プチトマトの育て方
プチトマトは栽培しやすい
プチトマトは育てやすい野菜で、初心者でも失敗なく栽培できます。夏の高温や乾燥した気候を好んで元気に成長してくれますよ。また収穫もたくさんできるのでサラダや料理に使えます、お弁当の彩りにも使えるのでいつでも収穫できるプチトマトがあると便利ですね。種から育てることもできますが、初心者は成長しやすい苗からの栽培がおすすめです。
プランターでも栽培できる
プチトマトはプランターでも十分育てることができます、ベランダ家庭菜園でもかわいい実をつけてくれるので楽しく育てることができますよ。ベランダでは日当たりが不足しがちなのでプランターを置く位置には注意してください。
ミニトマトとプチトマトの違い
小さいトマトをミニトマトと呼んでもプチトマトと呼んでもどちらも間違ってはいません。ミニトマトとは最初から小さいトマトの呼びかたでしたが、タキイ種苗が「プチトマト」という商品名で小さいトマトを販売していました。これが今では混ざってしまって小さいトマトをミニトマトやプチトマトと呼んでいますので、ミニトマトとプチトマトのどちらで呼んでも間違いではないですよ。
プチトマトの特徴
プチトマトはアンデス産
パスタやピザなどのイタリア料理のイメージが強いトマトですが、実は中南米原産です。大航海時代に中南米からヨーロッパに持ち込まれて今日まで親しまれていますね。原産地の中南米は標高が高く乾燥していて日光が強い気候です、トマトも故郷である中南米の気候を好みます。日本の暑い夏でも元気に育ってくれるのはこのためですね。
意外と根が深くなる
プチトマトは根っこが主根と側根からなる植物です。太くて長い主根が真下に伸びて、主根から側根が伸びるようになっています。この主根が地中深くまで伸びるので、プランターが浅すぎたりすると成長できずに失敗してしまうことがあります。また家庭菜園でも植え付けのまえに深く耕してやらないとうまく根づかないことがあります。根っこは植物の大事な役割を担っています、地上からは見えませんが地中の根っこにも注意して栽培しましょう。
主根のある植物の特徴
トマトのように主根のある植物は双子葉類といいます。双子葉類の特徴は主根がある、子葉が2枚、葉の葉脈が網目になるという特徴があります。植物にはもう一つ種類があって単子葉類といいます、特徴はひげ根がある、子葉が1枚、葉の葉脈が並行になるというものです。葉をみればどんな根っこか大体わかるので土づくりで耕す場合の参考にしてみてくださいね。
プチトマトの栽培時期
栽培時期は初夏から夏
夏野菜の代表でもあるプチトマトは栽培時期が初夏から夏です。地方により時期は変わりますが、種まきは3月ごろ植え付けは4月ごろから始まります。収穫は6月ごろから長く楽しむことができますよ、上手くいけば9月まで収穫することができます。夏の暑い時期に強いので水やりと肥料に気を付けて育てます、ほおっておいても実をつける強い野菜ですよ。
収穫できるのはいつまで?
