はじめに
成長が楽しみな家庭菜園で玉ねぎを栽培しよう
タマネギはカレーなどの煮込み料理をはじめとして、天ぷらなどの揚げ物や生食でサラダとしても食べられる人気の野菜。毎日のように食卓にあがるというご家庭も少なくないでょう。身近なよく使うタマネギを家庭菜園で作ってみませんか?自分で育てるとタマネギがどのように成長していくのかもわかって楽しいですよ。
タマネギについて
タマネギの基本情報
科・属:ユリ科ネギ属
原産地:中央アジア
学名/英語名:Allium cepa L./Onion
生育温度:15-20度
タマネギの特徴
涼しい時期は強いですが、暑い時期になると休眠してしまうタマネギ。このことから、あまり早く植えるととう立ちというネギボウズと呼ばれる花がついてしまって、タマネギとしては固くて美味しくなくなってしまいます。
タマネギの収穫時期は
上のようなタマネギの特徴から日本では秋に定植して越冬させ春から初夏ころまでには収穫できるように育てるのが、美味しいタマネギにするための適性時期といわれています。
失敗しない栽培法!タマネギの育て方1.土
タマネギ用の土づくり
タマネギ用の畑の土は定植の2週間前に酸性土の中和のために苦土石灰をほどこし、1週間前までには元肥と呼ばれる肥料をすき込んで畝を作っておきましょう。
畝の広さ目安
タマネギは15センチ間隔ほどで植えるのが一般的。マルチで15センチ間隔で穴の空いたものが市販されていますので、それを使うと定植位置がひと目でわかるので便利です。畝の幅は100cm高さは10cmを目安にするとマルチにピッタリな畝となるでしょう。
玉ねぎ植え付けのコツ
ダイアジノン粒剤5 3kg
タマネギは害虫被害が深刻な問題となることがあります。元肥だけでなく植え付け時期には害虫予防の農薬もまいておきましょう。
失敗しない栽培法!タマネギの育て方2.肥料
タマネギの元肥
定植1週間前にすきこんでおく元肥は8-8-8(窒素・リン酸・カリの割合が同量のもの)の化成肥料と堆肥となります。その量は化成肥料は2握り・堆肥は3kg用います(1平方メートルあたり)。
タマネギの品種による肥料の回数
タマネギに限らず野菜や果物には収穫時期により早生種・中晩生種と分けられます。収穫時期が異なるため肥料(追肥)をあげる時期と回数も変わってきます。早生種は1・2月に月1回の計2回。中晩生種の場合は12月と2・3月に計3回が適した肥料の回数です。
タマネギの肥料の量目安
マルチを敷いたところに定植した場合、その穴に緩行性化成肥料をひとつまみが適量です。マルチがないプランターや植木鉢に植える場合は1平方メートルあたり50gを目安にして鉢の大きさに合わせた量を与えましょう。
玉ねぎ植え付けのコツ
タマネギは春になり日が長くなると地下で太ってきますが、この時期に肥料をあげると溶けてしまいます。肥料やりは遅くとも3月まで、4月になったら絶対に与えてはいけません。
失敗しない栽培法!タマネギの育て方3.苗
タマネギ苗が出回る時期
タキイの長期保存用玉ねぎ苗「タマネギ ネオアース」100本
家庭菜園で玉ねぎが大きくならないで枯れてしまったという失敗は植え付け時期が早かったことが一番よくある失敗談です。玉ねぎ苗が出回る時期は定植時期と比べると少し早めの10月ころから。店頭に出始めるのは早めでタイミングによっては売れ残りで遅く手に入ることもあるので、売られていたら植えると考えずに品種によって植え付け時期を見極め、適した時期に植えるようにしましょう。
タマネギ苗の選び方
苗の選び方さえ良ければ、ほとんどのタマネギ栽培も失敗せずに収穫できるといわれているくらい苗選びは重要です。見た目が短くても長くてもいけなく、長さは2-30センチほどが適切な大きさ。できるだけ枯れていなく葉がまっすぐ伸びているものを選んでください。
玉ねぎ植え付けのコツ
タマネギ苗は何本かまとめられて売られています。定植する場合は大きさをできるだけ揃えて植えるのもポイント。小さな苗と大きな苗を一緒に植えると小さなものが負けて成長せず枯れることもありますので、買ってきた苗は太さによって選別しておくと定植するときに楽になりますよ。
失敗しない栽培法!タマネギの育て方4.定植
タマネギの定植植え付け時期
家庭菜園でのタマネギの育て方、いよいよ苗の植え方を解説していきます。良さそうな苗を手に入れたら、適した時期を待って定植していきましょう。土の準備は1週間前までに終わっていますでしょうか。タマネギの成長には植え付け時期はとても大切。早生種は11月上旬から中晩生種は11月中旬からが時期の目安。
タマネギの定植植え付け方法
黒マルチ 厚さ0.02mm×幅135cm×長さ200m
