はじめに
ボルダリングは一人でもできるスポーツなので、ストイックに一人でジムに通っている方も多いですよね。ですが、ジムでただ黙々と登るだけでは物足りなくなってきた方もいるのではないでしょうか?そんなときにおすすめなのがコンペです。ボルダリングコンペとはどういうものか、大会のカテゴリーやルール、関東・関西のメジャーな大会のスケジュールなどをご紹介します。
ボルダリングコンペとは?
ボルダリングコンペってどういうもの?
コンペとは、ボルダリングの大会のことです。自分の実力と近いクライマーと競い合い順位を決めるものなので、自分の実力や苦手な部分を客観的に知ることができます。コンペは、日本山岳・スポーツクライミング協会や各企業、都道府県連盟が主催している公式のものから、各地のジムが主催するものまで幅広い種類があり、その雰囲気もさまざまです。
今ボルダリングコンペが熱い!
クライミング人口・クライミングジムの増加に伴い、コンペも盛り上がってきています。オリンピックの正式種目になったことも追い風となり、規模の大きなコンペも多数開催されています。コンペを開催するジムも増えていて、各地のジムで大小のコンペが積極的に開催されています。自分が通うホームジムのスタッフから、コンペに誘われたという経験のある人も多いかもしれませんね。
ボルダリングコンペは誰でも参加できる
カテゴリー別で初心者も安心
ボルダリングコンペの存在は知っていても、参加するにはまだ早いと思っている方も多いのではないでしょうか。もっと上手になってから参加したいとつい思ってしまいますよね。初心者からすればハードルが高いと思われがちのコンペですが、レベルやグレードに合わせてカテゴリーが分けられているため、思ったよりも気軽に参加できます。
お祭りみたいに楽しめる!
コンペの形式は多様性に富んでいます。真剣勝負で競い合うものから、お祭りのようにワイワイと一日中楽しめるものまで、さまざまな種類のコンペがあります。まずは普段通っているジムのコンペなどから参加するのがおすすめです。コンペはジムを貸し切りにして開催するため、ダイナミックな動きが求められる課題や、あまりジムでは見かけないような大きなホールドを使った課題など、コンペならではの課題が楽しめますよ。
ボルダリングコンペの大会ルール
ボルダリングコンペのルールは、大きく分けてセッション方式とベルトコンベア方式の二つがあります。
セッション方式
セッション方式とは、クライマーが一斉に指定された課題に登り、完登数などを競うルールです。カテゴリー別に8個前後用意された課題を、制限時間内に登ります。完登数とゾーン(各課題の中盤に設置された加点となるホールド)獲得数によって最終的な順位が決まるというルールです。課題によって混み具合に差があるので、どの課題を先に登るのかという判断力も試されます。
ベルトコンベア方式
ベルトコンベア方式とは、複数の課題を一人ずつ登り、完登数とトライ数を競うルールです。ベルトコンベアのように一人ずつ順番に登っていくことから、ベルトコンベア方式と呼ばれています。他のクライマーが登っている様子を全く見ることができないルールなので、3〜5分の制限時間内に独力で正しいムーブを導き出す力が求められます。
ボルダリングコンペのメリット
上達への近道になる
ボルダリングコンペは、自分と実力の近い他のクライマーと同じ課題に取り組める貴重な機会です。普段ジムで登っていても、このようなシチュエーションはなかなかありませんよね。他のクライマーに負けたくない!という気持ちは、なにより上達に繋がります。また、他人の登りを観察することで自分のクライミングに活かすこともできます。さらにコンペ当日のプレッシャーや緊張感を味わうことで、メンタル的にも大きな経験となります。
