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タニウツギとはどんな植物?
可愛い花を咲かせる落葉性の低木が気になっている方におすすめなのが「タニウツギ」です。タニウツギは強健な植物で、日本各地で自生しており、初心者の方でも育てられるのがポイント。しかし、実は縁起が悪い木として嫌っている地方もあり、その異名も変わったものが多いのが特徴で、縁起を気にされる方は注意しましょう。そんなタニウツギの縁起や異名、育て方などの基本情報を解説していきます。
タニウツギの特徴
タニウツギとは?
タニウツギとは、タニウツギ科タニウツギ属に分類される、落葉性の低木です。タニウツギ科はスイカズラ科とされることもあります。この属は北アメリカ、朝鮮半島、中国、日本に12種類が分布しており、日本では本州の日本海側に自生しています。日本にも実は10種類も生息しており、今回は主に本種をご紹介していきます。種類によっては葉が斑入りになっているものもあり、斑入り葉のものは美しく人気があります。
タニウツギは初心者でも育てやすい?
初心者の方が気になるのが育てやすさですが、日本各地で自生している木ですので、比較的育てやすい植物と言えます。強健な植物ですので、初心者の方でも、気になった方はぜひ育ててみて下さい。耐寒性も耐暑性も強いので、夏越し・冬越しの心配もあまりありません。また、植え付ける場所もあまり選ばず、肥料も沢山与える必要はありません。実は基本的なポイントだけ押さえれば簡単に育てられる植物なのです。
タニウツギの開花時期
開花時期は5月の中旬から6月にかけてです。花色は種類によりますが、本種は紅色から淡紅色で、白花のものもあります。開花時期になると葉の付け根から花序が出て、2~4㎝の花を2~3個咲かせます。画像のようにふさふさと咲きますので、中々華やかで見応えがあり、楽しめます。花は漏斗状の形をしており、先端は5裂してます。雄しべは5個で、雌しべは1個です。
タニウツギの種類
タニウツギの種類①シロバナタニウツギ
こちらは名前の通り、花色が白い種類です。緑と白が非常に爽やかで、こちらも人気があります。白花のものを育てたい方はチェックしてみて下さい。
タニウツギの種類②オオベニウツギ
こちらは本種に似た花を咲かせる近縁種です。中国の北部や朝鮮半島に分布しており、日本でも福岡県に自生していたのですが、現在は絶滅したと考えられています。大きさは1~3m程度と扱いやすく、広く栽培されている人気の種類です。園芸品種として「オーレオ・バリエガータ」というものもあり、そちらは斑入り品種となります。画像のものが斑入り葉のもので、ただの葉よりも斑入り葉の方がインパクトがあり、人気です。
タニウツギの種類③ハコネウツギ
こちらも似た花を咲かせる近縁種です。名前にハコネと付いていますが、箱根だけに自生している訳ではなく、日本各地で見られます。花期は同じく5~6月です。咲き始めは白色の花なのですが、段々と赤く染まっていくのが特徴で、紅白の雰囲気がとても美しく人気です。また、育てやすさも変わりませんので、気になる方は育ててみて下さい。
タニウツギと似た花
タニウツギ属は基本的にどれも似た花ですが、画像のニシキウツギも似た花を咲かせるとして知られています。似た花を咲かせますが、白やピンクの花が混じって咲きますので、すぐに見分けられます。また、葉の表面の毛が本種よりも多いのが特徴です。似た花を見つけたら、まずは花色をチェックして、次に毛の量を見てみると良いでしょう。
タニウツギの花言葉と名前の由来
タニウツギの花言葉
可愛い花を咲かせますので、花言葉も持っています。タニウツギの花言葉は「豊麗・豊かで美しい・豊穣」です。どの花言葉にも「豊」という字が入っており、とても良い印象があります。また、美しさも感じさせますので、贈り物にも適した花言葉と言えるでしょう。どなたかに贈られる際は花言葉の意味も添えると喜ばれるかもしれません。ただし、後述するように縁起が悪い面もありますので注意して下さい。
タニウツギの名前の由来
学名は「Weigela hortensis」と書きます。「Weigela」はドイツの「C.E.von Weigel」への献名です。「hortensis」は「庭の」という意味があります。和名のタニウツギは、漢字で書くと「谷空木」となります。「谷」の部分は、沢や谷間などの場所によく自生していることが由来です。「空木」は、幹や枝の中が空洞になっている為です。ちなみにウツギという木がありますが、そのウツギの仲間という訳ではありません。
タニウツギが火事花と呼ばれる理由
タニウツギ(谷空木)
— Natural-Uni 野鳥・自然 (@NaturalUni) May 30, 2017
日本海側でよく見られる、桃色の綺麗な花。しかしながら、『火事花』、『死人花』、『葬式花』などの異名を持ち、縁起の悪い花としている地域もあります。 pic.twitter.com/io00ZCiRPR
育てる前に知っておきたいのが、縁起と火事花などの別名です。実は木材としての使い勝手から、葬儀の際に箸に使われていた経歴があって「死人花・葬式花」と呼ばれたり、花が燃えるように美しいことから、「火事花」と呼ばれたりと、色々な別名があります。火事花の呼び方は有名ですが、火事花を家に持ち込むと火災が発生するなどとされており、嫌う地方があります。火事花を嫌う地方で贈り物にするのは危険ですので注意して下さい。
タニウツギの販売価格は?
