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【季節別】食べられる野草をご紹介!ただの雑草だと思ってない?

近年人気になっている食べられる野草。春夏秋冬ごとに食用になる野草とその調理方法をご紹介します。身近にあふれる食べられる野草の多さに驚くはず!また食用にならない毒性の強い野草も紹介しています。最悪の場合、死に至るので注意!
更新: 2021年5月21日
すがや
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野草を食べる!

身の回りにある食べられる野草・雑草

普段意識しませんが、私達の身の回りには食べられる雑草がたくさんあります。いつも雑草だと思って見過ごしいていた草が実は食べられるなんてわかったら楽しいですよね。春夏秋冬にわけて食べられる野草・雑草を紹介します。

春に食べられる野草

春は食べられる野草・雑草が一杯!

春は食べられる野草・雑草がたくさんあります。しかも簡単に見分けられたり、採取も難しくないものが多いです。野草の採取をはじめるなら春がおすすめ?

春に食べられる野草1たんぽぽ

見分けも簡単なたんぽぽ

野草を食べる時の大きなハードルのひとつが食べられる野草の見つけ方でしょう。 その点がすごく簡単なのがタンポポです。タンポポは3月から5月ころに陽あたりの良い場所に自生します。

暖かくなってきたころに、タンポポを目にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか。いつも目にしているタンポポ、実は食べることが出来るんです。

たんぽぽの調理方法

たんぽぽはサラダとして食べることが出来ます。たんぽぽには外来種と在来種があり、サラダに向いているのは在来種です。在来種と外来種は総苞(タンポポの花の下の付け根の部分)で見分けられます。上向きになっていれば在来種、下向きならば外来種です。 また天ぷらにして食べても美味しいです。

栄養満点のたんぽぽコーヒー

たんぽぽの根を乾燥させて煎って粉末状に砕くことで、ノンカフェインのたんぽぽコーヒーをつくることができます。たんぽぽコーヒーは特に産後に良いと言われており、ビタミンとミネラルが大量に含まれています。

ただたんぽぽコーヒーは作るのが大変で1人分をつくるのだけでも、たんぽぽの根が8から10本ほど必要です。自家製する際は意外に大変な工程が待っていますので注意しましょう。

春に食べられる野草2ふきのとう

雪どけのころから生え始める

春の訪れを告げるふきのとうも食べられる野草です。ふきのとうは水が豊富な場所で、山の斜面や林の際などに2月から3月ころに自生します。雪どけのころがふきのとうが生え始める頃です。花が咲く前のふきのとうの顔が出始めた頃が食べるのに最も適した時期です。

ふきのとうの調理方法

ふきのとうはアクが強い野草です。天ぷらにする場合はそのまま揚げればよいですが、おひたしや和え物にする場合はアク抜きが必要です。塩を加えた沸騰したお湯で3分から4分ほど茹でて、その後すぐに冷水につけましょう。冷水にしばらくつけておくことでアクが抜けます。

ふきのとう味噌の作り方

春の食の楽しみ方としてふきのとう味噌があります。 ふきのとうの外側を一枚はがし、根元や葉先のなど黒くなってるところを取り除きましょう。水に浸してアクを抜き、熱湯で茹でます。

一度水にさらして水気を切ったあとにみじん切りにします。鍋を油で熱し、ふきのとうを砂糖やみりんや味噌などで好みの味付けで炒めて、水分が抜けてきたら完成です。

春に食べられる野草3つくし

栄養満点のつくし

つくしは全国で収穫することができ、ポピュラーな春の野草のひとつです。本州では3月中旬から4月に、北海道では5月に収穫できます。つくしにはビタミンCとビタミンE、カロテンが豊富です。冷え性改善、動脈硬化の予防、むくみ解消など、さまざまな効能があります。

つくしの調理方法

つくしは食べる前に下ごしらえが必要です。ハカマというふしについているギザギザの部分を取りましょう。ハカマは固くて食べられないため、取り除く必要があります。つくしの調理ではこのハカマを取る作業が一番大変かもしれません。

ハカマを取った後は30分ほど水にさらして沸騰したお湯で茹でます。茹でたあとは冷水に入れて一晩置きましょう。

天ぷらや佃煮として食す

つくしは揚げたり炒めたりする調理がおすすめです。天ぷらやかき揚げにしたり、お肉などと一緒に炒めたりすると美味しく頂けます。また醤油やみりんや砂糖と一緒に炒めて佃煮にするのも美味しいです。


夏に食べられる野草

暑い夏を野草で乗り切ろう!

