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アボカドの最適な栽培方法は?種まきから収穫の時期まで育て方のコツを伝授!

アボカドの実は「森のバター」といわれるほど栄養価が高いとされています。栽培も生育旺盛ですので容易で、きれいな葉は観葉植物としても楽しむことができます。そんなアボカドの栽培方法や果実の収穫時期、育て方などのコツをご紹介してみましょう。
2020年8月27日
Meigen Oka
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アボカドとは!

アボカドは、クスノキ科ワニナシ属で生長すると10m以上にもなる常緑の高木です。原産地は中央アメリカ、メキシコが主です。耐寒性には比較的強い植物ですので、日本国内では関東以西で海岸沿いの無霜地帯では地植えで越冬できます。但し、地植えにすると生長するのが割合に早く、放置すると家の軒先を越えるほどになってしまいます。果実は食用になります。

アボカドの特徴

アボカドの花

アボカドの実は豊富な脂肪分を含んでいることから「森のバター」と形容されるほどです。果物というよりは野菜の一種として食用に供されています。葉も艶やかできれいな事から観葉植物としても楽しめますが、生長が早いので室内向きとはいえません。果実を上手に収穫するには一般の家庭では難しいでしょう。まず、大きく育てる為の十分なスペースが必要です。花の咲き方として一つの花が、午前に雄花、午後に雌花を咲かせる開花の習性(タイプによって逆の場合が有り)がある為、結実させるには、異なった品種を植栽して2本植えにする必要があります。

アボカドの種類

アボカドは中央アメリカ、メキシコが原産ですが現在では世界中に約1,000種ほどの品種が栽培育成されています。種類別にするとメキシコ系、グァテマラ系、西インド諸島系の3種類に大別できます。早生系が多いのがメキシコ系で、多種に比べ耐寒温度は-7℃で一番耐寒性があり、葉にも香りを放つのが特徴とされます。メシコ系に比べ耐寒性があまり無いのが中央アメリカや南米を原産とする西インド諸島系です。グァテマラ系は果実のサイズが大きく、果皮もゴツゴツとして粗く厚くなっているのが特徴です。耐寒性もあります。

種類別品種

アボカドの種類でメキシコ系には、アボカドの中では一番耐寒性のある「メキシコーラ」。小さ目の果実でアニスというセリ科の植物の香りがあります。グァテマラ系には、日本で一番流通している「ハス」があり、繊維質のない柔らかい果肉が特徴です。油分が多く濃厚な食感の「ピンカートン」もグァテマラ系です。他にメキシコ系とグァテマラ系の交雑種として、甘味があって滑らかな果肉の「ベーコン」、大き目の果実で熟した果皮は緑色のままの「フェルテ」、丈夫な品種で育て安く、光沢のある緑色をした「ズタノ」は完熟した果肉の食感はあっさりとしています。

アボカドの栄養素

アボカドは果実の約20%がカロリーの高い脂質で「森のバター」ともいわれますが、脂肪分の80%がオレイン酸を含む不飽和脂肪酸です。オレイン酸は脂質ですが、体内には留まらず血中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールは残す働きがあります。最近は健康保持にも良好と注目度が高まっていて、11種類のビタミン、高血圧や動脈硬化の予防に効果がある豊富なカリウム、鉄分を含むミネラル分を含み、食物繊維も多いので便秘にも有効です。ビタミン類ではEを多く含んでいます。"若返りのビタミン"とも呼ばれるビタミンEは、抗酸化作用によって過酸化脂質の生成を抑え、動脈硬化や老化の進行を防ぐ働きをします。

アボカドの語源

アボカドは、果実の皮の表面がワニの体表面に似ている事から「ワニナシ(alligator pear)」と呼ぶことがあります。アシテカ人の言語であるナワトル語の「アーワカトル(ahuacatl)」が語源とされます。この言葉は睾丸(こうがん)の意味でもあるとされていますが、これはアボカドの実の形になぞらえているからだけで、本当の意味は果実を表す言葉として使われています。ナワトル語で睾丸は「ātetl」が語形とされていますので、後に揶揄した呼び方とされたと思われます。アボガドと呼ばれる場合がありますが、これは弁護士を意味するスペル「abogado」で、アボカド「avocado」とは区別されます。

