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ほうれん草の育て方講座!家庭で栽培する際に大切な手順とポイントをご紹介!

ほうれん草はビタミンやミネラルが豊富で栄養価の高い野菜です。種まきで植え付け、間引き、追肥、収穫と、栽培管理をしっかり行えば、ほうれん草の育て方はさほど難しいことはありません。今回はほうれん草の育て方について、肥料や害虫などの種類についても交えてご紹介します。
2020年8月27日
水木誠人
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植え付けから収穫までのほうれん草の育て方をご紹介

Photo byShingo_No

ほうれん草は栄養価が高く、日々の食卓に取り入れたい食材のひとつです。家庭歳で栽培する際、春から秋までロングランで栽培することができるため、ぜひとも育てたいおすすめの野菜でもあります。栽培方法はわりと簡単ですが、涼しい気候を好み、暑さに弱いなど、その性質には特徴があります。そこで種まきから植え付け、間引きや肥料を与えるタイミングや追肥や収穫の時期をはじめ、ほうれん草を栽培する上で必要な手順やポイントをご紹介したいと思います。また、ほうれん草を栽培する上でよくある悩みでもある「ほうれん草が育たない」ときの対処法や害虫についてなどもご紹介します。

ほうれん草栽培のポイントとは

ほうれん草を元気よく育てていくためには、冷涼な気候が重要となります。生育の適温は15~20度ですが、寒さに強く、気温が高くなると発芽しにくくなります。種まきの時期は春まきが3月~5月、秋まきは9月~10月ごろで、ロングランで収穫を楽しむことができます。そのためにも、ほうれん草に適した土やプランターなどを準備し、育たない、育ちにくいなどのトラブルを回避して、楽しく栽培していきましょう。

ほうれん草の栽培は種まきの前からはじまる

ほうれん草栽培では土作りが大切

Photo byPezibear

地植えではなく、プランターでほうれん草を栽培するのであれば、市販の野菜用の培養土を利用するという手があります。あるいは、赤玉6~7割程度、腐葉土2~3割程度、パーミキュライトを1割程度混ぜ合わせた土を使うとよいでしょう。地植えの場合、土を耕したら、苦土石灰を混ぜて土の酸性度を調整します。ほうれん草は、酸性の土が苦手で、適性の土壌はpH6.3~7.1とされています。畑の準備は、種まきの2週間ほど前ごろからはじめましょう。

種まきの1週間前から肥料を施す

Photo byJing

ほうれん草の種まきをする1週間ほど前に、肥料を混ぜていきましょう。ほうれん草の肥料として野菜用の化成肥料のほか、液体肥料などがあります。植え付けの際の元肥として与える肥料は、化成肥料や有機肥料を使いましょう。有機肥料を使いたいという場合、鶏糞の肥料がおすすめですが、種まきの際の元肥として使う場合は、量に注意して2週間以上前に施すのがポイントです。

植え付けから収穫までのほうれん草の育て方①

ほうれん草は種から育てる

ほうれん草は、苗を植え付けるのではなく、種から育てていきます。品種によっていろいろと性質がちがってきますが、ほうれん草はどんな品種でもうまく育てていくことができますので、ほうれん草の栽培をはじめる時期によって、その時期に合った品種を育てていくようにしましょう。発芽しやすく処理された種も販売されています。種の植え方は、地植えでもプランターでもだいたい同じです。

種は水に浸した方がいいのか

ほうれん草の種を植える前に、1日か2日ほど、水に種を浸してから植えた方がいいという意見もありますが、その必要はないという意見もあります。種を購入する際、種の処理の方法について記述されている場合は、それに従うようにしましょう。市販されている種には、発芽処理されているものもあります。収穫した種の場合、発芽する率が一定ではないこともありますので、水に浸しておくのも手です。

植え付けから収穫までのほうれん草の育て方②

種まきは条間10cm株間1cmで

ほうれん草の種の植え方にはコツがあります。地植えの場合、条間を10cmほど取るのが植え方のポイントです。プランターの場合、条間が10cmなくても、2条まきすることも可能です。種の植え方として、地植えでは棒などを使って植える溝を作り、株間1cmずつ種を植えていきます。溝の深さは1cm程度で、一定にしておくのも植え方のポイントです。バラバラになってしまうと、生育の様子がわからなくなってしまいます。