タニウツギの販売価格
斑入りタニウツギ フロリダバリエガータ
火事花などの呼び方で嫌う地方はありますが、花はとても美しく人気がある為、流通量も多く、価格も比較的安価です。大体1000~1500円くらいで苗木が販売されていますので、気軽に購入して育てられます。お店でも販売されていますが、もし近くで見当たらなければ、ネットショップの利用も検討しましょう。上記のように、斑入りの品種も販売されていますので、少し違ったものを育てたい方は斑入り品種がおすすめです。
タニウツギの選び方
特別な選び方のポイントはありませんので、元気そうな苗木を選びましょう。葉の色が良く、病害虫の被害の様子が無く、問題無く育ってくれそうものを選んで下さい。最初に調子の悪いものを買ってしまうと、あとが大変です。また、良さそうなものがお店に無ければネットショップを利用するのも良いのですが、どんな苗が届くのか分からない部分がありますので、信頼出来るお店から購入しましょう。
タニウツギの育て方①環境
タニウツギは地植え?鉢植え?
育てる際に考えなければならないのが、地植えで育てるか鉢植えで育てるかですが、タニウツギはどちらでも育てられます。耐寒性も耐暑性もありますので、本州にお住まいの方であれば、お好きな方を選ぶと良いでしょう。もし後々移動させる可能性があるのであれば、鉢植えにして育てるのがおすすめです。移動の予定が無ければ、地植えにすることで水やりや植え替えの手間が省けます。
タニウツギに適した生育環境
日光を好む植物ですので、日当たりの良い場所に植え付け、もしくは鉢を置いて育てましょう。半日陰程度の日光でも一応育ってくれますが、花付きが悪くなってしまいます。しっかり花を咲かせたい方は、日当たりの良い場所で育てて下さい。土質はあまり選びませんが、植え付けの際に少し腐葉土を混ぜてあげると良いでしょう。
タニウツギの夏冬の管理
耐暑性・耐寒性が強い植物ですので、夏越し・冬越しの心配はありません。植物を育てる際に難しいのが夏と冬の管理ですので、この部分の心配が無いのも初心者の方には嬉しいポイントです。
タニウツギの育て方②用土・植え付け
タニウツギの用土
土をあまり選ばない植物ですので、気軽に植え付けられます。地植えする場合は、植え付け前に腐葉土を少し多めに混ぜておくと更に良いでしょう。鉢植えにして育てる場合は、販売されている培養土を使用しても良いのですが、赤玉土の小粒を4割、腐葉土を3割、黒土を3割の割合で混ぜるのがおすすめです。あまり厳密に考える必要はありませんので、大体の割合で大丈夫です。
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タニウツギの植え付け
植え付けの適期は11~3月の落葉期です。寒い地域では少し早めに植え付けても良いでしょう。地植えにする場合は、根鉢の3倍程度の植穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土を混ぜます。株を置いたら隙間に土を入れ、最後に水やりをして完了です。少し押さえて土を馴染ませてあげましょう。鉢植えの場合も同様に植え付けて下さい。
タニウツギの育て方③水やり・肥料
タニウツギへの水やり
栽培管理で最も大切なのが水やりの具合です。鉢植えにした場合は放っておくと水切れしますので、定期的に水やりをしましょう。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。夏場は水切れしやすいので注意して下さい。また、夏の水やりは夕方以降に行うと涼しくて良いでしょう。地植えにした場合は雨水がありますので、根づいてしまえば水やりはほぼ不要となります。よほど乾燥している場合のみ水やりをして下さい。
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タニウツギへの肥料