トマトは夏の終わりまで育てられる野菜です。ですが秋に入り朝晩が寒くなってくるとだんだん元気がなくなってしまいます。実を付けなくなってきたり株の葉が枯れてきたら、育てるのは終わりのサインです。次の野菜に備えて畑を片付けましょう。
注意するべき梅雨の時期
長い雨が続く梅雨の時期はプチトマトにとってうれしくない時期です、プチトマトは乾燥と日光が大好きなので生育によくありません。また収穫前の実が雨が降ることで割れてしまうことがあります(裂実)。出始めの苗を植え付けるとちょうど梅雨の時期に最初の収穫のタイミングが来るので、雨対策をしっかりしておきましょう。
プチトマトのおすすめ品種
千果
千果はもっともポピュラーなプチトマトの品種です、市場のほとんどはこの千果です。丸い形で数が多く育てられるのが特徴ですね。初めてのプチトマト栽培におすすめです。
アイコ
アイコは丸より少し縦に長い形をしています。果肉がしっかりしていて甘いのが特徴です。アイコもたくさん育てられるので初心者でも失敗なく育てることができますよ。
スイートドロップ
スイートドロップは糖度の高いプチトマトです。果物のように甘い実を育てることができます。実の甘さは水分量にも関係するので、上手に育てるには水やりを気を付けて管理しないといけません。
プチトマトの苗の選び方
ホームセンターや園芸店で苗を買う場合は元気な苗を選びましょう。もちろん元気な苗の方が後の生育がよくなります。見た目で元気そうな苗でもいいんですが、いくつか見るポイントをご紹介しますね。
花やつぼみが付いている
花やつぼみがついている苗は元気な証拠です。プチトマトは肥料を与えすぎると茎ばかり伸びて実をつけないことがあります、これをつるぼけといいます。花が付いている苗ならつるぼけの心配はなく、植えつけてから少しすれば収穫することができますよ。
プチトマトは同じ方向へ実を付ける
プチトマトは同じ方向へ実を付ける特徴があります。すでに花が付いている苗を買って、花の向きを家庭菜園の収穫しやすい方向へ向けて植えつけましょう。こうすることでプチトマトの実を付ける向きをコントロールできます。いくつか苗を買った場合でも、花の向きをおなじ方向へ向けておくと収穫が楽にできますよ。
双葉が残っている
プチトマトの種から最初に発芽する双葉がしっかり残っている苗は元気な苗です。苗の根元をよくみて双葉が残っているが見てみてください、双葉はギザギザした本葉とはちがい丸い形なのですぐにわかりますよ。双葉が枯れずにきれいな緑で残っている苗がおすすめです。
接ぎ木してある苗
苗が病気などに強くなりよく育つように接ぎ木する方法があります。接ぎ木とは別々の野菜の苗を接ぎ木していいとこどりで栽培しようとする方法です。接ぎ木済みの苗をよく見ると下の方が違う茎だったりしますね。接ぎ木苗は病気や虫に強いのでおすすめですよ、ただし接ぎ木してあるからと言って万能ではないので注意してください。
プチトマトの育て方①土づくり
土作りの重要性
野菜づくりは土作りと言う方もいるように、土作りは非常に大事です。土を耕すことで根張りをよくして水や空気の循環がしやすいようにします。また肥料を施して栄養たっぷりの土にして野菜が吸収しやすいようにします。野菜を植え付ける前に土をいい状態にするのが土作りです。
プチトマトの土作り
プチトマトは主根が長く伸びます、そこで土作りでは30cmほど深く耕してやります。クワの幅ぐらいの溝を30cmほどの深さで掘り、堆肥と石灰を均等にまきます。堆肥と土を混ぜながら戻して完了です。土作りは植え付けの1周間前には済ませて、土をなじませておきます。
プランターは土作り不要
プランターへ市販の野菜用の土を買ってきて栽培する場合は土作りがいりません。野菜用の土はすでに肥料入りでバランスが整えてあるのでそのまま使うことができます。ですので1週間まえに土作りする必要なく、植え付けの時に一緒に土を買ってきてすぐに使えば大丈夫ですよ。
プチトマトの育て方②種まき
種まきの時期、植え方
プチトマトの種まきは3月から4月に行います、植え方はポリポットへ種まき用土を入れ4個種を植え付けます。4個の種は成長にしたがって間引きをしながら最終的には1本にします。苗から栽培するのがポピュラーなプチトマトも種から作ると面白く、珍しい品種を栽培することもできます。
