はじめに
えのきはとても身近な食材です。スーパーにえのきが並んでいない日はありませんよね。価格も常に安価で料理のかさましにも役立つので、スーパーで買って家に常備しているという方も多いです。しかし、えのきは果たして調理前に洗うのか洗わないのか、お悩みの方もいるのではないでしょうか?
こんなに私たちにとって身近なえのきですが、意外と知らないことも多いですよね。はたしてスーパーのえのきは洗う必要性があるのでしょうか?今回はえのきの洗い方をはじめ、えのきの冷凍・解凍方法についても合わせてご紹介します。
えのきとはどういうきのこ?
えのきとは?
えのきはキシメジ科のきのこの一種です。11月~1月が旬のきのこですが、スーパーでは一年中見かけることができます。スーパーでよく見かける白いえのきは、すべて人工的に栽培されています。光を遮断して栽培されているため白くなります。
そのため、旬を気にすることなく一年中美味しく食べられるきのこになっています。野生のえのきは茶色で、白いえのきと比べるとかさの部分が大きめです。見た目を野生のえのきに近づけた、味えのきという茶色のえのきもあります。
えのきに栄養はある?
えのきにはあまり栄養がなさそうとお思いの方もいるのではないでしょうか?実はえのきは多くの栄養が含まれた食材なんです。えのきにはビタミンやナイアシン、食物繊維が豊富に含まれています。
他のきのこ類と比較しても、特にビタミンB1が多く含まれています。なんとスーパーのえのき1袋分には、ビタミンB1が1日の所要量の1/2くらい含まれているんですよ!驚きですよね。
ナイアシンは糖質や脂質の代謝を促し、消化器を健康に保つ働きがあるので、積極的に摂取したいですよね。また、えのきには食物繊維も多く含まれています。お腹の調子を整えてくれる働きがあるので、女性にとってもうれしいですよね。
えのきはどこまで食べられる?
調理前にえのきの石突きをカットして捨てますが、どこまでカットしたらいいのか悩んでしまいますよね。えのきをよく見てみると、根元に線が入っています。 この線でカットするという人も多いのではないでしょうか?
実はこれはもったいない切り方。この線はえのきの栽培容器のせいでできる段差でしかないので、ここで切らないようにしましょう。えのきの根元から3~4cmの、色の変わり目あたりがカットする目安です。思ったよりも下の方ですよね。オガクズがついている部分を切り落とすだけで、残りの部分は全て食べられます。
えのきの調理前の下処理
簡単に扱えて便利なえのきですが、下処理にもコツがあります。まないたの上にオガクズや小さなえのきがポロポロとこぼれてしまうと、えのきが余計に汚れてしまいます。
調理前に綺麗な下処理を行うことでえのきにオガクズが付着するのを防ぎ、調理前の手間を省くことができます。えのきが汚れていなければ、洗う必要性も薄れますよね。調理前の下処理のコツをご紹介します。
調理前の下処理のコツ
えのきの下処理にはコツがあります。1つめの下処理のコツは、常温で調理することです。調理前にあらかじめえのきを冷蔵庫から取り出し、常温に戻しましょう。そうすることで、えのきのシャキシャキとした歯ごたえを失うことなく調理できます。
2つめの下処理のコツは、袋から出す前に石づきをカットすることです。えのきを買ったときの袋に入れたまま石づきをカットし、石づきを袋ごと捨てます。まないたやえのきを汚すことなく石づきがカットできるので、おすすめの方法ですよ。根元のえのきはくっついているので、断面に包丁で切れ目を入れると後でほぐしやすくなります。
スーパーのえのきは調理前に洗う?洗わない?
えのきを調理前に洗うか洗わないかは、とても悩ましい問題ですよね。実は、きのこ生産者やプロの料理人でも意見がわかれることがあるほどの難問なんです。プロでも悩んでしまうくらいなのですから、一般の消費者にすぎない私たちはさらに困惑してしまいますよね。洗う派と洗わない派、それぞれの意見をご紹介します。
えのきを調理前に洗う派の意見
下処理の一環として洗う
洗う必要がある派の意見を持つ人はその理由として、えのきに付着しているオガクズや汚れを水洗いし取り除く必要性を挙げています。きのこは一般的に、洗わずに調理するものが多い食材です。しかし、どうしてもオガクズや汚れが気になるという人ももちろんいるでしょう。そういった場合は洗う必要があります。
また、天然のえのきは土がついていることもあります。そういった場合も洗う必要があるでしょう。洗うといってもザブザブと水洗いするのではなく、汚れをさっと落とす程度に、軽く水洗いするのがおすすめです。
えのきを調理前に洗わない派の意見
スーパーのえのきは人工栽培なので洗う必要がない
えのきは洗う必要はない派の人が理由として挙げているのは、クリーンな環境で栽培されているため、洗う必要がないということです。洗う必要があると考えている人よりも洗う必要はないと考えている人が多く、大多数を占めています。
スーパーで売られている一般的なえのきは、徹底した衛生管理のもとで人工的に栽培されています。えのきの菌を植え付けるところから収穫されパックに詰められるまで、外部の汚れに晒されることなく出荷されます。無菌状態のため洗う必要性は少ないというのが、洗う必要はない派の意見です。
えのきを調理前に洗うデメリット
洗うことで汚れが落ちるなら、たとえ不必要でも洗っておいた方が安心に思えますよね。しかし、えのきを洗うのはデメリットもあります。2つのデメリットをご紹介します。
デメリット1:風味が薄れる
