はじめに
インテリアや食用にもオオタニワタリの鉢植え方法
オオタニワタリはアスプレニウムという名前で観葉植物としても流通しているシダ科の植物。沖縄といった南の暖かい地域では胞子を飛ばして木の股などに着床。そこで芽吹き寄生した形で生活しています。大きな葉は大変エキゾチックで、最近はウェーブがかかったり葉先がいくつかに割れるようなおしゃれな品種も出回っているのでおしゃれインテリアとしても注目されつつある植物。今回はこのオオタニワタリの特徴から日当たり注意などの室内管理の方法や増やし方も解説していきます。
オオタニワタリについて
南国のシダ科の植物であるためその他の地域の方にとっては普段はすることない慣れないお世話もあるでしょう。まずはどんな植物であるのか、生育させるのに適した温度はどのくらいか?などこの植物の基本的な部分に触れていきます。
オオタニワタリの基本情報
科・属:シダ植物門チャセンシダ科
原産地:日本の南部から台湾の森林地帯
学名/英語名:Asplenium antiquum Makino/Asplenium antiquum Makino
別名:アスプレニウム
オオタニワタリは沖縄では島野菜
沖縄では木の上などにたくさん自生しており島野菜として新芽を欠いて販売されてもいます。食べ方は塩もみをしてから熱湯でサッと茹でてから天ぷらや牛肉と炒めものに。油との相性が良い野菜です。
オオタニワタリに適した温度は
この植物が生育するのに適した温度は10-40度。それ以下になった場合は枯れてしまうので屋外に置いておいた場合は室内に避難させ、温度が40度を上回る場合は直射日光を避け風通しのよい場所に移動するなど対処してあげてください。
オオタニワタリの品種と特徴
小型品種や葉の形に特徴があるおしゃれな園芸品種など豊富な形のオオタニワタリの品種が出回っています。ここではそれら人気品種の紹介と簡単な特徴を解説します。
品種と特徴1.シマオオタニワタリ
オオタニワタリとよく似ており大きさも同じくらい。最大で葉の長さが1メートルになるものも。実はオオタニワタリは流通していることが珍しくこのシマオオタニワタリであることがほとんどです。タニワタリとは胞子を飛ばして木に着床して増えるこの種に共通する名前です。
品種と特徴2.アビス
シマオオタニワタリの小型の種類で大きな鉢植えを置けないようなお宅でも栽培が可能な人気種。性質はどのタニワタリの仲間も同じで、暑い夏も平気で大きくなりますが乾燥に弱いのが特徴。アビスは葉先が丸く小さいので全体が丸みを帯びた形をしています。
品種と特徴3.プリカツム
ウェーブが非常にきつく入るおしゃれな葉を持つ品種です。大きさはシマオオタニワタリと同様で大きくなりますが、光沢のある葉がウェーブに合わせて光を反射する美しさが特徴であり人気の秘密。
品種と特徴4.フィンブリアツム
オオタニワタリは葉先が切れ込むことはありませんが、この品種は切れ込みが入るタイプ。長い葉がシュッと伸びた草姿もタニワタリの仲間の特徴ですが、この品種は葉先にもボリュームがでることからまた違った様子を見せてくれます。
鉢植えのオオタニワタリの育て方1.日当たり
シダ植物のよいところは生育するのにあまり日光を必要としないところです。室内に置きっぱなしにしても元気にすくすくと大きくなっていくので植物を育てる悩みがひとつ減るでしょう。この植物に適した日当たりを見ていきます。
オオタニワタリの日当たりは
直射日光よりも弱い日当たりを好む弱光性の植物です。戸外に地植えで育てることもできますが、日陰の方がむいていますし、真夏の強い日差しは避けるようにした方が良いでしょう。乾燥も嫌うので水やりの面においても日なたよりも日陰で管理するのがおすすめ。
日当たりの心配なく室内管理も可能
ずっとカーテンごしの日差しで育てるのに適しています。ガラス越しであれば、太陽の光を受けても問題ありません。大きくなる品種はなかなか室内で育てるのは難しい場合もありますが、できるかぎり室内で育てた方が失敗なく大きくなるでしょう。
鉢植えのオオタニワタリの育て方2.土づくり
木の股にでも着床して大きくなる植物ですので、水分と適度な養分があるものであれば土は選びません。冬でも気温が7度を下回らない暖かい地域であれば、やろうと思えば野生のように庭の木の上に水苔を置きそこに着床させることも可能です。屋内でも岩やコルクなどの上に着床して楽しむとよいでしょう。
オオタニワタリの好む土づくり
土は特にこだわらず一般的な花の培養土で良いでしょう。植え付けるときは、赤玉土に腐葉土を混ぜたものに緩効性肥料を元肥として混ぜたものを使います。湿潤な場所が好きなので乾燥防止に鉢土の上にバークチップなどを置き蒸発対策をするのもよいでしょう。
おすすめのオオタニワタリの用土
■プロが作った培養土■ 特選花の培養土 6L (約3.1kg)
土は特に気を使うことはありませんが、元肥が入っていると根づきがよく早い段階から活き活きと伸び始めます。一般草花用のものでよいので、元肥入りの培養土を使用するようにしてください。
オオタニワタリの栽培ポイント
多湿なことに気を使うあまり用土にカビが生えてしまうこともよくあります。室内のみで管理しているので土やバークチップなどにカビが生えないよう注意して水やりをしてください。
鉢植えのオオタニワタリの育て方3.水やりと肥料
