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はじめに
シャクトリムシの成虫は?注意時期や駆除方法を紹介
見た目はとてもかわいいシャクトリムシ。動く姿も見ていて楽しいと感じる人も多く、あまり危険ないきものと思われていないフシがありますが、実はガーデニングをしている方にとってはとても困った虫となる場合もあるでしょう。成虫の姿や注意したい時期・おすすめの駆除方法や農薬などを詳しく解説していきます。
シャクトリムシについて
ひとくちにシャクトリムシと呼ばれていますが、実はたくさんの種類の総称でもあります。見た目の区別がつきにくい虫ですがその品種の数や名前の由来・なぜ害虫といわれるのかなどから見ていきましょう。
名前の由来
この虫を漢字で書くと尺取り虫。名前の由来は人が指で寸法を図る姿に似ていることから付けられました。(尺とは昔のサイズ規格で1尺は約30センチ)
シャクトリムシの成虫
この虫が大人になるといろいろな種類の蛾になります。シャクトリムシというのは日本において約50くらい種類がある昆虫。幼い姿は色や姿や生態・動き方が似ていても大人になるとまったく違った蛾の姿になり見分けが付くこともあるでしょう。
害虫とされるシャクトリムシ
かわいい虫として飼育される方もいるようですが、植物を育てている人にとってこの昆虫は害虫に数えられるのも多いでしょう。その理由は後述で詳しくご紹介しますが、主に葉の食害が被害としてあげられます。
シャクトリムシの生態1.夜行性
効果的に害虫駆除をおこなうにはその生物の生態を知ることも大切な要素。いくつかの要素に分けて、シャクトリムシの生態を解説します。まずはあまり知られていないその夜行性から。
夜行性の生態を持つシャクトリムシ
大きな種類はのんびりと枝に乗っていることもありますが、多くは見つけられず被害にあってから探すといた!というのもよく耳にすること。これはシャクトリムシが葉を食べるのが夜であるということに由来します。
生態によって発見しにくいシャクトリムシ
この虫が見つけられなかったり食害と結びつかないのはこの夜行性の食事時間によるもの。人をかじったり刺したりと痛みを与えるようなことはせず、動きがユーモラスなことからただのかわいい芋虫と思わせてその実はというのがシャクトリムシ被害の怖さです。
シャクトリムシの生態2.冬のシャクトリムシ
多くの生物が苦手として動きがなくなる冬の時期。この虫はどのような越冬しているのでしょうか?冬のシャクトリムシの生態は種類によっていくつかのパターンがあります。
シャクトリムシの冬の生態
たくさんの種類があるシャク蛾はさまざまな姿で冬を過ごします。成虫で冬を越す場合でも変温動物なので冬には木の幹などに擬態してじっと動かないものが多いですが、冬にだけ活発に活動するフユシャク蛾という種類もいるので注意が必要。
シャクトリムシが越冬する場所
多くが成虫で越冬し、冬が越せない種類は卵や蛹の姿で落ち葉の裏などでひっそり冬を越しているでしょう。冬に見つけて駆除したい場合は木の幹とその根元あたりを探してみてください。
シャクトリムシの生態3.大きくなった幼虫
餌である葉をたくさん食べ大きくなった幼虫はどこでどのように過ごすのでしょうか。見つけにくくなる幼虫の後半の生態は、ひと目を避ける傾向がありました。
幼虫の後半の生態
シャクトリムシのさなぎを見たことがある人はいるでしょうか?あまり見た記憶がない方も少なくはないはずです。たくさん植物を食べ大きくなった幼虫は見つけにくくなります。
大きな幼虫は落ち葉の下で蛹になる
この虫の幼虫後半は人の目が届かない植物の根元付近、落ち葉や葉の影に隠れて蛹の姿になります。食害の被害を受けており、その対称となる虫が見つけられない場合葉を裏返して探してみると見つかることもあるでしょう。また落ち葉掃除はこまめにおこない、燃やしてしまう・しっかり袋に入れて口を閉じゴミとして出すなどが増やさない対策となります。
シャクトリムシの生態4.発生頻度
時間がなくてあまり庭の様子を見てばかりもいられない。それでもやはり害虫は気になる。そんな人は大量に発生しやすい時期を狙って注意をしたり駆除・対策したいと思われるでしょう。そんな発生時期について見ていきましょう。
シャクトリムシの発生時期
この虫は年に何度か卵・幼虫・成虫のサークルを繰り返します。種類がたくさんあるので蛾によってもこのサークルの時期はずれてきますが、それぞれの生態が重なっている時期が6-10月の夏から秋の時期。このあたりが活動的になる種類が多く大量発生するでしょう。
シャクトリムシは年に3回発生する
一般的にこの虫は年に2-3回生態サークルを繰り返すといわれています。一度いなくなったといっても安心できないのがこの虫のいやなところで、またしばらくすると幼虫の姿を見るようになるでしょう。一度姿を見かけた植物は真冬以外は時々チェックしてみてください。
シャクトリムシの害虫被害
害虫被害1.食害
ここまでも何度もお話に出てきたように、葉や花のつぼみなどを大量に食べてしまうという被害を受けます。少しだけなら見た目は不格好になるけれど我慢のしどころがありますが、数も多くなり大量に食べられてしまうと植物が丸裸といいうことも。
害虫被害2.フンの被害