えのきを洗うと、風味や味わいが薄れてしまいます。えのきの栄養素は水溶性のものが多いので、水洗いすると豊富な栄養がとけだしてしまいます。せっかくの豊富な栄養が失われてしまうのは、とてももったいないですよね!栄養や風味を残したい場合は、水洗いせずに調理するのがおすすめです。
デメリット2:傷みが早くなる
えのきに限らずきのこは水分に弱い食材です。水洗いしてしまうと劣化が早くなり、傷みやすくなってしまいます。また、えのきを洗うことで調理したときに料理が水っぽくなってしまう恐れもあります。
えのきはマッシュルームなどとは異なり生食せずに加熱して食べるきのこなので、洗う必要性は薄いかもしれません。水洗いしたえのきを冷凍するときは注意が必要です。えのきを水洗いして濡れたまま冷凍すると、凍ったときに一体化してしまうので避けましょう。
えのきの調理前の洗い方
さっと水洗いがおすすめ
普段えのきを洗わないという人も、オガクズ等が付着していて気になってしまう時もありますよね。汚れを拭き取ろうと思っても、えのきの束の隙間にある汚れなどはなかなか取り切れません。
どうしても汚れが気になるので洗いたいという場合は、調理前にさっと水洗いするようにしましょう。短時間で軽く洗うようにすることで、風味の流出を防ぎつつ汚れも落とすことができます。
おすすめの洗い方
おすすめの洗い方が2つあります。1つめの洗い方は、ボウルの中に水を張る方法です。えのきの石づきをカットし、断面に近い方を束のままギュッと手でつかみます。えのきを半分くらいまでボウルの水につけ、サッと振り洗いしましょう。もう1つの洗い方は、えのきの袋を利用する方法です。
前に述べたように、えのきの石づきを袋のままカットします。えのきを袋から出さずに、切った断面の方から水を流し入れます。断面の部分を手でギュッと握って袋を軽く振り、中の水を捨てます。水を捨てる際は、えのきも一緒に流れ出ないように気をつけましょう。
えのきは調理前に洗わないのがおすすめ
えのきを洗う派と洗わない派の意見をそれぞれご紹介してきましたが、特にこだわりがないようであれば洗わないまま調理するのがおすすめです。
栄養面でも、食感や風味を損なうという観点からも、洗うメリットはあまりないと言ってよいでしょう。しかし、特に汚れが気になる場合や、天然のえのきの場合はサッと軽く水洗いするのをおすすめします。
えのきを洗うとどうなる?
えのきに限らず、きのこ類は水分をどんどん吸収してしまいます。水分を吸うことによってシャキシャキとした食感が損なわれ、うまみや栄養も流出してしまいます。しかも、水分を吸収することで劣化も進み、早く傷んでしまいます。
あまりいいことがありませんね。洗ってから保存しようとするとすぐに痛んでしまうため、洗う場合は調理の直前にサッと洗うようにしましょう。
えのきの汚れが気になるときは
洗うのは抵抗があるけど、汚れも気になるという場合もありますよね。そのようなときは、キッチンペーパーなどで汚れを拭き取るのがおすすめです。あまり強くこするとえのきが傷んでしまうため、優しく拭き取るようにするのがいいでしょう。この方法なら栄養やうまみも逃さず食べられてうれしいですよね。
おすすめの保存方法
えのきはスーパーにいつも並んでいて安価なので、ついつい買いすぎてしまうこともありますよね。えのきは意外と日持ちがしないきのこです。いかに安いといっても、余らせてしまったらもったいないですよね。そこで、えのきのおすすめの保存方法を2つのパターンに分けてご紹介します。
野菜室での保存方法
野菜室での保存方法にもコツがあります。えのきを買ってからすぐには使わない場合は、えのきを袋から取り出して保存しましょう。袋から取り出したえのきを新聞紙やキッチンペーパーに包みジップロックなどに入れ、野菜室で保存するのがおすすめです。
こうすることで1週間程度は日持ちするようになります。きのこは水分に弱いので、できるだけ水分に触れないように保存してあげると長持ちしますよ。
洗うことなく冷凍室で保存
えのき1袋は意外と量があるので、使いきれずに余らせてしまった!という経験のある方も多いのではないでしょうか?そのような場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍した場合は、1か月程度は日持ちするので助かりますよね。冷凍保存の方法はいたって簡単です。
えのきの石づきをカットし、使いやすい大きさに切ります。えのきの束をほぐしたらジップロックなどに入れ、冷凍庫で保存します。1時間ほど冷凍庫に入れたら一度とりだし、半冷凍状態のえのきを軽くほぐすようにすると、完全に凍ったときにえのきが一体化することなく使いやすいですよ。
使うときは解凍せずに
冷凍したえのきを調理する際は、解凍せずに凍ったまま使用しましょう。えのきを解凍してしまうと、水が出てべちょっとした食感になってしまいます。
えのきは細くて火が通りやすいので、調理の工程の終盤で解凍せずにそのまま使用するのがおすすめです。炒めものや煮物、スープやみそ汁など、どのような料理にも、解凍せずに使えるのが便利ですよね。
まとめ
えのきを洗うかどうかもう悩まない!
スーパーのえのきは洗うのか洗わないのか、洗う必要性があるのかどうか、えのきの洗い方や冷凍・解凍方法についても合わせてご紹介しました。いかがでしたか?えのきは洗うか洗わないか、とても悩ましい問題ですよね。
洗うメリットとデメリットを知ることで、適した下処理ができるようになります。冷凍保存でき、解凍せずに調理できるというのも魅力的です。えのきを活用して、料理の幅をもっと広げてみましょう!
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