ボルダリングコンペ仲間ができる
コンペに出てみると、知り合いが増えます。あの人に負けたくない、あの人みたいに登りたいという気持ちは、モチベーションアップにも繋がります。ジム主催のコンペであれば、こういった機会にジムの常連さんと仲良くなることも。こうした意識や環境、人間関係の変化が、自分のクライミングの向上に繋がります。
ボルダリングコンペに参加する前に
ボルダリングコンペの参加方法
参加にかかる費用や大会ルール、申し込み期日、大会スケジュールの確認をしっかりと行い、準備しましょう。参加費はジム主催の大会で4,000円程度、公式の大会になると10,000円前後です。ジム主催のコンペは、ジムの利用料のみで参加できるものもあります。また、コンペの後に会費制でアフターパーティーがあるものもあります。自分のグレードや雰囲気にあったコンペを探して申し込んでみましょう。
自分に合ったグレードの大会に参加しよう
ボルダリングコンペには、カテゴリーごとに出場資格があります。コンペに申し込む前に、自分がそのコンペに参加できるグレードに達しているかを確認する必要があります。自分のグレードによって、どのカテゴリーに参加するか決めましょう。ジム主催のコンペであれば、そのジムのグレードによってカテゴリーが分けられているのでわかりやすいですね。
ボルダリングコンペ:一日の流れ
予選や決勝の有無をチェック
コンペ当日は時間に余裕を持って会場に行き、ストレッチをしたり心の準備をしたりするのがおすすめです。当日の食事は開始時間の3時間前までに済ませておくのが理想です。おにぎりやバナナなどの、比較的消化の早い高糖質な食事が適しています。食物繊維は消化に時間がかかるので、できるだけ控えた方がいいでしょう。またスポーツには水分補給がとても重要です。忘れずに準備するようにしましょう。
当日は時間に余裕を持って準備しよう
コンペは基本的に予選・決勝の流れで進むものが多いです。しかしカテゴリーによって形式が異なることもあるので、しっかりと確認して準備しましょう。予選のルールは、セッション方式のコンペが多いです。成績上位者を対象として決勝を行います。また決勝のルールは、ベルトコンベア方式のコンペが多いです。
ボルダリングコンペ:マナー
場の空気に飲まれず冷静に
コンペはボルダリングの腕を競うものです。参加者の気合の入れようも普段とは異なりますよね。つい熱が入りすぎて、気持ちが空回りしてしまうことがあるので気をつけましょう。コンペを観戦しているときにも注意が必要です。むやみに助言などを口に出すと、対戦者の集中を妨げてしまう場合もあります。場の雰囲気に飲まれず冷静な行動を心がけ、雰囲気を乱さないようにしましょう。
周りのためにもチョークはしっかりと
コンペではいつも以上にチョークをしっかりと使いましょう。当たり前のことではありますが、チョークを適切に使うことで手が滑りにくくなり、ホールドが汗で濡れることも防いでくれます。良いホールドコンディションで登ることは、自分のためだけでなく、他のクライマーのためにも大切なことです。適切にチョークを使うことで、手とホールドのコンディションを保ちましょう。
ボルダリングコンペ:心構え
普段通りの登りを心がけてリラックス
普段のジムでのボルダリングとは違い、コンペは勝負の場です。普段とは異なった雰囲気になります。コンペを楽しむことを第一に考え、リラックスすることを心がけましょう。気持ちが先走り焦りを感じることもあると思いますが、そこはグッとこらえて冷静に課題を観察しましょう。いつも通りの登りをすれば結果は付いてくると信じて、目の前の課題に真摯に取り組みましょう。
うまくいかなくて当然!
