はじめに
アゲラタムの種類や育て方をご紹介
アゲラタムという花はあまりメジャーではありませんが、ガーデニングをしている人にとっては花壇や寄植えなどに大変便利に活用できる困った時の縁の下のちから持ち的な位置にある花。今回はアゲラタムとはという基本的なことから、種取りの方法といった増やし方もご説明していきます。はじめて植物を育てるという方にピッタリなお世話が簡単な花の紹介です。
アゲラタムについて
まずはアゲラタムという植物の基本をご紹介します。何の仲間の花なのか、どこで国の生まれなのか知ることで扱い方も見えてくるでしょう。この植物の英語名の由来とともに見ていきましょう。
アゲラタムの基本情報
科・属:キク科アゲラタム属
原産地:熱帯アメリカ
学名/英語名:Ageratum conyzoides/Pussy foot.Floss flower
アゲラタムとはどんな植物?
花色は紫で高さは15センチと小さなものから80センチくらいの高さになるものまでありますが、一般的に花壇用に販売されている苗は30センチくらいまでのものが多く流通しています。高さがある種類は切り花用として育てられる種類。キクの仲間で花はまとまって頂点に次々と咲き夏から秋まで長く楽しむことができるでしょう。プシーフットとは忍び足という意味で、こっそり咲き続けるこの花の姿が由来です。
アゲラタムの別名
日本語ではこの植物の名前をカッコウアザミまたはオオカッコウアザミと呼ばれます。葉がカッコウに似ており、花はアザミに似ていることからふたつの名前を組み合わせて呼ばれています。
アゲラタムの花言葉
この花には花言葉として信頼や安楽という意味がつけられています。これはアゲラタムがとても長く花をつける植物に由来して、ギリシャ語の不死からくる名前をいただいていることに由来します。
アゲラタムの特徴や花の時期
アゲラタムにも種類があって背の高いもの低いもの、花の色も青や紫だけでなく白や赤なども見られます。しかしどの品種においても同じ部分が花と葉の形や付き方です。
アゲラタムの特徴1
アゲラタムの特徴といえば、少し変わったその花の様子でしょう。どの部分がガクでどこか花びらなのかつぼみのうちはわかりにくいですが、開いてくると花火のようにきれいに放射状に細い花びらが開く様子はとても美しいものです。
アゲラタムの特徴2
花だけでなく葉も特徴的で自然とこんもりと丸い形にたくさんの葉を茂らせます。日本の梅雨から夏を元気に乗り越えさせるには、この時期の剪定などの葉の管理が大切なポイントともなるでしょう。
花の時期はいつごろか
花の時期もこのアゲラタムの特徴のひとつ。なんと苗を植え付けた翌月5月ころから10月ころまで半年近くも咲き続ける非常に息の長い花の時期を持つ植物です。これがアゲラタムが花壇や寄植えに好まれる理由であり、大きな特徴です。
アゲラタムの育て方と時期1.種まき
まずはこの植物の種まきのやり方から解説していきましょう。とても細かな種なので扱い方に注意が必要です。
アゲラタムの種まきの方法
アゲラタムは種の販売もありますが、苗で育てるのが一般的。自分で採取した前年の種からの種まきでも育てられないということはあませんが、一旦平らな平鉢など底が浅く広い鉢にパラパラと播種して良さそうな苗を選んで植え替えてあげるとよいでしょう。種は好光性があるので土はごくごく薄まき(土をほとんどかけない程度に管理する種まき方法)にして管理するのがおすすめ。
種まき用の土は肥料分のないものを
種まきから発芽までは1週間程度と比較的早めに芽がでできます。自分で採った種ですと、育ちがバラバラで差が出てきてしまうことも多いので市販の種を買ってまくのがおすすめ。景観用の高さのある青い品種や花壇用にはいろいろな色が混じったミックス種に人気があります。
間引きのやり方
植木鉢やプランターに直接種まきをしたときは、込み入ってる部分は丈夫なものを残して間引きして育ててください。1株でこんもりとなる植物なので込み入ってる場所はお互いに成長を邪魔してしまいます。
種まきの栽培ポイント
発芽温度が20度以上なのでお住まいの地域の気温に合わせてまきますが、遅くとも5月中旬くらいにまかないと夏の開花は難しくなってくるでしょう。秋咲きを楽しむつもりであれば6月ころの時期まで種まきすることができます。
アゲラタムの育て方と時期2.植え替え
種まきから育てたものの本葉が4枚程度まで大きくなったら苗として植え替えても大丈夫な時期になります。また買ってきた株などの植え替えも同様なやり方となるので、ここではその方法を解説しましょう。
アゲラタムの苗の植え替え方法
自分で作った苗や買ってきた株はそのままでは狭いので株の大きさよりも1-2まわり程度大きな鉢や地植えに植え替えをしてあげましょう。並べて数本植え付ける場合は株間(植物と植物の間隔)を20-25センチほどとると風通しもよく健康的に大きくなってくれます。
植え替えの栽培ポイント
買ってきた苗であれば4月ころから、遅くに種まきしたものは7月くらいが植え替えの時期となるでしょう。地植えの場合は植える場所にも気をつけて。植え替え時の元肥は不要。花の時期に水溶性の肥料を適宜与えるのが適しているからです。