アボカドの栽培方法その①

植え方と育て方:栽培環境・置場所


アボカドは生育が旺盛で大きく生長するのが一般的ですので、室内用の鉢植えとしては不向きといえます。比較的耐寒性はありますが、なるべく北風が当たりにくい南向きの陽当たりが良く風通しの良い箇所での庭植えが最適です。また、屋根を越えるほどの高さに生長しますので、想定したスペースを確保する必要があります。冬越しをする時には、株元に腐葉土か藁(わら)などを敷きつめて霜除けにします。1mに満たない幼木の場合は寒さに耐えられず枯れてしまう恐れがありますから、冬時期は植木鉢に植えて室内での南向きの明るい場所で管理しましょう。

アボカドの栽培方法その②

植え方と育て方:種まき・植え付け・用土

アボカドの種まきは、食用にした後の種を取っておき、乾燥する前に直ぐ植木鉢に種まきをします。種まき時期は温度の高まる5月~6月です。種まきの方法は、種についている果肉は水で洗ってきれいに取り去り、種の先が尖っている方を上向きにして植木鉢に植え、種の先が見える程度に用土を被せます。種まき後は植木鉢のまま1m以上に生長するまで管理し、耐寒性はありますが、冬季は室内の南向きの明るい場所に置いておきます。植え付けには5~6月の時期に庭植えにします。

用土

アボカドの用土は水捌けを良くします。市販の観葉植物用培養土でも良いのですが、作る場合は、赤玉土(小玉)5:鹿沼土(小玉)2:腐葉土3を混ぜ合わせます。水捌けを良くする様に大粒の軽石を植木鉢の底に入れましょう。

アボカドの栽培方法その③

植え方と育て方:水やり

アボカドは比較的水分を好みます。庭植えの場合は根がしっかり根付いていれば特に神経質にならなくても良いのですが、夏場などに土の表面が乾いていたら灌水します。植木鉢に植栽してあるものは、3月以降9月頃の生育期には特に水切れに注意して植木鉢の表土が乾いていたらたっぷりと水を与えます。冬の寒い時期は加湿気味にすると根腐れの心配が有りますので、水やりは控えめにしますが、室内で管理している場合は用土が乾燥していたら与える程度にします。

アボカドの栽培方法その④

植え方と育て方:肥料

アボカドは温度が20℃頃になると旺盛な生長をします。生育期は3月から9月にかけてですので、有機質のリン酸がやや多い緩効性配合肥料を2ヶ月に一度適量を施します。アボカドの花は5月頃には開花する時期ですので液体肥料も併用して与えると良いでしょう。冬の時期は必要ありません。

アボカドの栽培方法その⑤

植え方と育て方:植え替え・剪定


アボカドの幼木はある程度生長するまで植木鉢で育成します。約1m以上に育ったら庭植えにします。鉢植えの場合、根が植木鉢の底からはみ出してきたら、根詰まりを起こし根腐れの原因となりますので、一回り大きめの植木鉢を用意して移し替えます。地植えされている場合は、2~3年に一度根周り約1mほどの箇所を20~30cmほど掘り起こして、腐葉土を混ぜた用土を入れる様にします。

鉢植えから庭植えのポイント!

アボカドをいよいよ庭植えにする場合、冬の時期に室内で温度調節をしながら管理していたので、温度が上がったからといって、いきなり強い陽ざしに当てると葉焼けを起してしまいますから、まずは1週間から10日ほどあまり日光の当らない明るい場所に置き徐々に順応させてからが良いでしょう。

剪定

旺盛な生育を見せるアボカドは、そのまま放置すると高さが10mを越すほどに生長し、枝葉も茂り放題になってしまい風通しも悪くなって病害虫の発生原因にも繋がります。適宜混み合った枝を切り取って整理します。その際には直立した枝を切り取り、横方向に伸びている枝をなるべく残すと花付きも良くなり、実付きも良くなります。

