はじめに
成長過程に合ったエンドウ豆の世話と収穫後の料理
エンドウ豆は必ず毎年作るという人もいるほど、植えておくと旬の収穫時期には何かと重宝するおいしい野菜。寒い季節にちょっとしたお世話が必要になりますがそれほど難しいことではありませんので、初心者の方にも手軽に作ることができ育てて損はない作物のひとつ。今回はこの作物の栽培方法を成長過程に沿ってよくある失敗談の解決策を絡めながら解説していきましょう。後半では自分で収穫した採れたてをおいしく食べるために、おすすめの人気のエンドウ豆料理レシピもご紹介します。
エンドウ豆の育て方1.種まき
エンドウ豆の種類と選び方
まずはエンドウ豆を育てるにあたって種まきからはじめたいという方のための方法や植える場所の注意点からご紹介します。ひとくちにエンドウ豆といっても種類がありそれぞれ食べ方なども違い、サヤをメインに食べるサヤエンドウ・サヤと豆を一緒に食べておいしいスナップエンドウ・成熟させた豆だけをいただくのがグリーンピースです。目的やお好みに合わせて選んでください。
ベランダ菜園にはつるなし品種がおすすめ
またつるありとつるなしの種類もあり、広い畑などの場所が取れないベランダ菜園などではつるがなく育てやすい品種がおすすめです。
エンドウ豆の連作障害
まずは気をつけたいのが種まきをする土のこと。マメ類は強めの連作障害があらわれる植物なので同じ場所で続けて作るのはやめましょう。
種まきの方法
畑や庭に直に種まきをする方法とポットなどで苗として育ててから植え付ける方法があります。直にまく場合は30センチ間隔で4-5粒ずつ。ポットでは1個に3-4個巻いて鳥の被害に注意しながら発芽まで育て、本葉が3枚程度になったら畑にやはり30センチ間隔で植え替えていく形になります。
エンドウ豆は種まき時期が大切
エンドウ豆の種まき時期は秋・10月中~下旬から11月ころが適期。これより早いと冬の寒さに負けやすく傷ついた場所によっては成長せずに枯れてしまうこともあるからです。
種まき時の元肥は
この植物は肥料を大変好むので、元肥はしっかりと。堆肥と緩効性肥料を土に混ぜ込んでおきます。ポットまきの場合は定植するときに元肥をほどこせば良いので土は一般的な種まき用の土でよいでしょう。
エンドウ豆の成長過程による育て方ポイント
せっかく植えたエンドウ豆がよく育たなかったという失敗談を耳にします。これは土のせいではないでしょうか。エンドウ豆は連即障害の出る作物。以前にマメ類を植えた場所でエンドウ豆を育てようとしていませんか?センチュウが増加したりと大きくならないことが多いので、一度植えたら4-5年は同じマメ類の作物はつくらないようにしてください。
エンドウ豆の育て方2.管理の仕方
エンドウ豆の発芽後の水やりと肥料
水やりの方法は一般的な植物と一緒で乾いてきたのを確認してからたっぷりと与える方法。特に気をつけることはありませんが、肥料は追肥は成長過程に合わせて計3回おこなうことになります。1度めは土寄せ2度めが開花時期最後は収穫はじめのころとなります。与えるのは全て即効性の化成肥料。株元にばらまき土をかけておきます。
発芽したエンドウ豆の間引きは
種まきから発芽した芽は良いものを選んで2本残すのがよいでしょう。指で引き抜くと他の根が絡んで一緒に抜いてしまうこともあるので、根元をハサミでカットしての間引きの方法をおすすめします。
土寄せのタイミングは
土寄せをすることでエンドウ豆の枝の本数を調整して実の付き方をコントロールすることができます。また株をしっかりと立たせて倒れるのも防ぎますので必ずおこなってください。時期的には2月。本葉が3-4枚になったときが間引きと土寄せやり時です。
