アナベルホワイト5号ポット
アメリカノリノキ・アナベルとはどんな植物?
梅雨時期に楽しめる真っ白な花を育てたいと考えている方におすすめなのが「アメリカノリノキ・アナベル」です。こちらは日本でもお馴染みのアジサイの一品種で、綺麗な白色が人気のポイント。育てるのは難しくありませんので、初心者でも気軽に育てられ、また夏越しや冬越しの心配もあまりありません。今回はそんなアメリカノリノキ・アナベルの特徴や育て方などを解説します。
アメリカノリノキ・アナベルの特徴
アメリカノリノキ・アナベルとは?
アメリカノリノキ・アナベルとは、アジサイ科アジサイ属(ハイドランジア属)に分類される、アメリカのアジサイの一種です。原産地は北アメリカの東部で、樹高は1~1.5mほどになります。特徴は画像のように、真っ白で大きな花房を付ける点で、この花房は直径30㎝にもなります。丸くてふんわりとした雰囲気が人気となっています。
アメリカノリノキ・アナベルは初心者でも育てやすい?
初心者の方が気になるのが「育てやすさ」ですが、日本のものと同様に、とても育てやすい植物となっています。手入れは僅かな剪定をしてあげる程度ですので、初心者の方でも問題なく育てられるのが嬉しいポイント。多少日陰になっていても育ってくれますので、場所の自由度も高い植物です。また、耐寒性も耐暑性も優れていますので、夏越しや冬越しも問題ありません。
アメリカノリノキ・アナベルの開花時期
開花期は6月~7月で、時期になると真っ白な花房を見せてくれます。また、後述するようにピンク色の品種もあります。最初から白色な訳ではなく、つぼみは緑色で、成長するに従って白色に変わっていくのが特徴。一般的な日本のものは夏から秋時期に花芽が出来て、それが翌年に開花するのですが、アナベルは春に花芽を作り、梅雨に花となるのが違いです。
ピンク色の品種
白色のものがよく育てられているのですが、新品種として、画像のようなピンク色のものもあります。こちらは色こそ違いますが、性質や育てるポイントなどは変わりませんので、元のアナベルと同様に育てられます。流通量も特別少ない訳ではありませんので、育ててみたい方はチェックしてみましょう。
アナベルの元の品種
実はアナベルは変種が品種化されたもので、元々はグランディフローラという品種でした。このグランディフローラが変わったものが、イリノイ州のアンナ市付近で発見され、それがオランダで改良されたものがアナベルなのです。元のグランディフローラも白色の花房であることは変わらないのですが、アナベルは手毬のように丸くふんわりとした形になるのがポイントとなっています。
アメリカノリノキ・アナベルの花言葉と名前の由来
アメリカノリノキ・アナベルの花言葉
綺麗な花が咲く植物ですので、花言葉も持っています。花言葉は「ひたむきな愛・辛抱強い愛情」です。ひたむきな愛は、小さくて可愛い花が寄り添っている所からイメージされた花言葉で、辛抱強い愛情は梅雨時期に雨に打たれる姿からイメージされています。また、ピンク色の品種は「寛容な女性」という花言葉もあり、ピンク色が女性らしさを表しています。ちなみに、元々のアジサイの花言葉は「移り気・浮気・高慢」と、少しマイナスイメージな花言葉を持っています。
アメリカノリノキ・アナベルの名前の由来
名前の由来は三つの説があります。まず、最初に変種が見つかったのがアンナ市で、「アンナの美人」という意味で名づけられたという説。次に、古代ローマの男性名アマビリスを女性化したアナベルが由来という説。最後に、エドガー・アラン・ポーという方が最後に残したアナベル・リーが由来という説です。どの説が正しい由来なのかは分かっていませんが、どれも興味深い説となっています。
アメリカノリノキ・アナベルの販売価格は?