それ以外の被害としてこの虫が出すフンや出しながら移動する糸にあります。ネバネバした糸にフンや小枝などが絡まって木に付くので、取るのにも不快な思いをするのが多いでしょう。見た目も非常に悪くこれも被害といわれているものです。
シャクトリムシ駆除
この生物の生態もおわかりいただけたところで、いよいよ駆除方法を解説していきます。庭や農園などで農薬散布の経験がある虫の多くは耐性がついているものも珍しくありません。そんな虫の効果的な予防や対策方法をご紹介しましょう。
シャクトリムシ駆除は成虫・幼虫どちらが良いか
すでに食害されてからならばもちろん幼虫駆除方法ですが、成虫になってしまいすでに飛び立ったものに対しては駆除しないと翌年の被害に繋がります。根絶やしにするには成虫・幼虫両方の駆除が理想的。
成虫の駆除方法
この虫の成虫は様々な蛾となっています。成虫は植物の葉を食さないので害虫ではありませんが、卵を生んで幼虫が増えたら困るので成虫のうちに退治しておくのも効率が良い方法です。卵を産み付ける前に見つけたら駆除したいもの。
幼虫の駆除方法
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多くの害虫に効果があるスミチオン乳剤はこの虫にも即効性があり、噴霧するとすぐに下にポトポトと落ちてきます。スミチオンに耐性がある黒い種類などの場合はトレボン乳剤も試してみてください。どの農薬に耐性があるかは、それまで過ごしてきた過程によって変わります。同じ農薬ばかり散布すると耐性ができるからです。違う薬を試すのがおすすめの方法。
シャクトリムシ予防するならこの薬剤
オルトランDX
まだ虫の姿を見つけられていないけれど、葉の食害があるという場合は対策予防的な薬としてオルトランDXを株元に散布してください。植物の内部に浸透して食べてものを殺虫する効果がある薬です。
黒いシャクトリムシの正体は?
シャクトリムシは緑だと思われている方も多くときたま見かける暗褐色の同じような動きをする虫に驚く方も少なくありません。これらは同じ種類の生き物なのか?または別の生き物か?気になる黒い尺を取る虫たちについてご説明します。
緑のシャクトリムシの種類
フタホシシロエダシャク・ハグルマエダシャク・ツマキエダシャク・ヨモギエダシャクと緑色をしたものを簡単に名前を列挙してもこれだけの種類があげられます。この蛾の仲間・種類は50種ほど。中には茶色いものや黒いもの、模様入りのものなどさまざまなものが確認できます。中でも特に話題になることが多い黒いシャクトリムシとその駆除についてご紹介します。
黒いシャクトリムシの種類
ユウマダラエダシャク・カバエダシャクの幼虫は黒い姿をしているので、黒いものを見かけたらこの2つのどちらか調べてみると良いでしょう。〇〇シャクと名付けられる種類の蛾は幼虫のときにシャクトリムシのような形態・生態をしているものなので、上記ふたつでも違う場合はこの〇〇シャクの幼虫を調べてみると見つかることもあるでしょう。
黒いシャクトリムシに注意
黒い種類で特に注意して欲しいのが、この幼虫らは非常に丈夫で緑色用のシャクトリムシ用の駆除剤が効かないことが多々あります。退治するポイントは正しい種類を把握すること。それによって適正な駆除剤が見つかることも少なくありません。緑の幼虫用の薬が効かない場合におすすめの対処法です。
シャクトリムシ大量発生の原因は
1匹見かけたと思ったらいきなり数が増えているシャクトリムシの大量発生。その理由や原因には以下のようなことが考えられます。またひとつではなく複数の理由があることも。発生する前に取り除ける原因があればチェックしておきましょう。
発生原因1.好物の植物がある
前述のように多くの種類の生態サークルが重なるところで大量発生しやすいこともありますが、それが庭に集まってくる理由としてその種類が好む食料があるからに他なりません。何でも食べる種類と1つの植物にしかつかないイモムシもあるのでそれが近くにない場合はひとつのところにたくさん集まってくるのも仕方のないことです。
発生原因2.近くの家や畑で農薬散布がおこなわれた
幼虫の場合はあまり広範囲に移動しないのですが、蛾の成虫となると近くから避難してきてそこに居着く場合も少なくありません。特に畑や庭の植物の手入れをこまめにおこなう家が近所にある場合、そこから避難してきた虫が付くのはよくある話です。
発生原因3.前年に放置してしまった
前の年は1匹であったとしても、それが蛾になって卵を生むとその数は爆発的に多くなります。大量発生の前の年に葉が食われたことはありませんか?軽度だからと放置してしまった結果、翌年の大量発生につながるということも考えられるでしょう。
まとめ
シャクトリムシは原因を押さえて駆除しよう
シャクトリムシが発生する原因は多くの種類の生態が重なる時期・食べ物となる植物がある・他から逃げてきたものが集まるなどの理由が考えられます。いずれにせよ駆除しないと翌年からはまたこの大発生が続くでしょう。一時的に幼虫を退治しても成虫や卵が残っていては同じことの繰り返しということにも。虫の生態や越冬方法を知り、それにあった対策をしていきましょう。
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