エアコンをdiyで設置したい
個人でのdiyより電気屋など設備関係の業者に頼むことが多い
家庭用エアコンの取り付け工事は、基本的に業者に頼むことがほとんど。ですが家庭用とはいえエアコン自体が大きい買い物なので、設置費用だけでも節約出来たら大助かりです。さらに夏などクーラーが必要なシーズンになると取り付け業者も予約待ちですぐに来れない可能性があります。そこでまずは、エアコンの設置は専門業者じゃないとできないのかから解説してみたいと思います。
実は道具さえそろってしまえばdiyになれている人ならだれでもできる作業
実は電気屋や設備業者が行う家庭用のエアコン設置作業は、道具さえあれば誰でもできる作業なんですよ。ただ、家庭用に限らずエアコンには冷媒と呼ばれるガスが入っているので、ガスの取り扱いに気を付けることが重要なんです。
専門業者が絶対必要?
エアコンの取り付け取外しの作業には資格は必要ない
冷媒の入っているエアコンを家に設置するので、家庭用エアコンの取り付け取外しは、電気工事士などの資格が必要そうですよね。ですが、エアコンの取り付け取外しには特別な資格は必要なし。エアコンの電源用にコンセントを作る場合などは、電気工事士の資格が必要になりますが、ただ家庭用のエアコンを取り付けたり取外しをする分には、資格は必要ありません。
専門業者なしでdiyでの取り付けや取外しは可能
自宅についているエアコンは、基本的に誰でも必要な器具さえそろっていれば、取り外しや取り付けができます。実際、引っ越しなどで個人のエアコンの取り外しが2台目以降は有料だからと、有料分のエアコンを個人でdiyしてガス回収をし取り外すという人も意外と多いんです。
自分では取り付けが難しいタイプの家庭用エアコンもあります
個人で持てるエアコンにもどんどんいろんな機能が増えていますよね。その中でも加湿機能付きなどの特殊な機種があります。そういった特殊な機種は使う電材や取り付け手順も通常のエアコンとは違うので、無理に自分で取り付けせず、業者に頼みましょう。
エアコンをdiyで取り付ける前に
賃貸の場合は勝手にdiyせず大家の許可を取る
取り付け先が賃貸か個人の持ち家かによってやることが変わってきます。特に賃貸の場合は、賃貸契約に関わってくるので、個人でエアコンを取り付ける前に必ず、設置する物件の大家に説明して許可を得るようにしましょう。
エアコン用の穴が開いているかを確認する
家庭用のエアコンを取り付けるためには、室内機と室外機をつなぐ配管を通す穴が必要になります。取り付けたい部屋に、エアコンを取り付けるために必要なエアコン配管用の穴が開いているかを確認しましょう。エアコンダクトがない場合は個人で開ける必要があるので、エアコン用のダクト穴をあける手順も、エアコン設置手順と一緒に紹介します。
特に賃貸では無理にdiyせず業者に頼むのが無難
いくらdiyになれている人でも個人でエアコンを取り付けるのは限界があります。とくに賃貸では、原則的に退去時に原状復帰の必要があるなど制約も多いので、物件の大家や管理会社に許可が取れない場合やエアコンの取り付け作業に不安があるという場合は、無理に個人でdiyせず専門業者に依頼しましょう。
用意しておいた方がいい工具を紹介
エアコンをdiyで設置するために最低限必要な工具を紹介します
エアコンを設置するためには、袋ナットやガス送りのために工具が必要です。事前の準備は何事にも必須。いざエアコンを設置しようとして、工具が足りなくなるなんてことのないように、エアコンの設置に最低限必要な工具をまとめました。どの工具もホームセンターで購入できるものなので、しっかりチェックしてそろえておきましょう。
スパナ・モンキーレンチ
エアコンの室内機と配管、さらにエアコンの室外機までを接続するために必要です。スパナは、しっかりサイズがあっていないとナットが舐めてしまう可能性もあるので、使うならモンキーレンチがおすすめです。押さえにも1本必要なので、少なくとも2本は用意するようにしましょう。
アーレンキー
