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ベト病とは?気になる病気の原因や予防対策、治療方法まで徹底解説!

家庭菜園を襲う憎い病気・ベト病。ベト病とはいったいどんな症状が出る病気?かかりやすい植物の種類は?注意したい発生時期は?治療薬はある?無農薬でも予防できる?ベト病の原因とメカニズムから予防と対処法を知って、万全のベト病対策に臨もう!
更新: 2021年4月26日
しまうま花屋
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ベト病とは?

野菜がかかりやすい病気

ベト病とは、野菜に発生しやすい病害のひとつです。地域ごとに被害が広がってしまったり、全国で被害が大きく出る年があったりと蔓延しやすく、野菜農家を悩ませる病気のひとつでもあります。感染しやすく、また再発しやすいのが一癖も二癖もあるところです。

別名は露菌病

ベト病は「露菌病」とも呼ばれます。これらはベト病の葉っぱが濡れているだけで病気が広がってしまうという性質からつけられています。また、湿度が高い夜に蔓延しやすい性質から「夜露病」という別名もつけられています。

家庭菜園に要注意!

家庭菜園で育てやすい野菜にも出やすいのがベト病です。バラやクリスマスローズなどガーデニング草花にも被害が及ぶこともあります。蔓延しやすい病気ですが、早期発見・予防すれば怖くありません。 ここでベト病の予防方法と対策をよく知って、ベト病から菜園を守りましょう。

ベト病の症状は?

葉に斑点ができる

ベト病はまず葉に褐色や淡黄色の斑点ができます。見た感じは葉焼けしたような見た目になりますが、その斑点が徐々に全体に広がり、症状が進むと葉裏に灰色のカビが見られるようになります。湿度が高い時期にはそのカビがべとべとした様子になるので、ベト病と呼ばれています。

やがて黄変して落葉する

湿度が高くないときには葉がどんどんカサつき、さらに症状が進むと葉っぱが黄変して落葉し始めます。症状は下葉や外葉から発生することが多く、病気が進行すると株全体に一気に広がってしまいます。ひどくなると株ごと枯れてしまうのがベト病です。

植物によって症状が異なる

実はひとくくりにベト病と言っても植物ごとに病原菌の種類が違うため、症状もそれぞれ少しずつ違いがあります。植物の種類ごとに斑点の様子が違ったり、うどんこ病に症状が似ていたりと微妙に違いはありますが、葉裏に灰色のカビが見えるのが特徴です。

ベト病の被害に遭いやすい植物は?

キュウリ・タマネギ・バジルなど

ベト病は多くの野菜が被害に遭いやすい病気です。キュウリやスイカなどのウリ科の野菜、タマネギやネギなどのネギ科の野菜、ダイコンやキャベツなどのアブラナ科の野菜、さらにはキッチンハーブの定番バジルまで、その種類は多岐に渡ります。

ブドウも注意!

果樹で被害に遭いやすいのはブドウです。症状が全体に広がると葉が落ち、果実が育たなくなります。また、まだ実が小さいうちにかかると成長が止まって果実にカビが生えたり、カサカサになってミイラ化したりしてしまいます。

ベト病の原因とメカニズム

原因はカビ


ベト病の原因は糸状菌の一種で、いわゆるカビです。カビが原因の病気は、カビが胞子を飛ばすために蔓延しやすいのが特徴です。ベト病はツユカビ科に属するカビの一種ですが、自然界で作られるカビの一種で土中にも潜んでいるため、感染しやすいのです。

葉裏から侵入する

べと病の病原菌は葉裏の気孔から感染します。雨水や灌水の跳ね返りなどが原因で葉裏に付着したり、風で飛んできた胞子が葉裏に付着します。ベド病の病原菌は多湿を好むため、葉が濡れている状態が継続すると胞子が発芽しやすくなります。

ベト病にかかりやすい時期はいつ?

春先・秋口に注意!

ベト病の病原菌は気温が15〜20℃の頃に活発に活動します。しかし真夏や真冬に死滅してしまうわけではなく、地中や植物中に潜んでいた菌が気温が上がると活動し始めるようになるのです。そのため、春先や秋口に一気に蔓延するなどのケースがよく見られます。

雨が多い時期に蔓延しやすい

地中に潜むベト病菌が雨などで跳ね返り、葉裏に付着するケースの多いベト病の場合、梅雨や長雨が続く秋などにも蔓延しやすくなります。また、昼夜の気温差が激しい時期や、夜間の湿度が90%を超えるような時期にも多く発生するとされています。

ベト病対策①!予防の方法は?

マルチングが効果的

ベト病菌が付着しやすい主な原因のひとつは、雨水や灌水による土の跳ね返りです。それらを防ぐには、株元を敷きワラやビニールなどでマルチングするのが効果的な予防対策です。また、水やりの際は跳ね返りが少なくなるように丁寧にしてあげると良いでしょう。

雨を避ける

雨が続く時期には雨よけ屋根などを設置して雨よけをするのも効果的です。鉢植えの場合は雨の多い時期には軒下に入れておくと安心です。濡れた状態が続くと蔓延しやすくなるので、雨が降った後には葉の水を払ってあげるだけでも予防になります。

水やりは株元に丁寧に

土壌の跳ね返りを少しでも防ぐため、水やりの際にはなるべく跳ね返りが起きないように丁寧に水をやることが大切です。また、葉に水がついた状態が続くと感染が蔓延しやすくなります。特にハウス栽培や雨よけの場合は湿度が高くなる原因になるため、頭上灌水はなるべく避け、水やりは株元に行いましょう。

株間を空けて風通しを

風通しの良い場所を選んで植えたり、植える際には株間を十分に空けて風通しをよくすることも対策のひとつです。また、混み合った枝葉を整理することで葉が乾きやすくなり、濡れた状態が続くのを予防することもできます。特に下葉を整理してすっきりしておくと跳ね返りによる感染の予防になります。

肥料切れにも注意!

