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まりも(毬藻)の育て方!水槽の水換え方法や飼い方のコツもご紹介!

まりもを初めて育てる人も、育てようか考え中の人も、以前失敗してしまった人も、ぜひ「まりもの育て方!」をご覧ください。まりもの種類や中身、寿命を解説し、水槽の水換え方法や飼い方のコツをご紹介します。まりもの育て方を確かめ、愛情たっぷりに飼ってあげましょう。
更新: 2023年4月13日
おとはねくみこ
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目次

まりもの育て方を知ろう

Photo by bryan...

まりもは元来丸いものではありません。糸のような細い繊維状の藻(糸状体)が集まって丸くまとまっています。実は、糸のようにふわふわと浮いて暮らしているものがほとんどです。

まん丸に形作るのは、河川や湧き水の流れや深さ、地形などの外的要因によってひとりでに丸く成長した、藻が巻き付きやすいタイプ、光合成で天地がひっくり返りながら成長するというような説があります。

まりもの基本情報

【科名】アオミソウ科
【属名】マリモ属
【学名】Aegagropila linnaei
【英名】marimo(Lake ball、Moss ballなど)
【和名】マリモ(毬藻)

阿寒湖のまりもは特別天然記念物

まりもと言えば、北海道の阿寒湖が有名ですよね。ベルベットのように美しく、30cmに成長したビッグサイズも存在し、極めてまれであることから1952年に国の特別天然記念物になりました。その数は年々減少傾向にあり、絶滅危惧種でもあります。

もちろん採取は禁止です。2019年8月に22年ぶりに阿寒湖のまりもの個体数調査が行われ、水草増殖の影響が懸念されています。

まりもの種類や中身、寿命も解説!

まりも(毬藻)は、その形状のかわいらしさから数年前にブームを巻き起こしましたが、その人気は根強く、近年でも癒しのアクアリウムとして注目されています。

まりもを初めて育てる人も、育てようか考え中の人も、以前失敗してしまった人も、ぜひ、この記事を読んでみてください。まりもの種類や中身、成長や寿命についても詳しく解説しています。

まりもの種類

日本のまりも

北海道以外では、青森県の小川原湖、山梨県の山中湖など富士五湖、滋賀県の琵琶湖などで発見されましたが、生育環境の悪化などで絶滅の危機に瀕しています。

このことを考えると、飼育時は愛情を持って大切にしようと思わせてくれますね。球状になるのは阿寒湖と小川原湖だけで、他のものは糸のように漂っていたり、岩に密着していたりします。

山梨県の富士まりも

山中湖などの富士五湖では「富士まりも」(フジマリモ)と呼ばれて親しまれています。県指定特別天然記念物です。

秋田県の鳥海まりも

にかほ市にある中島台・獅子ヶ鼻湿原には「鳥海まりも」(チョウカイマリモ)が生息しています。藻ではなく苔が混生したものです。

富山県の立山まりも

「立山まりも」(タテヤママリモ)は、阿寒湖のまりもとは別種で、独自の系統を持ちます。

外国のまりも

外国では、アイスランドやヨーロッパ北部、ロシア、アメリカ北部などで暮らしています。そのルーツは日本の湖と見込まれており、渡り鳥の飛来が関係しているとの考えが有力です。

外国産は「西洋まりも」という名称でもお馴染みで、4~5cmとサイズが大きめとなります。中には5cm以上の特大サイズもありますよ。

まりもの中身と寿命

まりもの中身は空っぽ?

成長して大きなボール状になると、光合成が行われるのは表面部分だけで、中身にお日様の光が届かなくなってしまいます。そのため、光合成を行えなくなってきた中身は、次第に枯れて空っぽになり、球体を維持できなくなって崩れてしまいます。

中身が崩れても大丈夫です。表面の藻が新たなボールになって、成長を繰り返していくのです。

まりもに寿命はあるの?

長い年月を重ねて少しずつ成長し、大きさに耐えきれなくなったら中身から崩れ、再び新たなボールを作ります。寿命は存在しないと言っても過言ではありません。

しかしながら、そんな果てしない寿命を持っていても、水が汚くては生きていけません。湖面から底面まで深すぎると光合成が行えず、浅すぎると熱せられてしまいます。成長と寿命は環境と密接な関係にあるのです。

まりもの育て方を解説


まりもの生態をより深く知ることで、愛情を持った育て方・飼い方ができます。水槽の水換え方法、光合成に適した光や水温など、環境面といった基本的な育て方のをお伝えいたします。

増やし方、餌、変色・害虫トラブルについても知っておきましょう。

①購入場所

専門店でまりもを見つけよう

熱帯魚やアクアリウム用品を扱っている専門店で販売されています。お店だと肉眼で大きさや状態を確かめられ、店員さんに直接、入荷状況や飼い方、増やし方を質問できます。

専門店以外では、ホームセンターの園芸コーナー、ペット・アクアリウムコーナーを覗いてみましょう。無印良品や雑貨店、100円ショップ、生協で手に入れたという驚きの情報も。