アメリカノリノキ・アナベルの販売価格
アナベルホワイト5号ポット
アメリカノリノキ・アナベルの苗は比較的安価に販売されているのが嬉しいポイント。800~2000円前後で販売されていますので、気軽に購入出来ます。ただし、大きな苗や、ピンク色の品種は少し高く販売されている場合もあります。お店、またはネットショップで確認してみましょう。何本もセット売りされていることもありますので、沢山育てたい方はセットのものを購入しましょう。
アメリカノリノキ・アナベルの選び方
選び方で特別な点はありませんので、なるべく良い苗を購入しましょう。葉が青々としており、調子の良さそうな雰囲気のものを選びます。病気や害虫の被害があると良くありませんので、その点も見ておきたいところです。ネットショップでは購入する苗を選べないことが多いので、信頼出来るお店で購入するようにしましょう。
アメリカノリノキ・アナベルの育て方①環境
アメリカノリノキ・アナベルは地植え?鉢植え?
日本のものと同様に、地植えでも鉢植えでも育てられますが、基本的には地植えで育てた方が良いでしょう。鉢植えのメリットは移動が出来る点ですが、耐寒性や耐暑性が高い為、あまり移動させる必要はありません。また、それなりに大きく育ちますので、鉢植えにすると植え替えの手間もかかってしまいます。さらに、水切れに弱い植物ですので、地植えの方が水切れの心配が少ない点も有利となります。
アメリカノリノキ・アナベルに適した生育環境
日光が当たった方が花付きが良くなりますので、日なたで育ててあげると良いでしょう。少しくらい日陰になっても問題ありませんので、明るい日陰・半日陰程度の場所であれば問題ありません。湿り気がある場所を好みますので、乾燥しがちになるくらいであれば、少し日陰となるような場所の方が安全です。
アメリカノリノキ・アナベルの夏冬の管理
夏の温度は問題なく耐えられますが、水切れにだけ注意しましょう。夏の猛暑で乾燥して枯れる危険性がありますので、朝と夕方に、水やりが必要かどうかチェックします。また、株元を少しマルチングしてあげると乾燥を防げます。耐寒性も高いので、冬の寒さも問題ありません。北海道の屋外でも大丈夫です。ただし、雪の重みで枝が折れてしまう場合がありますので、雪がかなり積もるようであれば剪定してあげると良いでしょう。
アメリカノリノキ・アナベルの育て方②用土・植え付け
アメリカノリノキ・アナベルの用土
土は保水性があり、水はけの良いものが適しています。地植えにする場合は、元々の土に腐葉土を多めに混ぜて準備すると良いでしょう。鉢植えの場合は、草花用の培養土を使うのがおすすめです。生命力が強い植物ですので、悪い土じゃなければ問題なく育ってくれます。あまり神経質になりすぎずに、気軽に準備して下さい。
アメリカノリノキ・アナベルの植え付け
植え付けの適期は3~4月、もしくは10~11月になります。どちらの時期に行っても構いませんので、お好きな時に植えましょう。購入した苗をポット鉢から出して、根鉢を少しだけ崩します。根鉢よりも大きい植穴を掘り、苗を置いて、隙間に土を入れ、たっぷり水やりをすれば完了です。鉢植えもほぼ同様に行います。事前に腐葉土を混ぜていない場合は、植え付けの際に混ぜましょう。
アメリカノリノキ・アナベルの育て方③水やり・肥料
アメリカノリノキ・アナベルへの水やり
水が大好きな植物ですので、水切れには要注意です。地植えは雨水がありますが、鉢植えは地下水も上がってきませんので気を付けて下さい。乾いたらたっぷりと水やりをしてあげます。地植えの場合は、雨がしばらく降らずに乾いてしまった場合に水やりをします。夏場は昼に水やりをすると高温になってしまいますので、朝か夕方に水やりをするのがポイントとなります。
アメリカノリノキ・アナベルへの肥料