種まきした時期の管理
プチトマトの種まきをする3月から4月は日本ではまだ寒さの残る時期です。プチトマトは暑さと乾燥が好きなので、うまく発芽しなかったり成長が悪くなることがあります。種まきしてすぐは室内に入れたり、簡易ビニールハウスを作ってなるべく高い温度で管理するようにしましょう。
プチトマトの育て方③苗の植え方
苗の植え方
買ってきた苗や種から育てた苗を植え付けます。植え方は苗の大きさよりすこし大きい穴をほってそこへ植えます。土をかぶせて軽く押さえたら完了です、忘れずに水やりしておきましょう。植え方のコツとしては、プチトマトは同じ向きに実をつけるので花の向きを揃えると収穫が楽にできますよ。
支柱を立てる
苗を植え付けたら支柱を立てておきます、支柱を立てておくことで苗が折れないように支えておけます。プチトマトの茎は折れやすいので成長にしたがってこの支柱で支えるように育てていきます。茎が倒れないように支柱は土へ深く刺して、グラグラしないようにしておきましょう。
麻ひもがおすすめ
プチトマトの茎を支柱に誘引するには麻ひもをつかって結ぶのがおすすめです。結び方は2.3回ねじって支柱と茎を結んでおきます。支柱は変わりませんが茎はどんどん太くなるので、根本の方ほど余裕をもって結んでおきましょう。支柱にはしっかり結び、茎にはやさしく結ぶのを意識します。
プランターでの植え方
家庭菜園でない場合はプランターへ植えますが植え方は同じです。プランターの場合は土の面積が少ないので支柱の立て方は工夫しましょう。支柱は必ず土にさしておく必要はないので、プランターの側面へ固定したり工夫するれば土の面積を広く使えますね。プランターへの植え方は変わりませんが、ベランダでの置き場所には周囲しましょう。エアコンの室外機の前に置いてしまうと、熱風が常に当たることになり枯れてしまいますので、室外機からは話した場所へプランターを設置します。
プチトマトの育て方④栽培中の管理
わき芽かき
プチトマトは1本立てと言って茎を1本伸ばして栽培していきます。1本立てで行きたいところですが、プチトマトはわき芽がどんどん出てくるのでこれを取ってやりましょう、横へ倒すだけで簡単に取れます。わき芽はほおっておくとどんどん伸びて栄養が茎に取られるので、わき芽は早めに取りましょう。
支柱へ誘引
茎が伸びてきたら支柱へ誘引していきます、全体で4から5箇所がいいですね。台風が来る夏の終わりはちょうど収穫の時期にあたります、支柱でしっかり支えて強い風に負けないようにしておきましょう。
水やり
家庭菜園でもプランターでも水やりは必要ですね。ですがトマトは乾燥している方が好きなので水をやりすぎてはいけません。プチトマトの実に水分が多いと甘くなくなってしまいます。そこで水やりは株が乾きすぎてしまわない程度にしておくと甘いトマトが育てられますよ。
プチトマトの育て方⑤肥料のやり方
肥料は分けて与える
植物をうまく成長させるには肥料が必要ですが、一度に全部与えてはいけません。一度に肥料を与えてしまうと植物は吸収しきれず、雨でも流されて効率が悪くなってしまいます。植え付けの時に与える元肥(もとごえ)と成長にしたがって与える追肥(ついひ)に分けて与えましょう。
プチトマトの肥料の与え方
プチトマトの肥料は元肥えと追肥に分けて与えます。まず植え付けの時に元肥えとして堆肥を土に混ぜます。次に追肥ですが2周間に1回のペースで与えて行きましょう。化学肥料や鶏糞を畝(うね)に巻き、土に混ぜてから根本に寄せておきます。
プチトマトの育て方⑥摘心
摘心とは
摘心とは植物の幹を切って伸びないようにすることです。摘心することでそれ以上幹が伸びずに、他のところへ栄養を回すことができます。摘心をして枝葉を増やしてボリュームを出したり、花の数を増やすことができます。実をつける野菜は摘心をすることで実の方へ栄養を回して、より多く収穫できるようにします。
プチトマトの摘心のタイミング
プチトマトも摘心をすることで茎が伸びすぎず、実をたくさん収穫することが出来るようになりますよ。プチトマトは成長するとどんどん茎が伸びていってしまうので、茎の長さが160cmから200cmぐらいで摘心します、手が届く範囲のうちに摘心すると覚えておきましょう。