通称六角レンチとも呼ぶことがあるアーレンキーですが、エアコン室外機の側面についている、高圧と低圧用のガスの出入り口の弁を開くために必要になります。代用できる工具はありませんので、必ず用意する工具のひとつです。
インパクトドライバー
通常のプラスとマイナスドライバーも必要ですが、エアコンの室内機をひっかける金具を壁に固定するために、用意しておくと便利な道具です。壁にした穴をあければパワーのあまりないものでも何とかなりますが、基本的にはある程度パワーのあるものを用意しておきましょう。
水平器
エアコンの水平を見るために使います。できれば磁石がついているjis規格の水平器を使うのがおすすめです。
買わなくてもいいが必要な機械
真空ポンプ
エアコン内に残ってしまった空気を抜いて、真空状態に近づける真空引きという作業のために必要な機械です。真空ポンプを個人で購入しようとすると、かなり高額になってしまいますが、ネットやホームセンターなどで有料ですが貸し出しをしている場合もあります。電話などで確認して、借りておきましょう。
エアコンの設置場所に合わせ準備
養生シート
屋内などで下穴をあけたりビスを留めたりする際に、石膏ボードや木材のカスが落ちるため、床や壁に敷きます。傷もある程度なら防ぐことができるので、準備しておくと作業がしやすくなります。
脚立
自分では届きそうだと思っていても意外と作業するときは、高さが足りないということがあるので、小さなものでも用意しておいた方がいいです。
エアコン穴もdiyして設置する場合
ハンマードリル・コアドリル
個人でエアコン穴からdiyする場合は壁に穴あけが必要になります。エアコン用の穴のサイズに合わせて穴をあける必要がありますが勾配や場所決めが難しいので、穴開けが必要な場合は無理に自分で作業せず業者に依頼する方が安心です。
エアコンダクト
エアコン用の化粧ダクトや、ダクトカバーです。色やデザインも少しですが種類があるので、個人的な好みに合わせて自分で選ぶ楽しみもあります。エアコン穴が外側からきれいに見えるように、カバーすることができるだけでなく、ほこりなどの侵入も防げます。
壁によっては追加で準備を
石膏ボード用のアンカーボルト
屋内の壁の多くは石膏ボードで出来ています。石膏ボードに直接ビスを差し込む方法は固定力が弱まるだけでなく、石膏ボードで出来ている内壁自体の損傷の原因にもなります。ですから、石膏ボードの壁につける場合は自分で石膏ボード用のアンカーボルトを用意しましょう。
タテ桟用の金具
昔ながらの和室の壁などは、長押しや廻り縁といった飾りによって、そのままではエアコンの取り付けが困難です。できれば工事業者に任せて取り付けてもらうのがベストですが、どうしても自分で工事を行う場合は、タテ桟用の金具を用意して取り付けます。
diyでは室外機の置き場所が重要
室外機はあまり日光の当たらない場所がおすすめ
室外機がしっかり放熱して働けるかどうかでクーラーの冷却効率が変わるので、室外機は暑くなる場所は直射日光が当たる場所はおすすめできません。少しでもクーラーで効率よく冷やしたいなら、室外機をできるだけ日光の当たりにくい涼しい場所に設置しましょう。
diyで取り付けするならエアコン穴の真下が理想的
自分でエアコン工事にチャレンジするなら、複雑な工事は避けるのが失敗を避けるコツです。自分で工事するときは、あまり室外機の位置にこだわりすぎず、できるだけエアコン穴の真下に設置しましょう。
室内機から外の穴へは勾配が必須
エアコンの配管に勾配が必要な理由
クーラーは冷媒と呼ばれるガスを循環して、室内機の中にある冷却器を冷やします。室内機の冷却器が冷え風を送り出し部屋を冷やしているのですが、その過程で部屋の水分が冷却器につき、そのままだと結露してたくさんの水が出てきます。そこで重要になるのが、エアコン内から出ているドレンホースです。ドレンホースは、エアコン内から外へ水を排出する役割がありますが、エアコンの配管に勾配をつけないと水が流れず屋内側のドレンホースに溜まってしまいます。
エアコン穴をdiyするときにも勾配を付ける必要がある