タマネギの苗は少し根元がふっくらとした長ネギのような形をしています。植え付ける場合はこの根元の白い部分が少し地上から出るくらいを深さの目安としてください。畑への定植では株間は15センチ条間15センチと正方形になるように植え付けていけば良いでしょう。
玉ねぎ植え付けのコツ
苗の太さは鉛筆ほどが適切な太さなので、指で穴を開けてそこへ植え付けていくとちょうどよいでしょう。指の第一関節程度までを土中に突き刺し、その穴に1本ずつ差し込み株元を抑えて倒れないのを確認して定植となます。
失敗しない栽培法!タマネギの育て方5.水やり
球根も根づくまで水やりを
プランターや鉢植えはともかく、畑に植えたら水やりは不要という野菜もありますね。タマネギの場合はあげすぎはいけませんが、根が付くまで定期的に様子を見て水やりをおこなってください。
球根の水やりの目安
冬の間は雨水だけで水やりは控えて育てます。春になったら土の様子を見てカラカラにならないよう水やりをしてください。土が多少乾いているのはかまいませんが、ずっと土が湿った状態では病気になりやすくなるので水やりをせず観察しましょう。
玉ねぎ植え付けのコツ
畑のようなたくさんの土がある場所ではなく、限られた土の中で家庭菜園をおこなう場合水切れは野菜の深刻な成長の問題にもなりかねません。暖かくなったら水のやりすぎは厳禁なのですが乾かしすぎもいけません。適度に乾かし、あげるときはたっぷりとを心がけてください。
失敗しない栽培法!タマネギの育て方6.病気と害虫
タマネギに多い害虫
タマネギは土の中で多くなる作物ですので、ネキリムシやコガネムシの幼虫などの被害が多いです。土作りや肥料のところでもご紹介しましたが、地中の害虫用の農薬をまいてこれらの虫を防いでください。
タマネギで気をつける病気
ジマンダイセン水和剤250g(マンゼブ水和剤)
タマネギの病気といえばベト病に気をつけてください。これは春先になると発生しやすく、はじめは葉の色が変わってきてくびれ、最後にはそこから枯れてきます。かからないためにはマンゼブなどの保護剤を散布します。使用する量はパッケージをよく読み、適切な量散布してください。
玉ねぎ植え付けのコツ
害虫も病気も冬から暖かくなってくるにつれ発生してきます。水や肥料のあげすぎもこのような病気・害虫被害にあう弱い株にしてしまう原因ともなります。肥料は暖かくなったらあげない、土を常時湿った状態に水やりしないなど気をつけつつ、保護剤や害虫予防剤などをしっかり散布して対策しましょう。
失敗しない栽培法!タマネギの育て方7.収穫
タマネギ収穫時期
秋に植え付けたタマネギ。収穫できる時期はというとこれも品種や栽培する地域によって差が出てくるのですが、暑さに弱く夏になると溶けてしまう野菜ですから暑くなる前5-6月頃には収穫してしまうのが一般的な時期となっています。
収穫のしかた
タマネギの収穫は茎の様子を見ておこないます。植え付けたもののおよそ80%ほどが茎が倒れていたら収穫に適した時期。ひとつずつ引き抜いて新聞紙などの上に並べ乾燥させてください。
玉ねぎ植え付けのコツ
5-6月頃といえば早いところではもう梅雨に入ってしまうところもあるでしょうが、タマネギは収穫して乾燥させ保存するためにできるだけ収穫から保存までは雨の振らない快晴が続くときを見計らうのがコツ。収穫前数日は晴れていること、また収穫後も3日ほど晴れている日を天気予報を参考に選んでください。
プランターで家庭菜園!タマネギの育て方1.準備
プランター栽培で用意するもの
畑での栽培とベランダ菜園や畑のスペースがとれない庭での家庭菜園は少し用意するものなどに違いがあります。タマネギのプランター栽培で準備するのは野菜栽培用のプランター。ある程度の深さがある60センチのものが使いやすくおすすめ。その他ジョウロ・培養土・肥料(畑と同じものでOK)・球根も準備してください。
深型の植木鉢でも栽培可能
プランターは60センチの野菜用をおすすめしましたが、植え付ける球根の数によっては深めの植木鉢でも代用可能です。背が高くなり、地中でできる作物ですので浅い鉢は使えません。大きく成長させようと思うなら最低でも株間は12センチ以上とれるようなものを用意してください。
玉ねぎ植え付けのコツ
プランターであれば2列・3列にして植えることも可能です。12-15センチの株間をとって植え付けてください。土は市販の培養土が簡単ですが、土を持っている人は腐葉土や赤玉土を混ぜ合わせて自分で作ることも可能です。次ではその土作りのやり方を紹介しましょう。
プランターで家庭菜園!タマネギの育て方2.土
タマネギの土づくり
土作りの割合的には赤玉土(小玉)を7に対して腐葉土を3の割合で混ぜて、そこに元肥の化成肥料や堆肥・害虫駆除用の農薬などを混ぜて用土を作っておきます。