コツを押さえた植え方で

Photo by sorarium

種まきが終わったら、種の上に土を覆います。土は5mm~1cm程度の厚さで覆うようにするのも植え方のコツです。土を覆ったら、軽く土を押さえます。そして、しっかりと水を与えてあげましょう。プランターの場合、底から水が流れ出るぐらいの量を十分に与えるとよいでしょう。地植えの場合は、種が流れていかないように注意しながら潅水しましょう。

植え付けから収穫までのほうれん草の育て方③

発芽は3日~1週間後

ちゃんとした植え方でほうれん草の種を植えたら、3日~1週間ほどで芽が出てきます。ほうれん草の芽はとても細く、しかも強い雨などにも弱いため、プランターの場合、雨が当たりにくい場所にプランターを移動させるようにしましょう。

春まきと秋まきの植え方のポイント


春まきのホウレンソウを栽培する際、植え方にポイントがあります。それは気温です。気温があまり上昇しすぎると、うまく発芽しないことがあります。このため、地植えの場合は遮光性のあるネットなどをかける、プランターの場合は風通しがよく涼しい場所で種まきをするなど植え方には注意が必要です。一方、秋まきの場合、日によって寒冷紗などを使うほか、マルチングして温度を調節する必要もありますので、植え方のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

植え付けから収穫までのほうれん草の育て方④

ほうれん草の間引きは2回ほど行う

ほうれん草が日を追うごとに生長し、本葉が2~3枚ほどになったころが、1回目の間引きのタイミングです。株間が2~3cmになるように間引きしていきます。間引きする株は、発芽が遅れている株や、込みすぎている株などを選びましょう。せっかく生長した葉を間引きするのはもったいない気持ちになりますが、間引きを行うことで後に大きく育たないなどのトラブルを回避することができます。

間引きした葉を利用するために

間引きした葉は、みそ汁の具やお浸し、サラダなどにしていただくと無駄がありません。1週間ほどしか育てていない葉ではありますが、けっこうおいしくいただけます。間引きした後、土を寄せて残した苗を安定させるようにしましょう。間引きを行うことで、風通しがよくなり、病害虫などの発生を抑えることもできます。

植え付けから収穫までのほうれん草の育て方⑤

2回目の間引きのタイミング

ほうれん草の草丈が5~6cmほどになると、本葉が3~4枚に生長してきます。このころになったら2回目の間引きを行いましょう。間引きの目安として、株間を5~6cm幅ぐらいにしていきます。間引きの際、株元をしっかりと押さえながら行いましょう。間引きが終わったら追肥を行います。

間引きの後の追肥で注意したいこと

2回目の間引きが終わったら追肥を行います。この追肥では、化成肥料を条間に軽く施し、土と混ぜて株に寄せていきましょう。追肥で使う肥料の量は、1平方メートルにつき、ひと握り程度です。追肥の際、株に肥料がつかないように気をつけましょう。

植え付けから収穫までのほうれん草の育て方⑥

2回目の間引き以降の追肥について

2回目の間引きが終わった後に追肥を行った後、ほうれん草の草丈が10cmを超えるようになったら、必要に応じて追肥をしていきます。生育をよくして大きくなったところで収穫するためにも、10日に一回程度、追肥を行っていきましょう。即効性のある液体の肥料で追肥することで、収穫までの時間にどんどん生長していきます。

ほうれん草は乾燥を嫌う

Photo byMonikas_Wunderwelt

ほうれん草は乾燥が苦手です。地植えであれ、プランターであれ、水やりは定期的に行っていきましょう。土の表面が乾いたらすぐに水やりを行っていきます。地植えの場合も、天気のいい日はまめに水を与えるようにしましょう。ただし、水を与え過ぎることで、根腐れを起こすこともあります。株の様子をしっかりと確認し、土が乾いているかどうかを基準に、水やりを続けていきましょう。