エアコンの配管全体で勾配を気にすることも大切ですが、見落としやすいのがエアコン穴の勾配です。エアコン穴の工事からdiyするなら穴あけの時点で、外に向かって下がるように勾配をつけて穴あけをしましょう。勾配がないと、エアコン穴の部分から室内機側に水が溜まって室内に垂れてしまいます。
エアコンの内外機の位置を決める
エアコンの室内機の取り付け位置は水平と型紙を使って決める
新品の家庭用エアコンの場合は、エアコンの段ボールにエアコン取り付け穴の位置とエアコン取付用の名具の位置を決める型紙がついていることが多いです。ついていない場合は金具を当てて、エアコンの位置を決めましょう。
エアコンの室外機の取り付け場所はできるだけ浸水しない場所で
エアコンの室外機の場所は、自分で取り付ける場合エアコン穴の真下がおすすめです。ただし室外機が雨水で浸水しない場所を選びましょう。
エアコンの室内機設置準備
新品なら専用の型紙を使って位置を決める
取り付けるエアコンが新品で購入時の箱に梱包されている場合は、専用の型紙がついていることが多いので、型紙がある場合はそれをエアコン穴をあける予定の場所に当ててビスを取り付けます。その後は型紙を外しエアコン取り付け金具をひっかけ、水平をとりながらビスで金具を固定します。
型紙がない場合は直接エアコン取り付け金具を壁に取り付ける
一度取り外したエアコンの移設や中古のエアコンを取り付ける場合は、直接エアコン取り付け金具を壁に合わせます。型紙がある新品と比べると位置決めの難易度は高くなりますので、丁寧に確認しながら位置決めをしましょう。
室内機の配線・配管を通す
室内機についている配管がそのまま通せる場合限定
エアコンの室内機を取り付ける方法のひとつとして、室内機にもともとついている配管を直接壁のエアコン穴に通して、取り付ける方法があります。一人でも作業しやすい方法なのでおすすめです。
配管は屋外で室外機に取り付ける
取り付け方法は室内機に電線をつなぎ配管を、ビニールテープなどでひとまとめにします。ひとまとめにした配管をエアコン穴に通し室内機を壁に寄せて、エアコン取り付け金具にひっかけます。この方法だとエアコン穴から屋外に出る配管の長さによっては作業ができないので、その場合は後述する方法で先に配管を室内機に繋いでから取り付けます。
配線・配管を室内機に繋ぐ
電線の被覆を外して差し込む
エアコンに電線を取り付けます。家庭用エアコンの電線は太さ2㎜で3本の線が一緒になっている2mm×3芯のVVFケーブルを使います。電線の被覆をエアコンに書いてある既定の長さだけ外して、それぞれの色と同じところに差し込みます。奥まで差し込んだら少し引っ張って抜けないことを確認しましょう。
配管の袋ナットをつなぐ
エアコン用の配管の袋ナットをつなぎます。配管をそのまま買った場合は袋ナットをつけて、さらにフレアを作る必要がありますが、フレアの加工は専用工具が必要なこともあり難しいので、フレアができている配管を用意して取り付けましょう。トルクレンチの使用がおすすめです。
ドレンホースをつなぐ
室内機から出ている配管にドレンホースをつなぎます。方法はドレンホースを差し込んでビニールテープで留めるだけと、エアコン工事の中でも特に簡単な作業です。
ビニールテープなどで軽くひとまとめにする
配管と電線、ドレンホースをビニールテープを使って簡単にひとまとめにしておきます。配管の位置を綺麗に決めるためにも、この人手順はとても重要です。
配線・配管を室外機に繋ぐ
室内機に取り付けた配管・ドレン・電線をエアコン穴に通す
ビニールテープで簡単にひとまとめにしてある配管と電線、ドレンホースをエアコン穴に通します。手順としてはエアコン穴に勾配をつけている関係上、室内から外に向かって通します。配管は無理に曲げるとつぶれてしまうリスクもあるので、慎重に扱いましょう。
配管を外に出しながら室内機をエアコン取り付け金具にひっかける
室内機に繋いだ配管をエアコン穴から外に出します。配管を外に出しながら脚立などの踏み台を使って、室内機を壁に思いっきり寄せます。室内機を壁に寄せたら、エアコン取り付け金具に室内機の上部分をひっかけて下側をカチッと音がするまで壁に寄せます。外れないのを確認したら、室内機の取り付け完了です。