ベト病は弱った株にも発生しやすい病気です。日照不足や肥料切れなどを起こしている植物にもよく発生します。特に収穫期には肥料切れを起こして急にベト病が蔓延…なんてことも。追肥を行い、肥料切れを避けることで予防できます。

日没直前の水やりを避ける


特に春や秋は夜の気温が低く、日没直前に行った水やりの水が乾き切らずに多湿の状態を作ってしまうことがあります。日没直前はできるだけ水やりを避けると良いでしょう。また、水やりの際は株の上から水をかけることは避け、株元に丁寧にあげましょう。

ベト病対策②!かかってしまった時の対処は?

被害のある葉を落とす

ベト病にかかってしまった場合、まずは症状が出始めた葉を取り除きます。菌は胞子を飛ばしてどんどん繁殖してしまうため、少しでも症状が出ている部分は丁寧に取り除きます。一度ベト病にかかった葉を治療する方法はないので、こまめに葉を取り除きましょう。

被害が広がってしまったら…

被害が株全体に広がってしまった場合は、残念ですが株ごと取り除いてしまうのが一番の対処法です。少しでも症状が残った部分を残してしまって、湿度の高い夜に一気にほかの株に広がってしまっては手に負えなくなってしまいます。

きっちり処分する

症状が出てしまって取り除いた葉は、丁寧に集めて畑の外で処分しましょう。ベト病菌は自然界に常時存在する菌ですから、簡単には死滅しません。病葉が畑に落ちていたり、病葉を含んだごみを畑に置いたままにしておくと、また病気が蔓延してしまう恐れがあります。

同じ土壌での連作を避ける

ベト病菌は土壌にも潜み、なかなか死滅しないのが厄介な点です。もし前年ベト病が発生してしまったら、土をできる限り入れ替えたり鋤き込み、同じ種類の作物を植えるのを避けましょう。ベト病菌は作物によって病原菌が違うため、連作を避けるのは予防に効果的です。

ベト病対策③!治療方法は?

被害が止まらなければ治療薬を

病葉を取り除いても被害が収まらない場合は治療薬を使うことがもっとも有効な対策です。できるだけ症状のある葉を取り除き、殺菌効果のある農薬を散布しましょう。作物の場合、生育初期の段階に農薬の決められた量や回数をしっかり守って使用すれば、人体へはほとんど影響しないと言われています。

有効な治療薬は?

アミスター

ベト病にかかってしまった場合の治療には殺菌剤を使用します。作物によって病原菌が異なるため効果のある治療薬は異なりますが、アミスターなどの殺菌剤は菌を殺し、防除にも効果的です。市販の殺虫・殺菌剤でも環境に優しい成分のものがありますよ。

ベト病対策④!農薬で予防する

発生しやすい時期に予防を

農薬を効果的に使うには、ベト病が発生しやすくなる梅雨前から予防薬を散布しておくことです。使用方法と量・回数をしっかりと守れば、収穫前まで散布できる農薬がホームセンターなどでも手に入れることができます。薬剤に記載されている対象作物をきちんと読んで、適した薬剤を選びましょう。

有効な予防薬は?

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植物によって適した農薬の種類が変わってきますが、天然成分由来のサンボルドーはベト病だけでなくカビが原因の他の病気などの予防にも有効です。また、食品成分由来の膜によって病害虫を退治するセーフカダンなどの薬剤は、ベト病と同時にうどんこ病やアブラムシ・ハダニの予防に効き目があります。


ベト病対策⑤!無農薬で予防する

農薬の使用は避けたい方には

家庭菜園やキッチンガーデンなどの規模で、あまり農薬を使用したくない…という方も多いはず。そんな方に、無農薬でベト病を予防する方法をご紹介いたします。ベト病はかかってしまうと大変ですが、発生する前や発生初期にしっかりと予防を繰り返すことで避けられる病気です。

酢+とうがらし・鷹の爪

30〜50倍に薄めた酢に、とうがらしまたは鷹の爪を入れたものを葉に吹きかけます。酢はベト病だけでなくうどんこ病など他の病気にも高い予防効果を発揮してくれます。植物の芽が出始める時期から、2週間に1度ほど吹きかけましょう。ベト病は葉裏から侵入しますので、葉裏へもしっかりと散布します。

木酢液+とうがらし・鷹の爪

木酢液にとうがらしや鷹の爪を漬け込む方法もあります。予防の場合には500倍に薄め、ベト廟の症状が出てしまっている場合には20倍に薄めた木酢液を週に1回ほど散布すると治療効果もあります。木酢液には葉や茎の活性化を促す効果もあります。

まとめ

ベト病は蔓延しやすい!

ベト病の困ったところは病原菌が活動しやすい環境が揃ってしまうと一気に蔓延してしまうところです。一度被害が広がってしまうと、せっかく育てた野菜や花が枯れてしまうばかりでなく、土壌改良を行ったり被害があった株をしっかり処分したりと対処も大変です。

予防をしっかりすれば怖くない!

ベト病対策にもっとも有効なのは、ベト病が蔓延してしまわないようしっかりと発生時期前から予防を行うことです。症状が出てしまっても、軽いうちなら対処も簡単です。毎日の水やりの際によく植物を観察することも予防のひとつになりますよ。

もしベト病になっていても食べられる

ベト病の感染を避けることは容易なことではありませんが、軽度ならベト病にかかってしまった作物の実でも、傷んだところを除けば人体には影響はありません。しかし次に植える際にはしっかりと予防と対策をしましょう。

ベト病対策をばっちりして、おいしい家庭菜園や美しい草花を楽しんでくださいね。