アブラムシとは
緑や赤の小さな虫がアブラムシ
ガーデニングが趣味という方、花、野菜、果樹など種類を問わず植物と接する機会が多い方は赤や緑、黒(灰)の小さな虫が集団でいるところを見たことがありませんか?殆どの方が見たことあると思いますが、その小さな虫がアブラムシです。アブラムシの名前の意味は、200年以上前の江戸時代にアブラムシを潰して髪に塗る遊びに由来すると言われています。小型ですがなぜか大量に増えることもあり美観にも植物の健康にも悪い虫です。
アブラムシは駆除しておきたい「害虫」
体調は大きいものでも2mm程度しかない非常に小さいことから数が少なければ農薬を使わなくても駆除は簡単です。しかしなぜか増えるときは爆発的に増え、アブラムシの食べ物である植物に深刻な被害を与えることが多いため、まだ数が少ないうちからしっかり防除するようにしましょう。実はアブラムシの防除がいろいろな植物の病気の予防につながるという意味もあります。それでは花や野菜がアブラムシの被害にあうとどうなるのか紹介します。
アブラムシの被害にあうと
アブラムシは病気を運ぶ
アブラムシの食べ物は植物の汁です。クワガタやカブトムシ、アブラゼミが樹液を食べるのと同じで、大きな分類ではセミと同じ仲間のカメムシ目となります。アブラムシの場合は樹皮の間から出ている樹液ではなく茎や葉のうらに集団で住み着き汁を吸います。これだけで枯れるほどのダメージが入るのは実は少なく、より被害が深刻になるのは汁を吸うことですす病、モザイク病などの病気が蔓延してしまい野菜などに深刻な被害を与えます。
アブラムシ直接的な被害
汁を吸ってもあまり被害がないと先程紹介しましたが、全く無いというわけではなく深刻な状態にならないだけです。日本には500種類を超えるアブラムシがいて殆どの植物によってきます。この際狙われるは硬い古い茎や葉ではなく柔らかい新芽です。新芽が狙われると成長不良になったり葉っぱが丸くなったりと病気を運ぶ以外でも影響が出てきます。また排泄物には糖分が含まれているのでそこにカビが発生することもあります。
アブラムシの増え方
なぜ爆発的に増えるのか?
アブラムシが一匹いるだけという光景を見たことある方は非常に少ないでしょう。アブラムシがすぐに爆発的に増える理由は増え方に秘密があります。通常の昆虫は卵、幼虫、場合によっては蛹、成虫という増え方をします。アブラムシは幼虫から成虫というサイクルを2週間もたたずにおこないます。たった2週間もあれば幼虫が成虫になり、その成虫からさに子どもが生まれるという短いサイクルの増え方をするため一気に増えます。
アブラムシの特殊な増え方について
アブラムシの増え方についてより詳しく紹介すると、越冬するのは卵となります。卵から孵った最初の幼虫が成虫になります。この時点ですでにお腹の中には次の世代(第2世代)のメスが生まれていて哺乳類のように直接幼虫を産みます。実はこの第二世代の幼虫の中にも既に次の世代(第3世代)の子どもがいるという状態です。最初のアブラムシもお腹の中にはまだまだ子どもがいるので一気に増えていき、秋頃にはオスも産まれ卵を産みます。
この特殊な増え方がポイント
なぜ増えるのかというと、知らないうちに飛来し、ねずみ算式に増えていくためです。アブラムシを駆除するときは一匹残らず駆除しないと食べ物である植物がある限り増えやすいということです。
アブラムシの発生時期
アブラムシは真冬と真夏以外は見つけられる
アブラムシの種類によって発見(活動している)できる時期というものがありますが、日本には500種類以上のアブラムシがいるので種類別ではなく、アブラムシという広い意味で捉えると真冬と真夏以外はなんらかのアブラムシの発生時期となります。最初の発生時期は卵が孵る3月~4月の時期、それから増えていく7月ごろまでが夏の発生時期です。気温が高い真夏はアブラムシにとっても危険な状態なので姿をみることは少なくなります。
秋も発生時期
真夏がおわり少し気温が下がる9月~12月ぐらいまでも発生時期となります。秋になると前述したようにメスばかり産まれていたアブラムシからオスも発生するようになり、翌春に第1世代となる卵を生むようになります。この第1世代は一日で10匹生むと言われていてこの繁殖スピードが「なぜ?」の正体です。秋の発生時期はアブラムシのサイクルとしては終わりの方ですが、やはり数が多いので、アブラムシの食べ物である植物に悪影響与えます。
数が多くなると一部のアブラムシは移動
一箇所にまとまっていたアブラムシも数が増えると羽を持ち飛行能力を持つ個体があらわれ別の植物に移動します。種類によってどんな植物に付きやすいのかがある程度決まっていますが、移動してくるので、気づかないうちに数匹やってきて一気に増えます。飛行能力自体は蝶やトンボのように高いというわけではなく風にのるというぐらいです。
アブラムシの発生原因
自然発生
アブラムシがなぜ発生するのかは食べ物である植物によってくるのが一番の原因です。さらに考えると春にやってくるアブラムシがいなければ発生することはありません。俳句の冬の季語として詠まれることあがる雪虫や綿虫と呼ばれる風にまっている白い小さな虫もアブラムシ(トドノネオオワタムシやリンゴワタムシ)です。このように秋には羽のある個体が卵を産みますよ。
肥料の与えすぎ
窒素が多くなるとアブラムシがよってくるといわれています。窒素とは肥料の三大要素の一つで茎や葉の成長に作用する意味があるので窒素を減らすことはおすすめしません。窒素過多にならないように注意しましょう。窒素が多いとアブラムシだけではなくつるぼけという状態になり窒素が多すぎて花や根があまり成長しない状態です。茎や葉が成長するので汁を吸うアブラムシに食べ物を与えているような状態といえるでしょう。