室外機の配管・配線カバーを外して配管や電線を取り付ける
外に出た配管を柱や雨どいなどに沿わせて、室外機まで引っ張ります。この時先にコーテープを巻いたりダクトカバーの壁側を取り付けると、後の作業がスムーズです。コーテープを巻く手順は次項で解説します。配管を室外機まで引っ張ったら、室外機の脇についているカバーをはずして、配管や電線を取り付けましょう。
配管・配線をコーテープで巻く
エアコン配管の屋外部分をコーテープで巻きます
コーテープは非粘着性のテープで、エアコンの配管をひとまとめにして劣化を防ぎ見栄えをよくします。主に屋外部分を巻きますが、屋内でも配管を渡すときはバラけないように巻くことがほとんど。場合によっては屋内もダクトカバーをします。コーテープは非粘着性のテープなので、巻き始めと巻き終わりはビニールテープではがれないように留めておきましょう。
巻き方は原則時計回りで下から上へ
コーテープを巻く手順ですが、屋外は原則テープ内に水が入らないように巻き始めは室外機側で上に向かって時計回りに巻き付けていきます。巻き付ける時は、少し引っ張り気味にしてシワやタルミが出ないように気をつけながら巻き付けます。
綺麗に巻けなくて見た目が気になる場合は専用のダクトカバーを取り付けるのも手
見た目が汚くなるのが嫌だという場合は、コーテープを巻く前にダクトカバーを壁につけて、エアコン用の化粧ダクトカバーで覆ってしまうのも手です。手順は増えますが固定も簡単で、綺麗に仕上げることができます。
真空引きをする
エアコンの配管内に溜まっている空気を抜きます
エアコンの配管内には、そのままだと空気が溜まっておりエアコン内のガスを薄めてクーラーの冷えを悪くする原因になします。そこで、真空ポンプで真空引きをして配管内に残っている空気をあらかじめ抜きます。
真空ポンプの吸引側をエアコン室外機の真空引き用バルブに取り付ける
真空ポンプをエアコンにセットする手順を紹介します。真空ポンプ吸引側のバルブを、エアコン室外機の配管接続部分付近にある真空引き用のバルブに取り付けます。吸引側のバルブ先端にネジがついていますが、真空ポンプ稼働前に締めるとガス抜けが起きてクーラーの性能低下につながるので、先端ネジは緩んだままにしてバルブをしっかり閉めておきます。
真空ポンプの使い方
真空ポンプで真空引きをします。真空ポンプの使い方はいたってシンプルで、電源をコンセントに繋いでスイッチをオンにするだけです。ただ、オイル切れはポンプの故障の原因になるので真空ポンプのオイルの残量を工事で使う前に必ず確認しましょう。
5分間真空ポンプを動かして配管内の空気を抜きます
真空ポンプのバルブを手順通り室外機の真空引き用バルブに繋いだら、真空引き用バルブのネジを緩めたままで真空ポンプの電源を入れます。真空ポンプが動き始めたら、真空引き用バルブのネジを締めて配管内の真空引きを始めます。時間の目安は5分間です。
真空ポンプを外して室外機のガスバルブを緩めます
5分間真空引きをした後まず真空引き用バルブのネジを緩めて、室外機内に空気を入らないようにします。この手順を怠って真空ポンプを外すと空気が入ってしまうので注意です。ネジを緩めたら、真空引き用バルブを外して、袋ナットを締めます。配管側のバルブ開閉用の袋ナットを太い低圧用と細い高圧用両方開けて、中の六角をアーレンキーを使って緩めます。緩める順番は高圧の細い方が先です。
試運転で動けば完成です
エアコン室内機のコンセントを挿して試運転
室外機のバルブを開けたら、エアコンの室内機を使って試運転開始です。エアコンの試運転でエアコンの配管とエアコンの内外機内にガスを回しながらクーラーがきちんと働くかを確認します。
試運転は冷房の一番低い温度で
エアコンの試運転をするときは、クーラーの一番低い温度で動かします。これは寒い冬でも共通です。クーラーを10分ほど動かして、クーラーが働いているのを確認出来たら試運転完了です。クーラーを止めてお好みのモードでエアコンを使ってください。
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