はじめに
スイバの葉っぱは食べられる?その特徴・味を紹介
スイバは珍しい植物ではなくまた多年草で一度生えると冬でも消えてしまうことない丈夫な草本。ただ生えているだけと思っていてはもったいないような、生薬としての使い方や食材としての活用法がある実は便利なものです。スイバの特徴やその味や、別名とともに食べ方レシピもご紹介しましょう。
スイバについて
まずはスイバという植物がどんな植物なのか、日本ではどこに生えているのか・どんな利用方法があるといった基本的なことから見ていきましょう。
スイバの基本情報
科・属:タデ科ギシギシ属
原産地:北半球全域
学名/英語名:Rumex acetosaL./Common Sorrel
栽培難易度:簡単
スイバは日本の野に生える野草
スイバは日本全国の明るい日当たりのよい野に生えている野草です。葉っぱは楕円形をしていて食べると酸っぱい味がするのが特徴。繁殖力がとても強い私欲物なので他の草花に影響が強く、雑草のように扱われることも多いですがれっきとした野草として食べられるだけでなく薬としての効能もあります。
根草葉がすべて利用できる植物
スイバが利用できるのは葉っぱだけに限らずに根も生薬として昔から煎じて飲まれます。便秘や利尿の薬として使用される酸模(さんも)がこのスイバの根の部分。葉っぱと同様酸味のある味だけれど、時間がたつと黒く変色してしまうので食用・または薬草とするならばすぐに食べる飲むしてしまうのがおすすめ。葉っぱも根を煎じたものも味が変わるわけではないけれど、見た目がよろしくなく口にしたくなくなってしまうからです。
スイバの別名・ギシギシ
スイバはギシギシ科の植物で葉っぱの形もとても似ており同じものとされていたりするけれど別の植物であるとともにギシギシという名前はひとつの植物を指したり、同じグループ全体を言い表すこともあってあいまいで呼び方が難しいことも。スイバをきちんと他の人に伝えたいときには正しい名前を使った方がよいでしょう。
ギシギシという別名
ギシギシともいわれることがあるこの野草。しかしギシギシというのはスイバ単体ではなくスイバ属の野草全般の名前なのでそのすべてが食べられる野草として利用できるわけではないので注意が必要です。ギシギシの名前の由来は京都の方言やこすり合わせたときの擬音がギシギシと聞こえるなどの説がありますが、どれも有力なものとはなっていません。
ギシギシ以外の別名
ギシギシ以外に別名ヨーロッパではソレルといわれ、雑草ではなく立派なハーブとして扱われています。酸っぱいという特徴を表したスカンポやスカンボ、酸い葉というのが日本での別名です。
ギシギシとスイバは別の植物と考えることも
このギシギシとスイバの関係はギシギシという大きなくくりの中のひとつにスイバがあるというもの。どちらも薬草になるし食べることもできる植物だけれど別ものとして明確に分けられることも少なくありません。ギシギシとは呼ばずに意識してスイバと呼んであげた方がよいでしょう。
スイバの利用方法1.薬草
根の部分や葉っぱを煎じて生薬としても使われる事も多いスイバ。その効果の代表的なものを3つ見ていきましょう。スイバの意外な効能は日常のちょっとした体調不良のときに便利です。
スイバの薬草としての効果1.利尿作用
スイバが昔から使われてきたのは、尿が出ないときの薬としてでした。その使い方としては葉っぱを煮出したお茶を飲みます。それだけでなく、便秘にも効果があるので長期間でなくてむくむ、お腹が苦しいというときに飲み量に注意して少量ずつ飲んでみると良いでしょう。
スイバの薬草としての効果2.うがい薬
スイバのお茶を冷ましたものでうがいをすることで、殺菌作用もあるといわれています。うがい薬としての使い方もスイバの薬草効果のひとつです。
スイバの薬草としての効果3.やけど薬
やけど用にはスイバの実を使います。実を水で煮込んで冷ましたもので冷湿布とするのでやけどしてすぐの薬としては使用できませんが、あとあとまでやけどの熱が残る場合使用するとよいでしょう。
スイバの利用方法2.食用
食用となる野草であるスイバ。あまり栽培されている方はお見かけしませんがれっきとしたハーブの仲間としてヨーロッパではいろいろな料理に活用されているものです。またその味と秘密もお話しましょう。
スイバは食べられる
スイバは別名ソレルといわれるハーブで、酸味を加えてくれるよいアクセントとして西洋では多く用いられています。主な使い道はスープやサラダ。魚用のソースとしてもクリームと混ぜて使われます。後述でスイバソースの作り方レシピもご紹介しましょう。
酸っぱいスイバの味の特徴と秘密
スイバはその名前の由来ともいわれる酸味が特徴的な味となっています。この酸っぱい味の秘密はシュウ酸と呼ばれる成分で、このシュウ酸はたくさん摂りすぎるとお腹が痛くなる(下る)という成分なのでスイバの味が気に入っても食べ過ぎには注意が必要です。量は個人差があるので、最初は少しずつ食して、大丈夫であれば量を増やしていくとよいでしょう。
スイバ利用レシピ1.スープ
スイバについていろいろと基本情報をみてきたところで、ここからは野草でありハーブのこの植物を使ったおいしい料理の作り方をご紹介しましょう。まずはベーシックで有名なスイバスープの作り方から。根菜類がいろいろ入りますので葉物よりは先に柔らかく煮込んでから仕上げるようにするのがコツです。酸っぱいスープといえばトムヤムクンなどが人気ですが、西洋にも少し変わったこのようなスープレシピがあります。
ポーランド風スイバスープの作り方