プランター栽培での摘心
プランター栽培の場合は家庭菜園と違って周りの環境が狭いことがあります。プチトマトは茎を長く栽培すればより実を収穫できますが、ベランダなどでは大きくできないこともありますね。摘心は大きさを管理出来る範囲にとどめつつ、実をたくさん収穫するためにしますが、プランターの場合は周りの環境に合わせたタイミングで摘心するようにしてくださいね。
プチトマトの育て方⑦収穫
受粉のやり方
プチトマトの花が咲いたら受粉させてやります、もちろん受粉しないと実がつきませんね。受粉は虫や風によって自然とすることもありますが、手を加えて受粉を手助けしてやりましょう。花を揺らしたりやわらかい筆を使って受粉させてやります。
トマトトーンの使い方
トマトやプチトマトを受粉させるのにトマトトーンという薬品があります、トマトの花へスプレーして実を大きくしたりたくさん収穫したりできます。農薬ではありませんが薬品なので使い方には注意して使いましょう。トマトトーンはきちんと使えば効果が期待できます、関連記事をチェックしてみましょう。
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第一果の収穫
プチトマトの最初の花を第一花房といいます、この第一花房の成長が非常に大事です。第一花房がうまく実に成長しないとその後の実が付きにくく枝葉ばかり大きくなってしまいます、ですので第一花房は確実に受粉させて実へと成長させましょう。また第一花房の実を第一果といいます、この第一果はまだ青いうちの早めにとってしまいます。こうすることで後の実が付きやすくなります。
プチトマトの収穫
プチトマトは実が赤くなったらどんどん収穫していきましょう。株の下の方から順番に実を付けていきます、夏場は毎日でも収穫できますよ。家庭菜園などで栽培している場合は雨によって実がわれてしまうことがあるので、赤くなったら早めの収穫がおすすめです。収穫が始まっても肥料は2週間に1回のペースで続けていきます。
裂果を防ぐには?
実がわれてしまうことを裂果と言います、トマトの場合収穫時期の実に水分が大量に入ると裂果しやすくなります。せっかく育てたトマトが最後に割れてしまったら残念です、特に梅雨時期は対策をしておきましょう。雨が当たらないようにビニールで屋根を付けたり、水やりの量を調整して裂果を防ぎます。
プチトマトの育て方⑧栽培後の片付け
家庭菜園の片付け
プチトマトの栽培が終わったら誘引しているひもを外して支柱を抜きます、支柱は何回でも再使用できますので他の野菜で使いましょう。プチトマトの葉や茎は短く切ります、燃えるごみにだしてもいいですができれば堆肥にしてしまいたいですね。土には根が残っているのできれいに取り除いて、次の野菜の栽培に備えましょう。
プランターの片付け
プランターの場合は基本的に同じ片付けをしますが、残った土が困りますね。プランターで家庭菜園のように土づくりをすると連作障害が生じたり害虫が発生したりして難しいです。プランターの土を家庭菜園でやるように堆肥をまぜておいて土づくりをすることもできますが、これにはコツとスペースが必要になります。初心者の方に一番簡単なのは栽培の終わった土はきちんと捨てて、次の栽培の時に新しい土を買ってくることです。
大玉トマトの育て方
育て方はプチトマトと同じ
大玉トマトの育て方も基本はプチトマトと同じです、苗の植え方や支柱の立て方、肥料のやり方や収穫の仕方は同じで栽培できますよ。家庭菜園では問題ないですがプランターの場合、大玉トマトのほうが株が大きく茎や葉も大きいのでスペースが狭い所では栽培しにくいです。ベランダ栽培するときはプチトマトの方が向いていますね。
まとめ
プチトマトの育て方についてご紹介しました。プチトマトは簡単に育てられる野菜なので初心者には失敗が少なく、ベテランの方にはよりおいしいプチトマトを育てることができますね。家庭菜園でもプランターでも同じ植え方でできるので、幅広く育てられます。プチトマトは栄養も豊富で健康にいいですし、料理のいろどりとしてもすぐに使えると便利ですよ。ぜひプチトマトの栽培に挑戦してみましょう。
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