エンドウ豆の成長過程による育て方ポイント
エンドウ豆の株はわさわさと青々しく育っているのに花の数が少ない・実があまり収穫できないという失敗談もおこります。これは枝が多くなりすぎて内側の日光不足が原因かもしれません。この枝の数を調整するには土寄せをして数を少なくする方法があります。土寄せはたくさんのエンドウ豆を収穫するのには大切なお世話です。
エンドウ豆の育て方3.冬の防寒
冬の間のエンドウ豆の防寒方法
少し成長と前後しますが霜がおりるくらい朝方冷え込むようになる前に、寒さよけのお世話をしてあげてください。これにより霜被害を防ぎますが藁を使って霜対策とつるが絡むところを一度に作ってしまう方法もあります。
霜対策には笹を北に立てる方法も
防寒対策の1つは笹がある方はそれを北側に並べて立てて冷たい風をふせぐやり方です。笹が手に入らないという方でも、別の方法があるのでご安心ください。
簡単にできる藁を使った発芽苗の防寒
笹でおこなう方法は立てておくだけで広範囲をカバーできるので作業的には楽におこなえますが、手に入りにくいかもしれません。そんなとき多くの方がやっているのがわらを使った防寒。やり方はいくつかあって①20-30センチの長さにそろえたものを苗のそばに立てかけるように埋める。②8-10センチ程度にカットしたものを苗のまわりを囲むように全体的にしきつめる。などがおすすめ。
つるが伸びてきたら支柱を立てを
防寒をするころそろそろ株も成長してくるので支柱を立てて成長を見守りましょう。つるなし品種の方はこの支柱立ては必要ありません。
エンドウ豆の成長過程による育て方ポイント
秋に発芽させ冬を越させる作物なので霜による害を防ぐために防寒はしっかりとおこないましょう。またまく時期が早すぎると大きくなった芽は寒さに負けてしまいがち。発芽してすぐの小さなうちの方が寒さに負けない傾向にあります。種まきのタイミングはお住まいの地域の寒くなる時期に合わせて調整しましょう。
エンドウ豆の育て方4.収穫
エンドウ豆の収穫時期は
時期的には4-5月ころ、エンドウ豆の花が咲き始めたらそろそろ収穫に向けてのお世話を開始しましょう。まずは追肥について。この時期に乾燥しがちになると花が落ち実の数が減ります。今までどおりの化成肥料も良いですが、水溶性の液体肥料を水代わりに与えるのが一石二鳥でおすすめ。
花の付きが悪くしないために
サヤがちらほらと付きはじめてきたころに枝を整えてあげます。まずは草丈は80センチほどにそろえてしまうと良いでしょう。ネットなどを支柱にした場合は枝どうしが重ならないように広げて誘引。1本の場合は内側に日が当たらないようなら無駄な枝は剪定して風通しと日当たりをよくしてあげてください。
種類によって変わる収穫時期
収穫はサヤエンドウはさやの中に少し豆のふくらみができた時が食べごろ。グリーンピースとして食べる場合はさやが少しシワシワとしてきて頭を下げたころ。あまり長く置きすぎると固くなるので注意が必要です。スナップえんどうは十分さやが膨らんで中の実が大きくなったのを確認してから収穫していただきます。
エンドウ豆の成長過程による育て方ポイント
わからないという人も多いエンドウ豆の収穫時期の目安は、天を向いていたさやがおじぎをはじめたときと言われています。これは中の豆が十分に成熟してきた証拠です。さやごといただくのであれば、おじぎをしたらすぐに収穫。グリーンピースとして豆でいただくならサヤに黒い点が見え、割ってみると豆にもお歯黒という筋が色づいてきたときが目印となります。
エンドウ豆のおすすめ人気料理1.
