はじめに
シロヨメナ(白嫁菜)の特徴や花言葉は
シロヨメナは漢字で書くと「白嫁菜」。日本の本州から南に広く分布するごくごくありふれたよく見かける野の草花ですが、その形が整っていること小ぶりながらたくさん美しい花を咲かせることからハイキングやトレッキングなど野を歩くことが好きな人々の目にたびたび止まることも多い野菊の仲間です。シロヨメナに限らず野菊の種類は似ていて見分けがつきにくいという方も多ですが、違いを知れば一目瞭然でシロヨメナを探しあてることができるでしょう。今回はこの特徴的な見分け方も含め花言葉を交えて詳しくこの花について解説していきます。
シロヨメナ(白嫁菜)について
まずはシロヨメナを含むヨメナがどのような植物の仲間であるのか科・属やその原産地と分布をご紹介しましょう。野菊は日本のあちらこちらに自生している花だけれど、特にこの花に関しては多くの地域に分布しているのがわかります。
シロヨメナの基本情報
森の小道でシロヨメナが咲いています。白くて小さな花です。#kanagawa_photo #ofuna #kamakura pic.twitter.com/NbhALcZFX0
— 神奈川県立大船フラワーセンター(公式) (@fcofuna) October 23, 2016
科・属:キク科アスター属(シオン属)
原産地:日本
学名/英語名:Aster ageratoides var. ageratoides/yomena
*中国から入ってきた菊と日本に古くからある野菊が混植したため生まれたものといわれていますがハッキリとしたことはわかっていません。
シロヨメナの分布
【桜ヶ丘公園】野草園にシロヨメナが咲いています。野菊の仲間では遅咲きです。
— 都立桜ヶ丘公園 (@ParksSakuragaok) November 1, 2018
#桜ヶ丘公園 #野草園 #植物 #シロヨメナ #SakuragaokaPark pic.twitter.com/zNmD0xAapV
日本の野菊であるシロヨメナは本州を中心に九州まで、海外では台湾や中国にも分布しています。中国にあるのものは一部帰化しているものもあるようです。ヨメナの種類はもっと狭い範囲で自生していることが多いのですが特にこのシロヨメナに関しては分布が広く多くの地域で見ることができるでしょう。
シロヨメナ(白嫁菜)の名前
ヨメナという花の名前の別名にはムコナ(婿菜)というものもあるそうです。そういわれると何か意味がありそうな名前に感じますがその実はどうなのでしょうか。
白いヨメナでシロヨメナ
まずヨメナという種類の野菊があって、その中で白い色をしているからシロヨメナと呼ばれています。ヨメナという名前、漢字で書くと嫁菜でこれは何も花嫁さんに限らず広く女性という意味で使われています。ロマンチックな伝説などを期待した方には申し訳ないけれど、この嫁菜という名前にはそれほど深い意味は存在しません。
ヨメナの名前の由来は女性が好む花から
今日の花×キュポはミカさんとシロヨメナ。野菊の1つで、秋ごろに白い花をまとまって咲かせます。「嫁菜」の名は、女性が好んで摘んだ花であるためといわれます。
— フヂマル (@0118Fumito) November 6, 2017
花言葉は「隠れた美しさ」。雑草とも呼ばれる花ですが、道端に小さく揺れる様はとても可愛らしいです。#キューポッシュ #花キュポ pic.twitter.com/A5193c1GSv
女性が好む花という意味の嫁菜。日本には古くからある原種的な野菊の花の中でも特に形がよいヨメナの種類は、あちらこちらに咲いていることもあって多くの女性の目に止まり、美しいものを手に取りたいという興味をそそられる対象となっていたのでしょう。
シロヨメナ(白嫁菜)の特徴
似た花や葉が多くて見分けがつきにくい野菊の種類。その中でもシロヨメナはわかりやすい特徴がありこれだけはわかるという人も少なくありません。ここでは花や茎・葉の特徴を詳しくご紹介していきましょう。
特徴1.葉っぱ
志賀ハイキングコース散策…#シロヨメナ (白嫁菜)キク科 シオン属
— いまさき ひろし (@imasaki_hiroshi) September 15, 2016
ノコンギクの仲間。日陰に自生しています。 pic.twitter.com/4JT6ODY16f
キク科であるシロヨメナ。キクの葉っぱは?というと多くの種類は比較的丸めな形でギザギザとまわりに切り込みがあるのが一般的ですが、シロヨメナは長くスッとした形が特徴。一部にはわずかにギザギザが確認できる種類もありますが、それでも長く細いのは変わりありません。
特徴2.花
花の形はいわゆるよく見かける野菊の姿そのものです。中心に黄色い環状花がこんもりとしていて、それをぐるりと囲むように食事に使うれんげの先のような形をした花びらがたくさん付いています。
特徴3.茎
