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ADV150をPCX150と比較!ATアドベンチャーのスペックを検証!

ホンダのADV150とPCX150を徹底比較し、その違いを明らかにします。アドベンチャーテイスト溢れるADV150か?それとも街乗り仕様のPCX150か?スペックを比較するのもありですが、最終的にはデザインや機能を重視して選択するのが正攻法かもです。
2020年8月27日
hosokawa_taka
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ADV150とPCX150を比較:はじめに

2019年12月20日に新発売されたホンダのADV150。ADV150のアドベンチャーテイスト溢れるデザインに注目しているツーリングライダーは多いことでしょう。ADV150は軽量でコンパクトな150ccスクーターとして人気が定着しているPCX150をベースに開発されました。ですので、ここではADV150とPCX150のスペックを比較し、その違いを明らかにしていきます。

アドベンチャー=オフロードではない!

アドベンチャーツアラーはオフロードバイクではなく、基本的にはオンロードモデルです。日本国内でのツーリングを物差しにアドベンチャーツアラーの走破性を考えるなら、荒れたアスファルトやフラットダートでの適応性が高いモデルだと捉えましょう。そう考えるとアドベンチャーツアラーは日本国内で最強のツーリングマシン!アクセルワイドオープンでガレ場を駆け上がりたいなら、オフロードバイクを選択する方が楽しいですね。

輸入バイクの需要!ADV125は登場するか?

ビッグスクーターブームが去ったころを境に、バイク開発の中心はアセアン諸国へと移りました。日本国内での販売を意識するよりも、需要が増えたアセアン諸国を中心にバイクを開発し、傘下の現地法人から輸入する方がバイクメーカーの利益が多くなるからです。当初は輸入バイクに半信半疑だったバイクファンが多かったものの、輸入バイクの品質が次第に認められるようになり、日本の国内市場でも受け入れられるようになりました。

ADV125は国内市場に登場するか?

ADV150のベースがPCX150なら、PCX(125)のエンジンを搭載したADV125が日本市場に登場するかも!そう思いたいところですが、可能性は50:50です。ADV125が日本市場で登場すれば売れるかもですが、アセアン諸国での需要は150ccが中心。他の125ccスクーターとの価格競争力を考えると、ADV125の登場を予想するのは難しいですね。

ADV150とPCX150を比較:サイズ確認

出典: https://www.goobike.com/catalog/detail/photo/1011031_00_2020_02.jpg

ホンダ ADV150

では本題!ホンダのADV150とPCX150を徹底比較します。

ADV150とPCX150を比較すると、車体サイズはADV150がわずかに大柄です。全長で35mm、全幅で15mm、全高で45mm、ADV150が大きくなっています。しかし、ADV150の車体サイズを250ccクラスを含む軽二輪スクーターの平均値と比較するとコンパクトです。また、ADV150の車体サイズは他の150ccスクーターのみの平均値と比較しても下回ります。

ADV150とPCX150の車体サイズの違い

出典: https://www.goobike.com/catalog/detail/photo/1010843_00_2018_04.jpg

ホンダ PCX150

【ADV150とPCX150を比較:車体サイズ】

  ADV150 PCX150
全長 1960mm 1925mm
全幅 760mm 745mm
全高 1150mm 1105

※2019年12月27日現在のスペック

ADV150とPCX150を比較:サイズ考察

ホンダのADV150はPCX150より少し大きくなっただけにすぎず、絶対値はコンパクトであることに変わりありません。また、全幅は体感できるほど大きくなっていないのに、全長や全高は大きくなっていますよね。これは、ADV150はPCX150よりサスペンションのストローク長が長いためです。


車体サイズはコンパクトなほうがいい?

150ccスクーターはコンパクトなほうがいい?答えは体格や150ccスクーターの使い方によりけりです。通勤や通学などの街乗りではコンパクトな車体サイズが快適ですが、ツーリングがメインなら少し大きいほうが快適だといえます。車体サイズを見る限りでは、ADV150はややツーリング寄り、PCX150はやや街乗り寄りだといっていいですね。

ADV150とPCX150を比較:エンジン確認

ホンダのADV150とPCX150をエンジンスペックで比較すると、エンジン型式は違うものの、ピークパワー時の性能的な違いは見受けられませんでした。最高出力や最大トルクを発生させるエンジン回転数での最高速度に違いがあるのは、外径で約11.4mm小さいADV150のリヤタイヤが原因。減速比や変速比の表記方法がADV150(フィリピンホンダ公表)とPCX150(日本ホンダ公表)で違うものの、数値的にはほとんど同じです。