玉ねぎ植え付けのコツ
東商 たまねぎ葉もの野菜肥料 2kg【土】
マンションやアパートなど庭がないお宅では土を持っていない人は袋詰になって肥料も入った野菜用の土を買うのがおすすめ。前待って合わせておくことも必要なくすぐに植え付けできます。
プランターで家庭菜園!タマネギの育て方3.子球
プランターなら年内収穫できる子球が人気
畑での栽培は秋に植えてよく春あたりに収穫が一般的ですが、子球というタマネギ球根を使うと年内に食べられる作物を収穫することも可能です。たくさん作るわけではないベランダ菜園ではこのような手軽にできるものを使うことをおすすめします。
玉ねぎ植え付けのコツ
ホームたまねぎ球根 300g
子球とは小さなタマネギの赤ちゃん。苗とは違ってすでに少し大きくなっているものを植え付けて年内には小ぶりなタマネギを手軽に味わうことができます。翌年の春まで放置すれば大きなタマネギにすることもできるので、お好みによって収穫時期が選べるのも良いですね。
家庭菜園でのタマネギの育て方の疑問解決1.種まき
タマネギは種まきから育てられるか
野菜はほとんど1年草ですので種が存在します。タマネギもそんな中のひとつ。市販の種を利用して種まきから栽培することも十分可能です。種まきのメリットは1個あたりのコスパが安い・植物栽培の楽しさが味わえる。デメリットは苗等から育てるよりも時間と手間がかかるといったことがあげられるでしょう。
種まきからのタマネギ栽培の違い
苗で買うタマネギも種からプロの方が育てられたもの。栽培方法に変わりはありませんが、タマネギ苗としてより優秀で病気の心配のないものが厳選して売られているということでその後の育てやすさや収穫の確かさが変わってきます。
初心者向けなのは種まきか球根か
種まきから育てる場合、苗からスタートの前段階から自分で栽培するという手間と時間・場所が必要となります。種まきから間引きをし、肥料を与えて苗の状態まで育てる。そんな手間が楽しいと感じる方は種まきからの栽培をおすすめ。手軽に栽培して収穫や食べるのを楽しみたいという方は種まきは飛ばして、苗や子球からの栽培が向いているでしょう。
家庭菜園でのタマネギの育て方の疑問解決2.貯蔵
タマネギの貯蔵方法のコツ
収穫したタマネギはいっぺんに全部食べきれるものではないでしょう。ご近所や実家におすそ分けするのも良いですが、上手に保存して長く味わうことも。収穫後の貯蔵方法を見てみます。
タマネギ貯蔵法1.収穫直後の乾燥
晴れた日に収穫したらすぐに、雨が当たらないような風通しのよい場所に新聞紙を広げその上で3日ほど自然乾燥させてください。
タマネギ貯蔵法2.吊るし
葉付きのまま収穫したタマネギの葉をしばって、風通しのよい軒先などにそのまま吊るして乾燥させます。結び目はきつく縛りすぎず、落ちない程度。雨がふっても軒下なので雨に直接当たることがなければ構いません。
タマネギ貯蔵法3.葉もカットしてかごに
吊るす場所がない場合は葉も切り取ってコンパクトにしてかごなど風が通る貯蔵箱に入れて長期保存する方法もあります。普段貯蔵箱は風通しがよく直接雨が当たらない場所に置くのがおすすめ。
タマネギの種類と特徴
人気のタマネギ品種1.泉州黄
非常に丈夫な種類のタマネギで収穫時期は中早生といわれる時期。収穫後の貯蔵性も高くて吊るしておけば10月ころまで家庭でも簡単に保存することができます。
人気のタマネギ品種2.ネオアース
こちらは中晩生種と呼ばれる収穫時期のタマネギ。ころんとした丸い形をしていてずっしりとした玉じまりが抜群の食べごたえのある品種です。
人気のタマネギ品種3.湘南レッド
生でも辛味が少なく甘み・水分量とも優れているのでサラダによく使われるのが湘南レッドといわれる紫タマネギの品種。こちらは中晩生種と呼ばれる収穫時期の種類です。上記2つと比べると生食用で水分が多いので貯蔵性に欠けるので収穫したら早めに食べきってしまうようにしましょう。
まとめ
甘くて美味しい玉ねぎの育て方は簡単!
タマネギの家庭菜園での育て方。畑からプランターなどに植える場合や種まきのやり方。おすすめ品種や収穫後に長持ちさせるための保存方法なども交えて解説してきましたがいかがでしたか?病気に強い品種を選び、しっかりと健康な苗を使えばそれを植えるだけで追肥も2-3回と与えるだけで温暖地では春先から初夏には自分で育てたタマネギを収穫して味わうことができます。少数ならプランターや植木鉢でも栽培できる野菜ですから、ベランダ菜園もぜひお試しください。
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