まりもを通販サイトで

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お住まいの近くで売っていない場合、通販サイトを利用するのも一つの手です。おしゃれなアクアリウムボトルとセットになった商品など好みのタイプを選べ、飼い方の注意点を記した説明書が付いています。

まりもの具合や配送状況に関しても、多数の口コミが寄せられていますので参考になり、安心して購入できるのがうれしいですね。

養殖まりも5個入り

許可を受けた業者がシラルトロ湖で採り、ボール状にしたものが養殖まりもです。コルク瓶の中身は1~3cmほどのかわいらしいまりもが5個のほか、ミネラル鉱石が入っています。養殖の場合、成長の目安は1年に1~2mmとなります。

天然まりも(外国産)

天然まりも(外国産)

出典:Amazon
出典:楽天
出典:楽天
出典:楽天

コルク瓶の中に、ふわふわでもこもこの大きなまりもが入っています。サイズは3~5cmとの記載がありますが、思ったより大きい!存在感たっぷり!可愛くて癒される!と高評価の商品です。コルク瓶は縦9cm×横7cmほどの大きさです。外国産の成長の目安は1年に4~7mmとなります。
 

②水槽や道具

まりもの水槽やボトル

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小さめの水槽やボトルなどの容器を用意しましょう。小さめだと水換えがしやすく、水槽自体も洗いやすいというメリットがあります。デメリットとしては、水の量が少ないと水温が上がりやすいということが挙げられます。

逆を返せば、大きい水槽だと水換えの手間がかかりますが、水温の上昇を防げるというメリットがあります。

その他の道具

その他の道具としては、水換え時にアクアリウム用すくい網があれば、まりもをうっかり落とすことはありません。茶こしでもOKです。

さらに、一時的に避難させておく清潔な容器や受け皿があれば安心ですね。また、まりもに茶色く枯れた部分が見られた場合に取り除く、小さめのハサミやピンセットをご用意ください。

アクアリウム用すくい網

アクアリウムの必需品、すくい網です。網目が細かいので、水換えを行う時に大切なまりもを優しく扱ってあげられます。口径100×75mm、全長300mmのミニサイズです。

③水槽の水換え方法

Photo byjarmoluk

飼い方の要点として、水槽に入れる水は水道水をそのまま使用できることが挙げられます。金魚や熱帯魚などを飼育する時は、水道水に含まれているカルキや重金属を中和するために、アクアリウムショップで売られている水質調整剤を入れますが、それは必要ありません。

水道水で水換えできるのはお世話がしやすいですね。

まりもの水換え方法

ひんやりとした奇麗な水が好ましいです。水槽の定期的な水換えをして、寿命を長くなるように飼ってあげましょう。夏場は1~2週間に1回、冬場は1か月に1回を目途に水換えを行います。また、水がよどんできたり、水温が上がってしまったりした場合も、水換えを行ってください。

まりもの洗い方

まりもの汚れも丁寧に取り除いてあげましょう。ぎゅっぎゅっと強く力を入れて洗ったり、水道の蛇口から直接強い水流をかけたりすることはNGです。そっと洗ってあげてくださいね。

水槽の中に、ビー玉や岩石などを入れてアクアリウムを楽しみたい方は、それらのグッズも汚れたままにはしないでおきましょう。


④環境

厳しい寒さが訪れる北海道の湖でも耐えられる、まりもには耐寒性があります。逆に耐暑性は低く、35度を超えると寿命が尽きてしまいます。まりもの飼い方で重要となる点です。30度を超えないようにしてあげたいものですね。夏場は、特に室内の温度や水槽の水温に気を配ってあげましょう。

まりもの光合成

湖の底面で、やわらかなお日様の光を取り込みながら、光合成を行う姿を心の中で思い描いてみてください。光が全くない暗闇では光合成を行えませんが、室内のやわらかな光で十分ということが、おわかりいただけるかと思います。

直射日光が当たる場所は、温度が急上昇して高温になり、寿命を縮めてしまいますので、決して置かないようにしましょう。

⑤浮遊について

まりもが底面から浮き上がって、漂っている場面を目撃することがあるかもしれません。これは光合成が関係しています。

光合成とは光のエネルギーによって、植物や藻類が、水や空気中の二酸化炭素から糖類を作り出し、その時に生じた酸素を放出します。光が多いと酸素も多くなり、水中ではたくさんの泡が生まれ、浮遊の原因となるのです。

まりもがずっと浮いていたら

浮遊していたまりもも、時間が経つと再び底面に戻っていきます。いつまで経っても沈まない場合は、注意深く見てください。中身がダメになっていたり、表面に別の藻がくっついていたりしませんか。まりもではない藻やくずが付着していたら、ハサミやピンセットを使って取り除いてあげましょう。

⑥増やし方

まりもの増やし方は難しい?