元々日本各地で自生しているような植物ですので、肥料を与えなくても強く育ってくれます。肥料を与えずに育てて様子を見て、もし花付きが悪い様子であれば肥料を与えると良いでしょう。冬の1~3月に緩効性肥料を置くのがおすすめです。肥料が多すぎると枝が伸びすぎてしまいますので、様子を見ながら与えて下さい。
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タニウツギの育て方④植え替え・増やし方
タニウツギの植え替え
鉢植えにした場合は次第に根が詰まっていきますので、2~3年に1回は植え替えをしましょう。植え替えの適期は2~3月です。一回り大きな鉢と新しい用土を用意して、植え付け同様に作業して下さい。地植えの場合はそのまま育てていけますが、場所を移動したい場合は11~3月頃に行いましょう。
タニウツギの増やし方
もらった枝先を挿し木して3年
— 7月猫人 (@north_dragon_tm) June 16, 2018
やっと花が咲いた:musical_note:
斑入りのタニウツギ( ´∀`) pic.twitter.com/sjsF3tG6ja
タニウツギの増やし方は、実生よりも挿し木が一般的です。挿し木は3~4月の春ざしと、6~8月の夏ざし、9~10月の秋ざしがあり、春ざしは前年の枝を、夏と秋ざしは当年の枝を使います。基本的には夏・秋ざしをすると良いでしょう。その年に伸びた枝を15㎝ほどの長さで切り、葉を半分にカットしてから切り口を水に浸けて水揚げを行い、挿し木用の土に挿します。あとは明るい日陰で水切れに注意して管理すれば発根します。
タニウツギの育て方⑤剪定
タニウツギ(植栽)。
— はから★め (@nikoniko3210) September 12, 2018
春咲きですが、バンバン剪定しているせいか秋にも少し咲いています。 pic.twitter.com/N47i98NsH6
花後、もしくは落葉期に剪定を行いましょう。基本的には12~3月の落葉期に剪定を行います。徒長した枝や込み入った部分などを剪定して、スッキリとした印象にして下さい。また、3~5年以上経った古い枝は地際から剪定して、新しい枝で更新するようにします。樹高を低く抑えたい方は強剪定をしても構いませんが、強剪定をした年は花が咲きません。
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タニウツギの育て方⑥病気・害虫
タニウツギの病気
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強健な植物ではありますが、多湿になる梅雨時期にうどんこ病にかかる場合があります。風通しを良くして予防しましょう。また、アブラムシによってすす病にかかる場合もありますので、アブラムシの対策をしておきましょう。
タニウツギに付く害虫
アブラムシは病気を媒介しますので対策をしておきましょう。対応薬剤は色々ありますが、もしあまり薬剤を使いたくない、心配な方は、上記動画で紹介しているような比較的安全な薬剤もあります。それなりに大きく育つと薬剤の量も必要になりますので、まだ木が小さい間はこういった薬剤も良いでしょう。その他、詳しい対策方法は下記記事で解説しています。

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まとめ
今回の「タニウツギとは?縁起が悪い?変わった異名や育て方など基本情報を解説!」はいかがでしたでしょうか?花言葉は良い意味となっていますが、火事花と呼ばれるなど縁起が悪い部分がありますので注意して下さい。基本的には育てやすく、中には斑入りのものもありますので、好みの品種を育てましょう。増やす際は実生よりも挿し木が一般的であり、比較的簡単に増やせます。
タニウツギが気になる方はこちらもチェック!
今回はタニウツギについて解説させて頂きましたが、他にも観葉植物・ガーデニングに関する記事が沢山あります。気になる方はぜひ見てみて下さい。

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