多湿な環境が好みの植物で乾燥を極端に苦手とします。水やりは年間通して欠かさず行うだけでなく、葉の乾燥にも注意するのがおすすめ。その他肥料(追肥)についても解説しましょう。
オオタニワタリの水やり
春から秋の水やりは毎日必ずおこない、特に夏場は朝と夕方2回与えるようにします。水のあげ方は土を潤すというよりも株全体を洗うように回しかけるやり方で。ツヤツヤとしていて綺麗な葉ですから、葉のほこりも落とすことができるでしょう。
鉢植えの水やり注意点
冬場も変わらず水やりをしますが、暖かい季節よりは控えめに。その代わりにスプレーで葉水をあげるようにしてください。水やりをしていても葉が曇ってきたときは、葉面洗浄剤が市販されていますのでそれで時折拭いてあげましょう。
オオタニワタリの肥料時期とやり方
花工場原液 480mL
無肥料でも生育しますが、あげるのであれば月に1-2度液体肥料を水がわりにあげましょう。濃度はパッケージの薄め方を参考に。花工場の原液であれば1000倍くらい薄めて水やりに使用してください。
オオタニワタリの栽培ポイント
冬でも変わりなく緑をたたえている植物なので、水やりは少なくするものの欠かさずおこなうようにしてください。暖房が入った部屋に置く場合は特に乾いたりするので葉の乾燥には注意が必要です。葉水は毎日おこようと良いでしょう。
鉢植えのオオタニワタリの育て方4.植え替え
とても根の張りが良いので2年もすると鉢いっぱいになって土の上に根が出てくる場合もあるほどです。鉢植えにしている場合は、最低でも2-3年に1度は植え替えをおこなってください。コンパクトに仕上げる植え替え方法もご紹介します。
オオタニワタリの植え替え時期
大きく育ってきたオオタニワタリ。株いっぱいになったら植え替えの時期です。時期は冬と盛夏を除く暖かい時期であればいつでも可能となっています。
植え替えのやり方
鉢から株を抜き1-2周り大きな鉢に植え替えますが、大きくしたくない場合は同じ鉢にもう一度植え替えてあげます。そのとき土は新しくして根はカットして量を減らしてあげると良いでしょう。
オオタニワタリの栽培ポイント
植え替えの周期は少なくとも2-3年に1度はおこなうようにしてください。鉢が根でいっぱいになってしまうからです。大きくしたくない場合でも根を少なくする植え替えをおこない、鉢の中に根以外にも土がある状態を保つよう心がけることが大切です。
鉢植えのオオタニワタリの育て方5.室内管理
オオタニワタリの室内での育て方は
日当たりがよくない場所でも大きくなるので室内でも問題なく楽しむことができるでしょう。必要な明るさはレースのカーテン越し程度で十分。一人暮らしで帰宅が遅いという方でも、手軽に美しい姿を楽しめるのがこの植物の特徴でありよいところです。
室内管理での注意点
この植物は乾燥を嫌うので室内の空調でついうっかり乾かしすぎないよう水やりには特に注意してください。暖かい時期に屋外におきっぱなしにしておいた株も、気温が10度以下になるようになったら室内に入れて管理します。そうすることで長く青々としてユニークな葉姿を楽しめるでしょう。
オオタニワタリの栽培ポイント
室内管理のポイントは水やりと日当たり。霜はおりないような暖かい地域であればずっと窓際のカーテンごしに置いておいても構いません。暖房や空調・扇風機などを直接あてないようにして水もかわいたらたっぷりとがコツです。
鉢植えのオオタニワタリの育て方6.株分け
最後になりますがオオタニワタリの増やし方をご紹介しましょう。株分けは中央を通るように均等に分けるのがコツ。その他にも胞子を使って増やす方法もあります。
オオタニワタリの株分け時期
株分けに適した時期は5-6月ころ。暖かくてもあまり遅くなりすぎると寒くなってきて根が増えずにそのまま枯れてしまうこともあるので、夏前には株分けを終わらせるようにするとよいでしょう。
株分けのやり方
オオタニワタリは中央の毛が生えているようなところを分けるように分割すると、簡単に株分けすることができます。元々の大きさによって2分割や3分割に株分けして植え替えましょう。
オオタニワタリの栽培ポイント
オオタニワタリの増やし方は株分けの他にも葉を水ゴケやよく湿らせた鹿沼土の上に置いて根が出るのを待つ・胞子を種まき用の土にバラまいて芽ぶかせるという方法もあります。こちらは5-9月の間が適期とされています。使用する葉は不要な葉を切り取り使うとよいでしょう。
まとめ
南国感あふれるオオタニワタリを栽培しよう
野生でも自生しているオオタニワタリ。茹でて食べることもできるため沖縄では野に生えているものを採取して島野菜として利用されています。シダ植物の独特なエキゾチック感あふれるその姿は鉢植えにするとおしゃれなインテリアにも活用できるでしょう。胞子で増える面白い植物で株分けでの増やし方試してみると意外と簡単です。吊り鉢植えやココナツ鉢植えなど少し変わった仕立て方をして南国の風情を部屋に取り行れてみてはいかがでしょうか。
温度が重要な植物が気になる方はこちらもチェック
沖縄という暖かい地方に生息するオオタニワタリのように植物栽培には温度が生育のポイントとなるものはたくさんあります。例えば発芽ひとつにしても温度が合わないだけで発芽率に大きな差がでてきます。植物に適した温度が気になるという方は是非こちらも見てくださいね。

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