育成環境が悪い
他の病害虫も同じですが適切に太陽光に当たって適切な風通しがないと、窒素の量が適量でもアブラムシは発生すると言われています。植物の育て方で風通しと日当たり、株間があるのは病害虫を予防する意味があるので守るようにしましょう。窒素の量を含め植物が元気に育つ環境にすることで発生しにくい環境を作りましょう。
アブラムシの敵と仲間
アブラムシを捕食する昆虫1
アブラムシは他の昆虫の食べ物にもなります。代表的な捕食者はてんとう虫類です。てんとう虫はには肉食、草食、 菌食の3種類があり草食以外は益虫です。この中でアブラムシを捕食するのは肉食のてんとう虫類で主な種類はナナホシテントウ、ナミテントウとなります。ナナホシテントウは赤字に黒い7つ斑紋があり、ナミテントウは色彩豊かでオーソドックスなものは黒字に赤い斑紋です。どちらのテントウ虫の幼虫も黒にオレンジの模様があります。
アブラムシを捕食する昆虫2
てんとう虫に次ぐ捕食者としてはヒラタアブが有名です。花の蜜をすうアブで花の周りによくホバリングしているところを見かけやすいです。アブの中には人の皮膚を噛み切って吸血する厄介なタイプもいますが、ヒラタアブは益虫です。ヒラタアブ成虫自体はアブラムシを捕食しませんが、幼虫が捕食してくれるのでアブラムシ退治に役立ちますよ。幼虫は芋虫で半透明です。
アブラムシを守る虫
飛行能力も歩行能力もあまり備わっていないアブラムシは本来ただ捕食されるだけの弱い虫です。他の虫の食べ物となり数が減っていってもおかしくありませんが、アブラムシを捕食者から守る虫もいます。それがアリです。アリがアブラムシを守る意味は護衛のお礼として甘い汁がもらえるからです。一方アブラムシはアリが守ってくれるので捕食者に一方的に襲われないメリットがあります。
アブラムシ防除1
捕殺する
基本的に歩かない害虫、動きが遅く捕まえやすい害虫というのは「捕まえて、殺虫する」のが一番です。これを捕殺といい罠などを使って退治ていきますよ。アブラムシの場合は黄色によりつくと言われているのでこの習性を利用しておびき寄せるということです。またカブトムシやクワガタムシのように硬い体というわけではないので使い捨ての手袋などをして軽く押しつぶすだけでも、発生範囲が狭い早期発見時期に有効です。
黄色いテープを吊り下げるだけでOK
黄色いものをめがけてくるという習性を利用して黄色いテープを吊り下げておく、貼っておくだけで捕殺できます。大量発生させないようにするためには、定着する前に防除するというのが大切です。農薬をつかうとテントウ虫などいい働きをする虫も駆除してしまうのでまずは極力近寄らせないように防除しましょう。市販もされていますが、黄色いテープなら何でも大丈夫です。黄色いということに意味があります。
コンパニオンプランツ
コンパニオンプランツは植えている植物と一緒に植えると相乗効果が認められる植物のことで、かんたんに言うと野菜なら味が美味しくなる、花だと害虫が寄り付かないなどの効果があります。コンパニオンプランツは相性が大切です。そのため全ての植物に使えるというわけではありませんが、カモミールやチャイブを一緒に植えることでカモミールやチャイブがアブラムシに狙われやすくなり一緒に植えた植物を守ってくれます。
アブラムシ防除2
あえて自然に任す
アブラムシをそのまま放置しておくという対処方法もあります。というのもねずみ算式に一気に増えていくのであれば、右見ても左見ても植物あるところに必ず目につくはずです。しかし必ず発生しいるわけではありません。食物連鎖のピラミッドを思い浮かべてください。体が小さく飛行能力も歩行能力もあまりないためアブラムシは捕食者の食べ物でしかありません。数は多く一気に増えるのですが、庭全体を支配するには敵が多すぎます。
農家も注目する駆除方法
天敵であるナミテントウムシなどの捕食者を使う方法は、野菜や植木など植物を育てるプロである農家でも導入されている立派な対策となります。家庭でする場合はてんとう虫を見つけてもってくるといいでしょう。対策としての研究も頻繁にされていて、1世代だけ飛ばなくようにしたてんとう虫を生物農薬として販売しているぐらいです。飛ばなくようにしている意味はてんとう虫がハウスの外や農園の外に行かないようにするためです。
アブラムシ防除3
薬品を使う
最終手段として使うのが薬品です。薬品とは農薬のことですが、あまりいい手段とはいえません。というのも世代交代が早いこともあり薬剤に耐性を持ちやすいと言われていて同じ薬品ばかり使っていると効果が弱くなって着やすいです。農家ならば数種類の薬を使うことも考えられますが家庭で数種類の薬剤を定期的に変えながら散布するのはなかなか大変なため、薬剤が必要になるほど被害が広がる前にできるだけ防除しましょう。
アブラムシのまとめ
「なぜ増えるか」という疑問の答えは繁殖力
アブラムシがなぜ増えるかという疑問の答えはなんと言ってもアブラムシ特有の繁殖力です。アブラムシはメスばかりで短い周期でどんどん子供が増えていくため気づいた頃には大量発生していることが多いです。そのためこまめにアブラムシ対策を講じることが重要な意味を持ちます。捕殺、防除などをしてもよってくるのであれば窒素の量は適切か日当たり、風通しはいいかなど植物の環境を考え、アブラムシが寄り付かない環境しましょう。
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