ADV150とPCX150のエンジンの違い

【ADV150とPCX150を比較:エンジン】

  ADV150 PCX150
エンジン型式 KF38E KF30E
最高出力
kW(PS)/rpm
11(15)
/8500
11(15)
/8500
最高出力発生時の
最高速度 km/h
102.8 105.1
最大トルク
N・m(Kgf・m)/rpm
14(1.4)
/6500
14(1.4)
/6500
最大トルク発生時の
最高速度
78.6 80.4

※最高速度はスペックシートの数値をもとにした理論上の速度
※ADV150の減速比や変速比はフィリピンホンダが公表するオーナーズマニュアルを参照
※2019年12月27日現在のスペック

ADV150とPCX150を比較:エンジン考察

ADV150とPCX150でエンジン型式に違いがあるのは、吸気系の仕様に若干の違いがあるためです。ADV150はエアクリーナーダクトとコネクティングチューブが変更され、低中回転域でのトルクが高められています。アセアン諸国では日常的に未舗装路を走行するシーンがあるため、ADV150はスリッピーな路面でも扱いやすいエンジン特性になっているのです。日本でもツーリング先で荒れた路面を走るシーンがあるので、歓迎すべき違いだといえます。

ADV150とPCX150の吸気系の違い

【ADV150とPCX150を比較:エンジン】

    ADV150 PCX150
エアクリーナーダクト 長さ mm 324 322
コネクティング
チューブ
口径mm Φ23 Φ28
長さ mm 156 135

※2019年12月27日現在

ADV150とPCX150を比較:足回り確認

ホンダのADV150とPCX150の足回りを比較すると、懸架方式はどちらもオーソドックスなのですが、ADV150はリザーバータンク付きのリヤサスペンションになっており、ストローク長は荒れた路面を走行することを想定したアドベンチャー仕様です。リザーバータンク付きのサスペンションは荒れた路面をハードに攻めても減衰力が低下しにくいのが特徴。荒れた路面でも走行安定性が得られるよう、リヤホイール径は小さくなっています。アドベンチャースクーターに相応しい足回りだといっていいですね。

ADV150とPCX150の足回りの違い

【ADV150とPCX150を比較:足回り】

  ADV150 PCX150
フロ
ント
懸架方式 正立フォーク 正立フォーク
ストローク 130mm 100mm
タイヤサイズ 110/80-14 100/80-14
リヤ 懸架方式 リザーバ―タンク付き
ツインショック
ツインショック
ストローク 120mm 100mm
タイヤサイズ 130/70-13 120/70-14

※2019年12月27日現在

ADV150とPCX150を比較:足回り考察


ホンダのADV150とPCX150では想定された走行シーンに違いがあるといえます。ADV150は荒れた路面を想定したアドベンチャー仕様である反面、PCX150は整備されたアスファルトを想定した街乗り仕様。ハンドリングはADV150もPCX150も従順だと評価されていますが、どちらもプリロード調整ができないのが残念です。

ADV150のサスペンションは国内ツーリングに見合った仕様か?

ADV150のサスペンションは日本国内でのツーリングに見合ったスペックか?日本国内のツーリングを想定するなら、リザーバータンク付きよりもプリロード調整機構付きのほうがメリットは大きいですね。150ccスクーターで荒れた路面をハードに攻めるシーンは少ないので、キャンプツーリングやタンデムツーリングで積載量が増えても前後サスペンションのバランスを取れるプリロード調整機構付きにしてほしかったところです。

ADV150とPCX150を比較:オプション

ホンダのADV150とPCX150のメーカーオプションを比較すると、ラインアップはどちらも少ないですね。ADV150にはリヤキャリア、PCX150にはボディマウントシールドのみラインアップされています。ADV150のウインドスクリーンはワンタッチで高さ調節できる仕組みになっているなど、装備は非常に豪華。ですので、純正オプションのリヤキャリアを追加すれば十分だといえます。

リヤキャリアは絶品オプション!