仲間が増えたらうれしいですよね。増やし方が気になるという方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、どんなに飼い方に気をつけていても、家庭での増やし方は極めて困難です。

自然界では糸のように長くなってきたら、分かれて数を増やしていき、湖の場所によっては、丸く形作って成長していきますが、それも大変長い年月がかかります。

壊れたまりもを丸める増やし方

人間の手によって丸められていたまりもは、その形を保てず崩れてしまうこともあります。優しく丸め直してあげてもいいですし、分かれさせて小さく丸め、いくつかの個数にする増やし方もあります。

手っ取り早い増やし方は残念ながら存在しませんので、藻の成長を気長に見守ってあげましょう。B品を使っての増やし方も一つの手段です。

B品の西洋まりも

B品となるため、形がまん丸ではなく楕円形であったり、少々いびつな形をしていたりとさまざまです。状態はB級品とは思えないほど、きれいで大きなまりもなので、こちらのようなお買い得商品を数個揃えて、増やしてみてはいかがでしょうか。

また、型崩れや部分割れをしている場合は、前述したように、あえて分かれさせて再度小さな個体を丸める増やし方も考えてみてください。

⑦餌は必要?

基本的に餌は不要です。観賞魚に餌をあげたり、植物に肥料をあげたりといった世話の仕方とは異なります。きれいで冷たい水と穏やかな光が何よりの餌となるのですが、通販サイトで販売されている「マリモのごはん」と「ミネラル鉱石」という餌がありますので、ご紹介します。

まりもの餌「マリモのごはん」

こちらは、まりもの餌「マリモのごはん」です。主成分は塩化マグネシウムや硫酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸水素ナトリウムとなっています。色艶が元気になってきた、ペットのように飼育している気分を味わえるといった喜びの声があります。

まりもの餌「ミネラル鉱石」

まりも飼育用の石 ミネラル鉱石

出典:Amazon

こちらは「ミネラル鉱石」です。水中にミネラルを溶出し、塩素は吸着除去するという水質調整剤の役目を果たします。

基本的に水道水でOKなのですが、「ミネラル鉱石」を使用すると、色が悪くなりかけていたまりもが生き生きとしてきた、光合成が盛んになった、底石用としておしゃれといったコメントがあるのも事実です。

⑧変色がみられたら

まりもが白く変色した場合


色が白っぽくなってしまった場合は、2つのことが考えられます。1つめは水が汚れていてカビが付着してしまったというものです。2つめは光を当て過ぎたことによって細胞が弱り、白っぽく変色するということがあります。いずれの場合も白い部分をハサミで取り除き、様子をみてください。

まりもが茶色く変色した場合

餌のあげすぎや水の汚れが原因で、茶色い苔が付着することがあります。このような場合は、軽くゆすり洗いをしてみてください。茶苔が取れますよ。

茶色く枯れてしまった場合は、枯れた部分をハサミでカットして、緑の部分が復活していくよう見守りましょう。完全に枯れていなければ、元気を取り戻す可能性がありますので、諦めないでくださいね。

⑨水草や魚と一緒は?

水草と一緒に飼育する場合は、水草が多すぎると苔や藻が発生しやすい環境となり、水が汚れやすくなります。水草は少なめがいいでしょう。

また、小魚やエビといった生物と、一緒には飼育しない方がベターです。餌を食べる生物を飼育する環境も水が汚れやすい上、まりもを食べてしまう生物もいるため、単体での飼い方をおすすめします。

まりもと水草のアクアリウム

こちらは、まりもと水草のアクアリウムです。置いておくだけで癒され、おしゃれなインテリアにもなることからプレゼントにも人気です。水草がたくさん付いていたら、間引いて量を調整してあげるといいですね。

⑩害虫がわいたら

まりもに発生する害虫

蚊が卵を産み付けるとボウフラが発生したり、水が汚れていると白くてうねうねとしたミズミミズが出現したりと、あまり嬉しくない状況を目にすることがあるかもしれません。

スポイトで害虫を吸い取り、水換えを行ってください。水槽の上にガラスプレートを置いたり、ボトルのフタをはめておいたりして、害虫の侵入を防ぎましょう。

魚が苔や害虫対策になることも

魚やエビといった生物とまりもは別々で飼う方が望ましいですが、メダカの水槽に茶色くなったまりもを入れたら、魚にきれいにしてもらえたという事例もあります。

また、魚が害虫を食べてくれたということも。いずれにせよ、生物と一緒に飼育する場合は、まりもの寿命を損なってしまわないよう、観察を怠らないことが大切です。

まりものアクアリウムで癒されよう!

まりもの育て方についてお伝えしてまいりましたが、いかがだったでしょうか。水換えを定期的に行ってきれいな環境を保つ、水温が上がり過ぎないように気をつける、やわらかな光で光合成させる、この3点を心に留めてまりもを飼ってみてください。

まりもは、普段の暮らしに癒しを与えてくれるアクアリウムとなってくれますので、大切に末永くかわいがってあげましょう。

アクアリウムが気になる方はこちらもチェック!

まりも以外にも、アクアリウムに関する記事がたくさんありますので、ぜひ読んでみてください。小さなガラス瓶の中に、癒しのグリーンワールドを作り上げる苔テラリウム、水草と生物のボトルアクアリウム、本格的な水槽を使ったアクアアリウムについても詳しく解説しています。