コンペに参加するからには、誰だって勝ちたいと思いますよね。また、恥ずかしいからもっとうまくなってから出ようと思いがちなのではないでしょうか。しかし、初めてのコンペは思うようにいかないものです。結果にこだわるよりも、コンペという非日常の雰囲気を楽しみましょう!その経験が、きっと二回目、三回目のコンペ参加時に生かされるはずですよ。
ボルダリングコンペ:押さえるべきコツ
オブザベーションや準備は念入りに
コンペでは、焦るあまりオブザベーションをおろそかにしたまま登り始めてしまいがちです。やみくもに登り体力を失うのは避け、オブザベーションを意識して一回一回のトライを大切にしましょう。登り始める前に課題やホールドの形を観察し、ルートとムーブを想定することが重要です。セッション方式のコンペではクライマーが一斉に登るので、他の人の動きもよく観察し参考にしましょう。
課題の難易度を見極める
コンペの課題には、順位付けのために簡単なグレードと難しいグレードが混在しています。それらを見極めて自分なりに作戦を立てましょう。セッション方式では、まずは多くの人が完登するような簡単なグレードの課題を登るのがおすすめです。簡単なグレードを最後に残し、終了間際に行列になってしまったらもったいないですよね。簡単なグレードの課題がどれかわからない場合は、他の人を見てよく完登されている課題を選びましょう。
ボルダリングコンペ:準備
万全の状態で挑めるように準備
コンペ直前の1週間は、コンペへの準備期間と位置づけてスケジュールを立てましょう。気合いが入り練習し過ぎてしまいそうになりますが、疲労を溜めずにコンペに臨むことが大事です。登る時間を減らす分、コンペを意識していつもより難しいグレードの課題や苦手な課題にも積極的に取り組んでみましょう。登る際はウォーミングアップやリカバリーを念入りに行い、疲労を溜めないようにするのがおすすめです。
時間やトライ数を意識して準備
コンペではトライ数を少なくする力、いわゆるオンサイト力(初見の課題を最初のトライで登る力)がとても大切です。ベルトコンベア方式では、トライ数の少なさがそのまま成績になります。またセッション方式でも、少ないトライ数で多くの課題に挑戦したほうが有利ですよね。そのためには、普段からトライ数を減らす意識を持つことが大切です。時間を区切ったりトライ回数を制限したりして、コンペに向けた準備を行いましょう。
ボルダリングコンペ:大会スケジュール
トップクラスの選手が参加する大会には、IFSCクライミングワールドカップ、IFSC世界選手権、関東で開かれるボルダリングジャパンカップなどがあります。ジム主催のコンペは関東・関西ともに年に1回開催というところが多いので、ジムのウェブサイトをこまめに確認しましょう。ここでは主に企業が主催して毎年行われている、初心者でも参加可能な関東や関西のコンペについてご紹介します。
ボルダリングコンペ:関東の大会スケジュール
関東の大会スケジュール:その1【Bouldering Local Circuit】
BLoCの名前で親しまれている、関東のボルダリングジムで行われているシリーズ戦です。2009年から毎年行われています。レギュラー、マスター、ミドル、エントリーのカテゴリーがあり、エントリーは4級以下のグレードのクライマーが参加できます。シリーズ年間ランキングの上位選手は、関東で行われるMaster of BLoCへの参加権が得られます。
関東の大会スケジュール:その2【JAPAN BOULDERING PROJECT CUP】
今年新しく関東で開催された、チーム制のコンペです。大会というよりも、みんなでワイワイと楽しめるお祭りのような雰囲気です。個人ではなくチームを対象として順位を決めるルールなので、初心者でも安心して参加できますよね。マスター、ミドル、ビギナーのカテゴリーがあり、ビギナーは8~6級のグレードのクライマーを対象にしています。
ボルダリングコンペ:関西・全国の大会スケジュール
関西・全国の大会スケジュール:その1【8DXボルダリング】
関西のクライマーなら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。関西各地のボルダリングジムで行われているシリーズ戦です。関西最大級のコンペですが、2017年に誕生した比較的新しいコンペです。ビギナーカテゴリーは6級までのグレードのクライマーを対象としているので、関西の近辺の方なら気軽に参加できますよね。キッズのカテゴリーだけでも年齢別に4種類もあります。
関西・全国の大会スケジュール:その2【THE NORTH FACE CUP】
国内最大規模のコンペで、初心者からプロまで参加が可能です。関東や関西、全国各地で予選会が開催されているので、参加しやすいですよね。予選大会上位の選手は関東で行われる本戦大会への出場権を得られます。男女を合わせて12ものカテゴリーがあり、実力に応じて選べます。予選会の参加申し込みは関東での本戦大会の半年以上前から行われるので、スケジュールには注意が必要です。
ボルダリングコンペ:まとめ
ボルダリングコンペで楽しい一日を!
ボルダリングコンペとは何か、大会のカテゴリーやルール、関東や関西のメジャーな大会のスケジュールなどをご紹介しました。いかがでしたか?初めてコンペに出るときは緊張するかもしれませんが、いざ参加してみると楽しかったという方がほとんどです。コンペ当日に体験したことはもちろん、コンペに向けた準備や意識の変化を含め、すべてが自分の成長の糧になるはずです。気負いすることなく、まずは気軽に申し込んでみましょう!
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