肥料は1~2月と、開花後の7~8月の二回に分けて与えます。どちらも、油かすや緩効性の化成肥料など、ゆっくりと長く効果のある肥料を与えるのがポイントです。鉢植えも地植えも変わらずに肥料を与えて下さい。
アメリカノリノキ・アナベルの育て方④植え替え・増やし方
アメリカノリノキ・アナベルの植え替え
鉢植えで育てた場合は植え替えが必要です。根を張るタイプの植物ですので、毎年植え替えしてあげましょう。植え替えせずに育てると、鉢の中で根詰まりをおこし、花付きが悪くなってしまいます。地植えの場合は植え替えは必要ありませんので、手間をかけたくない方は地植えをおすすめします。
アメリカノリノキ・アナベルの増やし方は挿し木
去年挿し木で貰ったアナベル満開に:relaxed: pic.twitter.com/fKEkPU8Q6H
— よりみち 加藤 繭子 (@Wcf8Kg1nkJEhtwl) July 3, 2016
増やし方は挿し木が一般的です。挿し木の適期は6~7月。この時期に新梢が堅くなってきます。3節ずつ切り取り、節の下1㎝の部分を斜めに切って下さい。切り口を1時間ほど水につけて吸水させたら、挿し木用の土に挿し木します。あとは日陰で水切れしないように管理しましょう。大体1ヶ月ほどで発根してきます。この6~7月に行う挿し木を「緑枝挿し」と言いますが、1~3月に「休眠枝挿し」として挿し木することも可能です。
アメリカノリノキ・アナベルの育て方⑤剪定・手入れ
アメリカノリノキ・アナベルの剪定
剪定の適期は秋~春ですが、2~3月頃がおすすめの時期となります。どれくらい切るかが悩ましい部分ですが、株元近くで切る強剪定でも、長めに残す弱剪定でも構いません。強剪定の方が体力を使いますので、特に問題が無ければ弱剪定すると良いでしょう。やり直したい場合は今日剪定で見栄えをリセットします。
アメリカノリノキ・アナベルの手入れ
問題なければ特別な手入れは必要ありません。開花時に重さに負けて枝が曲がっているようであれば、支柱で支えて倒れないようにしてあげましょう。数本の支柱を立てて、ひもをかけて支えます。その他、枝が枯れていたり、極端に枝を見つけた際は切り落として整えてあげて下さい。
アメリカノリノキ・アナベルの育て方⑥病気・害虫
アメリカノリノキ・アナベルの病気
アナベルはうどんこ病とモザイク病にかかる可能性があります。うどんこ病はうどんこ病とは、葉や茎が白くなり、まるでうどん粉をまぶしたような状態になる病気です。カビが原因でなのですが、カビ菌自体はどこにでもいますので、風通しを良くして予防に努めて下さい。モザイク病は葉に濃淡が出来る病気で、感染すると直せないので、見つけ次第切り取って処分しましょう。
アメリカノリノキ・アナベルに付く害虫
気をつけておきたい害虫が、カミキリムシです。画像のようなカミキリムシの幼虫が幹に入り、食害してしまう恐れがありますので注意しましょう。穴を開けますので、穴に針金などを刺して補殺して下さい。その他、ハダニなどの一般的な害虫も付きます。風通しを良くしつつ、薬剤等も使用して、病気や害虫を予防しましょう。
まとめ
今回の「アメリカノリノキ・アナベルとは?その特徴や育て方など基本情報を解説!」はいかがでしたでしょうか?日本のアジサイと同様に育てやすい品種ですので、気になる方はぜひ気軽に育ててみて下さい。風通しが悪いと病気や害虫の被害にあいやすくなりますので、混み合わないように管理するのも大切です。また、鉢植えで育てる場合は水切れに注意しましょう。
アメリカノリノキ・アナベルが気になる方はこちらもチェック!
今回はアメリカノリノキ・アナベルについて解説させて頂きましたが、他にも観葉植物・ガーデニングに関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。

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