はじめに
ヌスビトハギはどんな植物か?花言葉や育て方紹介
ヌスビトハギという名前の植物をご存知ですか?萩という名前がきますが、実の正体は萩の仲間ではなく雑草として道端な空き地などによく生えている植物。どこでも見かけるありふれた雑草なので、別の呼び方で覚えているという人も多いかも知れません。今回はこの植物の葉っぱや種子の特徴から、その分布。花言葉や育ててみたいという方のための育て方も解説します。
ヌスビトハギ(盗人萩)について
ヌスビトハギという植物はどんな植物の仲間で、どこに見られる草なのか?まずは基本情報から紹介します。園芸用としては流通がない植物なので、フラワーショップやホームセンターなどではなかなか見ることができないので、今まで気にしていなかった方でもこの機会にヌスビトハギのことをもっと知りましょう。
ヌスビトハギの基本情報
科・属:マメ科ヌスビトハギ属
原産地:中国・朝鮮半島など
学名:Desmodium podocarpum subsp. oxyphyllum
育て方難易度:簡単
漢字名:盗人萩
ヌスビトハギの分布
この植物は日本・朝鮮半島・中国などで見られ、日本においては北海道から沖縄まで広い範囲に分布しています。山間部・平地・草地や森など場所を問わず見られることがありますが、花は小さく地味なので気づかず他の雑草と一緒に考えられていることも多いでしょう。
ヌスビトハギの開花時期
この植物は夏の花。7-9月が開花時期となります。夏はひまわりやアサガオ・サルビアやサルスベリ・日々草など多くの色とりどりの花が咲く時期でもありますので他の目立つ花の影になってあまり気づかれないこともありますが、控えめでおもむきのあるマメ科特有の形をした小さな花を付け、その色はピンク色をしています。
ヌスビトハギとアレチヌスビトハギの違い・特徴
世界中には全部で400種類くらいこの植物と同じ衣服にくっつくという性質を持った仲間がいます。簡単に他の種類と混じり突然変異しがちなので、似ているけれどどこか違うというものも見かけることがあるでしょう。その中で特に近年目立って増えてきたアレチヌスビトハギという帰化植物との違いを解説します。
アレチヌスビトハギとの違い
ヌスビトハギ科の植物は日本では9種類ありますが似たような種同士混雑して変わった形になることも少なくありません。そんなよく似た種類のひとつにアレチヌスビトハギというものがあり、とても似た姿をしているため間違われることも多いのですがこちらは日本には元々なかった海外からの帰化植物。草丈も大きくなり花も多めなのがこちらの種類の特徴であり、違いとなっています。
ヌスビトハギの特徴
この草の名前の由来は盗人(どろぼう)の足跡に種子の形が似ているところから来ているという説もあります。別名をくっつき虫・ひっつき虫などとも呼ばれる衣服にくっつく性質を持っています。その他葉っぱや種子・花をアレチヌスビトハギと比較してみましょう。
葉っぱの特徴
葉っぱは1つの枝に3枚の葉が出る3出複葉という形で、厚みは薄いです。植物全体の大きさが小さいので、葉の部分もそれに比例して小さめに感じるでしょうが基本的な付き方や形はほぼ同じものとなっています。
種子の特徴
種子には特徴的なくびれがあるのがこの草の特徴。似たような種子ではあるけれどより形がハッキリしているのでわかりやすいでしょう。わかりやすい形でいうと枝豆のさやがより三角になったような形。さやいっぱいに三角形の平たい種が入っているのがヌスビトハギ。アレチの方はさやの形に関わらず丸い豆のような種が見られます。
花の特徴
花は非常にちいさく目立たない植物です。帰化植物であれアレチヌスビトハギは花のサイズが大きいので、こちらよりもずっと目立つ草です。どちらも花後のさやに小さなトゲトゲがたくさんあって、それが鈎爪のようになっていることから、衣服に付くと取りにくく洗濯機をかけてもびくともしないと言われています。
ヌスビトハギ(盗人萩)の育て方
この植物を育てたいときは自然に生えているものから種をもらってきましょう。たくさん増えますので種まきする数には注意してください。好む日当たりや水や肥料やり・増やし方を紹介します。
ヌスビトハギの育て方1.置き場所
