はじめに
えのきは、スーパーなどでいつも安く販売され、季節を問わず手に入りやすい食材です。ヘルシーかつ淡泊な味なので、他のキノコよりも料理になじみます。よく食べているのに普段あまり意識しない身近なえのきについて、この機会に詳しく知ってみませんか。
えのきとはどんなもの
えのきの分類
えのきはキノコ類の仲間で、詳しくは、ハラタケ目キシメジ科エノキタケ属という分類に入ります。一般的に「えのき」としての認識がある栽培えのきと、通常は目にしない天然えのきがあります。
天然のえのきについて
天然えのきは、通常はほとんど出回らないので、目にすることがありません。その名のように榎(エノキ)の木など広葉樹の根本にから生えてきます。色は全体に茶色で大きく、形はカサの部分が広がっています。
食用栽培のえのきについて
一般的にいうえのきは、食用に専用で栽培されたものです。木ではなく、おか屑などでキノコの菌床を作り出し、太陽の光を当てず、細長い容器の中で栽培します。そのため、乳白色で細く長い形となり、長さもそろったおなじみの形に育ちます。少し茶色の色味がついた種類も販売されています。
えのきの旬の季節は
天然えのきの旬は冬ですが、食用栽培されたえのきは年中出回っています。冬の時期は、鍋物の具材に欠かせないので良く使われます。冬のほうが食べる機会も増えそうですね。
えのきとなめ茸
「なめ茸」という商品名で販売されているものがありますよね。これは一般的にはえのきを醤油や砂糖などで煮つけ、ビン詰めにしたもののことをいいます。えのきは加熱をすると、なめこのようにぬめっとした食感になります。なめ茸というキノコはありませんが、えのきのことを「なめたけ」といった別名でよぶこともあります。
えのきの成分
えのきを構成する成分をみてみましょう。食品の食べられる部分を可食部(かしょくぶ)といいます。えのきの主な成分に目を向けると、可食部である100グラムの中には、水分約88g・炭水化物7.6g・食物繊維3.9g・タンパク質2.7gが比較的多い成分です。その他、ナトリウムなどのミネラル類や、ビタミン群などが続きます。
えのきのカロリーはどのくらい?
カロリーとは
ダイエット関連でよく話題になるカロリーとは、エネルギー(熱量)の単位のことです。人は生きていくため、また体を動かすために必要なエネルギーを食糧をえることで作り出しています。1Lの水の温度を1℃上昇させるために必要なエネルギーを1キロカロリー(1Kcal)としています。
カロリーを摂り過ぎると?
人は、毎日、必要なカロリーを食べ物で摂取し、それを活動で消費するという繰り返しをしています。しかし、カロリーを取るばかりで、消費する量が減ってしまうと、エネルギーがあまってしまい、その分が脂肪となり体に蓄積します。カロリーの摂取と消費のバランスを適切に保つことが大切です。
えのきのカロリー
えのきのカロリーは可食部100gあたり、約22キロカロリーです。100gというと、一般的によく売られているえのき1袋分くらいの量になります。
なめ茸のカロリー
えのきの加工食品、なめ茸のカロリーは、100グラムあたり約94キロカロリーです。なめ茸はメーカーなどによって違いがありますが、だいたい1瓶が100グラム前後で販売されています。砂糖や醤油などの調味料で味付けされているので、その分カロリーがプラスされますが、1回に食べる量から考えてみれば低カロリーですね。
えのきの糖質はどのくらい?
糖質について
糖質も、カロリーと同様、ダイエットや生活習慣病などの健康問題でよく話題になるものですね。糖質は、体の主なエネルギー源で、食物繊維を除いた、炭水化物の中に含まれています。砂糖などの糖だけではなく、イモ類に含まれているデンプンも糖質になります。
糖質を摂り過ぎると?(カロリーとの関係)
糖質はエネルギーを産生するのに必要な原料となる物質です。血液の中に吸収された糖質は、体の中で代謝されて1グラム4キロカロリーのエネルギーに変換されます。糖質も摂取しすぎると肥満などにつながります。糖質の吸収を抑えることで、余分に蓄積されたエネルギー源である中性脂肪を消費させたり、脂肪細胞への取り込みを押さえたりするので、それを利用して糖質ダイエットなどが行われます。
えのきの糖質
えのきの糖質は100グラム中約3.7グラムです。えのきの炭水化物自体は7.6gあるのですが、その半分以上は食物繊維に含まれています。食物繊維は糖質とならないので、えのきは糖質の低い食材なんですね。
えのきの栄養価
えのきの成分が示しているように、食物繊維やミネラル類、ビタミン群、その他の栄養成分が豊富に含まれています。あっさりとしていて色のない食材だけに、なんとなく栄養が少ないイメージがありますが、実は栄養価が高い、健康に良い食材だといえそうです。
えのきの栄養成分と効果・効能①ダイエット効果
エノキタケリノール:脂肪燃焼
エノキタケリノールは、リノール酸など4つの脂肪酸が合わさった成分です。脂肪酸は人の細胞の構成に必要なもので、エノキタケリノール酸は、えのきにしかない成分です。人間の活動によって分泌される物質、アドレナリンと結びついて、脂肪を燃焼させ、内臓脂肪を減らす働きがあります。
キノコキトサン:脂肪吸収抑制
