ししゃもに偽物が？！カペリンって？本物との違いや見分け方をご紹介！

はじめに

スーパーで見かけるのはししゃももどき？その実態は

ししゃもという日本人には馴染みの深い値段も安い庶民の魚。しかし最近このししゃもが偽物であるということが話題となっています。スーパーで売られているししゃもという魚がもし別の魚であったら。今回は本物と偽物の違いや見分け方・そうなった理由から美味しい食べ方までししゃもをたっぷりと解説していきます。

ししゃもについて

ししゃもの基本情報

目・科：キュウリウオ目キュウリウオ科
主な生息地：北海道の太平洋沿岸の一部
体長：約15センチメートル
名前の由来はアイヌ語のススハム(柳の葉)からで、そのために柳葉魚と書かれることもある。

ししゃもの特性・旬の時期

普段は海で生活するししゃも。一部の地域の北海道沖でのみ生息する魚類です。同じ科の仲間の魚はいますが、ししゃもとは明確に別の魚だと分けられていて限られた産地でしかいない魚です。産卵の時期になると川に上ってくるのも他の同じ科のカペリンなどの仲間との大きな違いとなっています。

本物ししゃもは数が非常に少ない

生息する場所が非常に限られた魚ということはその数も他と比べて極端に少ないということがわかるでしょう。以前はたくさんいて水揚げされていたししゃもは、庶民の味方というその人気のため乱獲され数をどんどん減らし最悪な年は年間数トンとか取れないとてもレアな魚となりました。

普段食べているししゃもは偽物？1.代用魚

スーパーにはいろいろある代用魚

さて今回はししゃもの偽物というテーマですが、最近のスーパーでは昔からあった魚と同じと思っているだけで多くの代用魚(もどき)が使われていることはご存知ですか？有名なものは白身魚フライなどに使われているメルルーサ。これはスケトウダラの数が減って高くなったため使われているもどきです。

本物のししゃもが少ないなら代用魚で我慢

他のもどき魚と同じように数が少なくなったししゃもにも代用魚があればそれと取って代わられるのは需要に応えるのが食品卸や小売店・スーパーでは珍しいことではありません。

例えば先程のメルルーサは有名でその他現在は代用魚だったことも忘れらるくらい大きなエビとして一般的になったブラックタイガーは、最初は車海老の代用魚としてスーパーに並ぶこととなったというもどき魚の仲間です。

ししゃもの代用魚の名前

そしてししゃもの偽物として白羽の矢が立ったのは、同じキュウリウオ科で姿も似ているカラフトししゃも(カペリン)です。最近ではこのような代用魚のことを偽装魚とも呼んで問題視する人もいます。

ししゃもだと思って買っていたものが実は違う名前の魚だと思えば怒る人がいるのも当然でしょう。そのためカラフトししゃもと名札を付けられたり、カペリンという名で流通するようになってきています。

普段食べているししゃもは偽物？2.代用との違い

カラフトししゃもとししゃもの違い

ししゃもと名前を付けられて売られている魚がすべてカラフトししゃも(カペリン)というわけではありません。このようなもどき魚と比べると数はとても少ないながらもししゃもも流通しているからです。

詳しい違いは見分け方でご説明しますのでここでは簡単に。カラフトししゃもは川に上ってくることはありませんし、生息する地域も北海道に限ったものではありません。

同じししゃもという名前だがカラフトが付く意味

もどき魚であるカラフトししゃも(カペリン)の名前の由来がその違いを大きく物語っています。カラフトは樺太に通じており日本よりも北の地域の海という意味。

川に上らないその魚は北の海をぐるぐると回遊しながら産卵して暮らしており日本でも昔からししゃもに似た魚ということで研究の材料として実は使われていた一部の人の間では周知の魚でした。

カラフトもししゃもも同じキュウリウオ科の魚

これらの魚が似ているのも当然でふたつの魚は同じキュウリウオ科の魚類。生息する地域も限定されるものと広い範囲にいるとはいえ北の海を主な場所として暮らす仲間。体長もほぼ同じで知らない人が見たらカペリンを痩せたししゃもを思っても仕方ないくらい様子は似ています。

普段食べているししゃもは偽物？3.スーパーの値段

カラフトししゃもは安い？

ししゃもは昔から数尾入りで100円程度ととても安い庶民の魚でした。現在でも代用魚の値段相場は昔のししゃもと変わりなく売られているでしょう。しかし本物は現在では数が減ってその値段で流通させようとするのは無理な話。

通年たくさん取れるカラフトししゃも(カペリン)がその安い魚としていつの間にかすり替えられて食卓に並んでいました。

値段の違いは水揚げ高の違い

ここまでお話したように、ししゃもは現在数がとても少なくなってしまった魚。漁獲中止の保護対象とまではなりませんが、絶滅を避けるために水揚げ高は抑えられています。値段が決まるのは需要と供給のバランス。

需要があっても供給が追いつかない魚に対しては高い値段を付けて需要を抑えようとしてどうしても小売価格はあがってしまうのは当然の話。それと比べ数が多いカラフトししゃも(カペリン)は以前のししゃも同様な数が用意できるので安いというわけです。

普段食べているししゃもは偽物？4.見分け方

カラフトししゃもの見分け方1.原産地

ししゃもの本物と偽物が両方ともスーパーで流通されているなら、その見分け方は？というといくつか方法があります。まずは最近では明記されることになっている産地をチェックすること。

