌避したり...
つる枯病
カビによる病気の一つで高温多湿になる梅に期発生しやすいく薬での治療が難しい厄介な病気です。灰緑色~黄褐色の水浸状模様ができ、黒い点も現れます。ひどいと枯れてしまうので薬を使って予防するか排水性を高め雨が跳ね上がらないにワラなどでしっかり地面を覆いましょう。
うどんこ病
葉が粉状の白いものに覆われていく病気でカビが原因となります。次々と感染していき覆われた葉は枯れていきます。きゅうりなどウリ科の植物がよくかかる病気のひとつなので予め薬を備えておいたほうがいいでしょう。発生を抑えるには素早く発見し疑わしい葉があれば取り除くというのが大切になります。カビなので高温多湿になると発生しやすいです。
メロンの育て方・栽培方法のまとめ
水はけがとにかく大事
メロンの育て方で大切のは水はけです。高温多湿にならないようにすることで病気にならず、元気に育ちますよ。美味しいメロンを作るには実の数と肥料が大切です。元肥をして成長具合におじて追肥をして不要な実は大きくなる前に取り除きましょう。トマトと同じで水の量を減らすことで甘みの強いメロンができますよ。支柱とネットで栽培する場合は、実の重さで支柱が倒れないようにしてくださいね。
果実やフルーツが気になる方はこちらもチェック!
暮らし~のにはフルーツに関する記事がたくさんあります。よかったらチェックしてくださいね。
いちごの栽培方法と育て方のコツ!苗の植え方や収穫時期もご紹介!
いちごの栽培と聞くと難しいように思えますが、実際には意外と簡単で自家栽培でも育てることはできます。今回は、いちごの時期や苗の植え方など、苗か...
ブルーベリーの栽培方法と育て方!苗木の植え方・地植えのコツや時期をご紹介!
ブルーベリーの栽培方法を、はじめての方でもわかりやすく説明しています。ブルーベリーは苗、用土のえらび方、水やり、剪定が重要なポイントとなりま...
レモンの育て方!鉢植えでできる美味しく収穫する栽培のコツを解説!
レモンといえばすっぱい果物ですよね。様々な料理やお菓子に使われ、美容効果が知られています。鉢植えによる育て方も可能なことから、家庭菜園の果樹...