植え付けから収穫までのほうれん草の育て方⑦

収穫の時期を見極めるには

ほうれん草の株がどんどんと成長していくと、いつごろ収穫したらいいのか迷ってしまうことがあります。目安として、草丈が20cmほど、本葉が10枚ほどになったら収穫するようにしましょう。収穫の仕方は、ハサミを使って切る収穫方法と、根っこから引き抜く収穫方法があります。

収穫の方法はいろいろ

ほうれん草は、大きく育った株から収穫していきます。ハサミを使ってほうれん草を収穫する場合、株元を少し残して切り取るようにします。ほうれん草の葉は折れやすいため、ハサミを入れるときは注意しましょう。ほうれん草を株元から引き抜く場合、株全体を持ってスーッと引き抜くように収穫します。

植え付けから収穫までのほうれん草の育て方⑧

春まきのほうれん草栽培で注意したいこと


春まきのほうれん草栽培では、とう立ちする前に収穫することが大切です。とう立ちとは、花芽がついた茎が伸びていくことで、とう立ちしたほうれん草は茎が硬く、味が落ちるため、とう立ちする前に収穫するように気をつけましょう。春まきのほうれん草は、種まきから30~40日ほどで収穫期を迎えます。

秋まきのほうれん草栽培で注意したいこと

秋まきのほうれん草栽培では、株の成長期に台風や長雨などの影響を受けるため、病害虫などが発生しやすくなります。栽培中は、株をしっかりと観察して育てていきましょう。秋まきのほうれん草は、寒さによって甘味が増し、おいしいほうれん草が収穫できます。秋まきのほうれん草は、種まきから40~50日ほどで収穫期を迎えます。

植え付けから収穫までのほうれん草の育て方⑨

気をつけたい病害虫とは

ほうれん草を栽培していく上で、発生しやすい病害虫があります。こうした病害虫は、栽培環境を改善することで発生を回避できる面もあります。日頃から生育環境を良くすることも大切です。なお、病害虫が発生したら、ただちに取り除くと同時に、殺虫剤などの薬品を使うことになります。できれば農薬などは使いたくないという方は、病害虫が発生しないように注意することが大切です。

病害虫①アブラムシ

ほうれん草に発生しやすい病害虫、アブラムシ。モザイク病などの感染源となりますので、見つけたらすぐに取りのぞくようにしましょう。アブラムシは、間引きを行い、葉の風通しをよくすることで防ぐこともできます。また、黄色い色に誘引されるという習性があるため、黄色粘着シートなどを使うと、比較的、かんたんに被害を予防することができます。

病害虫②ヨトウムシ

葉を食べつくしてしまうヨトウムシ。ガの一種であるヨトウガが葉の裏に卵を産み、発生します。ほうれん草の葉が虫に食べられてしまったら、ヨトウムシが原因かもしれません。見つけ次第、取りのぞいていきましょう。

病害虫③ハダニ

体長0.5mmと姿が見えないほど小さいのに、葉の水分を吸い取ってしまうハダニ。ハダニが発生すると、葉の色素が抜け、最終的には葉が落ちてしまったり、枯れてしまったりしてしまいます。対策として、肌には水に弱いため、葉全体に霧吹きなどで水をかけると、発生を防ぐことが可能です。ただし、確実に防除するためには農薬を使う必要があります。

病害虫④ネキリムシ

根っこを切られたように見えることからそう名付けられてネキリムシ。茎を食害するカブラヤガやタマナヤガといったヤガ類の要求のことです。春先に飛んできて産卵し、ふ化した幼虫が葉を食べてしまいます。夜行性のネキリムシは、日中は土に潜っていて、苗の根元をかみ切ることもあります。前日まで元気だった苗が急に倒れていたら、ネキリムシを疑って土の中を探して除去します。

病害虫⑤べと病

天候が不安定な春や秋に発生しやすい病気のひとつです。葉の表面に黄色や赤の斑点ができ、葉の裏側は灰色になって枯れてしまいます。発生した株は処分し、水はけ、風通しをよくして、発生しないように注意することが大切です。また、地植えでほうれん草を栽培されてらっしゃる方は、わらを敷いたり、マルチングを行うことで発生を少なくすることも可能です。心配な場合は、発病前に農薬を散布するのも有効です。

