はじめに
もやしと言うと、スーパーで安価に購入でき、料理のかさましに使うイメージがある方が多いのではないでしょうか?実はもやしは栄養価が高く、積極的に食事に取り入れたい野菜の1つです。
安価に購入できますが、育て方は簡単で、自家栽培するとさらにお得になりますし、様々な種類のもやしを作ることができます。今回はもやしの自家栽培での作り方や注意点などをご紹介します。キッチンの片隅でも簡単に育てられますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
もやしとは
もやしは野菜の新芽のこと
もやしの語源は「萌やす」からきています。芽を出させるという意味で、穀類や豆類の種子に光を当てない育て方で発芽させたものです。一般的には大豆や緑豆などを発芽させたものが多いですが、それ以外にも様々な種類のもやしがあります。
スプラウトとの違い
同じような野菜でスプラウトと呼ばれるものがあります。一般的にはカイワレ大根と呼ばれる姿の発芽野菜のイメージがありますが、実はもやしもスプラウトに含まれています。スプラウトは英語で発芽野菜の全般を指し、もやしのことをビーンズスプラウトとも呼んでいます。
もやしの栄養素
ひょろひょろした姿から、栄養がない野菜と勘違いされがちですが、実は栄養が満点の野菜です。まず、各ビタミン類やカルシウム、カリウムなどがバランスよく含まれています。そして、アスパラギン酸というアミノ酸を含んでいます。
アスパラギン酸は疲労回復を高めたり、ガンや動脈硬化を予防する効果もあると言われています。1年を通して安く購入できるため、ぜひ積極的に取り入れたいですね。
もやしの品種
豆の種類によって違う
もやしは、発芽させる豆の種類によって品種が分けられます。それぞれ芽の生え方が異なり、見た目、味、香りも少しずつ異なってきます。作り方は一緒ですので、色々なもやしを育ててみて、様々な料理に活用するのも楽しいですね。
グリーンマッペ
緑豆もやしとも呼ばれ、スーパーで見かけるもやしのほとんどが、このグリーンマッペです。炒め物からスープまでどんな方法で食べても美味しく食べられる万能種です。
大豆もやし
芽はやや太めの生え方をし、シャキシャキとした食感が特徴です。この食感を活かして中華料理や韓国料理では炒め物に使われます。ボリュームがあるので食べ応えもあります。
ブラックマッペ
黒豆もやしとも呼ばれ、主に関西地方で食されています。細くてヒョロッとした生え方をし、甘みが強いのが特徴です。焼きそばやお好み焼きとの相性が抜群です。
小豆もやし
小豆を発芽させたもやしです。豆が小さいため、芽の生え方もやや異なり、他の種類と比べると細くてまっすぐとした生え方をしています。シャキシャキとした食感が強く、小豆の香りがするのが特徴的です。
落花生もやし
その名前の通り落花生の種子を発芽させたもやしです。他のもやしと比べて、力強い芽の生え方が特徴的です。もやしと言えど、ほんのりと落花生の味と香りがし、他のもやしと少し違う味わいです。
もやしの自家栽培
手軽に栽培できる
家庭菜園と聞くと、畑やベランダなどで場所を用意し、様々な資材を揃えないといけないイメージの方が多いと思います。しかし、もやしの自家栽培は大掛かりなものは必要なく、育てる場所もキッチンの片隅で良いため、誰でも簡単に栽培を始めることができます。
育て方も簡単なので、まずは何か野菜を自分で育ててみたいという方におすすめです。
栽培期間が短い
もやしの自家栽培は、栽培期間が短く、1週間から10日程度です。栽培期間が長い野菜は、栽培中に病害虫の被害にあったり、天候の影響で失敗してしまうこともあります。
しかし、もやしの自家栽培は期間が短いため、失敗するリスクも少なく、初心者の方におすすめです。万が一失敗しても、季節に関係なく栽培できますし、何度でも挑戦しやすいのが良いですね。
常に新鮮なもやしが手に入る
スーパーで購入するもやしは、安価で手軽に購入できる反面、傷むのが早く、すぐに使い切ってしまわないといけません。その点、自家栽培のもやしは、必要な時にサッと使えるので鮮度は抜群です。育て方自体は簡単なので、少しずつ時期をずらすと、常に新鮮なもやしを食べることができます。
もやしの栽培方法①:準備するもの
もやしの種子
もやしを育てるためには、もやし専用の種子を準備することをおすすめします。スーパーで販売されている乾物の大豆などでも発芽しますが、うまく成長しないこともあるため、あまりおすすめできません。
また、一般的な大豆としての栽培用種子は、種子を消毒したり農薬を使用したりしている恐れがあるため、絶対に使用しないでください。
口の広いビン
なるべく口が広くてそれほど深くないビンを準備しましょう。購入しても良いですが、ジャムや漬物などのビンを再利用しても大丈夫です。あまり深さがあると、ビンの底の方にあるもやしが、下敷きになってが弱りやすくなるため、注意しましょう。煮沸消毒をするか、市販のアルコールスプレーで殺菌して準備しておきましょう。
ガーゼと輪ゴム
ガーゼはビンを蓋するために使用します。ガーゼでなくても、不織布の台所用水切りネットでも代用できます。輪ゴムはガーゼをビンの口に留めるために使用しますが、雑菌の混入を防ぐために新しいものを準備するようにしましょう。
栽培用の暗所の作り方