夏の暑い時期は繁殖力の強い野草・雑草が多いです。また漢方として使われる効果・効能に優れる野草が多いのも特徴です。夏の野草に力をもらって、暑い夏を乗り切りましょう。

夏に食べられる野草1どくだみ

繁殖力が強い

薬用や漢方としてもよく知らているどくだみも食べられる野菜のひとつです。5月から7月によく自生しています。日陰に生えやすく、非常に繁殖力が強いです。

どくだみの調理方法

どくだみは天ぷらとして食べると、どくだみ特有の臭みを消えて美味しく頂けます。根っこの部分は使わずに葉の部分のみをあげます。薄いのですぐに揚がります。あとは、お好みの調味料で食しましょう。

どくだみ茶を作ってみよう!

高血圧や心臓病に効果があると言われているどくだみ茶。そんなどくだみ茶は自宅でも作ることが可能です。 採取してきたどくだみをきれいに洗い乾燥させます。しっかりと乾燥させた後は、適当なサイズに切ります。

煎じて飲むときは銅や鉄製のものでなく土ビンや耐熱ガラスなどを使いましょう。鉄製のものを使うと有害成分が発生してしまいます。

夏に食べられる野草2しそ

しそも野草に一種

スーパーなどでも売られているしそも食べられる野草です。しそは日当たりのよい場所に7月から8月ころに生えます。しそもどくだみ同様に繁殖力が強い野草です。環境さえ整っていれば毎年同じ場所で採取するということも可能です。

しその調理方法

薬味として重宝されるしそですが、その他に食し方があります。しそは天ぷらにしても美味しく、すぐに揚がるので揚げすぎないように注意しましょう。また天ぷらにする際に片方だけ揚げるという方法もあります。その他、にんにくと一緒にパスタと炒めて、塩と胡椒を加えてるしそとにんにくのパスタもお手軽で美味しいです。

夏バテにも効果的なしそジュース

しそジュースは夏バテの強い味方です。しそジュースは基本的に赤しそを使います。しそは水洗いしてよく水を切っておきます。沸騰したお湯にしそを入れて煮出します。10分ほど煮たらしそを取り出しましょう。あとは砂糖とクエン酸を加えて完成です。 暑い夏をしそジュースで乗り切ろう!

夏に食べられる野草3オオバコ

オオバコはよく見かける雑草

オオバコはたんぽぽやつくしやふきのとうのようにわかりやすい見た目ではないため最初は見分けにくいかもしれません。しかし、一度わかってしまえば比較的どこででも見つけられる雑草の代表格です。オオバコは4月から9月に主に人道や獣道の硬い土に自生します。

人道や獣道に自生するのは足裏などに付着して種子を遠くに運んでもらうためという理由があるようです。

オオバコの調理方法

オオバコは茹でて水にさらしておひたしや和え物にすると美味しいです。そのまま天ぷらにするという調理方法もあります。またオオバコダイエットというダイエット食材が市販されており、この粉末を使ってわらび餅やお好み焼きにして食べるという方法もあるようです。

身近に使われているオオバコ

オオバコにはせき・痰・蓄膿症の良いとされており様々な効果・効能があります。上記のダイエット食材など、私達の身近でオオバコは用いられています。

オオバコは咳止めの効能もあり、市販されているのど飴にオオバコが使われていうものも多いです。 普段雑草だと思って見過ごされているオオバコですが、意外にも私達の生活の中で活躍しているんですね。

秋に食べられる野草

収穫の秋の野草

たくさんの作物が実る収穫の秋。食べられる野草・雑草にも美味しく食せるもの、栄養満点のものが並びます。秋の幸を楽しく採取して、美味しく頂きましょう。

秋に食べられる野草1ギンナン


収穫が簡単なギンナン

イチョウの木の実なので、厳密には野草ではないですがギンナンは秋に食べられる自生しているサバイバル食品として有名です。ギンナンは9月ころから11月半ばまで収穫することができます。

手入れが楽なので広く街路樹として植えられています。ギンナンは比較的楽に採取できるのではないでしょうか。

ギンナンの調理方法

ギンナンは皮をむいてしまえば、後は様々な調理方法があります。シンプルに揚げたり、バターと一緒に焼いたり、炊き込みご飯にするなどお好みの方法で食しましょう。

ギンナンは食べ過ぎも注意!

ギンナンは食べやすく美味しいのでいくらでも食べられそうですが、食べ過ぎも注意が必要です。ギンナンは食べ過ぎると脳波異常や痙攣発作などの深刻な症状を起こすことがあります。死亡事故もおきていて、特に子供は食べ過ぎは要注意です。

秋に食べられる野草2葛

お菓子の材料や生薬にもつかえる葛

葛は8月〜9月に自生する野草です。荒れ地や山野で見られることが多いようです。つる性の植物でつるは10m以上に伸びます。葛はお菓子やとろみ付けの材料としてもよく用いられています。また生薬としても有名です。

葛の調理方法

葛は、花・葉・ツル・根の4つの部分がありますが、全て食べられるのが特徴です。特にツル部分を天ぷらとして食されることが多いようです。また葛の若葉をおひたしにして食べるという方法もあります。