病害虫⑥うどんこ病

うどんこ病は、うどんこのような白い粉状のカビによって葉や茎が奇形になるほか、葉が黄色くなって枯れてしまうなどの症状が現れます。葉全体が白くなるなどの症状が現れたらうどんこ病を疑いましょう。うどんこ病は胞子が風に飛んで運ばれ、多くの植物に発生する病気です。うどんこ病は気温が低く乾燥する時期に繁殖しやすいため、初春や晩秋などの時期は葉の様子をしっかりと観察しましょう。うどんこ病にかかったら、薄めた酢や重曹をスプレーすることで効果があります。ただし、症状がひどい場合は、被害を受けた葉や株を取りのぞき、農薬を散布することをおすすめします。

ほうれん草が育たないときの育て方のコツ①

大きく育たないのはどうしてか

ほうれん草を育てているのに大きく育たないというトラブルは起こりやすいものです。大きく育たない理由として、よくある原因は土の問題だといわれています。土が酸性になりすぎている、肥料が足りない、砂質の土で養分が少ないなどが挙げられます。また、前回と同じプランターや畑で栽培したほうれん草では連作障害が出る可能性もあります。

大きく育たないときどうしたらいいのか


まずは土作りを見直してみましょう。土の酸性度を中和して、ほうれん草が育ちやすい環境を整えることが大切です。連作障害を避けるため、畑の場所や土を変えましょう。春まきでは、気温が25度以上になると、暑さのために生長しなくなります。このため、時期によっては大きく生長しないこともありますので、種まきのタイミングもしっかりと計算しておきましょう。初心者の方は秋まきではじめると、冬が訪れるまで楽しむことができます。

ほうれん草が育たないときの育て方のコツ②

発芽しないのはどうしてか

ほうれん草が発芽しないとき、水不足、水の与え過ぎなどが原因の可能性があります。種をまいてから芽が出るまでは水分を切らさないように水やりすることが大切です。また、土をかぶせすぎていることも考えられます。かぶせる土の厚さは5mm~1cm程度ですので、確認してみましょう。春まきの場合、気温が高すぎることも考えられます。

発芽しないときどうしたらいいのか

まずは栽培しようと考えている種の寿命を確認しましょう。ほうれん草の種の寿命はだいたい3~4年程度です。採取してから時間が経っている種は発芽しない可能性があります。種まきの前に、しっかりと土を準備し、種まきの際、土のかぶせすぎに気をつけて、水やりをしっかりと行いましょう。水のやりすぎにも注意が必要です。

ほうれん草が育たないときの育て方のコツ③

葉が黄色くなってしまう

ほうれん草の種が発芽したものの、思っていたようには育たないことがあります。葉に元気がなく、全体的に黄色くなる場合、土の酸性度が強いせいかもしれません。葉の状態が、全体的に黄色いのではなく、黄色い斑点が現れていたら、それは病害虫のひとつであるべと病も考えられます。なお、収穫時期を過ぎたほうれん草も、とうが立ち、葉が黄色くなっていきます。

葉が黄色くなってしまうときどうしたらいいのか

種まきの際、しっかりと土の酸性度を中和してから栽培をはじめるようにしましょう。べと病にかかってしまったら、病気の葉を取りのぞきます。株全体に症状が現れていたら、株ごと取りのぞき、殺虫剤などを使用するようにしましょう。気温が高いときや雨が続いたときのほか、葉が込み合っているときなどにも発生しやすいため、注意が必要です。

ほうれん草が育たないとはもう言わせない!

Photo byThiloBecker

ほうれん草は春から秋にかけて家庭菜園で楽しく栽培できる野菜のひとつです。夏場など日差しが強い時期はうまく育たないなどのトラブルが起こることもあるものの、栽培スパンが短く、比較的育てやすく、料理にも使いやすいため、日々の食生活が豊かになります。ぜひ庭やベランダの片隅で、ほうれん草栽培をはじめてみましょう。コツとポイントを押さえれば、ほうれん草が育たないなどのトラブルも容易に回避できます。

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Photo byFree-Photos

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