アボカドの栽培方法その⑥

植え方と育て方:増やし方

アボカドを増やす方法としては、種から増やすことは一般的には不向きです。アボカドは両性花ということは前述した通り、雌花と雄花とでは開花の時間差があるのでひとつの品種のみでは結実させることは出来ません。ですから増やすには品種の違うものを混植させる必要があります。種まきから育成させたものは「実生(みしょう)」といい、実を付けることはありません。先に咲いた雄花を冷暗所などでで保管しておき、雌花が開花したら筆先などで人工的に受粉させる方法もありますが、手間と時間も掛かる上成功率も悪いことがネックです。

アボカドの栽培方法その⑦

植え方と育て方:病害虫

アボカドに発生する病害には「炭そ病」が見られます。葉や茎、果実にも発生し、初め灰褐色の円形や楕円形の斑点が生じその内黒褐色に変色して徐々に広がり、病変が進むと枯死してしまいます。温度が上がり梅雨時などの湿度の高い状態の時に主に発生します。枝葉が密集して風通しが悪いのが原因ですので、適度に剪定を行うのが最善策です。病害を見つけたら、その部分は早めに切り取り処分して殺菌剤を散布しておきます。予防として発生時期前に散布しておきましょう。

害虫

同じく枝葉が混み合っていたりすると「ハダニ」や「カイガラムシ」が発生します。ハダニやカイガラムシは葉や茎から養分を吸汁して植物を弱らせて枯らしてしまいます。温度が高くなり乾燥した状態の時に発生します。見つけるのはなかなか難しいのですが、葉の裏などに無数の斑点が生じていたりら「ハダニ」を疑います。酷くなると葉全体がカスリ状になります。カイガラムシは茎などに白や褐色の点粒が密集していたりします。早期発見が重要で、見つけたら殺虫剤で駆除します。酷い場合は枝を切り取り処分してしまいましょう。

アボカドの収穫と食べ頃


アボカドを収穫する時期は種類によって違いがありますが、凡そ11~3月頃とされています。日本で多く流通している「ハス」は熟すと緑から黒っぽい色に変化しますので収穫時期です。 熟しても緑色のままあまり変らない色をしている「ベーコン」の様な品種は、触ってみるか、指などで押してみて柔らかい感触をしていたら熟しています。収穫をしたら10日から15日間は室内の通常温度(約20~25℃)で保管し追熟させてから食します。袋にリンゴと一緒に入れておくと、リンゴが発するエチレンガスによって早く食べ頃になります。

アボカドの選び方と食べ方

アボカドは店頭に並んでいても、表皮が暗紫色や黒っぽい色をしていますので、果たしてどれが新鮮で、また、食べ頃なのかは判別し難いですね。大体において黒みがかっていれば食べ頃ですが、緑色をしているものは買い置き用にすると良いでしょう。また、ヘタの部分を確認して、黒ずんでいたり、カビ様のものが見えたら中身も傷んでいる可能性があるので不向きです。保存する場合は紙袋にいれて冷蔵庫の野菜室で3~4日おくと良いでしょう。

アボカドの食べ方

アボカドはバターの様な舌触りと味の食感があり、最近はサラダやスムージーなど色々な料理法があって人気があり、果物というよりも野菜としての感覚による使われ方をしています。種類や熟し度によって料理の向き不向きがあり、利用の仕方があります。少し硬めで緑がかったものは火通しをする料理に、サラダやスムージーなどの生で食す時は黒っぽい色の、指で軽く押して柔らかいものが向いています。

まとめ

「森のバター」ともいわれるアボカドは栄養価も高いので健康食品として注目されていて、料理のバリエーションもありますので人気となっています。耐寒性もあることから庭植えも可能で、また、種をテラリュウムなどのガラス容器に入れて水栽培し、室内で鑑賞する楽しみ方もできます。食べて良し、見て良しのアボカドをご紹介しました。

アボカドの詳しい情報はこちらもチェック

アボカドについては、「暮らし~の」のWEBマガジンでもご紹介する記事があります。興味のある方はぜひチェックをしてみて下さい。