ADV150のメーカーオプションであるリヤキャリアはぜひとも追加したいですね。PCX150のリヤキャリアと比較すると許容積載重量が高く、キャンプツーリングやタンデムツーリングで便利に使えるからです。ADV150のメーカーオプションになっているリヤキャリアの許容積載量は8kg!社外品でもなかなかない積載重量です。

余談:純正オプションにマフラーがない!

ADV150やPCX150には、ヤマハのNMAX155のようにメーカー純正オプションマフラーがラインアップされていません。これはADV150やPCX150が社会との融和を目指したモデルであり、静粛性をメリットと捉えてほしいというホンダのメッセージ。メーカー純正オプションはもちろん、社外品のカスタムマフラーの排気音は自己主張が大きくなりますので、カスタムマフラーに換装するPCX150のユーザーは少数派です。

ADV150とPCX150を比較:カスタム

ホンダのADV150とPCX150のスペックを比較して確認できた大きな違いは足回りです。また、ADV150の長いサスペンションストロークはシート高を高くし、体格によっては足つき性の悪さを感じる可能性があります。アセアン諸国では渋滞を縫うようにすり抜け走行するのが基本ですが、日本でのすり抜け走行はマナー違反。しかも、信号待ちでのゴー&ストップが多く、路面に足をつく機会は多いですね。足つき性の改善はカスタムの余地があります。

ADV150とPCX150の違い:街乗り性

【ADV150とPCX150を比較:街乗り】

  ADV150 PCX150
シート高 795mm 764mm
車両重量 134kg 131kg

※2019年12月27日現在

リヤサスペンションのカスタム

ADV150をPCX150並みに街乗りや国内ツーリングで快適な仕様に変更するためには、リヤサスペンションをカスタムパーツに換装するのを視野に入れましょう。ADV150用のカスタムリヤサスペンションは現時点で販売されていませんが、PCX150用のプリロード調整機構付きのカスタムサスペンションでローダウンするカスタムはチャレンジする価値があります。また、アセアン諸国で生産されたカスタムパーツの輸入にも期待したいですね。


ADV150とPCX150を比較:価格

ホンダのADV150とPCX150の価格を比較すると、販売化価格はメーカー希望小売価格に引きずられ、ADV150が約10万円高いですね。ADV150はアドベンチャー感の高いデザインが魅力的ですが、実用性重視ならPCX150に割安感がありますし、中古車も選択肢に入れられます。日本国内のツーリングで快適なADV150を選択するか?それとも街乗りで快適なPCX150を選択するか?これはかなり難しい選択だといえます。

ADV150とPCX150の違い:価格

【ADV150とPCX150を比較:価格】

  ADV150 PCX150
メーカー希望価格 41万円 31.7万円
国内モデル販売価格帯 約35~45万円 約27~40万円
並行輸入販売価格帯 約40~45万円 約42~52万円
中古車販売価格帯 なし 約24~37万円

※2019年12月27日現在

余談:輸入車のメリット

ADV150は国内での正規販売が開始されましたので、並行輸入車を購入する必要性はなくなりました。また、並行輸入車を購入するメリットも少ないですね。国内で正規販売されるADV150はメーカー保証が受けられますし、設計や製造上での不具合を改善するサービスキャンペーンやリコールを受けられますが、並行輸入車はショップの保証しかありません。しかし、PCX150の並行輸入車にあるリヤディスクブレーキ仕様やハイブリッド車は魅力的だといえます。

ADV150とPCX150を比較:まとめ

ホンダのADV150とPCX150のスペックを比較し、日本国内のツーリングでどのような違いがあるかを確認しました。エンジンスペックは同等、荒れた路面に対する適応性はADV150が優秀、実用性ではPCX150が優秀だといえます。ADV150はコンパクトな150ccスクーターをアドベンチャーツアラーに仕上げたツーリング性の高さに魅力がありますが、PCX150の街乗り性の高さも無視できません。価格を考えると、趣味性の高いADV150、実用性の高いPCX150だと捉えて問題ないといえます。

150ccスクーターが気になる人はこちらをチェック!

150ccスクーターの両雄であるホンダのPCX150とヤマハのNMAX155を比較した記事もチェックしてください。紳士的で実用的なPCX150とスポーティでオプション豊富なNMAX155、どちらも軽量でコンパクトな車体サイズや必要にして十分なエンジンスペックが人気です。また、アドベンチャーツアラーやオフロードバイクを比較した記事も要チェックですよ。