もやしは、暗い場所で成長することでヒョロヒョロとした芽の生え方になります。そのため、暗闇でビンを管理する必要があります。暗闇の作り方の一番簡単な方法は、ビンを段ボールに入れて管理する方法と、ビンをアルミホイルで覆う方法です。
おそらくどちらも各家庭にあるものですので、わざわざ用意しなくても大丈夫なのではないでしょうか。冬など寒い時期の場合は、上から毛布やタオルをかけて保温すると効果的です。
もやしの栽培方法②:種の洗浄と吸水
種の洗浄
まずは、キッチン用のザルに使用する種子を入れ、水で洗浄します。種子の表面に着いたゴミなどを取り除くのが目的ですが、絶対に手で触らないようにしましょう。雑菌が入りカビの原因となる可能性があります。数回水を取り替えて洗浄し、水が濁らなくなったら大丈夫です。
種に吸水させる
洗浄したビンに種子を入れ、種子の倍程度の水をいれて吸水させましょう。販売されている種子は休眠しているため、吸水させることで休眠から目を覚まして発芽のスイッチが入ります。8~12時間程度、水に浸けておきますが、これ以上長くなると水や種子が腐ってしまう恐れがあるため、必ず期間を守りましょう。
ガーゼで蓋をする
ビンに種と吸水用の水を入れたら、ビンの口をガーゼで覆い蓋をしましょう。ビンの口を輪ゴムで止め、ガーゼがめくれないようにします。これによって、ごみの混入を防ぎます。このガーゼは、基本的にはもやしが成長しきるまで外しません。雑菌が入らないようになるべく素手では触らないようにしましょう。
暗所に置いて管理する
ビンに蓋ができたら、暗所に置いて管理しましょう。水替えなどの管理作業時以外は常に暗所に置いておきます。段ボールに入れて管理をするか、ビンを丸ごとアルミホイルで覆って暗くしてあげましょう。どちらの方法の育て方でも、成長に違いはありませんので、ご自宅の環境で育てやすい方法を選んでみて下さい。
もやしの栽培方法③:毎日の管理
1日3回水洗いする
一晩吸水させたら、水を捨てて、新しい水を入れて洗浄します。
水がきれいになるまで数回繰り返します。この際、ガーゼは外さないでそのまま洗います。ビンの下の方にある種子がずっと下敷きになったままでは、成長が悪くなったり、傷んでしまうので、強めにゆすって上下が入れ替わるようにしましょう。この作業は1日3回を目安に、収穫まで毎日続けます。
発芽した殻を取り除く
種を水に浸し始めてから、約2日ほどで発芽してきます。
3日目くらいになると、さらに成長して種の殻が外れてきます。そのままにしておいても良いのですが、夏場など高温になる時期は、腐る原因となってしまいます水洗いする際に水面に浮く殻を爪楊枝などで取り除きましょう。蓋のガーゼを取る際は、手で触れるのを最低限にし、作業中は清潔な場所に置くようにしましょう。
もやしの栽培方法④:収穫
収穫までの期間
収穫までの期間は、5~7日程度です。室温や、種類によって成長スピードは変わってきます。早目に収穫すると、ボリュームは少ないですが、栄養価がより高い状態で食べることができます。
スーパーで見かけるサイズまで成長すると、シャキシャキ感を楽しむことができます。栽培する期間によって芽の生え方が違うので、食感などの違いを楽しむのもいいですね。
収穫の仕方
収穫をする際は、まず、ビンの中のもやしをボウルなどにあけましょう。流水でよく洗い、残っている殻を取り出しましょう。洗い終わったら水をよく切って完了です。新鮮なもやしはシャキシャキ感が強いので、早目に食べるのがおすすめです。
収穫後のもやし
収穫直後のもやしは、シャキシャキとした食感が非常に強いです。スーパーで購入するものとは違う食感は、栽培した人にだけ味わえる特権です。この食感を活かすためにも。火を通しすぎないように注意しましょう。
どうしてもすぐに食べられない場合は、しっかりと水けを切って、タッパーなどの密閉容器にに入れ、冷蔵庫で保管します。傷むのが早いため、なるべく早めに料理しましょう。
もやしの自家栽培での注意点
注意点①:種子の種類
1つ目の注意点として、種子の種類には注意しましょう。もやし専用に販売されているものであれば問題ありません。
しかし、一般的な栽培用の大豆や落花生などの種子の場合、種子の消毒に薬品を使用していることが多く、種子の殻の混入の可能性があるもやしの栽培には向きません。必ず、もやし栽培専用の種子を準備するようにしましょう。
注意点②:雑菌の混入
2つ目の注意点は、雑菌の混入です。ビンの中は湿度の高い環境のため、雑菌が混入すると、あっという間に増殖してしまいます。そのため、準備するものは清潔なものを用意しましょう。再利用する場合はアルコールや煮沸によってしっかりと消毒をしましょう。
また、各作業をするときも、清潔な環境を用意し、不用意に素手で触れたりしないようにしましょう。
まとめ
以上、もやしの自家栽培での育て方をご紹介しました。もやしの自家栽培のポイントは清潔さを保つことです。準備するものは清潔なものを用意し、各作業も注意点をしっかりと守りましょう。
少し手間がかかるかもしれませんが、日に日に成長していく姿を見られるのは楽しいはずです。育て方が簡単です、栽培期間も短く、スペースもそれほど必要ありませんので、ぜひもやしの自家栽培にチャレンジしてみて下さい。
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