アゲラタムの育て方と時期3.水や肥料
水や肥料は植物によって好みが分かれる場合もあります。この花については形から避けたい水やりの仕方と、基本的な水分と植物のバランスのふたつの面から見ておこなうお世話のポイントがあります。肥料も水溶性のものを水やり感覚であげるので、水やりのひとつとして見てください。
アゲラタムの日常管理のやり方
アゲラタムの水やりは地植えの場合はほとんど必要ありません。水が多すぎた状態だと株が甘えてしまった花を付けにくくなるので、少し乾燥させ気味程度の管理がおすすめ。鉢植えの場合はしっかり乾いてから上げる程度で十分です。
水のやり方・コツ
上から水をかけると花にたまって腐りやすいです。水やりをするときは葉を持ち上げて株元にたっぷりあげる方法がおすすめ。
液体肥料の時期と回数
花の時期には液体肥料を水で薄めたものを月に3度を目安に与えてください。葉とのバランスを見て花が少なく葉ばかり目立つのは肥料過多か水やりのしすぎの可能性が高いので、水と肥料どちらも控えて様子を見てみましょう。
普段の栽培ポイント
肥料は無肥料でも元気に育つ植物です。水もあげすぎないのが大切なので日常管理においては枯れた花やこみいった葉を剪定するのがメインとなるでしょう。初心者にもとても扱いやすいものといえますね。
アゲラタムの育て方と時期4.梅雨時の注意
あまり手がかからない植物ですが、こんもりと葉を茂らせるので通気性が悪くなり枯れてしまったり元気がなくなったところを虫にやられてしまったりすることも。梅雨時の管理方法として剪定をおこなうことをおすすめします。
アゲラタムは梅雨時に剪定を
とても管理が簡単な植物ですが、元気がよいだけに日本の梅雨から夏の時期の蒸れには要注意です。枯れたものや終わった花を摘むだけでなく多すぎる葉は取り除いて風通しをよくしてあげるのも大切。気になったら一気に切り戻ししてあげても新しい芽が出てすぐに復活します。
梅雨時の栽培ポイント
とにかく風通しをよくするために剪定してあげるというのが、この時期の植物管理には大切なポイントです。今ついている花がおおかた終わったら、思い切って半分くらいの高さに切り戻してあげるのが簡単でしょう。
アゲラタムの育て方と時期5.種取り
自分で種を取るのはガーデニングの楽しみのひとつですね。非常に細かい種がたくさん取れますので、翌年春まで大事にとっておいて、種まきからの栽培の楽しさを味わいましょう。
アゲラタムは種とりで増やそう
アゲラタムの花をそのままにしておくと種が採取できます。それを種取りといいますが、その種をとっておくことで次の年の春の種まきに使用することができるでしょう。
種取り以外の増やし方
種だけでなく挿し芽でも増やすことが可能です。やり方は剪定などで切り取った枝を鹿沼土を入れたポットに差し、日陰で根が出るまで管理してあげます。根づくまで土が乾燥しないようにしめらせた新聞紙などをかけるとよいでしょう。
種取りの栽培ポイント
種取りをすることで株が一気に栄養を種に集めようとします。そのため花の付き方などが遅くなることもあるでしょう。種取りをする場合は秋に近くなりもう花は終わりにしても良いというときにおこなうことをおすすめします。
おすすめのアゲラタムの種類
最後になりますがアゲラタムの種類についても触れていきましょう。青や紫のものが代表的な品種としてあげられますが、そのほか変わり種として白や赤といった花が咲く種類も人気があります。こちらは種では国産品でほとんど流通していないので苗を購入して育てるのがおすすめ。苗が出回る時期に探してみるとよいでしょう。
アゲラタムの種類1.ホワイト・マリー
高さは低く早生なのが特徴のアゲラタムです。栽培が簡単なアゲラタムの中でもとても育てるのが簡単なので、鉢植えなどで育てやすい品種といえますね。
アゲラタムの種類2.トップブルー
鮮やかな青い花が咲く種類で、背の高さは高い種類です。花束によく使われることがある種類で、他の花をうまくまとめて自分の良さをアピールするタイプの花。ドライフラワーとしても使われ、長く楽しめる品種です。花壇や寄植えの鉢の高さを出したいときに活用するとよいでしょう。
アゲラタムの種類3.レッドシー
珍しい赤いアゲラタムはレッドシーという名前が付けられています。こちらもホワイトと同様に矮性の品種で、咲く時期も重なることが多いので赤と白を混ぜておめでたい紅白の寄植えとして組み合わせも楽しめるでしょう。もちろん他の植物と合わせるのにも良いですよ。
まとめ
アゲラタムは初心者にも育てやすい植物
アゲラタムとはという基本的なことから、種取りや植え替えなど育て方をご紹介してきましたがいかがでしたか?種まき時期をずらすことにより最長半年近く花を見せてくれる花として長く楽しみたい寄植えなどに適している花で、お世話も簡単なので初心者向けの植物ともいえます。あなたのガーデニングに是非加えてみてはいかがでしょう。
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