葛根湯は葛からつくられている

風邪薬として有名な漢方に葛根湯があります。葛根湯は文字通り「葛」の「根」が主成分となっています。葛根湯は葛の他に生姜やシナモンなどの生薬を調合したものなんですね。 昔から葛は民間療法として広く用いられていたようです。

冬に食べられる野草

冬の寒さの中でも採取できる野草はあります。特に冬は七草粥の具材となる野草などを採取することができます。冬に食べられる野草・雑草を紹介します。

冬に食べられる野草1キクイモ

アメリカが原産

キクイモは黄色いキクに似た花が特徴の野草です。晩秋の11月から冬が終わるころの3月まで荒地や土手に自生します。キクイモはアメリカが原産で、江戸時代末期から明治時代にかけて日本に取り入れられたようです。戦時中には食用としてよく用いられていました。 キクイモという名前ですが、イモ科ではなくキク科に分類されます。

キクイモの調理方法

天ぷら、煮物、きんぴら、味噌漬けなどにして食すことができます。天ぷらの場合は皮を向いてから輪切りにします。その他の料理の場合は、皮をむいた後に一度茹でてから使いますよう。野草の中ではさまざまな調理方法に対応できる点が魅力です。また低カロリーな点も特徴です。

今後健康食品として注目される:interrobang:

キクイモにはイヌリンという成分が含まれており、近年イヌリンの健康効果がにわかに注目されています。イヌリンはダイエットや腸内環境改善、糖質コントロールなどの効能があります。今度、健康商品としてキクイモが注目されるかもしれません

冬に食べられる野草2ナズナ

春の七草のひとつ

ナズナは、春の七草のひとつで正月七日に食べる七草粥のひとつにも数えられる野草です。2月から3月のナズナが小さくて柔らかいうちが食べごろです。 ナズナは別名をぺんぺん草と言います。

「ぺんぺん草も生えない」という言葉は、ナズナが他の雑草が生えないような荒廃した土地でも自生するからそう言われるようになったそうです。「ぺんぺん草も生えない」というのは、厳しい冬でも生きられるナズナの強さを表しているんですね。

ナズナの調理方法

七草粥に使われるように、ナズナは冬の食べやすい雑草の代表格です。 よく洗って沸騰したお湯を通しおひたしにすると、色も鮮やかで美味しく食べられます。その他、天ぷらや酢の物、お味噌汁に入れるなどの方法で食せます。


ほうれん草に近い栄養成分

ナズナは健康野菜として知られるほうれん草に近い栄養成分が含まれています。カリウムやカルシウムなどはほうれん草よりも含有量が多いです。中国では漢方薬としも用いられているようです。

冬に食べられる野草3せり

せりも七草粥の具材のひとつ

セリは2月から4月という寒い冬から春先にかけて採取可能な野草です。小川や水田などに自生しています。ナズナ同様に七草粥の具材のひとつして数えられています。古事記や万葉集にせりを食していた記録があり、奈良時代ころから既に食されていたようです。

せりの調理方法

せりはさっと茹でて冷水で水を切った後におひたしにすると美味しいです。またお好みの具材とあわせてかき揚げにして食べるという方法もあります。せりの風味が活かされておすすめです。

せりはきりたんぽには欠かせない具材

せりは秋田の郷土料理であるきりたんぽには欠かせない具材です。きりたんぽでは根っこ付きのせりをふんだんに使います。せりの食感と風味がきりたんぽの美味しさを引き立ててくれます。

食用だけじゃない?毒のある野草に注意

野草は食用になるものばかりではない!

野草は食用になるものだけではありません。中には強い毒性を持つものもあります。食用だけではなく、食べると危険な毒性のある野草も紹介します。

食用だけじゃない!毒性のある野草1ドクウツギ

ドクウツギは美味しそうな見た目をしていますが、猛毒を持っており要注意です。口にしてから30分ほどで全身がしびれてめまいなどが起こります。最終的には全身がけいれんして死に至ります。絶対に口にしないようにしましょう。

食用だけじゃない!毒性のある野草2トリカブト

猛毒植物として有名なトリカブト。日本国内だけで30以上の種類が確認されています。花の形状が見分ける際に大きな手がかりとなりますが、芽吹いたころはセリやヨモギなどとの見分けが難しいです。少しでも不安を持ったなら口にしないことが賢明でしょう。

食用だけじゃない!毒性のある野草3ドクセリ

一見食用のせりと勘違いしてしまいそうになるのがドクセリです。毒性が強く上述のドクウツギ、トリカブトと並んで3大毒草と呼ばれています。 ドクセリは知識を持っている人でも食用との見分けが難しいです。不安な場合は食さないようにしましょう。

野草を採取してみよう

自分で採取して食べてみると楽しい!

野草には猛毒のものもありますが、それさえ気をつければ自分で採取して食べてみるというのは大きな楽しさがあります。日常の中の雑草や野草をいつもと違った視点で見てみましょう。そこには今まで見としていた食の宝物があふれているかもしれません。