ししゃもは北海道でしか捕れませんが、カラフトししゃもは前述の通り北の方の海をぐるぐると回遊していて産地もバラバラ。

カラフトししゃもの見分け方2.見た目

偽物と本物は体の大きさこそ15センチくらいと同じなのですが、並べてみると一目瞭然で体型が違っています。ふっくらとして肉や卵を抱えているししゃもに比べ偽物の方はスリムな体型をしています。また大きな違いとしてウロコの数が圧倒的に多いのが偽物です。

数が多いというのはその大きさも違うわけで大きなものがししゃも、小さなウロコがたくさんついているのが偽物です。

カラフトししゃもの見分け方3.値段が安い

数が減ったためレアとなったししゃもは、卸されるときのその価格も値上がりしています。ですのでスーパーなど小売店に並ぶ値段も偽物のカペリンなどと比べると明らかに高いと感じる人が多いでしょう。この値段も本物偽物を見分ける方法といえます。

カラフトししゃもの見分け方4.旬の時期の味

普段の生活の場と産卵の場所で環境を変える本物は旬になると脂がのって味が変わりますが、偽物の方はというといつも同じ場所をぐるぐると回遊して暮らしていることから産卵期になってもあまり脂のノリを感じられず味が変わりません。

子持ちで美味しいのが本物でいつ食べても味が同じなのが偽物という見分け方もあります。

普段食べているししゃもは偽物？5.本物を入手

もどきでないししゃもを食べたいなら

値段が安い代用魚ではなく少しくらい値段がはっても本物を食べたいという方もいるでしょう。しかしいつもあるわけではない本物。毎回スーパーをチェックしなくてもいくつかの点に注意していれば偽物との見分けも簡単にできる方法があります。

本物のししゃもは旬の時期なら手に入りやすい

それはとても簡単な方法で、ししゃもは旬の時期に出回るということ。ししゃもが産卵するために川に上がってくる時期さえ覚えてしまえば毎回鮮魚売り場で悩むことはないでしょう。

しかしこれは本物が多く出回っている場合。旬の時期でなくても数が少なければすぐに無くなってしまうのでその年はもう諦めるか別のスーパーや通販を利用する以外方法はありません。

旬の時期はスーパーで本物ししゃもをチェックしよう

ししゃもの産卵(子持ちで美味しい旬)の時期は10-11月。この時期がししゃもの漁獲時期として認められている時期と重なり、これ以外に出回っているのは安い冷凍のカラフトししゃもです。この時期と他の値段や形などを考慮してそれが本物か偽物かは見比べたらわかりますね。

普段食べているししゃもは偽物？6.漁獲量制限

本物ししゃもが少ない理由

さてここまで数が少ないから高いということしかお話していませんでしたが、旬とかぶってその漁獲時期というワードを出しました。この漁獲時期は何も美味しいから捕るのではなく種の保存のために制限されており決められている中のひとつのルールです。

時期だけでなく水揚げ量も規制されているため、時期だからとたくさん漁獲量が増えるというわけではなくそのために本物の数は限られるというわけです。

まったく食べられないわけではない

本物が出回る時期に買えなかったといっても悲観することもありません。偽物だとはいえよく似た魚が用意されているのです。本物の味には及ばないにしろ料理の仕方によっては美味しくいただくことができる、れっきとした食用の魚。

代用魚でも美味しく食べる方法がある

本物と偽物の違いでもご紹介したように偽物の方は幸いいつ食べても安定した味です。逆に考えると当たり外れのない味といえます。調理方法を工夫すれば美味しく食べる方法が見つかるでしょう。次ではその参考になるようなレシピをご紹介します。

普段食べているししゃもは偽物？7.美味しいレシピ

安い偽物でも美味しく調理して食べよう！

本物と偽物の味の違いがわかる人によると、脂のノリに差があるようです。安い偽物でもそのあっさりとした味を濃厚にするような調理方法、またはあっさりとした方が美味しい素材を活かした料理の仕方をすれば美味しくいただけるでしょう。

美味しいカラフトししゃもの食べ方レシピ1.

ししゃものような小魚は頭からガブリと骨まで食べるのが良いというのが美味しい食べ方のセオリーです。そのセオリーにのっとった食べ方は、間違いない美味しい小魚の食べ方といえるでしょう。

焼いて食べるよりも本物と偽物の味の差が出にくい方法として南蛮漬けをおすすめします。油で揚げて酢を使ってマリネすることで身はこってりと、かつ味わいはさっぱり骨までやわらかくいただける方法。

美味しいカラフトししゃもの食べ方レシピ2.

南蛮漬けにする時間のない方におすすめなのが揚げ物料理。よく天ぷらなどにする方もいますがここはもっとボリューミーなフライにしてみてはいかがでしょうか。サクサクとした食感もあいまって、あっさりとしたカラフトししゃもでもより一掃美味しく感じるでしょう。

美味しいカラフトししゃもの食べ方レシピ3.

作り方は先にししゃもを焼いてから下ごしらえした野菜などと一緒に中華風の炒めものにしていきます。珍しいししゃもの中華の味付け炒めは、新しいししゃもの食べ方として是非試して欲しいレシピのひとつです。

まとめ

スーパーで売られる多くがカラフトししゃもだった

すべてが偽物というわけではありませんが、その多くが現在ではカラフトししゃも(カペリン)という代用魚に取って代わられているというししゃもの事実と、その違いや見分け方・美味しい食べ方レシピを紹介しましたがいかがでしたか？

本物のししゃもを食べたこどかある人にとって偽物のは物足りなく感じるでしょうが、ししゃもという種の保存には漁獲制限も仕方ないこと。代用魚を美味しく食べる工夫をしてみるのがおすすめです。

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