茎は他の似た花との違いでも触れていきますのでここでは簡単に面白いシロヨメナの茎の特徴の覚え方をご紹介しましょう。「ヨメナは花(鼻)の下が長い」というもの。これはヨメナという種類の菊はバランスよく花序の元の部分から枝分かれしていくため全体に花が散らばりその様子は花から下の枝が長く見えることから称されたものです。
シロヨメナ(白嫁菜)の花言葉は「隠れた美しさ」
この花は日本原産の花ですので、他の海外産の花木と比べると花言葉は少なめで2つだけとなっています。それぞれ植物の特徴から付けられた意味を持っているのがわかるでしょう。
シロヨメナの花言葉の由来
【宮崎市版365日誕生花】
— みやざきの景観づくり(宮崎市景観課) (@miyazaki_keikan) November 6, 2018
11月7日の宮崎市版誕生花は「シロヨメナ」です!。ヨメナを小型にしたような草姿で、花色が白いため。花言葉は「隠された美しさ」。 pic.twitter.com/HdDxsVisVa
隠れた美しさという花言葉は野草でありキク科の植物の中の園芸種と比べると隠れてしまうような控えめな美であったため付けられたのでしょう。実際に野に咲いている姿は花ひとつひとつは確かに単純ではありますが、花数が多く咲くこと全体の姿が美しく花びらも放射状に整っていることから、決して目立たない花ではありません。
その他のシロヨメナの花言葉は
その他にこのシロヨメナの花言葉として「丈夫」というものもあります。こちらもやはり人の手が加わらなくてもたくさん花を付ける頑丈な野草・雑草の類であることから付けられた言葉なのでしょう。
シロヨメナ(白嫁菜)に似た花・イナカギク
特にポピュラーで名前が通っている野菊にイナカギクというものがあります。シロヨメナとよく似た花だともいわれるものなので、ここではそのふたつの見分け方に関して重点的に解説していきます。どんなところが似ていて、見分けるには何を見たら良いのか。この見分け方を覚えれば次からはひと目でふたつの花の違いがわかるようになるでしょう。
シロヨメナとイナカギクの似たところ
林縁部では白い花がよく目立ちます。これはシロヨメナ。葉の裏には3本の葉脈がはっきりしています。草原の中でよく見るのはシラヤマギクですが、それよりも豪華に見えるシロヨメナです。 pic.twitter.com/heC2AugdAg
— 美祢市立秋吉台科学博物館 (@akihaku_amnh) October 18, 2018
可憐なキク科の花はシロヨメナとイナカギクでなくても見分けがつきにくいという方も多いでしょう。分類のキク科アスター属(シオン属)と親しい間柄なので似ていても当然の話ですね。株全体の姿・花と葉茎のバランスやその形もとても似た様子をしています。
シロヨメナとイナカギクの異なるところ
ひと目でわかりやすいのが茎についている毛です。触れなくても見ただけでつるりとしているのがシロヨメナ。毛が生えているのがイナカギクです。もう少し葉っぱを観察してみると似てはいるけれど茎に根元が巻いているのがイナカギク。短いながら枝が出て葉っぱがついているのがシロヨメナの特徴です。
その他シロヨメナに似た花
イナカギクの他に似ているといわれる花を3つご紹介します。どれもヨメナ(ノコンギク)の仲間のキク科の花です。どうしても花の形や姿ではわからないという場合は、自生地に大きな違いがでてきますのでそれで判断するのもひとつの方法でしょう。
ユウガギク
近畿よりも北に分布する野菊の一種で、花はヨメナよりも小ぶりとなっています。葉も薄く切れ込みがハッキリしているのが特徴。花色は白というよりも淡く青紫のような色が入っているのでふたつを近づけてみるとその違いがわかりやすいでしょう。
オオバヨメナ
こちらは逆に四国や九州に分布しているヨメナのひとつで葉の形が特徴的な種類です。花びら1枚1枚が細くて数も少なく花としては少し寂しいものがありますが、葉がとても立派です。どちらかというとギザギザの多い朝顔のような形をしているのが特徴です。
カントウヨメナ
分布が広いシロヨメナと比べて関東以北と西の方には自生しないのがこのヨメナの名前の由来でもあるのでしょう。ヨメナの仲間は葉で見分ける方も少なくなく、この野菊は葉っぱのギザギザが目立っているのが特徴です。花も他のヨメナよりも多少小さめな場合が多いです。
まとめ
シロヨメナは白く美しい野菊
代表的な野菊のひとつシロヨメナの特徴や花言葉を見てきましたがいかがでしたか?他の同じ種類の花たちと比べると分布も広くほぼ日本のあちらこちらで見ることができる植物であると同時に、野生にしては整った美しい形や花数の多さ・バランスの良さから庭に植えたいという人も多い野の花です。山や野を歩いているとき、美しい野菊を見つけたらシロヨメナかどうか確かめてみるのもきっと楽しいことでしょう。
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