定番エンドウ豆ごはん
えんどう豆3カップ お米3合 塩小さじ1 お酒大さじ1 昆布あれば
旬の甘くてやわらかいエンドウ豆はごはんにしていただくのが人気がある食べ方です。塩・お酒と昆布を入れて炊き込みます。炊きたての豆の香りもよく旬の味といったメニュー。時間がたつと豆もご飯も色が悪くなるので食べ切れる分だけ作りできたてをいただくのがおすすめ。
詳しいエンドウ豆レシピはこちら
豆ごはんは豆の新鮮さが命です。初物が手に入ったらまず作ってほしいのがこの料理。塩を入れることで豆の甘さが引き立ちます。昆布でうまみが増しますので、あれば必ず入れるようにするとよいでしょう。
エンドウ豆のおすすめ人気料理2.
エンドウ豆入りつくね
★鶏ミンチ170g ★塩麹小さじ1 ★ジンジャーパウダー少々 ★胡椒少々 えんどう豆(茹で)正味30g パプリカ(赤・黄色)合わせて20g 酒+水大さじ2+40cc
こちらは下茹でしない生の豆を使ってつくるレシピです。作業は材料を全てビニール袋の中に入れて手で揉むと汚れ物も少なく手もベタベタせずおすすめのやり方。豆が生なのでまずは中火でしっかり焼き目をつけてから、最後に酒と水を混ぜたもので蒸し焼きにしてふっくら仕上げます。
詳しいエンドウ豆レシピはこちら
おいしく作る目安は焼き目つけに1-2分。蒸し焼きに3-4分といったところです。コンロの火加減や外気の温度によっても時間が変わりますので、加熱時間は適宜調整して作ってください。
エンドウ豆のおすすめ人気料理3.
エンドウ豆のてんぷら
えんどう豆適量 小麦粉適量 卵適量 揚げ油適量
豆のてんぷらも甘みが出ておいしいですね。さやまで食べられるものでも豆だけをかき揚げにしてもどちらでもお好みです。レシピはさやごとのエンドウ豆をてんぷらにしています。こちらも季節を感じさせるおかずとして、子どもから高齢者までみんなに喜ばれる定番のおかずレシピ。
詳しいエンドウ豆レシピはこちら
こちらのレシピのてんぷらはかき揚げを作るときのように小麦粉を材料にまぶしてからたまごを溶いたものを混ぜ入れるというやり方です。てんぷら粉の節約になるとともに素材に衣がしっかりとまとわりつくので、さやごとでなく豆だけのかき揚げの場合には特におすすめの作り方。油の中で具材同士がバラバラになりにくいですよ。
エンドウ豆のおすすめ人気料理4.
エンドウ豆入りのカレー
えんどう豆8本 ピーマン1/2個 玉ねぎ(みじん切り)中玉1/2 ◆生姜(みじん切り)小1/2強 ◆クミンシード小1 ◆コリアンダーパウダー小1/2 ◆ターメリックパウダー小1/4くらい ◆カレー粉小1~ ★ペイリーフ(月桂樹の葉)1枚 トマト缶(ホールジュース煮・無塩)2個とジュース大2 塩ひとつまみ~ 胡椒一振り 太白胡麻油(お好きな油で可)小1強 ★バルサミコ酢( 無くても可)少々 ★濃縮還元ではない100%リンゴジュース( 無くても可)小1~2
いろいろな具材を入れたカレーがありますが、旬のエンドウ豆を使ったものもおいしいですよ。こちらのレシピでは全て煮込んでしまう方法。豆だけを入れたり、さやごとを炒めたりサッと揚げて火を通ったものをカレーに添える食べ方もおいしいので試してみてください。
詳しいエンドウ豆レシピはこちら
野菜のだしのみで魚や肉類の入らないカレーレシピです。野菜はお好みでいろいろと余り物の整理を兼ねて作ってみるとよいでしょう。エンドウ豆が少し古くなってきたなという場合でも、カレーの風味でごまかせてしまうので便利でしょう。
まとめ
成長過程で食べ方が変わるエンドウ豆
食べ方もいろいろなエンドウ豆。サヤごと食べるのか豆だけで料理するのかによって収穫時期が変わるのがポイントです。しかしどの場合でもあまり熟しすぎると豆が固くなり食感が悪くなりますのでその見極めが大切です。よくわからなかったら一度さやを開いて中の豆を確認してみるとよいでしょう。
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