キノコキトサンは、キノコ類由来の、食物繊維の一種です。体内で脂肪の吸収を抑制して、分解・燃焼させ、内臓脂肪を減らす働きをします。内臓脂肪の減少は、ダイエット効果だけでなく動脈硬化などの生活習慣病やメタボリックシンドロームなどの予防にもつながります。
低カロリー
成分ではありませんが、低カロリーということはダイエット効果につながります。他の食品と一緒に料理に加えることによって、かさましにもなり、食事の満足感が得られます。えのき自体低カロリーなので、料理のカロリーが大きく上がってしまうことはなく安心です。
えのきの栄養成分と効果・効能②整腸作用
食物繊維
食物繊維はえのきの栄養価の中でもなじみのある成分です。えのきの主な食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維です。腸など消化器官で水分をたくさん取り込み、便の量をかさましして排便しやすくする効果があります。キノコキトサンの効能には整腸作用もあります。便秘の場合は、便を柔らかくする働きの水溶性食物繊維(海藻などに多い)や水分の摂取を意識すると、さらに効果があります。
えのきの栄養成分と効果・効能③免疫力アップ
βーグルカン
腸は免疫器官といわれるように、体内の免疫細胞の約70%は、腸の細胞に存在しています。腸内環境の改善が免疫力アップ・健康維持につながります。えのきの食物繊維に含まれるβーグルカンは、免疫細胞を活性化する効果を持っています。また、生活習慣病やがんの発生予防にも効果があり、病気に打ち勝つ栄養価だとして注目されています。
えのきの栄養成分と効果・効能④疲労回復効果
ビタミンB群
えのきにはビタミンB群がたくさん含まれます。ビタミンB1は、糖質からエネルギーを作り出すための代謝に欠かせない成分です。ビタミンB1が不足すると、代謝回路がスムーズに回らず、疲労が蓄積されやすくなります。えのきに多いビタミンB群は疲労回復の立役者です。
えのきの栄養成分と効果・効能⑤むくみ予防
カリウム
カリウムは人間の体に欠かせないミネラルで、野菜や果物などに多く含まれる成分です。カリウムは、ナトリウムと協力し、細胞間の水分調節などを行い、心臓を動かすポンプ作用、腎臓の尿の排泄作用などに関わります。えのきに多いカリウムは、余分な水分を排泄し、むくみや高血圧を予防する効果があります。
えのきの栄養成分と効果・効能⑥ストレス予防
パントテン酸・GABA
えのきの栄養価の中でも近年、注目の成分が、パントテン酸・GABAです。パントテン酸はビタミン、GABAはアミノ酸の一種です。これらは様々な効果のある成分なのですが、副腎皮質ホルモンの合成に使われたり、神経の興奮を鎮めたりする働きがあります。何かとストレスを抱える現代人にもよい成分です。
おいしいえのきを選ぶには
えのきは、大体が透明の袋に詰められて販売されています。色がきれいな白色で、軸の部分に太さがあり、シャッキリしたものを選びましょう。黄色っぽく変色していたり張りがなかったりする場合は古くなっています。袋の内側部分に水滴がついて水っぽくなっているものも避けましょう。
えのきの保存について
冷蔵保存
えのきは温度変化に弱いので、基本的に冷蔵庫に保存します。水分が付着すると傷みが進むため、袋から出して新聞紙などにくるみ、ビニール袋に入れます。3日~1週間までに食べ切りましょう。残った場合は、石づきの部分を外さずに置いておきましょう。
冷凍保存
えのきは冷凍庫での保存が可能です。冷凍する場合は、まず石づきの部分を切り、えのきをバラバラの状態にほぐします。フリージングバックなどに入れたら、きっちり空気をぬいて冷凍庫にいれましょう。
えのき氷
えのき氷は、えのきの栄養成分を逃さず、長期保存も可能で旨みのあるだしにもなる優れものです。健康のため毎日手軽にえのきを摂れるということで話題になった方法です。まず、えのきの石づきを外して数センチにカットします。ミキサーやブレンダーで細かいぺースト状にしたら、弱火で加熱して煮詰めます。それを製氷皿にうつして、冷凍庫で凍らせ保存します。
えのきの食べ方について
加熱調理の必要性
えのきをはじめ、キノコは加熱のうえ食べるのが基本です。天然えのきには、フラムトキシンというタンパク質が含まれており、溶血作用(血液中の赤血球が壊れる)があるため、加熱の必要があります。食用栽培のえのきはあまり心配ありませんが、さっと湯通しする程度の加熱はしておきましょう。
カロリーを押さえた調理
えのきはカロリーが低く栄養価も高いので、ダイエット中でも安心して食べられる食材です。味が淡泊なので、他の食材と合わせて食べるのがおすすめです。えのきの食物繊維やビタミンなどの栄養成分は、他の食材とバランスよく食べることでの相乗効果もあるので、積極的に食材に取り入れてみましょう。
おすすめの食べ方
えのきの持つ栄養価は、加熱しすぎると損失されていくので軽い湯通し程度で十分です。湯通し済みのえのきと野菜を合わせてマリネサラダ、そのまま鍋の具材などが簡単です。醤油やみりんで煮つけ、自家製のなめ茸を作るのも可能です。なめ茸ならご飯のお供の常備菜になるので、健康のために毎日継続してえのきを食べられますね。
まとめ
いかがでしたか?おいしくて健康によく、栄養価も高いえのき、使いやすい食材なので、毎日の食卓にぜひ取り入れていきましょう。
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