ジャガイモ小1個 ニンジン1本の4分の1くらい セロリ10cmくらい スイバ一握り約30g 卵1個 スープストック3カップ 塩胡椒少々
スイバが酸っぱい味がするのはシュウ酸のせいだけでなくビタミンc由来によるものもあります。スイバはビタミンcが豊富な野草であるということですね。海外ではよくスープの具材として用いられるのも味と一緒に栄養をたっぷり含むからといっても過言ではないでしょう。
食べられるスイバレシピはこちら
作り方のポイントはスープに用いる根菜類を先に煮込んでおき仕上げにスイバを入れるようにするというところ。スイバを料理に使うときに変色が大きなネックとなるこの部分は、時間経過と共に色が変わるので食べる知欲前に入れるようにするとこの色がわりを予防することができますよ。食べ物は見た目のおいしさも重要なので気をつけてください。
スイバ利用レシピ2.サラダ
スイバは1年を通して見かける植物ですが、やはりやわらかくて美味しいのは春の新しい葉の時期です。フレッシュなものをきざんでサラダとして召し上がってみませんか。
スイバを加えたハーブサラダ
クレソン10本ほど ギシギシの新葉3枚ほど 鮭フレーク小瓶の半分
スイバは生でサラダとしても食べられるハーブです。野草として生えているものは生食で少し心配なら自分で栽培すると良いでしょう。こちらのレシピではギシギシを使っていますが、もちろんスイバでもOKです。若い葉をみじんぎりにして使いましょう。
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同じく春が旬のクレソンと合わせて大人な味のハーブのサラダとなっています。鮭フレークの濃いめの塩味と合わせるならドレッシングはさっぱり系が合うのではないでしょうか。クレソンも自生している植物ですので野草だけでもできるレシピです。
スイバ利用レシピ3.ソース
海外の動画ですが、魚のソテーに合わせるソースにスイバが使われていたのでご紹介します。ソースの作り方はとっても簡単。こちらでは生鮭を使っていますが他の白身の魚にも合うでしょう。
サーモンソテーのスイバソース
• 900 g fresh trout or salmon filet (flattened) • 80 g fresh sorrel leaves • 2 shallots (finely chopped) • 4 cl of Vermouth • 8 cl of dry white wine (Sancerre, or muscadet works fine) • 30 cl of fish stock ( see link below to see how to make it) • 40 cl of double cream ( heavy whipping cream • 1/2 lemon (squeeze into juice) • Salt pepper
こちらは海外の動画からのレシピなので分量が英語だけれど、登場しているCLとは見慣れない単位ですがミリリットルと同量なので読みかえれば良いだけです。ソースに用いるのはバター・白ワイン・生クリーム・エシャロットとスイバ。動画内で見る限り味付けはバターの塩分のみですので味見をして足りないようであれば塩こしょうを足してもよいでしょう。
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クリームとバターのソースができあがったところに最後にスイバを一口大にカットしたものを加えてひと煮立ちさせるだけです。白いソースにスイバの色もアクセントになっています。トッピングとしてサーモンの上にも添えていただきましょう。
スイバ利用レシピ4.ジャム
色濃いスイバジャムの作り方
スイバの若葉50g 砂糖50g
ジャムというと果実で作ることが多いけれど、スイバの葉で甘くて酸っぱいジャムを作るレシピがありましたのでご紹介しましょう。使用するのは葉と同量の砂糖のみ。スイバジャムとして赤いものも市販でありますが、冬場の葉で作ると赤くなるとクックパッドのレシピには書かれています。色が気になる方は試してもよさそうですね。
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日本ではあまり馴染みがないですが、スイバ(sorrel)ジャムは海外では市販品も売られているくらいポピュラーなジャムです。実が使われていることが多いですが、葉でも同様な甘く酸っぱいジャムが作れるので試してみる価値はありそうですね。しっかり火を通すので野草でも安心して食べることができるでしょう。
まとめ
スイバは葉っぱや根を薬草としても使える植物
よく見かけることがあってもその効能や味などよく知らない方も多いスイバという植物について、その葉っぱや根の薬草としての効用・食用としてのおいしいレシピなど見ていただきましたがいかがしたか?野に生えているものもありますが、自宅で栽培するのも簡単。スイバについて食べてみたいという方はぜひご自宅でも育ててみてはいかがでしょうか。
食べられる植物が気になる方はこちらもチェック
この他、食べられる植物についてもたくさん記事をご用意しています。葉っぱをお茶にして飲むハーブや焼いて食べるとパンみたいな味がする木の実など珍しいものがいろいろあるので、気になる方はこちらも是非見てくださいね。
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