半日陰くらいがこの植物が好きな日当たりですが、日なたでも育ちます。育てる場合は市販の苗は売られていませんので、種を見つけて取ってきて植え付けることになるでしょう。背丈が1メートルくらいになるので他の植物の影にならないような場所に種まきするようにしてください。
ヌスビトハギの育て方2.土
元々雑草ですので土質はそれほど選ばず、強いて言えば水はけのよい養分を蓄えた土であればどんどん大きくなるでしょう。一般的な植物の栽培に用いる赤玉土と腐葉土を7:3程度混ぜ合わせたものを使用すれば問題ありません。
種まきの時期
特に寒い地方でなければこぼれ種で増える秋の時期が種まきをするのに向いています。心配であれば翌年春まで種を保存して春まきにしてもかまいません。
ヌスビトハギの育て方3.日常管理
鉢植えの場合は土が中まで乾いた状態でたっぷりと水分を与えるというやり方。地植えであればよほど真夏で何日も雨が降らないというときは除いて、ほぼ水やりの心配はありません。肥料を与えるならば、月2度程度の頻度で液体肥料をあげる程度で良いでしょう。肥料なしでも育ちます。
ヌスビトハギの育て方4.増やし方
そのままこぼれ種で増えますので、特におこなうことはありません。また多年草ですので根があれば枯れたように見えても翌年春にはまた同じところから若芽が出てきます。逆に増えすぎたり繁殖しすぎて困るくらいですので、時々刈り込んで大きさを整えてあげてください。
ヌスビトハギ(盗人萩)の花言葉
ヌスビトハギにも花言葉があります。名前から連想される言葉が付けられたのでしょうが、決して他の人にプレゼントして喜ばれるような意味ではないので注意が必要です。
ヌスビトハギの花言葉は「略奪愛」
最後にこの植物の花言葉ですが、あまり良い意味ではありません。略奪愛とは他の人から愛する人を奪う=どろぼう=盗人(萩)という意味から来ているのでしょう。また大きくなる草なので他の植物から土地を奪う・人の衣服にこっそり付いて種を運ばせそこで芽吹くという植物としての性質から付いたとも考えられます。
良い意味の花言葉ではないので使い方注意
このような略奪愛の花言葉を持つ草をもらって喜ぶ人はまずいないでしょう。うっかり他の人にあげたりすると深い意味がなくても勘ぐられて不快な思いをさせてしまうことも。またうっかりテーブルなどに飾っていると花言葉を知っている家人が見て驚いてしまう場合も。取り扱いには十分気をつけたい花です。
その他の花言葉
このほかの花言葉として思案という意味もあります。一部にはアレチヌスビトハギが思案と内気・この植物が略奪愛だという人もいます。よく似たふたつの植物に(特にあとから外国から入ってきた植物に対して)同じ花言葉があてられたと考えるのが妥当でしょう。
まとめ
ヌスビトハギはよく知られた野草
ヌスビトハギは草丈は高いですが花のサイズは小さめな野の花です。丈夫であまり環境に左右されず成長するので、家で育てるのにもとても簡単な植物。ただし丈夫すぎて他の花などの領地を奪う盗人になってしまうことも。大きくなりすぎないよう、こまめに刈り込みをしてきれいな姿に整えつつ管理していってください。
野草が気になる方はこちらもチェック
その他野に生えている植物の特徴やその食べ方、育て方など野草についてもたくさん解説しています。素朴で趣きのある草花で庭を飾りたい人、アウトドアなどで食べられる野草を知りたいという方、こちらも是非見てくださいね。
スイバとは?よく見る野草の特徴と意外に美味しい食べ方やその味を解説!
スイバとは野草としてよく見かける植物。雑草と思っている人も多いでしょうが立派な薬草であり食べられる山菜です。ヨーロッパではハーブとして栽培さ...
山野草「ショウジョウバカマ」とは?植物としての特徴や育て方を解説!
登山家やガーデナーなどから幅広い人気を持っている山野草。今回は、春の訪れを知らせるショウジョウバカマについて詳しく解説していきたいと思います...
【季節別】食べられる野草をご紹介!ただの雑草だと思ってない?
近年人気になっている食べられる野草。春夏秋冬ごとに食用になる野草とその調理方法をご紹介します。身近にあふれる食べられる野草の多さに驚くはず!...